マーガリンくん結論から言うと——いまのマーガリンは、パンに塗って食べる分には「食べていい」。これが答えです。悪者説は「昔は一理あった。でも今は数字が別物」。悪者扱いの原因だったトランス脂肪酸は、国内メーカーの改良で20年前の10分の1以下まで減り、いまでは製品によってバターより少ないまで減っています。
この記事では、うわさの根拠と「今の実際の数値」を、メーカー公表値と公的機関のデータで確かめていきます。
なぜ「マーガリンは体に悪い」と言われたのか

理由はひとつ、トランス脂肪酸です。かつてのマーガリンは「部分水素添加油脂」という加工油脂を使っており、その製造過程でトランス脂肪酸が多く生まれていました。トランス脂肪酸をとり過ぎると、悪玉(LDL)コレステロールが増え、心疾患のリスクが上がるとされています。
アメリカでは2018年に部分水素添加油脂の食品への使用が原則禁止になりました。「マーガリン=危険」のイメージは、主にこの時代の話が土台になっています。
今の数値を確かめる(メーカー公表値)

では、いま売られているマーガリンはどうか。雪印メグミルクの公表値を見てみます(大さじ1弱=10gあたり)。
| 製品 | トランス脂肪酸(10gあたり) |
|---|---|
| ネオソフト | 約0.05g |
| ネオソフト べに花 | 約0.02g |
| テイスティソフト | 約0.06g |
| バター仕立てのマーガリン | 約0.1g |
| (参考)バター | 約0.2g ※天然由来 |
ポイントは2つあります。
- 主要メーカーは部分水素添加油脂の使用をやめており、ネオソフトは2004年比で16分の1まで低減。アメリカの表示基準なら「0g」表示になる水準です
- バターには牛由来の天然のトランス脂肪酸が含まれるため、今は「バターのほうが多い」と立場が入れ替わった状態が起きています
農林水産省の調査でも、国内のマーガリン類のトランス脂肪酸は大きく低減し、バターより低い水準になったことが確認されています(出典:農林水産省・トランス脂肪酸に関する調査研究、雪印メグミルク公表値)。
「どのくらいなら大丈夫」の物差し

世界保健機関(WHO)は、トランス脂肪酸を1日の総エネルギーの1%未満(日本人の食事量だとおよそ2g未満)に抑えるよう勧告しています。
一方、食品安全委員会の調査では、日本人の平均摂取量は1日あたり約0.7g(エネルギー比約0.3%)。もともと勧告を大きく下回っています(出典:食品安全委員会)。
ネオソフトを毎朝10g塗っても0.05g。WHOの物差しの40分の1です。トーストに塗る使い方で問題になる数字ではありません。
ただし「無罪」ではない:脂質としての注意点

トランス脂肪酸の心配が小さくなった今も、マーガリンは大さじ1で約75kcalの油脂であることは変わりません。塗り過ぎれば脂質・カロリーのとり過ぎになりますし、飽和脂肪酸はバターにもマーガリンにも含まれます。
「マーガリンだから悪い」ではなく、「油脂はどれも量しだい」が正確なところです。
それでも気になる人の選び方

- トランス脂肪酸は日本では表示義務がないため、パッケージには書いてありません。各メーカーの公式サイトの公表値で確認できます
- 数字で選ぶなら、公表値の低い製品(例:ネオソフト べに花 約0.02g/10g)という選択肢があります
- 「部分水素添加油脂 不使用」の表記も目安になります
総合判定:結局、食べていいの?

答えははっきりしています。食べていい、です。トーストに塗る・料理に使う程度の量であれば、現在の国産大手マーガリンのトランス脂肪酸は心配する水準ではありません。「体に悪い」のイメージは20年前の情報がもとになっていることが多く、今の数字とはかけ離れています。ただし油脂であることは変わらないので、塗り過ぎには気をつけたいところです。
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よくある質問
- Q昔のマーガリンは本当に悪かったのですか?
- A
部分水素添加油脂を使っていた時代は、今より一桁多いトランス脂肪酸が含まれていました。「昔の話としては一理あった」が正確なところです。
- Q子どもに使っても大丈夫?
- A
現在の公表値と日本人の平均摂取量から見ると、通常の使用量で問題になる水準ではないとされています。気になる場合は公表値の低い製品を選ぶ方法があります。
- Qショートニングや菓子パンはどうですか?
- A
業務用油脂も低減が進んでいますが、製品によって差があります。菓子パンは別の記事で査定する予定です。
まとめ

「マーガリンは体に悪い」は、今の数字で確かめると過去の話になりつつあります。うわさの賞味期限は切れていることがある——パッケージと公表値を見に行くと、印象とはちがう景色が見えてきます。答えはシンプルに——塗って食べる分には、食べていい。
