ラベルさん先に結論です。6商品のうち、原材料名の1番目がその薬味そのものではなかったのは、わさびの1商品だけでした。ハウス食品のおろし生わさびは1番目が西洋わさびで、本わさびは6番目に出てきます。
しょうが、にんにく、からしは、どれも1番目がその薬味でした。わさびでも「本わさび使用」と書かれた商品は、1番目が本わさび加工品です。数字はすべて2026年8月27日に各社公式サイトで確認しました。
「チューブの薬味は体に悪い」は、色と日持ちの話から始まる

この言われ方が広まる理由は、2つあります。色と、日持ちです。
生のわさびをおろすと、置いておくうちに色がくすみます。ところがチューブの中身は、最後まで同じ緑のままです。だから色をつけているのだろう、という話になります。
日持ちのほうもはっきりしています。エスビー食品の公式サイトでは、本生シリーズの賞味期間が開封前で13ヶ月と書かれています。ハウス食品のおろし生わさびも製造後1年1ヵ月(未開封)で、ほぼ同じ長さです。
読み方は決まっています。東京都保健医療局は、原材料と添加物を記号「/」で区分して書く方法があると説明しています。スラッシュの前が食品、後ろが添加物です。
そこで6商品を、スラッシュの前の1番目から並べました。
6商品の原材料名の1番目を一覧にした

選び方は2つだけです。スーパーの売り場でよく見かける定番のチューブから、わさび3商品としょうが・にんにく・からしを1商品ずつにしました。味は判断に入れていません。
| 商品 | 製造元 | 原材料名の1番目 | 2番目 | 着色料 | 添加物の品目数 |
|---|---|---|---|---|---|
| おろし生わさび 43g | ハウス食品 | 西洋わさび(中国) | 砂糖 | 表示なし | 6品目 |
| おろし生わさび 43g | エスビー食品 | 本わさび加工品 | 西洋わさび加工品 | 表示なし | 5品目 |
| 本生本わさび 43g | エスビー食品 | 本わさび(国産) | 本わさび加工品 | 表示なし | 7品目 |
| 本生生しょうが 40g | エスビー食品 | しょうが加工品 | 醸造酢 | 表示なし | 6品目 |
| 本生生にんにく 43g | エスビー食品 | にんにく(中国) | にんにく加工品 | 表示なし | 4品目 |
| 本生和からし 43g | エスビー食品 | からし(カナダ) | 食塩 | 表示なし | 5品目 |
食品表示のルールでは、原材料は重量の多い順に書きます。つまり1番目が、いちばん多く入っているものです。
しょうが・にんにく・からしは、1番目がその薬味でした。中身の主役は名前どおりです。入れかわったのは、ハウス食品のおろし生わさびだけでした。1番目は西洋わさびで、本わさびは6番目に出てきます。
出どころは各社の公式ページです。ハウス食品 43g おろし生わさび、エスビー食品 おろし生わさび、本生本わさび、本生生しょうが、本生生にんにく、本生和からしから、2026年8月27日に取得しました。
にんにくだけを6商品で見た結果は、にんにくチューブは体に悪い?にまとめています。そちらも1番目はすべてにんにくでした。
「本わさび使用」と「本わさび入り」は、50%で呼び分けられている

なぜわさびだけ入れかわるのか。答えは、パッケージの表側に書いてあります。
| 商品 | 公式サイトの表示 | 本わさびの割合 | 原材料名の1番目 |
|---|---|---|---|
| 本生本わさび(エスビー食品) | 本わさび100%使用 | 100% | 本わさび(国産) |
| おろし生わさび(エスビー食品) | 本わさび使用 | 50%以上 | 本わさび加工品 |
| おろし生わさび(ハウス食品) | 本わさび入り | 50%未満 | 西洋わさび(中国) |

この呼び分けには、業界の取り決めがあります。金印わさびの公式サイトは、日本加工わさび協会の統一基準としてこう説明しています。
原料わさびのうち本わさびが50%以上なら「本わさび使用」、50%未満なら「本わさび入り」と書く。そして近くに「西洋わさびに本わさびをブレンド」などの一文を添える、という内容です。
エスビー食品のお客様相談センターも、同じ基準を公表しています。実際に同社のおろし生わさびのページには「本わさび使用(わさび原料における本わさびの構成比50%以上)」と書かれていました。
ハウス食品のおろし生わさびは「本わさび入り(西洋わさびに本わさびをブレンド)」です。50%未満と自分で書いているので、1番目が西洋わさびになるのは表示どおりということになります。
ここでひとつ、注意があります。これは法律ではありません。消費者庁が公表している公正競争規約の一覧を見ると、わさび関係で載っているのは「粉わさび」だけです。チューブの練りわさびの規約はありません。
つまり、業界が自分たちで決めて守っている書き方です。それでも、書いてあることと1番目はきれいに一致していました。
緑色の正体を探したら、着色料は6商品の外にあった

次は色です。うわさのとおりなら、緑は着色料でつけていることになります。
探し方は2通り必要でした。東京都保健医療局によれば、着色料は用途名を併せて書く8つの用途のひとつです。ただし物質名に「色」の文字が入っていれば、用途名の「着色料」は省いてよいとされています。
だから「着色料( )」の形だけでなく、「〜色素」という言葉も探す必要があります。両方で6商品の原材料名を見ました。
結果は6商品ともゼロでした。「着色料」も「色素」も、どこにも出てきません。今回の6商品にかぎれば、緑は着色料でつけたものではないことになります。
ただし、外にはありました。ここは書いておきます。
| 商品 | 原材料名の1番目 | 着色料の表示 |
|---|---|---|
| 本生きざみわさび 43g(エスビー食品) | 本わさび調味加工品 | 着色料(紅花黄、クチナシ) |
| 生一本おろし本わさび 160g(カメヤ食品) | 本わさび(静岡県産) | 着色料(黄4、青1) |
本生きざみわさびは、今回の6商品と同じ本生シリーズです。同じ売り場に並んでいますが、こちらには着色料が入っています。
もっと分かりやすいのがカメヤ食品の生一本おろし本わさびです。1番目は本わさび(静岡県産)で、西洋わさびは入っていません。それでも着色料は黄4と青1でした。
本わさびが1番目だから着色料が入らない、という関係はありません。2つは別の話です。カメヤ食品は公式サイトに栄養成分表示を載せていないため、あとの食塩の表には入れていません。
「無添加」という言葉が何を指すかは、無添加とは?売り場での見分け方にまとめています。
100gにそろえると、食塩は0.3gから9.0gまでひらいた

最後に栄養成分表示です。エスビー食品の公式サイトは10gあたりで数字を出しています。そこで10gあたりの値を10倍して、100gあたりにそろえました。
たとえば本生和からしは10gあたり0.9gなので、0.9g×10で100gあたり9.0gです。
| 商品 | 100gあたりの食塩相当量 | 100gあたりのエネルギー | 添加物の品目数 |
|---|---|---|---|
| 本生和からし | 9.0g | 290kcal | 5品目 |
| おろし生わさび(エスビー食品) | 7.0g | 250kcal | 5品目 |
| 本生生にんにく | 6.0g | 110kcal | 4品目 |
| 本生本わさび | 3.0g | 240kcal | 7品目 |
| 本生生しょうが | 0.3g | 50kcal | 6品目 |
いちばん多いからしの9.0gと、いちばん少ないしょうがの0.3gで30倍の開きがありました。同じ形の同じ大きさのチューブでも、中身はここまで違います。
ハウス食品のおろし生わさびは、この表に入れられませんでした。商品ページに栄養成分表示そのものがないからです。原材料名と産地は載っていますが、エネルギーも食塩相当量も出ていません。
品目数が多い=体に悪い、ではない
ここまでの数字を並べると、あることに気づきます。添加物の品目数と食塩の順位が、そろっていません。
添加物が最も少ない4品目の本生生にんにくは、100gあたりの食塩が6.0gです。最も多い7品目の本生本わさびは3.0gでした。品目数が半分近くの商品のほうが、食塩は2倍ということになります。
そもそも品目数は、書き方でも動きます。同じキサンタンガムでも、エスビー食品は「増粘剤(キサンタン)」、ハウス食品は「安定剤(キサンタンガム)」と書いています。東京都保健医療局の説明では、増粘・安定・ゲル化のどの目的で使うかによって用途名が変わります。中身は同じでも、文字は違って見えます。
数えられるものだけを数えると、判断を取り違えます。
じゃあ、どれを選んで、どう使うか

6商品を並べて分かったことから、3つに絞ります。
1つめ。わさびは、表側の「使用」と「入り」の2文字を見る。「使用」なら本わさびが50%以上、「入り」なら50%未満です。今回はその2文字と、原材料名の1番目が一致していました。
2つめ。色が気になるなら、原材料名の後ろで「着色料」と「色素」の両方を探す。物質名に「色」が入っていれば用途名は省けるので、片方だけでは見落とします。
3つめ。食塩が気になるなら、しょうがとからしを別ものとして考える。100gあたりで0.3gと9.0g。同じ薬味でも30倍違います。ふだん多く使うほうの数字を先に見てください。
そのうえで、薬味を選び直しても、その日のおかずはまだ決まっていません。チューブは味を足すものであって、それ自体がおかずになるわけではないからです。
味の付いたおかずを毎日そろえたい人には、もう1つの選び方があります。添加物を使わないと決めて作られた惣菜を、届けてもらう方法です。
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よくある質問
- Qチューブのわさびの中身は、本わさびではないのですか?
- A
商品によって変わります。ハウス食品の43gおろし生わさびは原材料名の1番目が西洋わさびで、本わさびは6番目でした。エスビー食品のおろし生わさびは1番目が本わさび加工品、本生本わさびは1番目が本わさび(国産)です。
- Q「本わさび使用」と「本わさび入り」は何が違いますか?
- A
本わさびの割合です。金印わさびとエスビー食品の公式サイトによれば、日本加工わさび協会の統一基準で、原料わさびのうち本わさびが50%以上なら「本わさび使用」、50%未満なら「本わさび入り」と書きます。法律ではなく業界の取り決めです。
- Qチューブわさびの緑色は着色料ですか?
- A
今回の6商品では、原材料名に「着色料」も「色素」も書かれていませんでした。ただし同じエスビー食品の本生きざみわさびには着色料(紅花黄、クチナシ)、カメヤ食品の生一本おろし本わさびには着色料(黄4、青1)が書かれています。商品ごとに確かめてください。
- Qチューブの薬味で食塩がいちばん多いのはどれですか?
- A
今回そろえた5商品では、エスビー食品の本生和からしが100gあたり9.0gで最多でした。最少は本生生しょうがの0.3gです。いずれも公式サイトの10gあたりの値を10倍して換算しています。
まとめ:見るのは色ではなく、原材料名の1番目

6商品を並べて出た答えは2つです。1番目がその薬味そのものではなかったのは、「本わさび入り」と書かれた1商品だけでした。しょうが・にんにく・からしは、どれも1番目が名前どおりです。
そして着色料は6商品のどこにも書かれていませんでした。緑の話は、今回の6商品では空振りです。かわりに差が出たのは食塩で、100gあたり0.3gから9.0gまでひらきました。
明日やることは1つ。わさびのチューブを表側から見て、「使用」か「入り」かを確かめる。その2文字だけで、1番目が本わさびか西洋わさびかが読めます。
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