ラベルさん「無添加」と書いた商品は、いまのスーパーではめったに見つかりません。それなのに、添加物が0品目の市販品は、ごく普通に売られています。
この2つは矛盾しません。パッケージの表に書く言葉と、裏の原材料名は、別のルールで動いているからです。
当サイトでは市販品の原材料名を1商品ずつ確認しています。その実データから、添加物0品目が確認できた売り場は7つありました。カット野菜、ヨーグルトのプレーン、納豆の本体などです。
いっぽうで、原材料名がそもそも付いていない売り場もあります。この記事では、買える売り場と買えない売り場をはっきり区切り、明日そのまま使える見方を1つに絞ります。
スーパーで「無添加」の文字を探しても、行き止まりになる

売り場で「無添加」の3文字を目印にする方法は、いまは機能しません。探し方が悪いのではなく、書ける条件が変わったからです。
理由は2つあります。
- この言葉には法律上の定義がない。国が中身を決めた用語ではありません
- 2024年3月末までに表示の見直しが求められた。何を抜いたのかを書かない表示は、誤認のおそれがあると整理されました
根拠は消費者庁の食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(令和4年3月30日)です。不使用である旨の表示について、食品表示基準に特段の規定はないと明記されています。認証もマークもありません。
そのうえで、対象を書かない単なる「無添加」は、誤解を招くおそれのある10のパターンの1番目に挙げられました。包装資材の切り替えを考えて、2年程度の猶予が示されています。その期限が令和6年、つまり2024年の3月末でした。
だからパッケージの表から3文字が減りました。中身が急に変わったわけではありません。言葉が引っ込んだだけです。
この制度がどう変わったかは、無添加という言葉のルールを扱った記事に書きました。
つまり、探す先を表の言葉から裏の原材料名へ移すしかありません。次の章から、その実データに入ります。
添加物0品目だった市販品は、7つの売り場にあった

添加物0品目の市販品は、実在します。しかも特別な自然食品店ではなく、いつものスーパーで手に入るものばかりです。
当サイトで各社の公式サイトから原材料名を1商品ずつ確認した結果を、売り場ごとにまとめます。ここでいう0品目とは、スラッシュ(/)の後ろ側に1件も表示がない状態を指します。
| 売り場 | 商品と表示 | 添加物の品目数 | 出どころ |
|---|---|---|---|
| 野菜 | サラダクラブ 千切りキャベツ120g/原材料名は「キャベツ」の1行 | 0品目 | 公式商品ページ |
| 野菜 | サラダクラブ ミックスサラダ100g/キャベツ、レタス、人参、レッドキャベツ | 0品目 | 公式商品ページ |
| 乳製品 | 明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン400g/生乳(国産)、乳製品 | 0品目 | 公式商品ページ |
| 納豆 | 6商品とも、納豆の部分にはスラッシュより後ろの表示なし | 0品目 | 納豆のたれの査定 |
| 米飯 | パックご飯6商品のうち、添加物の表示があったのは1商品だけ | 5商品が表示なし | パックご飯の査定 |
| 缶詰 | いわし缶6商品のうち、信田缶詰の水煮としょうゆの2商品 | 0個 | いわし缶の査定 |
| 冷凍野菜 | トップバリュ グリーンアイオーガニックの冷凍野菜8点/スラッシュなし | 0品目 | 冷凍食品の売り場の査定 |
| 冷凍のおかず | 石井食品 イシイのおべんとクンミートボール | 0個 | ミートボールの査定 |
取得日は、サラダクラブと明治が2026年8月29日です。ほかは各査定記事に書いたとおりで、2026年8月23日から27日にあたります。
カット野菜が0品目になる理由は、区分の話にもつながります。消費者庁の食品表示基準Q&A 第1章 総則では、単品の野菜を切っただけのものは生鮮食品です。
そして、オゾン水や次亜塩素酸ソーダ水で殺菌洗浄しても、区分は生鮮食品のままだと書かれています。生鮮食品に原材料名を書く義務はありません。だから千切りキャベツの表示は1行で終わります。
いっぽう、複数の野菜を混ぜたサラダは加工食品にあたります。こちらには表示の義務があります。それでもミックスサラダの原材料名は、野菜4種の名前だけでした。
乳製品の行にあるヨーグルトは1商品だけですが、同じ売り場を16商品まで広げて数え直しています。添加物0品目だったのは8商品でした。商品名は市販ヨーグルト16商品を数え直した記事にあります。
ここで断っておきます。0品目は「安全の証明」ではありません。その商品の原材料名に、書くべき添加物が1つもなかったという事実だけを示しています。
それでも意味はあります。パッケージの表に3文字がなくても、狙った商品は買えるということだからです。
見つかりやすい売り場と、そうでない売り場がある

0品目が出てくる売り場には、はっきりした共通点があります。素材に近いほど原材料名は短く、味と日持ちの工程が増えるほど長くなる。これだけです。
当サイトの査定記事の結果を、三段に区切ります。

| 段 | 売り場 | 表示に出てくるもの |
|---|---|---|
| 0品目が出る | カット野菜、冷凍野菜、プレーンのヨーグルト、納豆の本体、パックご飯、水煮の缶詰 | 食材の名前だけで終わる商品がある |
| 1〜3品目に収まりやすい | 豆腐、味噌、プロセスチーズ、練り物 | 凝固剤、酒精、乳化剤など、作るために要るものが中心 |
| 長くなりやすい | 調理済みの冷凍おかず、パックの惣菜、味つきの加工肉 | 調味料、着色料、増粘剤、発色剤などが重なる |
2段目の中身は、査定記事にそのまま出ています。
- 豆腐は、凝固剤のにがりだけで終わる商品があります
- 味噌は6商品中4商品に酒精の表示がありました。ふたが膨らむのを防ぐ役目です
- ちくわ・かまぼこは6商品とも、色をつける添加物と保存料が1つもありませんでした
この段の2つは、買える場所まで追いかけた記事があります。味噌は10商品のうち7商品が大豆と米と食塩で行が終わり、その商品名は酒精の表示がない7商品と販売先にあります。練り物は11商品に広げて数え直したので、スラッシュのない5商品がどこで売られているかのほうが細かくなります。
同じ形は醤油にもありました。醤油26商品を別に数えた記事では、0品目が5商品、1品目の13商品はすべてアルコールでした。
3段目は、言葉のほうにも注意が要ります。ソーセージ売り場の「無添加」は、発色剤を使っていないという意味でした。豚肉の量や塩の量とは関係がありません。
同じ理由で、ハムやベーコンの「無塩せき」も、塩を抜いた商品ではありません。発色剤なしで塩漬けする製法につけられた名前です。
その無塩せきを含めて12商品を数えたところ、添加物0品目は2商品でした。どちらもスーパー向けではありません。内訳はハムとベーコンの購入先をまとめた記事に置いています。
だから買い物の順番は、上の段から埋めるほうが早くなります。野菜と主食と乳製品を先に決めて、味つきのものを最後に回す。それだけで、裏返す袋の数がぐっと減ります。
見る場所は、原材料名のスラッシュより後ろだけ

売り場で確認するのは1か所だけです。原材料名にあるスラッシュ(/)の後ろ側。そこが添加物の欄です。
理由は、表示方法が国のルールで決まっているからです。消費者庁の食品添加物表示に関するマメ知識に、区分の仕方と並び順が示されています。使った量の多い順に並びます。
そのうえで、覚えておくと迷わない決まりが3つあります。
1つめは、用途名を必ず添える8つのグループです。この8つは、名前だけで済ませることができません。
甘味料・着色料・保存料・増粘剤、安定剤、ゲル化剤又は糊料・酸化防止剤・発色剤・漂白剤・防かび剤又は防ばい剤
つまり、保存料が使われていれば「保存料(〇〇)」の形で必ず出てきます。冷凍餃子や魚肉ソーセージで保存料の表示が1つもなかったのは、この決まりがあるから言い切れることです。
2つめは、まとめて書ける14の一括名です。調味料、香料、乳化剤、膨張剤、酸味料などがこれにあたります。1行に見えても、中身は複数のことがあります。
3つめは、書かなくてよい添加物があることです。マメ知識には、加工助剤とキャリーオーバーが挙げられています。
最終的に食品に残っていない食品添加物や、残っていても量が少ないために効果が発揮されない食品添加物、栄養強化の目的で使用される食品添加物については、表示しなくてもよいことになっています。
この3つめが効いてくる売り場が2つあります。
- 豆腐の消泡剤。加工助剤にあたる場合は書かなくてよいので、書いてある会社と書いていない会社に分かれます
- カット野菜の殺菌料。サラダクラブはよくあるご質問で次亜塩素酸ナトリウムの使用を公開したうえで、それ以外の添加物は使っていないと説明しています
だから、スラッシュより後ろが短いことは「使われた物質がゼロ」を意味しません。それでも、同じ売り場の商品を比べる道具としては十分に働きます。
スーパーでは届かないところがある

ここまでの見方が使えない売り場があります。原材料名がそもそも付いていない惣菜です。
店内で詰めて量り売りされる惣菜に、原材料名を書く義務はありません。表示が必要なのは、容器包装に入れられて販売される加工食品だからです。東京都保健医療局が食品表示法のまとめで示しているとおりです。
手を抜いているわけではありません。決まりのうえで、その義務がないだけです。ただ、買う側からすると確かめようがありません。
いっぽう、パックに入った惣菜なら表示があります。当サイトでスーパーの惣菜6商品の原材料名を確認したところ、添加物は1個から4個でした。多い商品でも4個です。
つまり、惣菜そのものが長いのではありません。中身が見えない売り方が混ざっているのが本当の問題です。
弁当も同じ分かれ方をします。店内で作ってその場で詰めたものには表示がなく、工場から届いたパック品には表示があります。同じ売り場に、読めるものと読めないものが混在しています。
その弁当を毎日にするとなると、道は3つに分かれます。自分で作るか、店で買うか、宅配に届けてもらうか。原材料名がどこまで出てくるかは3つで別々で、違いは毎日の無添加弁当を3つの道で整理した記事にまとめました。
そして、もう1つ埋まらないものが残ります。夕食の主菜です。
- 副菜と野菜……カット野菜と冷凍野菜で埋まります。0品目の商品があります
- 主食……パックご飯で埋まります。原材料が米と水だけと公式に書かれた商品もあります
- 今日のメインのおかず……味つけまで済んだ状態で買うと、スラッシュより後ろは長くなります
工場で味と食感を作り込む以上、ここは避けにくい構造です。冷凍ケースの査定でも、調理済みで添加物を使っていない商品は公式表示で確認できませんでした。
だから主菜だけは、店の外から埋めるほうが早くなります。抜いている範囲を公式に書いている宅配なら、注文する前に方針を確認できます。5社ぶんの公表内容は無添加のおかず宅配おすすめ5社に整理しました。料金と注文回数はシェフの無添つくりおきの検証記事にあります。
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明日、売り場でやることを1つだけ決める

最後は、明日そのまま使える手順です。気にするものを1つだけ決めて、その言葉が表示にあるかを確認する。これだけにします。
全部を確認しようとすると続きません。買い物は1回30分ほどで、商品は数千点あります。1つに絞ると、逆に判断が速くなります。
手順は3つです。
- 気になるものを1つ決める。保存料か、着色料か、甘味料か。どれでもかまいません
- いつも買う商品の袋を裏返す。原材料名のスラッシュより後ろだけを見ます
- 決めた言葉があるかを確認する。あれば、同じ売り場の別の商品と入れ替えられるかを検討します
保存料を選んだ場合、意外に空振りが続きます。パックご飯、いわし缶、冷凍餃子、ちくわ・かまぼこのいずれも、表示はありませんでした。
空振りも収穫です。気にしなくていい売り場が1つ確定するということだからです。塩けの強い梅干しのように、添加物より食塩相当量のほうが効いてくる売り場もあります。
その梅干しは、買える場所まで追いかけると12商品のうち7商品に添加物の表示がありませんでした。専門店の通販と自然食品店とスーパーの分かれ方は梅干し12商品の販売先をまとめた記事に置いています。
1週間も続ければ、自分の基準ができます。そうなると、表の3文字に振り回されることはなくなります。
よくある質問
- Qスーパーで完全に無添加の食品は買えますか?
- A
売り場によります。原材料名に添加物の表示が1つもない商品は、7つの売り場で確認できました。カット野菜、冷凍野菜、プレーンのヨーグルト、納豆の本体、パックご飯、水煮の缶詰などです。いっぽうで、味つけまで済んだ調理済みのおかずでは見つかりにくくなります。
- Q「無添加」と書かれた商品が売り場で減ったのはなぜですか?
- A
消費者庁が2022年3月に食品添加物の不使用表示に関するガイドラインを示したためです。何を抜いたのかを書かない表示は、誤認のおそれがあると整理されました。包装資材の切り替えに2年程度の猶予が示され、その期限が令和6年、つまり2024年の3月末でした。
- Q原材料名にスラッシュがない商品は、添加物ゼロですか?
- A
2つの可能性があります。1つは本当に使っていない場合、もう1つは改行や添加物欄で区分している場合です。原材料名の欄を最後まで確認して、食材の名前だけで終わっていれば前者です。なお加工助剤とキャリーオーバーは、使っていても表示されません。
- Qスーパーの量り売りの惣菜には、なぜ原材料名がないのですか?
- A
食品表示のルールで、原材料名などの表示が必要なのは容器包装に入れられて販売される加工食品だからです。その場で詰める量り売りは対象に入りません。パックに入った惣菜には表示があり、当サイトで確認した6商品では添加物は1個から4個でした。
まとめ:無添加はスーパーで買える。ただし売り場で答えが割れる

この記事の答えは3つです。
- パッケージの表の「無添加」は当てにできません。法律上の定義がなく、2024年3月末までに表示の見直しが求められました
- 添加物0品目の市販品は7つの売り場で確認できました。カット野菜、乳製品、納豆、米飯、缶詰、冷凍野菜、冷凍のおかずです
- 量り売りの惣菜には表示義務がなく、夕食の主菜も店の中では埋まりにくくなります
見る場所は1か所です。原材料名のスラッシュより後ろ。そこに、決めた1語があるかどうかだけを確認します。
明日やることは1つ。気にするものを1つ決めて、いつもの商品の袋を裏返す。それだけで、うわさではなく表示で選べるようになります。
主菜まで同じ基準で決めたいなら、抜いている範囲を公式に書いている宅配を1回だけ試す手もあります。料金と回数の考え方はシェフの無添つくりおきの検証記事で確認しています。
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