【有機JASは片方だけ】有機野菜の宅配2社、公式の言い方はここまで違う

黒い石の台に麻色の細い帯が輪にして置かれている 体に悪い?食品査定
ラベルさんラベルさん
有機野菜の宅配って、どこも似たようなものでしょ。……え、坂ノ途中は「有機」って言ってないの?
うーめんうーめん
公式に書いてある文章だけを並べたら、そこで分かれた。国の認証を取っている会社と、取らずに自分で基準を決めている会社があった。

有機野菜の宅配を2社ならべると、まず目に入るのは金額です。ところが公式サイトを開いて先に分かれるのは、「有機」と名乗っているかどうかでした。

先に結論です。ビオ・マルシェは野菜を全部、有機JASの認証で通しています。坂ノ途中は認証を取らず、「化学合成農薬、化学肥料は原則不使用」という自社の言葉で決めています。

この記事では、農林水産省が出している規格の原文と、2社の公式サイトに書いてある文章だけを並べます。数字はすべて2026年9月6日に公式サイトで確かめたものです。実際に注文して食べた話は入っていません。

「有機」と書けるかどうかは、畑ではなく認証で決まる

麻布の上に白い筒がひとつ立ち、光が斜めに差す

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「有機」と「オーガニック」は、「おいしい」や「新鮮」のような感想の言葉ではありません。名乗るための条件が国の制度で決まっています。

農林水産省の有機食品の検査認証制度のページには、こう書かれています(2026年9月6日に確認)。有機JASマークがない農産物、畜産物及び加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されている、と。

マークを貼れるのは、農林水産省に登録された登録認証機関の検査を受けて認証された事業者だけです。つまり「有機」の2文字は、農家や会社が自分で決めて書けるものではありません。

では、その認証は何を確かめているのか。有機農産物の日本農林規格の5.2.1には、ほ場の条件がこう書かれています(2026年9月6日に確認)。

  • 多年生の植物から収穫される農産物は、最初の収穫前3年以上
  • それ以外の農産物は、は種又は植付け前2年以上
  • その間、使用禁止資材が使われていないこと

使用禁止資材とは、化学的に合成された肥料や農薬などのことです。前の年にやめただけでは足りず、2年か3年さかのぼって条件を満たす畑でなければ、収穫物に「有機」とは書けません。

加工食品には別の規格があります。有機加工食品の日本農林規格の5.2は、原材料(食塩及び水を除く。)及び添加物(加工助剤を除く。)の重量に占める、有機ではない原材料と添加物の割合が5%以下でなければならない、と定めています(2026年9月6日に確認)。裏返すと、食塩と水を除いた重さの95%以上が有機の原料ということです。

そしてもう1つ。同じ規格の附属書Aには、有機加工食品に使ってよい添加物の一覧があります。有機酒類以外の表A.1に並ぶのは61品目。クエン酸、乳酸、塩化マグネシウム、香料、酵素などが、それぞれ使ってよい場面つきで載っています。有機は添加物が1つもないという意味ではありません。

2社が公式で名乗っている言葉を1枚にまとめた

黒い石の面に麻色の細い帯が二本垂れている

同じ「野菜の定期宅配」でも、公式が使っている言葉は重なりませんでした。並べたのは、ビオ・マルシェのお試しセットと商品ページ、坂ノ途中の「いまのところの」取り扱い基準と同・加工品バージョンに書かれている文章です。いずれも2026年9月6日に確認しました。

比べたところビオ・マルシェの宅配坂ノ途中
野菜の名乗り方「野菜は全て有機JAS(オーガニック)認証を取得した有機野菜」「化学合成農薬や化学肥料に頼らず育てられた野菜」
有機JASの認証野菜は全品で取得。2001年4月1日から有機JAS表示に全面的に切り替え公式に取得の記載なし。加工品の基準に「オーガニック認証については、あまり重きを置いていません」と明記
拠りどころにしている基準国の有機JAS制度自社の「いまのところの」取り扱い基準
加工食品の扱い有機加工食品を「取扱いの基本とします」。確保が難しいときは自社条件に切り替え1品ずつ確認して可否を判断。国産の原料を輸入の有機原料より優先
果物の表記有機果物として案内商品名に「特栽相当」「特別栽培」と付記
野菜の品目数有機野菜の品揃え約200種類年間500種類以上
産地の広がり契約農家は全国約300件、産地は西日本中心提携農家の8割が新規就農者
麻布の上に黒い石の板が二枚重ねて置かれている

表のいちばん上、野菜の名乗り方だけで、この2社は別の考え方だと分かります。ビオ・マルシェは国の有機JAS認証をそのまま使い、坂ノ途中は自分たちで基準を決めています。

どちらが上か下かという話ではありません。言い切れる範囲が違うという話です。次の2つの見出しで、それぞれの公式が何と書いているかを読みます。

ビオ・マルシェは、野菜を全部、有機JASの認証で通している

黒い石の壁ぎわに白い筒が二本並んで立っている

ビオ・マルシェは、野菜については例外なしで言い切っています。

お試しセットのページには「ビオ・マルシェの野菜は全て有機JAS(オーガニック)認証を取得した『有機野菜』」と書かれています(2026年9月6日に確認)。続けて「原則として農薬や化学肥料を2年以上使用していない畑から収穫された」という説明があり、これは有機農産物の規格が定める2年と一致します。

1983年に兵庫県西宮市の八百屋として始まり、1993年に独自基準、2001年4月1日から有機JAS表示に全面的に切り替えたとビオ・マルシェの想いのページにあります。契約農家は全国約300件、産地は西日本中心で、有機野菜の品揃えは約200種類だとお試しセットのページに書かれています。

では、加工食品はどうなっているか

ここが、この記事でいちばん確かめたかったところです。取扱商品は約1,500点以上ありますが、公式はそのうち何割が有機JASかという数字を出していません。

代わりに商品ページに「商品取扱い指針」が公開されていて、そこに範囲が書かれています。加工食品の項はこうです(2026年9月6日に確認)。

  • 有機JAS制度に基づいた有機加工食品を取扱いの基本とします
  • 国内で生産された有機農産物を原料とする有機加工食品
  • 国産の有機加工食品の確保が難しいものに限り、海外産の有機加工食品
  • 有機加工食品の確保が難しい場合、次の条件を満たす国産原材料。遺伝子組換え技術の使用がなく分別流通生産管理されたもの、放射線照射がされていないもの、有機JASで許容された食品添加物以外の使用がないもの

読み方はこうなります。加工食品は有機JASが出発点ですが、手に入らないときは自社の条件に切り替わります。そのとき使ってよい添加物が、さきほどの表A.1の61品目です。

農作物の項にも同じ作りの例外がありました。有機的生産を開始して1年未満のほ場のもの、栽培技術が確立していない特定の作物、予期せぬ天候による障害で表示ができなくなったものです。特定の作物の例として、りんご、ぶどう、桃、いちごが挙げられています。果樹は有機の条件を満たしにくいということが、ここからも読み取れます。

もう1つ、原材料名の読みやすさに関わる記載があります。会員に届くカタログの掲載品目は約800点で、野菜・果物は全て産地・生産者を、加工品は全て原材料を表記している、と公式が書いています。宅配14社のうち原材料名を先に読めたのは9社でしたから、加入後とはいえ全品に原材料の記載がある形は少数派です。

坂ノ途中は、認証を取らずに自社の基準で決めている

麻布の上に黒い石の角板が三枚重ねてある

坂ノ途中の公式に「有機JAS認証」の文字は出てきません。出てくるのは、自分たちで書いた基準の文章です。

「いまのところの」取り扱い基準というページに、はっきりした一文があります(2026年9月6日に確認)。セットにお入れするお野菜とお米は栽培期間中、化学合成農薬、化学肥料は原則不使用です。そして、この「原則」という言葉は2019年7月に書き加えたものだ、と注記までついています。

なぜ「原則」なのか。理由は栽培基準とその運用について(2019年8月1日付)に書かれていました。要点は3つです(2026年9月6日に確認)。

  • 毎日100軒の農家から200種類を超える野菜が届くため、出荷のたびの資材確認は行わない方針をとっている
  • 代わりに年に一度、生産者から圃場で使用する資材のリストを提出してもらい、内容を確認して共有している
  • 特別栽培と同等の基準である果物類は、出荷前に栽培履歴の確認を行う

同じページには、堆肥の原料にpH調整のための尿素のような化合物が混ざっている場合があり、その肥料で育てた野菜は有機JAS農産物とは認められない、という説明もあります。制度を知らないのではなく、知ったうえで別のやり方を選んでいる、という書き方です。

「特栽相当」という見慣れない表記の出どころ

坂ノ途中の商品名には「特栽相当」「特別栽培」という付記がよく出てきます。取り扱い基準には、個別に注文する野菜や果樹について、農薬や化学肥料使用の程度は最多・最大でも特別栽培農産物と同等、と書かれています。

特別栽培農産物は、農林水産省の特別栽培農産物に係る表示ガイドラインで定義された言葉です。原文はこうなっています(2026年9月6日に確認)。

  • 節減対象農薬(化学合成農薬から、有機JASで使える農薬を除いたもの)の使用回数が、その地域で慣行的に行われている使用回数の5割以下
  • 化学肥料の窒素成分量が、慣行的に使用される量の5割以下

有機JASのように第三者の認証を受ける仕組みではなく、栽培責任者と確認責任者を決めて表示するやり方です。同じガイドラインの「5 表示禁止事項」には、「無農薬栽培農産物」「無化学肥料栽培農産物」「減農薬栽培農産物」「減化学肥料栽培農産物」等の表示、という項目が並んでいます。「無農薬」は書いてはいけない言葉です。坂ノ途中が「不使用」という言い方をそろえているのは、このガイドラインに沿った書き方です。特栽相当という付記の意味は、坂ノ途中の特別栽培についての考え方に説明があります(2026年9月6日に確認)。

加工品については、はっきり言い切っている

加工品の取り扱い基準には、こう書かれていました。オーガニック認証については、あまり重きを置いていません、と(2026年9月6日に確認)。理由も添えられています。輸入のオーガニック原料で作られたものより、地元で栽培された原料を使ったものを優先的に扱う。オーガニックであればよいけれど、それには固執しない。

添加物についても、あまりに種類が多く簡単な線引きができないため、基本的にひとつひとつを調べたうえで可否を判断していく、とあります。表A.1のような一覧は持っていない、という宣言です。

言葉で判断できる範囲は、ここで終わります。個別の商品で見たい人は、原材料名のスラッシュより後ろを読むしかありません。読み方だけを整理したのがオーガニックと無添加が別の話になる理由です。

(PR)基準の文章を読んで納得できたなら、あとは実際に届く野菜で確かめる番になります。旬のお野菜セットは、その最初の1回にあたります。

季節の移ろいを感じられる旬のお野菜セット

お試しと定期の条件を、公式の数字で並べた

窓辺の黒い床に麻色の細い帯が三本置かれている

始め方と、やめ方も違いました。ここはビオ・マルシェのご利用ガイドと坂ノ途中の旬のお野菜セットのページを2026年9月6日に確認した内容です。

項目ビオ・マルシェの宅配坂ノ途中
最初に頼めるもの有機野菜のお試しセット
旬の有機野菜8〜9品目
旬のお野菜セット[定期宅配]
S7品/M9〜11品/L13〜15品
その金額(税込)1,500円(通常会員価格3,290円の多菜セット)初回S 1,280円/M 1,780円/L 2,480円(通常はS 2,670円/M 3,550円/L 4,760円)
送料お試しは全国送料無料。一部離島は追加1,650円が発生する場合あり3回目まで無料。以降は定期利用中690円、北海道と沖縄は+1,100円
定期に切り替わるか切り替わらない。お試しは1回だけで、続けるには改めて入会お試しではなく定期宅配の初回。続く前提で申し込む
年会費990円(1年ごとの更新、更新月は入会月)不要(入会金も不要)
届く間隔週1回。隔週や4週に1回にも変更できる毎週・隔週・4週ごとから選ぶ
休むとき注文締切までに連絡すれば、お届け週ごとにキャンセル・変更ができるマイページでスキップ。次回お届け予定日の4日前まで
やめるとき窓口へ連絡。違約金はなし。年会費の返金はなし継続期間の条件はなし。マイページで停止
配達エリア自社便コースとヤマト宅急便コース。ヤマト便は北海道880円、沖縄1,650円の地方追加送料全国(京都から3日以上かかる地域は除く)。自社便は京都・大阪・兵庫・東京・神奈川のみ
野菜以外約1,500点以上。カタログ掲載は約800点お米、卵、調味料、コーヒーなども定期宅配に追加できる

差がいちばん出るのは、最初の1回で止められるかどうかです。ビオ・マルシェのお試しは1回だけの単発で、公式が「自動継続ではございません」と書いています。坂ノ途中の初回価格は定期宅配の1回目なので、続けない場合は期限までにマイページで止める必要があります。

もう1つ、年会費990円が高いかどうかは、使う回数で変わります。週1回で1年使えば1回あたり20円ほど、月1回なら1回あたり80円ほどです。金額の大きさより、使う頻度を先に決めてから入るほうが判断しやすくなります。

(PR)坂ノ途中のほうで始めるなら、初回はS 1,280円で、続けないと決めた場合は次回お届け予定日の4日前までにマイページで止めます。

初回限定:お野菜の定期宅配【坂ノ途中】

認証のあるなしは、優劣ではない。では、どこで決めるか

麻布の上に黒い石のかけらが四つ並んでいる

ここまで並べた話は、どちらの野菜が体にいいかという話ではありません。有機JASは栽培の方法と表示の使い方を決めた制度で、成分や健康への影響を順位づけるものではないからです。

認証を取るには検査と費用がかかり、書類も要ります。少量で不安定な出荷をする新規就農者と組む会社が、そこに力を割かないという判断もありえます。坂ノ途中が「あまり重きを置いていません」と自分で書いているのは、その判断を隠していないということです。

逆に、認証があっても中身が全部そろうわけではありません。有機加工食品には61品目の添加物が使えますし、ビオ・マルシェの加工食品も有機JASは「基本」であって全品ではありません。

そのうえで、決め方は2つに分かれます。

  • 言葉の裏づけで決めたいなら、ビオ・マルシェ。野菜は全品が国の認証で、確かめる先が公開されている
  • 書いてある中身を自分で読んで決めたいなら、坂ノ途中。基準の文章が長く公開されていて、判断の理由まで読める

どちらにも当てはまらないのが、「野菜より先に、いま使っている加工食品を見直したい」という場合です。まずは近くの売り場から始めるほうが早く、表示の品目が出なかった食品を売り場ごとに調べた記事にまとめてあります。切ってある野菜のほうを探しているなら、有機のカット野菜が置いてある売り場のほうが近道です。

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野菜ではなく味つけの済んだおかずを探している人には、おかずの宅配を公式表記で並べた記事もあります。

よくある質問

Q
有機野菜の宅配で「有機」と名乗るには、何が必要ですか?
A

有機JASの認証です。農林水産省は、有機JASマークがない農産物、畜産物及び加工食品に「有機」「オーガニック」などの表示を付すことは法律で禁止されている、としています。検査をするのは、農林水産省に登録された登録認証機関です。

Q
坂ノ途中の野菜は、有機野菜ではないのですか?
A

公式は「有機」ではなく「化学合成農薬や化学肥料に頼らず育てられた」という言い方をしています。セットの野菜とお米は栽培期間中、化学合成農薬と化学肥料が原則不使用、というのが公表されている基準です。認証を取っているという記載は見当たりませんでした。

Q
有機JASの加工食品なら、添加物は入っていませんか?
A

入っている商品もあります。有機加工食品の日本農林規格には使ってよい添加物の一覧があり、有機酒類以外の表A.1には61品目が載っています。クエン酸や乳酸、塩化マグネシウム、香料などです。有機の条件は、原材料のうち食塩と水を除いた重さの95%以上が有機であることのほうにあります。

Q
1回だけ頼んで終わりにできますか?
A

ビオ・マルシェのお試しセット1,500円は1回だけのお届けで、公式が自動継続ではないと明記しています。坂ノ途中の初回価格は定期宅配の1回目にあたるため、続けない場合は次回お届け予定日の4日前までにマイページで停止します。継続期間の条件は設けられていません。

まとめ:有機JASを名乗っていたのは、2社のうち1社だった

黒い石の壁ぎわに白い筒が一本だけ立っている

公式サイトと国の規格だけを読んで出た答えは3つです。

  • 「有機」と書けるのは有機JASの認証を受けた事業者だけ。畑の条件はは種前2年以上、多年生なら最初の収穫前3年以上
  • ビオ・マルシェは野菜を全品その認証で通し、加工食品は「基本とします」という書き方で範囲を残している
  • 坂ノ途中は認証を取らず、化学合成農薬・化学肥料は原則不使用という自社基準と、特別栽培と同等という言い方で範囲を決めている

認証がないほうが劣っている、という読み方はできません。有機加工食品にも61品目の添加物が認められていますし、認証を取らない理由を公開している会社もあります。分かれたのは1点だけです。会社の言葉を信じて選ぶか、書いてある中身を自分で読んで選ぶか。

明日やることは1つ。気になったほうの公式で、基準が書かれたページを1枚だけ開きます。ビオ・マルシェなら「商品取扱い指針」、坂ノ途中なら「いまのところの」取り扱い基準。どちらも無料で全文が読めて、書いてある範囲がそのまま、その会社が言い切れる範囲になります。

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