マーガリンくん結論から言うと——いまのマーガリンは、パンに塗って食べる分には「食べていい」。これが答えです。悪者扱いされた原因はトランス脂肪酸ですが、国内メーカーの改良で20年前の10分の1以下まで減りました。いまではバターより少ない製品もあります。
この記事では、うわさの根拠と「今の実際の数値」を、メーカー公表値と公的機関のデータで確かめていきます。
表の数字とトランス脂肪酸の摂取量は、2026年9月11日に雪印メグミルク、農林水産省、食品安全委員会の公式サイトで確認しました。
なぜ「マーガリンは体に悪い」と言われたのか

理由はひとつ、トランス脂肪酸です。かつてのマーガリンは「部分水素添加油脂」という加工油脂を使っており、その製造過程でトランス脂肪酸が多く生まれていました。トランス脂肪酸をとり過ぎると、悪玉(LDL)コレステロールが増え、心疾患のリスクが上がるとされています。
アメリカでは2018年に部分水素添加油脂の食品への使用が原則禁止になりました。「マーガリンは危険」というイメージは、この時代の話から来ています。
今の数値を確かめる(メーカー公表値)

では、いま売られているマーガリンはどうか。雪印メグミルクの公表値を見てみます(大さじ1弱=10gあたり)。
| 製品 | トランス脂肪酸(10gあたり) |
|---|---|
| ネオソフト | 約0.05g |
| ネオソフト べに花 | 約0.02g |
| テイスティソフト | 約0.06g |
| バター仕立てのマーガリン | 約0.1g |
| (参考)バター | 約0.2g ※天然由来 |
見るところは2つあります。
- 主要メーカーは部分水素添加油脂の使用をやめており、ネオソフトは2004年比で16分の1まで低減。アメリカの表示基準なら「0g」表示になる水準です
- バターには牛由来の天然のトランス脂肪酸が含まれるため、今はバターのほうが多くなっています
農林水産省の調査でも、国内のマーガリン類のトランス脂肪酸は大きく低減し、バターより低い水準になったことが確認されています(出典:農林水産省・トランス脂肪酸に関する調査研究、雪印メグミルク公表値)。
どのくらいまでなら大丈夫なのか

世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸を1日の総エネルギーの1%未満(日本人の食事量だとおよそ2g未満)に抑えるよう勧告しています。
一方、食品安全委員会の調査では、日本人の平均摂取量は1日あたり約0.7g(エネルギー比約0.3%)。もともと勧告を大きく下回っています(出典:食品安全委員会)。
ネオソフトを毎朝10g塗っても0.05g。WHOの目安の40分の1です。トーストに塗る使い方で問題になる数字ではありません。
ただし油であることは変わりません

トランス脂肪酸の心配が小さくなった今も、マーガリンは大さじ1で約75kcalの油脂であることは変わりません。塗り過ぎれば脂質・カロリーのとり過ぎになりますし、飽和脂肪酸はバターにもマーガリンにも含まれます。
「マーガリンだから悪い」ではなく、「油脂はどれも量しだい」が正確なところです。
それでも気になる人の選び方

- トランス脂肪酸は日本では表示義務がないため、パッケージには書いてありません。各メーカーの公式サイトの公表値で確認できます
- 数字で選ぶなら、公表値の低い製品(例:ネオソフト べに花 約0.02g/10g)という選択肢があります
- 「部分水素添加油脂 不使用」の表記も目安になります
実際に選ぶときは、パッケージの裏の1行目を見ます。市販14商品の表示を写したところ、種類別がバターの4商品は添加物0品目で、名称がマーガリンかファットスプレッドの6商品に0品目はありませんでした。
種類別バターの4商品が0品目というのは、表示義務のある添加物が原材料名に書かれていなかったという意味です。加工助剤やキャリーオーバーは表示が免除されるので、原料の乳の段階まで何も使っていない、という意味ではありません。
総合判定:結局、食べていいの?

答えははっきりしています。食べていい、です。トーストに塗る・料理に使う程度の量であれば、現在の国産大手マーガリンのトランス脂肪酸は心配する水準ではありません。「体に悪い」のイメージは20年前の情報がもとになっていることが多く、今の数字とはかけ離れています。ただし油脂であることは変わらないので、塗り過ぎには気をつけたいところです。
マーガリンを選び直しても、そのトーストに合わせるおかずはまだ決まっていません。食卓ごと添加物を減らしたいなら、無添加をうたう宅食を1回だけ頼む手があります。料金と量を確かめたのがシェフの無添つくりおきの検証記事です。
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よくある質問
- Q昔のマーガリンは本当に悪かったのですか?
- A
部分水素添加油脂を使っていた時代は、今より一桁多いトランス脂肪酸が含まれていました。「昔の話としては一理あった」が正確なところです。
- Q子どもに使っても大丈夫?
- A
現在の公表値と日本人の平均摂取量から見ると、通常の使用量で問題になる水準ではないとされています。気になる場合は公表値の低い製品を選ぶ方法があります。
- Qショートニングや菓子パンはどうですか?
- A
業務用油脂も低減が進んでいますが、製品によって差があります。菓子パンは別の記事で査定する予定です。
まとめ

「マーガリンは体に悪い」は、今の数字で確かめると過去の話になりつつあります。うわさが広まったころの数字と、今の数字は別ものです。メーカーの公表値を見に行くと、思っていたのと逆の結果が出てくることもあります。答えは塗って食べる分には、食べていいです。
