ラベルさん先に結論です。「無添加の食材宅配」という決まった呼び名はありませんでした。10社の公式ページに書いてあったのは、使わないと決めた添加物の線引きです。その出し方が4通りに分かれました。使ってよい品目の数を出す会社、使わない物質の数を出す会社、いま使っている物質を名前で出す会社、数は出さずに用途の名前だけ書く会社。
数まで公開していたのは、10社のうち3社です。ただし3社はもとになる数も基準日も違います。315物質と93品目と62品目を横に並べても、どこが厳しいかは決まりません。この記事では、各社の線引きを公式の書き方のまま並べて、どこまでが比べられてどこからが比べられないのかを分けます。
数字と引用は、すべて2026年9月5日に各社の公式サイトで確認しました。申し込んでいないので、味や量には触れません。安全かどうかの判断もしません。出すのは公開されている表記だけです。
「無添加の食材宅配」という決まった呼び名はない

10社の公式ページで、添加物について書いてある文を1社ずつ開きました。最初に引っかかったのは数字ではなく、会社によって使っている言葉が違うことです。
「無添加」には法律の定義がありません。食品表示基準にも、無添加という区分は出てきません。この話は無添加とは何かをまとめた記事に書きました。定義が無いので、各社が自分で意味を決めて名乗ることになります。
実際、名乗り方は社ごとに違いました。
- 秋川牧園……宅配のページの見出しが「無農薬野菜、無添加食品の産直(産地直送)食材宅配」
- FIT FOOD HOME……「無添加調理」という言い方で、無添加とは言い切っていない
- シェフの無添つくりおき……ブランド名に「無添」が入る
- パルシステム、生活クラブ、コープ自然派……無添加という言葉を使わず、「使用を認めない添加物」「食品添加物の削減」と書く
同じ言葉で名乗っている会社は1つもありません。だから読む側がやることは、名前の比較ではなく、線がどこに引かれているかを1社ずつ読むことになります。
10社が公式に出している線引きを1枚にした

10社の公式ページから、添加物について書いてある文と数字を写しました。区分は、加入して組合員になる生協が3社、宅配便で材料が届く通販型が4社、味付けの済んだ料理が届く宅食が3社です。
| 会社 | 区分 | 公式が使っている言い方 | 出している数 | 基準日 |
|---|---|---|---|---|
| パルシステム | 生協 | 使用を認めない添加物 | 1,521物質のうち約20%が不使用(引くと315物質) | 2026年3月現在 |
| 生活クラブ | 生協 | 使用を許容している食品添加物 | 803品目のうち93品目 | 2026年5月末現在 |
| コープ自然派 | 生協 | 食品添加物の削減 | ポスティ62品目/caocao 496品目(使用を認めている数) | 2025年10月現在/2024年2月現在 |
| オイシックス | 通販型 | 原則として合成保存料・合成着色料を使用せず | 数の記載なし | ― |
| 大地を守る会 | 通販型 | 食品添加物は原則使用を認めません | 数の記載なし(一覧を作成し明示すると記載) | ― |
| らでぃっしゅぼーや | 通販型 | 今回は公式ページを開けず未確認 | 未確認 | ― |
| 秋川牧園 | 通販型 | 化学合成調味料や食品添加物を使用せずに | 数の記載なし | ― |
| FIT FOOD HOME | 宅食 | 無添加調理 | 認める例外は4つ、使用中は2物質 | 2026年9月5日に確認 |
| シェフの無添つくりおき | 宅食 | 保存料などの添加物は一切不使用 | 数の記載なし | ― |
| わんまいる | 宅食 | 調理工程で合成保存料・合成着色料は使用しておりません | 数の記載なし | ― |
数まで出していたのは、パルシステム、生活クラブ、コープ自然派の3社でした。FIT FOOD HOMEだけは数の意味が違い、使わない数ではなく、使うほうの数を出しています。
数を出した3社は、もとになる数も基準日も違う

3社の数字を、公表資料の書き方のまま写します。見てほしいのは数の大きさではなく、その数がどこから引かれているかです。
パルシステムは、品質保証レポート2025でこう書いています。「日本で認められた食品添加物は1,521物質(2026年3月現在)。パルシステムは使用目的と安全性の評価を行ったうえで、そのうち約20%を商品づくりに不使用としています」。同じ資料の表には区分別の内訳もありました。
| 区分 | 食品衛生法 | パルシステム基準 | 不使用 |
|---|---|---|---|
| 指定添加物 | 476 | 314 | 162 |
| 既存添加物 | 327 | 176 | 151 |
| 一般飲食物添加物 | 106 | 104 | 2 |
| 天然香料基原物質 | 612 | 612 | 0 |
| 合計 | 1,521 | 1,206 | 315 |
物質数は公表資料のままで、不使用の列だけ引き算しました。だから315物質は、パルシステムが出している数字ではありません。レポートに書かれているのは「1,521物質のうち約20%を不使用」までで、315は表の合計どうし、1,521と1,206の差です。20.7%と計算すれば「約20%」に収まります(品質保証レポート2025・2026年3月現在/2026年9月5日に確認)。区分ごとの読み方は生活クラブとパルシステムを同じ分母で並べた記事にまとめてあります。
生活クラブは、逆から数えていました。「現在、日本で使用が認められている食品添加物は約1,500種類あります。このうち、『天然香料』、『一般飲食物添加物』を除くと803品目です。生活クラブが使用を許容している食品添加物は、このうち93品目。約8分の1です」(2026年5月末現在)。
コープ自然派も、使ってよい数を出す書き方です。ただし会社全体ではなく、カタログごとに数が分かれます。ポスティ掲載商品は指定添加物38品目と既存添加物24品目で合わせて62品目(2025年10月現在)。caocao掲載商品は指定添加物296品目と既存添加物200品目で合わせて496品目(2024年2月現在)です。公式は前者を「9割以上の食品添加物の使用を認めていません」、後者を「約5割の食品添加物を規制しています」と説明しています。
ここでもとになる数を見ます。パルシステムの1,521には、天然香料基原物質612物質が丸ごと入っています。生活クラブの803は、その天然香料と一般飲食物添加物を外した数です。コープ自然派の指定476と既存327を足すと、こちらも803になります。
3社のうち2社は同じ803を土台にしていて、パルシステムだけ1,521を土台にしている。315という数が大きく見えるのは、母数がほぼ倍あるからです。
基準日もそろっていません。2024年2月から2026年5月末まで、2年以上ひらいています。同じ日の状態を並べているわけではない、というのは先に書いておきます。
使っている添加物を名前で出したのは1社だった

10社のうち1社だけ、数ではなくいま使っている物質の名前を公開していました。FIT FOOD HOMEです。書き方が2か所に分かれていたので、両方をそのまま写します。
読み物のページには、こうあります。「豆腐を固めるための『にがり』など、昔から食品を作るために不可欠とされてきたものは、4つに限り使用を認めています」。認める枠が4つ、という言い方です。
よくある質問には、その内訳の一部が出ていました。「〈FIT FOOD HOME(冷凍)〉……現在使用している『添加物』は以下のとおりです。【塩化マグネシウム(にがり)・水酸化カルシウム】」。塩化マグネシウムは豆腐を固めるとき、水酸化カルシウムはこんにゃくを固めるときに使うものです。
枠は4つ、名前が出ているのは2つ。残る2つが何なのかは、今回開いた範囲では書かれていませんでした。
同じ会社が運営するシェフの無添つくりおきは、書き方が違います。公式ページは「保存料などの添加物は一切不使用」で、例外の名前は出していません。保存料を使わずに4日もつ理由として挙げているのは、容器に窒素を封入する「窒素充填」と、調理直後に中心温度を3℃まで下げる「急速冷却」の2つの技術です。
会社としての約束を先に読みたいときは、名前まで出ている社が読みやすくなります。宅配弁当を商品単位で当たった結果は本当に無添加の宅配弁当はあるのかを調べた記事に置きました。
残る会社が書いていたのは、数ではなく用途の名前

数も物質名も出していない会社が6社ありました。かわりに書いてあるのは、保存料や着色料といった用途の名前です。公式の文をそのまま並べます。
- オイシックス……「原則として合成保存料・合成着色料を使用せず、天然の調味料を使用し、素材本来の味を生かした食品を取り扱っております」
- 大地を守る会……「食品添加物は原則使用を認めません。但し、製造上必要不可欠な場合(その添加物を使用しないと製品として成り立たない場合)、もしくは伝統的な製法で長年にわたり使用が行われている場合に限り、使用を許容します」
- 秋川牧園……「化学合成調味料や食品添加物を使用せずに」
- わんまいる……「調理工程で合成保存料・合成着色料は使用しておりません」
大地を守る会は、認めた添加物の名前と用途を書いたリストを作成して明示する、とも書いていました。ただし今回開いた基準のページに、その数は載っていません。
らでぃっしゅぼーやは、公式サイトが応答せず、基準の原文を読めませんでした。第三者のサイトには数字が出ていますが、公式で確かめられていないので、この記事では数として扱いません。
用途の名前で書く形には、はっきりした限界があります。合成保存料と合成着色料を使わないと書いてあっても、それ以外の用途については何も分からないということです。増粘剤も、乳化剤も、調味料(アミノ酸等)も、その文からは判断できません。
もう1つ。表示の決まりにも抜けがあります。加工助剤とキャリーオーバーには表示の義務がなく、原材料名に書かれていない添加物が中にあることもあります。この仕組みは加工助剤とキャリーオーバーの記事で条文から説明しました。
数が少ないほど無添加に近い、とは言えない

ここまでに出た数を、そのまま順位にはできません。理由を3つに整理します。読み飛ばされやすいところなので、数字を使って書きます。
- もとになる数が違う……パルシステムは1,521、生活クラブとコープ自然派は803。同じ「1品目」の重さが変わります
- 対象の商品が違う……生活クラブの93品目は生協全体の基準です。コープ自然派の62品目は、ポスティというカタログに載る商品だけの基準で、同じ生協のcaocaoでは496品目まで広がります
- 基準日が違う……いちばん新しいのが2026年5月末、いちばん古いのが2024年2月。2年以上の差があります
それから、使ってよい数が多い会社を、このサイトでは悪いとは書きません。添加物の数と体への良し悪しは、ここで扱っている表示の話とは別のものだからです。読んでいるのは各社が公開した基準で、判定しているのは基準の書き方だけです。
使える形にするなら、こう読みます。気になっているものを1つ決めて、その1つがその会社の線の内側にあるか外側にあるかだけを見る。保存料が気になる人にとって、天然香料612物質の扱いは関係がありません。
住んでいる場所で、申し込める会社が入れ替わる

ここまで基準の話をしてきましたが、生協は住所で使えるかどうかが決まります。3社の活動地域を、公式ページから写しました。
- パルシステム……東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、福島、山梨、長野、静岡、新潟の1都11県。都県内でも届かない地域があります
- 生活クラブ……北海道、青森、岩手、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、長野、山梨、静岡、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の21都道府県に33の生協
- コープ自然派……滋賀、京都、大阪、奈良、和歌山、兵庫、香川、徳島、高知、愛媛の10府県
この3行を重ねると、地域による差がはっきりします。愛知に住んでいるなら、3社のうち生活クラブだけが動いています。福岡は3社とも活動していません。九州や中国地方に住んでいる人にとって、315物質も93品目も、そもそも申し込める話ではないわけです。
住所で切られないのは、冷凍便で届く会社です。こちらも公式の記載を写します。
- FIT FOOD HOME……ヤマト運輸のクール宅急便(冷凍タイプ)。北海道は550円、沖縄は1,100円の追加送料
- わんまいる……兵庫県神戸市の冷凍物流センターからヤマト運輸で発送
- 秋川牧園……山口と関西の一部は自社便、それ以外はヤマト運輸。ただし北海道、沖縄、離島は対象外
冷蔵で届くシェフの無添つくりおきは、この中間にあります。冷蔵のため配達できる地域が限られていて、公式に郵便番号7桁を入れて確かめる画面が用意されています。
では、どこから見るか

10社に順位はつけられませんでした。かわりに、決める順番なら書けます。今回読んだ範囲から、4つの手順にしました。
- 自分の住所を先に当てる。1都11県ならパルシステム、10府県ならコープ自然派、21都道府県なら生活クラブが候補に入ります。どれも外れるなら、冷凍便の会社から見ます
- 気になっている添加物を1つ決める。保存料か、着色料か、調味料(アミノ酸等)か。全部を一度に見ようとすると、基準の文が長すぎて読み切れません
- その1つが線の内側か外側かを、公式で読む。用途の名前しか書いていない会社なら、そこに自分の1つが入っているかどうかで決まります
- 注文前に原材料名を読めるかを見る。会社の基準と、実際に届く商品の表示は別ものです。注文前に原材料名が読める宅配を調べた記事に、社ごとの公開状況を置いてあります
味付けまで任せたいなら、会社として使う物質を名前で出しているか、例外の範囲を書いているかが読みやすさに直結します。冷蔵で届くタイプの料金と仕組みは、下の公式ページで確かめられます。
シェフの無添つくりおき

- 初回26%OFF+初回の送料は無料
- 1回だけのお試しOK・定期縛りなし
- 化学調味料・保存料など不使用(公式表記)
キャンペーン内容は公式サイトでご確認ください
よくある質問
- Q「無添加」と書いてある食材宅配を選べば、添加物はゼロになりますか?
- A
そうはなりません。今回の10社で、添加物を1つも使わないと書いていた会社はありませんでした。FIT FOOD HOMEは認める例外を4つと書き、使用中の2物質の名前を出しています。生協3社は、使ってよい品目や使わない物質の数を出しています。あわせて、加工助剤とキャリーオーバーには表示の義務がありません。原材料名に書かれていないことと、中に入っていないことは別々です。
- Qパルシステムの315物質と生活クラブの93品目は、どちらが厳しいですか?
- A
この2つの数字を直接比べることはできません。315は「使わない物質の数」で、母数は1,521物質。93は「使ってよい品目の数」で、母数は803品目です。数える向きも、もとになる数も違います。基準日も2026年3月現在と2026年5月末現在で別々です。同じ803にそろえたときの読み方は、生活クラブとパルシステムを並べた記事にまとめています。
- Q生協に加入しないと、無添加をうたう食材宅配は使えませんか?
- A
加入なしで買える会社もあります。今回の10社では、通販型のオイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、秋川牧園と、宅食のFIT FOOD HOME、シェフの無添つくりおき、わんまいるが、出資して組合員になる手続きなしで注文できる形です。ただし基準の書き方は、数まで出す生協3社のほうが細かくなっています。
- Q全国どこでも届くのは、どの会社ですか?
- A
生協3社は住所で決まります。パルシステムは1都11県、コープ自然派は10府県、生活クラブは21都道府県です。冷凍便のFIT FOOD HOMEはヤマト運輸のクール宅急便で、北海道550円と沖縄1,100円の追加送料が別にかかります。わんまいるも神戸からヤマト運輸で発送します。秋川牧園は北海道、沖縄、離島が対象外と公式に書いています。オイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやの配送範囲は、今回は原文を確認していません。
まとめ:無添加の食材宅配で数が出ていたのは、10社のうち3社

10社の公式ページを開いて分かったことは3つです。線の出し方は4通りに分かれ、数まで出していたのは3社。その3社も、もとになる数が1,521と803に分かれていて、基準日は2年以上ひらいていました。
だから315物質と93品目と62品目は、並べても順位になりません。数の代わりに使えるのは、気になっている添加物を1つ決めて、それが各社の線の内側にあるかどうかを読むやり方です。
最初にやることは1つだけあります。住所を当てることです。1都11県ならパルシステム、10府県ならコープ自然派、21都道府県なら生活クラブ。どれにも入らないなら、冷凍便で届く会社から読み始めます。
宅配まで広げず、近所の売り場で済ませたい日もあります。そのときの見方はスーパーで無添加の食品を探す手順に書きました。原材料名のどこを見るかから始めています。
(PR)お試しセットなら、お安く始めることもできます。住んでいる地域で選べます。
- 全国:FIT FOOD HOME(冷凍のおかず・単品は5個から)

- 全国:わんまいる(旬の手作りおかず)

- 関東(1都11県):生協の宅配パルシステム

- 近畿・四国:生協の宅配コープ自然派(青果の6割以上が有機)


