ラベルさん先に結論です。「加工デンプン」は12品目に共通する簡略名で、消費者庁の簡略名一覧をたどると、この4文字で書ける品目は12ありました。加熱などの物理的処理と、酵素による処理をしたデンプンは食品のままなので、この4文字には最初から入っていません。
市販17商品の原材料名をメーカー公式ページから写したところ、「加工でん粉」または「加工デンプン」が書かれていたのは7商品でした。この記事では、指定添加物リストで12品目を番号ごとにそろえてから、7商品と、書かれていなかった10商品を並べます。数字はすべて2026年9月5日に各社公式サイトと消費者庁の資料で確認しました。
「加工でん粉」は原材料名のどこに出てくる言葉か

この言葉が読みにくいのは、書き方が一つに決まっていないからです。まず、どんな出方をしているかを3通り見ます。
テーブルマークのカトキチさぬきうどん5食の原材料名は「めん〔小麦粉(国内製造)、食塩/加工デンプン〕」で、添加物はこの1品目だけです。片仮名で書かれています。
日清食品の日清のどん兵衛 きつねうどん[東]では、スラッシュの直後が「加工でん粉」でした。こちらは平仮名です。同じ言葉なのに、袋によって字が変わります。
3通り目は、用途名が前に付く形です。味の素のCook Do 四川式回鍋肉用には「糊料(加工デンプン、キサンタン)」と書かれていました。同じカッコの中に別の添加物が並びます。
製造しているメーカーも説明を出しています。敷島製パンのよくあるご質問は、加工デンプンを「馬鈴薯・さつまいも・タピオカ(キャッサバ)・小麦・米・とうもろこしなどのでんぷんを加工し、食感や物性改良などを目的として使用する食品添加物です」と書き、食品表示法で簡略名が認められているので「加工デンプン」と表示していると続けています。この4文字は、正式な品名ではありません。
添加物になったのは、化学的に処理したデンプンだけだった

デンプンを加工する方法は3通りあり、そのうち1通りだけが添加物として扱われています。当時の担当者が書いた解説を、原文で確かめました。
農畜産業振興機構の情報誌に、厚生労働省の基準審査課が書いた加工デンプン11品目の新規指定についてという解説があります。冒頭で加工デンプンを「一般にでん粉に物理的、酵素的または化学的処理を行ったものを称して」いると説明し、そのあとで日本での扱いを分けています。
物理的処理(酸やアルカリによる加水分解や、漂白といった簡単な化学的処理を含む。)又は酵素処理を行ったデンプンについては、従来どおり食品として取り扱われるものであるので、これらを今回指定された加工デンプンと併用する場合には、それぞれについて食品としての表示と添加物としての表示が必要となる(農畜産業振興機構「加工デンプン11品目の新規指定について」)
処理の方法で、食品と添加物に分かれます。加熱してのり状にしたものも、アミラーゼで分解したものも、酸やアルカリで加水分解したものも、漂白したものも、食品のままです。
加熱と酵素の処理は、いまも食品として扱われる
だから原材料名では、この2種類は「でん粉」「澱粉」「タピオカでん粉」「コーンスターチ」のように、材料の名前で書かれます。スラッシュの前に置かれ、添加物の欄には入りません。
丸美屋の麻婆豆腐の素<大辛>は、別添のトロミ粉の原材料名が「澱粉、生姜、ねぎ、にんにく」でした。漢字で書かれていても添加物ではありません。
2008年10月1日に、化学的に処理した11品目が指定された
同じ解説によると、加工デンプン11品目は平成20年10月1日付けの厚生労働省令第151号で食品衛生法施行規則が改正され、指定添加物になりました。同じ日の厚生労働省告示第485号で成分規格も定められています。理由として挙げられているのは、化学的処理を施した加工デンプンが米国とEUで添加物として扱われていて、国際的な整合性を図るためというものでした。
指定より前は、化学的処理をしたものでも食品として流通していました。表示のうえでは、この日を境に置き場所が変わったことになります。
「加工デンプン」と書ける品目は12あった

消費者庁の簡略名一覧から、簡略名の欄に「加工デンプン」と書かれている品目を全部拾いました。12ありました。番号は指定添加物リストのものです。
順に説明します。消費者庁の別添 添加物1-1「簡略名又は類別名一覧表」(令和8年4月1日)が、物質名の代わりに書いてよい名前を決めています。番号は、消費者庁が案内している指定添加物リスト(規則別表第1)のもので、このリストは令和6年3月1日の改正まで反映され、476品目が五十音順に並びます。
| 品名 | リストの番号 | 英語名 | 簡略名 |
|---|---|---|---|
| アセチル化アジピン酸架橋デンプン | 17 | Acetylated Distarch Adipate | 加工デンプン |
| アセチル化酸化デンプン | 18 | Acetylated Oxidized Starch | 加工デンプン |
| アセチル化リン酸架橋デンプン | 19 | Acetylated Distarch Phosphate | 加工デンプン |
| オクテニルコハク酸デンプンナトリウム | 95 | Starch Sodium Octenyl Succinate | 加工デンプン、オクテニルコハク酸デンプンNa |
| 酢酸デンプン | 161 | Starch Acetate | 加工デンプン |
| 酸化デンプン | 174 | Oxidized Starch | 加工デンプン |
| デンプングリコール酸ナトリウム | 273 | Sodium Carboxymethylstarch | 加工デンプン、デンプングリコール酸Na |
| ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン | 325 | Hydroxypropyl Distarch Phosphate | 加工デンプン |
| ヒドロキシプロピルデンプン | 327 | Hydroxypropyl Starch | 加工デンプン |
| リン酸架橋デンプン | 461 | Distarch Phosphate | 加工デンプン |
| リン酸化デンプン | 462 | Monostarch Phosphate | 加工デンプン |
| リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン | 476 | Phosphated Distarch Phosphate | 加工デンプン |
12品目とも、袋の上では同じ4文字になります。正式な品名は12通りに分かれていて、番号も17から476まで離れているのに、表示では区別が付きません。
12品目のうち11品目は、同じ日にまとめて指定された
上の表のうち、デンプングリコール酸ナトリウムを除く11品目が2008年10月1日に指定された組です。消費者庁が出している加工デンプンの添加物指定についてという文書に、11品目の名前と簡略名が1行ずつ並んでいます。オクテニルコハク酸デンプンナトリウムにだけ「オクテニルコハク酸デンプンNa」という2つ目の簡略名が付いていました。
残る1品目のデンプングリコール酸ナトリウムは、時期がまったく違います。農畜産業振興機構の解説によると、化学的処理をしたデンプンのうち、この品目とデンプンリン酸エステルナトリウムの2品目は昭和30年代末頃に指定されていました。40年以上あとに来た11品目と、いまは同じ4文字で書かれています。
もう1品目は、リストから消えていた
いっしょに指定されていたデンプンリン酸エステルナトリウムは、上の12品目に入っていません。指定添加物リストを引いても出てきませんでした。
理由は同じ解説に書かれています。11品目のうちのリン酸化デンプンと成分規格が一部重なるため、1つの物質に2つの規格ができてしまうこと、販売と使用の実績が確認できなかったことから、指定削除の手続きが行われる予定だとされていました。
市販17商品の原材料名を公式ページから写した

売り場でこの言葉に当たりやすい麺、冷凍食品、菓子、ドレッシング、合わせ調味料から17商品を選び、原材料名をメーカー公式サイトの商品ページから写しました。「加工でん粉」または「加工デンプン」の4文字があるかどうかで先に分けています。
味と値段は入れていません。公式ページに原材料名が出ていない商品は外しました。敷島製パンの超熟と森永製菓のハイチュウも当たりましたが、原材料名が別の仕組みで表示されるページで、この2商品は確かめられませんでした。
| 商品 | 4文字 | 原材料名(公式ページのまま) |
|---|---|---|
| テーブルマーク カトキチさぬきうどん5食 | あり | めん〔小麦粉(国内製造)、食塩/加工デンプン〕 |
| 日清食品 日清のどん兵衛 きつねうどん[東] | あり | 油揚げめん(小麦粉(国内製造)、植物油脂、食塩、植物性たん白、こんぶエキス、大豆食物繊維、糖類)、かやく(味付油揚げ、かまぼこ)、スープ(食塩、糖類、魚粉、粉末しょうゆ、かつおぶし調味料、デキストリン、七味唐辛子、ねぎ)/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(アラビアガム)、炭酸Ca、リン酸塩(Na)、カラメル色素、乳化剤、香料、香辛料抽出物、pH調整剤、酸化防止剤(ビタミンE)、酸味料、パプリカ色素、クチナシ色素、チャ抽出物、ビタミンB2、ビタミンB1、ベニコウジ色素 |
| ニチレイフーズ 特から | あり | 鶏肉(もも)、しょうゆ、砂糖、にんにく、しょうがペースト、食塩、衣(小麦粉、でん粉、粉末状植物性たん白、食塩、しょうゆ、ぶどう糖、香辛料、米粉、植物油脂、ホエイパウダー、粉末鶏卵、粉末卵白)、揚げ油(パーム油、大豆油)/加工でん粉、調味料(アミノ酸)、ポリリン酸Na、増粘剤(増粘多糖類、アルギン酸Na)、ベーキングパウダー、乳化剤、乳酸Ca、香料、着色料(カロチノイド) |
| ニチレイフーズ 本格炒め炒飯 | あり | 米(北海道)、加工液卵(鶏卵)、焼豚(豚肉、糖類(砂糖、ぶどう糖)、しょうゆ、粉末状植物性たん白、粉末卵白、発酵調味液、植物油脂、みりん、しょうゆ加工品、食塩、ポークエキスパウダー、粉末還元水あめ、しょうがペースト、にんにくペースト)、ねぎ、香味野菜ペースト(植物油脂、ラード、ゼラチン、にんにくペースト、しょうが、乾燥ねぎ、香味油、粉末しょうゆ)、食塩、砂糖、しょうゆ、ショートニング、みりん、ポークエキスパウダー、香辛料、しょうがペースト、にんにくペースト、いため油(なたね油、こめ油)/調味料(アミノ酸等)、加工でん粉、乳酸Ca、クエン酸Na、重曹、着色料(カロチノイド)、炭酸Na、乳化剤、酸化防止剤(ビタミンC) |
| 井村屋 もっちりぷるんわらびもち 黒糖 | あり | グラニュー糖(国内製造)、黒糖、果糖ぶどう糖液糖、水あめ、わらび粉、寒天/ゲル化剤(増粘多糖類)、加工でん粉 |
| 井村屋 4コ入 あん入黒糖わらび餅(こしあん) | あり | こしあん(生あん(小豆)、グラニュー糖、水あめ、寒天)(国内製造)、水あめ、グラニュー糖、黒糖、麦芽糖、きな粉、わらび粉/加工でん粉 |
| 味の素 Cook Do 四川式回鍋肉用 | あり | 砂糖(国内製造)、豆板醤、豆みそ、豆鼓、辣醤、にんにく、大豆油、食塩、発酵調味料、花椒、でん粉/調味料(アミノ酸)、糊料(加工デンプン、キサンタン)、カラメル色素、酸味料 |
| 東洋水産 マルちゃん焼そば 3人前 | なし | めん(小麦粉(国内製造)、植物油、食塩/グリシン、かんすい、クチナシ色素、保存料(しらこたん白))、添付調味料(砂糖、食塩、粉末ソース、香辛料、粉末醤油、ポークエキス、植物油/調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料) |
| 味の素冷凍食品 ギョーザ 12個入り | なし | 野菜(キャベツ、たまねぎ、にら、にんにく)、食肉(鶏肉、豚肉)、粒状大豆たん白、豚脂、砂糖、しょうゆ、オイスターソース、つなぎ(粉末状大豆たん白、卵白)、食塩、たん白加水分解物、植物油脂、香辛料、風味油、皮(小麦粉、植物油脂、でん粉、デキストリン、食塩、大豆粉)/調味料(アミノ酸等)、乳化剤、増粘多糖類、カゼインNa |
| 明治 果汁グミぶどう 54g | なし | 水あめ(国内製造)、砂糖、濃縮ぶどう果汁、ゼラチン、食用油脂、でん粉/酸味料、ゲル化剤(ペクチン)、香料、光沢剤 |
| ブルボン フェットチーネグミ コーラ味 | なし | 砂糖(タイ製造、国内製造)、水飴、ゼラチン、ライム濃縮果汁、レモン濃縮果汁、黒糖/ソルビトール、酸味料、炭酸カルシウム、着色料(カラメル)、香料、ビタミンC、ゲル化剤(ペクチン)、乳化剤 |
| キユーピー 深煎りごまドレッシング | なし | 食用植物油脂(国内製造)、しょうゆ、砂糖、醸造酢、ごま、しいたけエキス、食塩、卵黄/香辛料抽出物、調味料(アミノ酸)、増粘剤(キサンタンガム)、甘味料(ステビア) |
| キユーピー ノンオイル和風ごま | なし | しょうゆ(国内製造)、醸造酢、米発酵調味料、ごま、しいたけエキス、みそ、卵たん白加水分解物、砂糖、食塩/調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、増粘剤(キサンタンガム)、甘味料(ステビア) |
| キユーピー テイスティドレッシング 和風 香味たまねぎ | なし | 食用植物油脂(国内製造)、たまねぎ酢漬、砂糖、しょうゆ、オリーブ酢漬、食塩、醸造酢、香味食用油、ソテーオニオンペースト、ローストオニオンパウダー、乾燥たまねぎ、乾燥ピーマン、香辛料/調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物、増粘剤(キサンタンガム)、甘味料(ステビア)、グルコン酸鉄 |
| 理研ビタミン リケンのノンオイル 青じそ | なし | しょうゆ(国内製造)、醸造酢、糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)、発酵調味料、ほたてエキス、たん白加水分解物、梅肉、りんご、かつお節エキス、レモン果汁、食塩、かつおエキス、青じそ//調味料(アミノ酸等)、酸味料、香料、増粘剤(キサンタンガム)、甘味料(スクラロース)、香辛料抽出物、ビタミンB1 |
| 丸美屋 麻婆豆腐の素<大辛> | なし | 麻婆豆腐の素/鶏肉、砂糖、豆板醤、醤油、米酢、食塩、エキス(帆立、チキン、ポーク、酵母)、大豆油、蛋白加水分解物、胡麻油、甜麺醤、豆豉、香味油、辣醤、調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、香辛料抽出物、酸味料、甘味料(ステビア) トロミ粉/澱粉、生姜、ねぎ、にんにく 別添/山椒 |
| 味の素 Cook Do 回鍋肉用 | なし | 大豆油(国内製造)、しょうゆ、砂糖、にんにく、りんごジュース、豆鼓、豆みそ、甜麺醤、乾燥マッシュポテト、豆板醤、発酵調味料、でん粉、辣醤、老酒調製品、食塩、たん白加水分解物、しょうが、ひまわり油/調味料(アミノ酸)、糊料(キサンタン)、酸味料、カラメル色素 |
17商品のうち7商品に4文字がありました。出どころはテーブルマークのカトキチさぬきうどん、日清のどん兵衛、ニチレイフーズの特から、本格炒め炒飯、井村屋のもっちりぷるんわらびもち、あん入黒糖わらび餅、味の素のCook Do 四川式回鍋肉用の各商品ページです。なかった10商品は、東洋水産のマルちゃん焼そば、味の素冷凍食品のギョーザ、明治の果汁グミぶどう、ブルボンのフェットチーネグミ、キユーピーの深煎りごま、ノンオイル和風ごま、テイスティドレッシング、理研ビタミンの青じそ、丸美屋の麻婆豆腐の素、Cook Do 回鍋肉用から写しました。
平仮名が5商品、片仮名が2商品に分かれた
7商品の書き方は割れていました。「加工でん粉」と平仮名だったのが、どん兵衛、特から、本格炒め炒飯、もっちりぷるんわらびもち、あん入黒糖わらび餅の5商品。「加工デンプン」と片仮名だったのが、カトキチさぬきうどんとCook Do 四川式回鍋肉用の2商品でした。
消費者庁の資料に載っている簡略名は片仮名の「加工デンプン」です。売り場では平仮名で書いた商品が多くありました。字が違っても、指しているのは同じ12品目です。
用途名が前に付いたのは1商品だけだった
7商品のうち6商品は、4文字が単独で置かれていました。用途名が付いたのはCook Do 四川式回鍋肉用の「糊料(加工デンプン、キサンタン)」だけです。
この差にも決まりがあります。消費者庁の別添 添加物1-3は、用途名を書き添える8つの用途の4番目に「増粘剤,安定剤,ゲル化剤又は糊料」を置き、12品目を全部そこに並べています。とろみを付ける目的で使えば、用途名が前に付きます。それ以外の目的なら、4文字だけになります。
同じカッコに並んだ「キサンタン」や、特からとギョーザにあった「増粘多糖類」は別の言葉です。加工デンプンは指定添加物リストに品名と番号が載っていますが、増粘多糖類は多糖類をまとめて書くときの名前で、そちらの中身は別の記事にまとめます。
同じ袋に「でん粉」と「加工デンプン」が並ぶ理由

17商品のうち6商品には、添加物ではない「でん粉」や「澱粉」も書かれていました。処理の方法が違えば書き分けるという決まりが、そのまま出ています。
消費者庁の資料には、書き方の例が1行だけ載っています。
(例) 原材料名:○○、○○、でん粉、安定剤(酢酸デンプン)、○○(消費者庁「加工デンプンの添加物指定について」)
この形がそのまま出ていたのがCook Do 四川式回鍋肉用でした。スラッシュの前が「花椒、でん粉」で終わり、後ろに「糊料(加工デンプン、キサンタン)」が来ます。1つの箱に、食品のデンプンと添加物のデンプンが同居しています。
味の素冷凍食品のギョーザは、皮の材料として「でん粉」と「デキストリン」があり、添加物の欄には4文字がありませんでした。明治の果汁グミぶどうも、スラッシュの前に「でん粉」があるだけです。「でん粉」の3文字を見ただけで添加物と読むと、逆になります。
表示から読めるのは、どちらの処理をしたかまで

ここまで並べたのは表示だけです。品目の多い少ないで良し悪しは決められないので、順位も付けていません。
4文字があった7商品と、なかった10商品を見比べても、どちらが良いという答えは出てきません。読めるのは「化学的に処理したデンプンを使ったと書いてあるかどうか」までです。12品目のうちどれを使ったかは、袋には出てきません。
もうひとつ断りを入れます。カトキチさぬきうどんのように添加物が1品目で終わる商品や、4文字がない10商品は、表示に出ていないというだけの意味です。加工助剤とキャリーオーバーには表示の免除があるので、工程で何も使っていない証明にはなりません。免除される条件は加工助剤とキャリーオーバーを条文から確かめた記事にまとめました。
4文字が出てこない書き方も1つあります。オクテニルコハク酸デンプンナトリウムだけは、消費者庁の別添 添加物1-4「12 乳化剤」の範囲に入っていて、乳化剤として使えば「乳化剤」の3文字になります。名前が2段階で短くなる仕組みは香料とは?の記事で説明しました。
売り場で見るのは、スラッシュの前と後ろ

やることは2つです。
- スラッシュの位置を先に見つける。前にある「でん粉」「澱粉」「コーンスターチ」は食品で、後ろにある「加工でん粉」「加工デンプン」が添加物です
- 4文字の前に用途名が付いているかを見る。「糊料」「増粘剤」「安定剤」「ゲル化剤」が付いていれば、とろみを付ける目的で使われています
同じ会社でも商品によって変わります。味の素のCook Doは、四川式回鍋肉用に4文字があり、回鍋肉用にはありませんでした。冷凍うどんでどこまで表示が短くなるかは冷凍うどん6商品を比べた記事、ドレッシングの添加物の並びは無添加のドレッシングを探した記事にあります。
「無添加」と書いてあっても、加工デンプンを外したという意味とはかぎりません。その言葉がどこまでを指すのかは無添加とは?で説明しています。同じ売り場で表示の短い商品がどこまで見つかるかはスーパーを一周して確かめた記事にまとめました。
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よくある質問
- Q「加工でん粉」と書いてあれば、何を使ったか分かりますか?
- A
分かりません。消費者庁の別添 添加物1-1で簡略名が「加工デンプン」になる品目は12あります。アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプンです。どれを使っても同じ4文字になります。
- Q「でん粉」と「加工でん粉」は何が違うのですか?
- A
処理の方法が違います。農畜産業振興機構の解説によると、物理的処理(酸やアルカリによる加水分解や漂白を含む)と酵素処理をしたデンプンは食品として扱われ、化学的処理をした12品目が添加物です。食品として扱われるものはスラッシュの前に「でん粉」「澱粉」などと書かれ、添加物はスラッシュの後ろに来ます。
- Q「増粘剤(加工でん粉)」と「加工でん粉」だけの表示は違うものですか?
- A
使った目的が違います。消費者庁の別添 添加物1-3は、用途名を書き添える8つの用途の4番目に「増粘剤,安定剤,ゲル化剤又は糊料」を置き、12品目を全部そこに入れています。とろみを付ける目的なら用途名が前に付き、それ以外の目的なら4文字だけになります。今回の17商品では、用途名が付いていたのは1商品でした。
- Q加工でん粉が書かれていない商品はどのくらいありますか?
- A
今回の17商品では10商品です。マルちゃん焼そば、味の素冷凍食品のギョーザ、明治の果汁グミぶどう、ブルボンのフェットチーネグミ、キユーピーの3商品、理研ビタミンの青じそ、丸美屋の麻婆豆腐の素、Cook Do 回鍋肉用には書かれていませんでした。ただし加工助剤とキャリーオーバーには表示の免除があるので、表示に出ていないという意味にとどまります。
まとめ:「加工でん粉」の4文字は、12品目に共通する簡略名だった

制度と表示を突き合わせて出た答えは1つです。原材料名の「加工でん粉」は12品目に共通する簡略名で、どれを使ったのかは表示からは追えません。アセチル化も、酢酸も、酸化も、リン酸架橋も、袋の上では同じ4文字になります。
12品目のうち11品目は2008年10月1日にまとめて指定され、残る1品目のデンプングリコール酸ナトリウムは昭和30年代末に指定されていました。同じ日に指定されたデンプンリン酸エステルナトリウムは、いまの指定添加物リストにありません。加熱や酵素で処理したデンプンは食品のままなので、そもそもこの4文字には入りません。市販17商品では、7商品に4文字があり、6商品には食品としての「でん粉」や「澱粉」が別に書かれていました。
明日やることは1つ。冷凍うどんの袋を裏返して、スラッシュの前と後ろのどちらに「でん粉」があるかを見る。そこまでは、売り場で分かります。
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