ラベルさん先に結論です。添加物の表示が0品目の商品は、14商品の中に1つもありませんでした。いちばん少ない龍馬1865でも1品目です。多いほうは7品目まで伸びました。
そしてもう1つ。ビール3商品は、そろって0品目でした。同じ売り場で隣に並ぶ飲み物なのに、書かなければいけない欄が入れかわります。理由は味の差ではなく、酒税法の1度という決まりでした。数字はすべて2026年9月4日に各社公式サイトで確認しました。
「無添加のノンアルコールビール」を探すと、缶の裏で止まる

まず、同じ会社の2本を並べます。アサヒビールの公式サイトに載っている原材料名です。
アサヒスーパードライ:麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ
アサヒ ドライゼロ:食物繊維(米国製造又は仏国製造又は国内製造)、大豆ペプチド、ホップ/炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)
ビールのほうにはスラッシュがありません。ノンアルのほうはスラッシュより後ろに6つ並びます。原材料名の欄で見ると、長さは倍以上です。
ここで「ノンアルのほうが手が加わっている」と読むと、答えを間違えます。ビールの缶にスラッシュが出てこないのには、中身とは別の理由があるからです。先に14商品を出してから、その理由に進みます。
ノンアルコールビール14商品の原材料名を公式サイトから写した

アサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビール、日本ビール、イオンの公式サイトから、14商品ぶんの原材料名と栄養成分表示を写しました。添加物の品目数が少ない順に並べます。
| 順 | 商品 | 製造・販売 | スラッシュより後ろ(添加物の欄) | 品目数 | エネルギー |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 龍馬1865 | 日本ビール | 炭酸 | 1品目 | 記載なし |
| 2 | アサヒ ゼロ | アサヒビール | 炭酸、香料 | 2品目 | 28kcal(100ml) |
| 3 | サッポロ プレミアムアルコールフリー | サッポロビール | 炭酸、酸味料、香料 | 3品目 | 12kcal(100ml) |
| 4 | キリン グリーンズフリー | キリンビール | 炭酸、香料、酸味料、乳化剤 | 4品目 | 6kcal(100ml) |
| 4 | キリン本格醸造ノンアルコール ラガーゼロ | キリンビール | 炭酸、香料、酸味料、甘味料(アセスルファムK) | 4品目 | 21kcal(100ml) |
| 6 | キリン 零ICHI | キリンビール | 炭酸、香料、酸味料、調味料(アミノ酸)、乳化剤 | 5品目 | 9kcal(100ml) |
| 7 | アサヒ ドライゼロ | アサヒビール | 炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK) | 6品目 | 0kcal(100ml) |
| 7 | キリン カラダFREE | キリンビール | 炭酸、酸味料、香料、カラメル色素、甘味料(アセスルファムK)、苦味料 | 6品目 | 0kcal(1本350ml) |
| 7 | トップバリュ ノンアルコールビールテイスト0.00% | イオン | 炭酸ガス、香料、カラメル色素、酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)、苦味料 | 6品目 | 14kcal(1缶350ml) |
| 10 | サントリー オールフリー | サントリー | 炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、苦味料、甘味料(アセスルファムK) | 7品目 | 0kcal(100ml) |
| 10 | サントリー オールフリー〈エールテイスト〉 | サントリー | 炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、苦味料、甘味料(アセスルファムK) | 7品目 | 0kcal(100ml) |
| 10 | サントリー オールフリー ライムショット | サントリー | 炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、苦味料、甘味料(アセスルファムK) | 7品目 | 0kcal(100ml) |
| 10 | サントリー からだを想うオールフリー | サントリー | 炭酸、香料、酸味料、カラメル色素、ビタミンC、苦味料、甘味料(アセスルファムK) | 7品目 | 0kcal(350ml) |
| 10 | アサヒ ヘルシースタイル | アサヒビール | 炭酸、香料、安定剤(大豆多糖類)、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK) | 7品目 | 0kcal(350ml) |

品目数として出したのは、スラッシュより後ろに並ぶ項目の合計です。括弧の中の物質名は、まとめて1つとして扱っています。
単位について2つおことわりします。1つめは、公式の表示単位が商品によって違うことです。キリン カラダFREE、からだを想うオールフリー、アサヒ ヘルシースタイル、トップバリュの4商品は1本または1缶350mlあたりで、残りは100mlあたりでした。表にはそのまま載せています。
2つめはトップバリュだけ、原材料名と添加物が別の欄に分けて印刷されていることです。公式ページの原材料名の欄は「水あめ(国内製造)、麦芽エキス、大豆ペプチド、ホップ」の4語で終わります。添加物はその下の欄に6つ並びます。原材料名の欄だけ見ると0品目に見えてしまう書き方です。
龍馬1865は、日本ビールの公式ページに「麦芽、ホップ、炭酸のみ、ビールと同じ原材料」と書かれていました。栄養成分表示は同じページに載っていなかったため、表では記載なしとしています。
14商品すべてに書かれていたのは、炭酸ひとつだけ

14商品を見ていくと、全部に書かれている項目は1つしかありません。炭酸です。トップバリュだけ「炭酸ガス」という書き方ですが、同じものを指しています。
2番目に多いのが香料で、14商品のうち13商品に出てきました。書かれていないのは龍馬1865だけです。3番目が酸味料で12商品、次がカラメル色素の8商品と甘味料の8商品でした。
| 添加物の項目 | 書かれていた商品数 |
|---|---|
| 炭酸(炭酸ガス) | 14商品 |
| 香料 | 13商品 |
| 酸味料 | 12商品 |
| カラメル色素 | 8商品 |
| 甘味料(アセスルファムK) | 8商品 |
| ビタミンC・酸化防止剤(ビタミンC) | 7商品 |
| 苦味料 | 6商品 |
| 乳化剤 | 2商品 |
ここで少ないほうの2本を見てください。龍馬1865とアサヒ ゼロには、甘味料も色の表示もありません。アサヒ ゼロの原材料名は「麦芽(国内製造)、スターチ、麦芽エキス、ホップ、大麦、コーン、米/炭酸、香料」です。スラッシュの左に7つ、右に2つです。
甘味料が書かれた8商品は、どれもアセスルファムKの1語でした。物質名まで書くのは、甘味料が用途名表示という書き方の対象だからです。この決まりは用途名で書く添加物と一括名で書く添加物の線引きにまとめています。
ビール3商品を並べると、添加物の欄が消える

次に、同じ売り場に並ぶビールの原材料名を出します。各社の公式サイトの表記そのままです。
| 商品 | 製造 | 原材料名 | 添加物の品目数 | アルコール分 |
|---|---|---|---|---|
| アサヒスーパードライ | アサヒビール | 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ | 0品目 | 5% |
| キリン一番搾り生ビール | キリンビール | 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ | 0品目 | 5% |
| サッポロ生ビール黒ラベル | サッポロビール | 麦芽(外国製造又は国内製造(5%未満))、ホップ、米、コーン、スターチ | 0品目 | 5% |
3商品ともスラッシュが出てきません。原材料名は最長でも5語です。キリン一番搾り生ビールにいたっては、麦芽とホップの2語で終わっていました。
ここで0品目という言い方について、断っておきます。製造の途中だけ働いて製品に残らない加工助剤と、原材料から持ち込まれてはたらきの出ない量にとどまるキャリーオーバーは、表示の対象から外れます。この0品目は、公式サイトの原材料名にそういう欄が出てこなかった、という範囲の話です。
それから、ビールなら必ず0品目というわけでもありません。アサヒビールの同じ一覧表には、アサヒスーパードライ 爽快辛口が「麦芽…、ホップ、米、コーン、スターチ/炭酸」と載っていました。こちらは1品目です。ビールにも炭酸を書く商品はあります。
分かれるのは酒税法の1度。ノンアルの名称欄は「炭酸飲料」

なぜ同じ売り場で、書いてある欄が入れかわるのか。ここから決まりの話です。
出発点は酒税法です。第2条に、酒類の定義がこう書かれています。
「この法律において『酒類』とは、アルコール分一度以上の飲料……をいう」(酒税法 第2条)
ビールの定義は第3条第12号にあります。「ビール 次に掲げる酒類でアルコール分が二十度未満のものをいう」。書き出しが「次に掲げる酒類で」です。つまりビールであるためには、先に酒類でなければなりません。
ノンアルコールビールのアルコール分は0.00%です。1度に届かないので酒類に入りません。酒類に入らないということは、法律の上ではビールでもないということになります。
では何になるのか。トップバリュの商品ページに答えが印刷されていました。名称の欄が「炭酸飲料」です。外語表記は「BEER TASTE Alcohol-free Beverage」でした。ビールの名前は商品名のほうにあって、名称の欄には出てきません。
ここから表示のルールが分かれます。食品表示基準の第5条は、義務表示の特例をこう定めています。
「前二条の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる場合にあっては、同表の下欄に掲げる表示事項の表示は要しない。/酒類を販売する場合/原材料名 アレルゲン 原産国名」(食品表示基準 第5条)
読み下すと、酒類は原材料名とアレルゲンと原産国名を書かなくてよいということです。同じ基準の第3条第3項には、栄養成分の量と熱量も酒類なら省略できると書かれています。保存の方法と賞味期限も、酒類は省略できる区分に入っていました。
ノンアルコールビールは酒類ではないので、この特例が当たりません。原材料名も添加物もアレルゲンも栄養成分も、全部が義務のほうに残ります。缶の裏が長くなるのは、書かなくてよい欄が1つもないからです。
この差は各社の公式データにもそのまま出ていました。キリンの原材料名・栄養成分等一覧は、ノンアルコール飲料の表に「アレルゲン(特定原材料等)」の列があります。ビールの表には、その列がありません。トップバリュのノンアル商品ページには「●『大豆』の成分を含んだ原材料を使用しています」というアレルゲン情報が出ていました。
ではビールの缶に原材料名が書いてあるのはなぜか。法律の義務ではなく、業界の取り決めのほうです。ビール酒造組合の解説は、1979年に「ビールの表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会の認定を受けて制定されたと書いています。必要表示事項に原材料が入っていて、「使用した原材料(水を除く)を酒税法、同施行令および同施行規則に定められている品名で、その順序に従って表示」すると定めています(ビール酒造組合「ビールの表示」)。
「ノンアルコール」という言い方にも取り決めがあります。飲酒に関する連絡協議会の自主基準は、こう定義していました。
「ノンアルコール飲料とは、アルコール度数0.00%で、味わいが酒類に類似しており、20歳以上の者の飲用を想定・推奨しているものとする」(酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準)
0.00%という数字が定義の中に入っています。今回の14商品は、公式サイトの表記がすべて0.00%でした。
区分が変わると印刷される項目が入れかわる話は、飲み物では他にもあります。缶と瓶で表示の中身が違ったエナジードリンクと栄養ドリンクの記事が、同じ例です。
特定保健用食品と機能性表示食品のノンアルもあった

14商品のうち2商品は、さらに別の区分に入っていました。
1つめがサントリーのからだを想うオールフリーです。機能性表示食品にあたります。ブランドサイトの記載はこうです。
消費者庁届出番号 K200(350ml)/K201(500ml)
機能性関与成分 ローズヒップ由来ティリロサイド:0.1mg
機能性表示 本品にはローズヒップ由来ティリロサイドが含まれます。ローズヒップ由来ティリロサイドには、BMIが高めの方の内臓脂肪を減らす機能があることが報告されています。
同じページには注意書きも並んでいました。「本品は、特定保健用食品と異なり、機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません。届け出られた科学的根拠等の情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。」とありました。ここでは公式の記載を写すだけにとどめます。
2つめがアサヒ ヘルシースタイルです。アサヒビールの一覧表では、特定保健用食品の区分に置かれていました。原材料名は「食物繊維(難消化性デキストリン)(米国製造)、大豆ペプチド、ホップ/炭酸、香料、安定剤(大豆多糖類)、酸味料、カラメル色素、酸化防止剤(ビタミンC)、甘味料(アセスルファムK)」で、7品目です。
この2つの区分は、表示の省略とも関わります。食品表示基準で原材料名を省略できる条件には、「特定保健用食品及び機能性表示食品を除く」という但し書きが付いていました。省略できる余地が、さらに狭くなる区分ということです。
ただし、品目数が多いほど体に悪い、という話ではない

ここまで少ない順に出してきましたが、この並びは安全性の高さを表すものではありません。この記事では安全性の評価をしていません。今回の14商品でも、そう読めない並びが出ています。
1つめ。品目数が多いほどエネルギーが高い、とはなっていません。品目数7のサントリー オールフリーは100mlあたり0kcalでした。品目数2のアサヒ ゼロは28kcalです。数が少ないほうが、熱量では高くなっています。
2つめ。項目のはたらきがばらばらです。炭酸は泡、カラメル色素は色、苦味料と酸味料は味、乳化剤は分かれにくくするために入っています。1品目という数え方は、量ではなく書かれた項目の数を表しているだけです。
3つめ。0.00%という数字も、この記事では味や体への影響の話にはつなげません。今回そろえたのは、公式サイトに印刷されている文字だけです。
売り場で見るのは、名称の欄と添加物の欄の2か所

買う前に確かめる場所を2つにしぼります。
1か所めが名称の欄です。ここに「炭酸飲料」と書いてあれば、酒類ではない商品にあたります。原材料名も添加物もアレルゲンも栄養成分も、その缶には全部書いてあるということです。
2か所めがスラッシュの右です。トップバリュのように添加物が別の欄になっている商品もあるので、原材料名の下も続けて見ます。今回の14商品では、いちばん少なくて1つ、多くて7つでした。
数が少ないものを選ぶなら、龍馬1865の炭酸1つ、アサヒ ゼロの炭酸と香料の2つ、サッポロ プレミアムアルコールフリーの炭酸と酸味料と香料の3つが並びます。トップバリュのノンアルコールビールテイスト0.00%は6缶パックで本体価格498円(税込537.84円)でした。イオングループ標準小売価格として2026年9月4日に確認した数字です。
売り場の回り方は、缶のほかにも0品目を探した売り場の記録にまとめています。飲み物でいえば、6商品に共通した添加物が3つだった炭酸飲料の記事と、5kcal未満まで0と書ける線を追ったゼロカロリー飲料の記事が続きになります。
よくある質問
- Qノンアルコールビールは法律ではビールですか?
- A
酒税法の上ではビールに入りません。第2条が酒類を「アルコール分一度以上の飲料」と定義していて、第3条第12号のビールは「次に掲げる酒類で」と書き出されています。アルコール分0.00%の商品は酒類に入らないので、ビールの定義にも入りません。トップバリュの商品ページでは、名称の欄が「炭酸飲料」になっていました。
- Q添加物0品目のノンアルコールビールはありましたか?
- A
今回そろえた14商品では0品目はありませんでした。いちばん少ないのが龍馬1865で、公式ページの記載は「麦芽、ホップ、炭酸のみ」です。次がアサヒ ゼロの炭酸と香料で2品目、サッポロ プレミアムアルコールフリーの炭酸と酸味料と香料で3品目でした。
- Qビールの缶に原材料名が書いてあるのはなぜですか?
- A
食品表示基準の第5条で、酒類は原材料名とアレルゲンと原産国名の表示を要しないとされています。それでも書かれているのは、1979年に認定された「ビールの表示に関する公正競争規約」で必要表示事項に入っているためです。ビール酒造組合の解説にそう書かれています。
- Q「アルコール0.00%」と「ノンアルコール」は同じ意味ですか?
- A
重なるのは業界の自主基準です。飲酒に関する連絡協議会の自主基準が、ノンアルコール飲料を「アルコール度数0.00%で、味わいが酒類に類似しており、20歳以上の者の飲用を想定・推奨しているもの」と定義しています。今回の14商品は、公式サイトの表記がすべて0.00%でした。
- Qヴェリタスブロイのような輸入品はどうでしたか?
- A
輸入元のパナバックの公式ページには、原産国がドイツであること、アルコール分0.00%であること、100mlあたり11kcal、たんぱく質0.4g、炭水化物2.5g、食塩相当量0.008gという栄養成分表示が載っていました。ただし原材料名の記載は見つからなかったため、今回の14商品には入れていません。
まとめ:見るのは添加物の数ではなく、名称の欄の4文字

14商品と3商品を並べて出た答えは2つです。ノンアルコールビールで添加物0品目のものは1つもなく、いちばん少ない龍馬1865でも炭酸の1品目でした。14商品すべてに共通したのも、その炭酸ひとつです。
そしてビール3商品はそろって0品目でした。中身の差というより、酒税法の1度をはさんで表示のルールが入れかわった結果です。酒類なら原材料名とアレルゲンと原産国名を書かなくてよく、ノンアルにはその特例が当たりません。
明日やることは1つ。手に取った缶の名称の欄に「炭酸飲料」と書いてあるか、先に見てみる。書いてあれば、その缶の裏には原材料名も添加物もアレルゲンも栄養成分もそろっています。長いのではなく、そろっているということです。
添加物の欄が短い飲み物を続けて探すなら、ペットボトルと茶葉で結果が分かれたお茶14商品の記事が次の一歩になります。
飲み物ではなく食事を見直したい日は、宅配に切り替えるのも手です。宅配5社の原材料名を並べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と中身を確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事があります。
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