ラベルさん先に結論です。添加物の基準が狭いのは生活クラブです。国が認めている指定添加物と既存添加物の803品目のうち、生活クラブが使ってよいとしているのは93品目。パルシステムは、同じ2区分で490物質を使用可としています。差は397です。
そしてもうひとつ。商品ごとの表示を加入前に照合できるのも、生活クラブだけでした。パルシステムは会社全体の数字は毎年出していますが、注文前の商品ページに原材料名がありません。
この記事では、両社が公開している基準の数字を同じ分母に置き直し、用途ごとの約束を横に並べ、配達エリアと出資金まで一次資料で確かめます。基準の数字は2026年9月2日に両社の公式サイトと品質保証レポートで確認しました。商品ごとの実数は、当サイトが2026年8月29日に取得した生活クラブ85商品の結果を使っています。
生活クラブとパルシステムの添加物、基準が狭いのは生活クラブだった

両社の基準を同じ分母に置くと、生活クラブは803品目のうち93品目、パルシステムは803物質のうち490物質でした。
「生活クラブ パルシステム 違い」で調べると、配達の曜日や料金の話は見つかります。添加物については「どちらも厳しい」で終わる記事ばかりです。厳しさは、数字が並んではじめて比べられます。
ところが両社の公表の仕方は、そのままでは並びません。
- 生活クラブは「803品目のうち93品目を許容」と、使ってよい数で言います
- パルシステムは「1,521物質のうち約20%を不使用」と、使わない割合で言います
分母も違います。生活クラブの803は、天然香料と一般飲食物添加物を除いた数です。パルシステムの1,521は、その2つを含んだ数です。ここをそろえないと、比べたつもりで別のものを見ることになります。
そろえるための数字は、パルシステムの品質保証レポートに載っていた
幸い、パルシステムの品質保証レポートにあるのが区分ごとの内訳です。指定添加物は476物質のうち314物質、既存添加物は327物質のうち176物質を使用可としています。
指定添加物と既存添加物を足すと、食品衛生法の数は476+327で803。生活クラブが言う803品目と、ぴたり一致します。パルシステムの使用可は314+176で490物質です。
だから同じ分母で言えます。803のうち、生活クラブは93、パルシステムは490。割合にすると11.6%と61.0%。使ってよい数は、パルシステムが生活クラブの5.3倍です。
両社とも「使ってよい一覧」で管理している。違うのは見せ方だった

調べる前は、生活クラブが「使ってよいものの一覧」、パルシステムが「使わないものの一覧」で、方式が逆だと考えていました。一次資料を読むと、そうではありませんでした。
生活クラブの食品添加物の削減のページには「使用を許容する食品添加物」の一覧が置かれています。93品目という数字は、この一覧の件数です。
パルシステムの品質保証レポート2025の表も、列の名前は「パルシステム基準」で、中身は使用可能な物質数です。注記には、2025年11月の改定で使用可能な添加物数が1,170から1,206に増えたこと、ただし一覧表の表記を整理しただけで、使用不可から可能に変えたものはないことが書かれています。
つまりどちらも「使ってよい添加物の一覧」を持ち、そこに載っていないものは使わないという同じやり方です。逆ではありません。
違うのは、公表している数字の向きと分母
同じやり方なのに印象が違って見えるのは、公表の仕方が3つ違うからです。
- 数字の向き…生活クラブは許容する数、パルシステムは不使用の割合
- 分母…生活クラブは天然香料と一般飲食物添加物を外した803、パルシステムは含めた1,521
- 単位…生活クラブは「品目」、パルシステムは「物質」
とくに分母の差が大きいです。パルシステムの1,521には、612物質すべてを使用可としている天然香料基原物質が入っています。この612を含めたまま「約20%不使用」と言うと、絞り込みの度合いは小さく見えます。指定添加物と既存添加物だけで見ると、不使用は803のうち313物質で39.0%です。
数字の出どころも書いておきます。パルシステムのレポートに書かれているのは「1,521物質のうち約20%を不使用」という一文だけで、当サイトが別の記事で使っている「315物質」も含めて、具体的な物質数は本文には出てきません。315は内訳の1,521と1,206を引いた差(20.7%)、この記事の490物質と313物質も、同じ内訳表から指定添加物と既存添加物だけを取り出して足し引きした数です(品質保証レポート2025・2026年3月現在/2026年9月5日に確認)。
逆に生活クラブは、香料を最初から分母に入れていません。803に対する93という数字は、いちばん厳しく見える分母で書かれています。
ひとこと断っておきます。「品目」と「物質」の数え方が両社で完全に同じかは、公表資料からは確かめられません。生活クラブの93品目は、原材料由来のキャリーオーバーと粉ミルクの栄養素を除いた数だと注記があります。数え方に多少の差はあるとしても、93と490の開きは残ります。
同じ803を分母にして、両社の数字を並べた

並べたのは、両社が公表している基準の数字だけです。商品ごとの実数は、この表には入れていません。
理由は単純で、パルシステムの商品ページには注文前に原材料名がなく、当サイトも商品ごとの数を持っていないからです。当サイトの方針として、比較のために商品を新しく取り直すこともしていません。
| 比べる項目 | 生活クラブ | パルシステム |
|---|---|---|
| 基準の形 | 使用を許容する一覧 | 使用可能な一覧(パルシステム基準) |
| 指定添加物+既存添加物(803)のうち使ってよい数 | 93品目 | 490物質 |
| 803に対する割合 | 11.6% | 61.0% |
| 指定添加物(476)の内訳 | 非公開 | 314物質 |
| 既存添加物(327)の内訳 | 非公開 | 176物質 |
| 天然香料・一般飲食物添加物の扱い | 分母から除外 | 718のうち716を使用可 |
| 公表の言い方 | 約8分の1を許容 | 約20%を不使用 |
| 数字の時点 | 2026年5月末 | 2026年3月 |
| 商品ごとの原材料名(加入前) | 注文サイトで表示できる | 商品ページには出ない |

表を見て言えるのは1つです。使ってよい添加物の幅は、生活クラブがパルシステムの4分の1以下です。397の差は、数え方の細部で埋まる大きさではありません。
いっぽうで、生活クラブは区分ごとの内訳が非公表です。指定添加物と既存添加物のどちらを強く絞っているかは、公表資料からは読めません。内訳まで出しているのはパルシステムのほうです。
差が出た用途と、差が出なかった用途

用途ごとの約束を並べると、甘味料と発色剤とタール系色素は両社とも使わない。差が出たのは保存料、着色料全般、リン酸塩、そして表示の書き方です。
数字の幅だけでは、日々の買い物で何が変わるかまでは見えません。そこで、両社が公式に文章で約束している用途を並べました。
| 用途 | 生活クラブ | パルシステム | 差 |
|---|---|---|---|
| 甘味料(アスパルテームなど) | 禁止 | 甘味料用途の添加物は使用なし。ステビアなど植物由来も不使用 | なし |
| タール系色素 | 禁止 | 使わない | なし |
| 発色剤(亜硝酸Naなど) | 禁止 | ハムとウインナーに使わない | 範囲に差 |
| 保存料(ソルビン酸Kなど) | 禁止 | 用途としての公式の明記は見当たらず | あり |
| 着色料全般 | コチニール禁止、カラメルはⅠのみ許容 | 独自の基準で制限して使う。使った商品はある | あり |
| リン酸塩 | 練り製品と加工肉類には禁止。他は用途を限定して許容 | 公式の明記は見当たらず | あり |
| 化学調味料 | 要注意リストには載っていない | 7つの約束に不使用と明記 | 言い方に差 |
| 表示の書き方 | 公式の明記は見当たらず | 自社商品は原則、物質名で書く | あり |
表の「見当たらず」は、使っているという意味ではありません。今回読んだ公式ページとレポートに、その用途についての文章がなかった、という意味です。
差が出なかったのは、甘味料・タール系色素・発色剤
この3つは、両社とも「使わない」と言い切っています。パルシステムの発色剤だけは「ハムとウインナー」と品目を限った言い方です。発色剤はたらこや明太子にも使われるので、言い切りの範囲は生活クラブのほうが広い、と読むのが正確です。
生活クラブ側は、実物でも裏が取れています。当サイトが取得した冷凍おかず85品で、甘味料と発色剤の表記はどちらも0件でした。パルシステム側は商品ごとの表示が加入前に出ないので、約束と実物の照合はできていません。
差が出たのは、保存料・着色料・リン酸塩・表示の書き方
保存料は、生活クラブが要注意リストで禁止と書いているのに対し、パルシステムには用途として言い切った文章が見当たりませんでした。基準の一覧に入っているかどうかは、レポートの表からは読めません。
着色料は、生活クラブがコチニールを禁止、カラメルはⅠだけ許容と細かく分けています。パルシステムは「独自の基準で制限して使っている」で、使った商品があることも認めています。どちらも「ゼロ」ではなく、違うのは絞り方の細かさです。
リン酸塩は、生活クラブが練り製品と加工肉類に禁止、それ以外は用途限定で許容と書いています。パルシステムの公式ページには、この用途の文章が見当たりませんでした。
最後の表示の書き方は、方向が逆です。パルシステムは、まとめて書ける乳化剤や酸味料も、使った物質名をすべて書く方針を公表しています。生活クラブの85品の表には「乳化剤」「増粘剤(グァー)」のように一括名や短い書き方が並んでいました。この差で、袋の裏の品目数の見え方が変わります。同じ中身でも、細かく書く会社ほど品目数が多く見えます。
ここまでで分かったことは1つです。基準の幅は生活クラブが狭い。ただし表示の細かさはパルシステムが上。厳しさの種類が違います。
配達エリアと出資金は、重なる地域が11都県ある

両方を選べるのは11都県だけです。それ以外の地域は、どちらか一方しか届きません。
基準で選ぶ前に、そもそも届くかどうかがあります。生活クラブ連合会の基本情報によれば、会員は1都1道2府17県で活動する33の単位生協で、組合員の総合計は約42万人です。合わせて21都道府県になります。
パルシステムのヘルプには、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、福島、山梨、長野、静岡、新潟の1都11県で活動している、とあります。都県内でも届かない地域がある、という注記つきです。
2つを見比べると、こう分かれます。
- 両方が届く…東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、福島、山梨、長野、静岡の11都県
- 生活クラブだけ…北海道、青森、岩手、山形、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の10道府県
- パルシステムだけ…新潟の1県
関西と東海と北海道と東北北部の人は、比べる前に答えが決まっています。生活クラブしか届きません。
出資金は、加入時はどちらも1,000円。違いは毎月の積み立て
生活クラブのよくあるご質問には、加入時の出資金1,000円に加えて、毎月1,000円の積み立て増資を行なう、とあります。一部地域では金額が異なる、という注記つきです。
パルシステムのヘルプでは、出資金は一口1,000円で、利用開始後の積み立て増資は任意です。
どちらも脱退時に返ってくるお金で、費用ではありません。ただし生活クラブは毎月1,000円が自動で積み上がるので、口座から出ていく額としては年間12,000円の差になります。
では、添加物で選ぶならどちらか

使ってよい添加物の幅で選ぶなら生活クラブ、表示の細かさと内訳の開示で選ぶならパルシステムです。
決め方は、自分がどこを見たいかで分かれます。
- 基準を狭くしたい…生活クラブ。803のうち93品目で、保存料もリン酸塩の主要用途も禁止です
- 加入前に商品ごとの表示で確かめたい…生活クラブ。注文サイトの消費材ページがログインなしで出ます
- 袋の裏に物質名まで書いてほしい…パルシステム。一括名でまとめずに書く方針です
- 基準の内訳と年ごとの変化を追いたい…パルシステム。区分別の使用可数を毎年出しています
両方が届く11都県の人は、ここで分かれます。届かない地域の人は、自分の地域に届く生協の基準を表で確かめれば十分です。
生活クラブの85品で実際に何が書かれていたかは、冷凍おかず85品を品目数で並べた記事にあります。パルシステムの315物質の内訳の読み方は、品質保証レポートの表を分解した記事にまとめました。
生協以外も候補に入れるなら、注文前に原材料名が読めるかどうかで14社を仕分けた宅配14社の公開状況の一覧と、生活クラブと冷蔵の作り置き宅配を10項目で照らした生活クラブ対シェフの無添つくりおきの記事が入口になります。宅配に踏み切る前に、近所で済ませたい人はスーパーの7つの売り場で無添加の品を探した記事もどうぞ。
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よくある質問
- Q生活クラブとパルシステム、添加物の基準が狭いのはどちらですか?
- A
生活クラブです。指定添加物と既存添加物の803品目のうち、生活クラブが使ってよいとしているのは93品目、パルシステムは同じ2区分で490物質です。割合は11.6%と61.0%で、差は397あります。
- Q「約8分の1」と「約20%不使用」は同じ数え方ですか?
- A
違います。生活クラブの約8分の1は、天然香料と一般飲食物添加物を除いた803品目に対する許容数です。パルシステムの約20%は、その2つを含めた1,521物質に対する不使用の割合です。同じ803にそろえると、パルシステムの不使用は39.0%になります。
- Q商品ごとの添加物を加入前に確かめられるのはどちらですか?
- A
生活クラブです。注文サイトの消費材ページが、ログインなしで原材料名まで表示されます。パルシステムの商品ページには注文前の原材料名がなく、表示が出るのは加入後の注文画面です。
- Q両方が届く地域はどこですか?
- A
東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、福島、山梨、長野、静岡の11都県です。新潟はパルシステムだけ、北海道と青森、岩手、山形、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良は生活クラブだけが活動しています。都県内でも届かない地域はあります。
まとめ:生活クラブとパルシステムの添加物の違いは、使ってよい数が93と490

同じ803を分母にして分かったことは3つです。使ってよい添加物は生活クラブが93品目、パルシステムが490物質。どちらも「使ってよいものを並べた一覧」で、使ってはいけないものを並べた一覧ではありません。差が出た用途は保存料、着色料、リン酸塩、表示の書き方でした。
同じ「厳しい」でも、中身が違います。幅を狭くしているのは生活クラブ。書き方を細かくし、内訳を毎年出しているのはパルシステム。どちらが上かは、何を見たいかで変わります。
まずやることは1つです。自分の住所が11都県に入っているかを見る。入っていれば上の表で決め、入っていなければ届くほうの基準を読むだけです。
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