ラベルさん先に結論です。添加物の品目数では、から揚げ粉と天ぷら粉は見分けられませんでした。1品目の天ぷら粉もあれば、5品目の天ぷら粉もあります。
差がついたのは食塩相当量でした。100gあたりで、から揚げ粉は7.5gから8.3g。天ぷら粉は0.4gから1.1gでした。いちばん少ないから揚げ粉でも、いちばん多い天ぷら粉の6.8倍あります。数字はすべて2026年8月27日に各社公式サイトで確認しました。
「から揚げ粉は添加物が多い」と言われる出どころは、原材料名の長さ

まず、2つの原材料名をそのまま並べます。どちらも昭和産業の商品です。
パリッジュ~から揚げ粉
小麦粉(国内製造)、でん粉、食塩、にんにく粉末、粉末醤油(大豆を含む)、ぶどう糖、砂糖、黒こしょう、オニオンパウダー、酵母エキス粉末/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、ベーキングパウダー、乳化剤、パプリカ色素
天ぷら粉
小麦粉(国内製造)、でん粉、卵黄粉(卵を含む)、卵白粉/ベーキングパウダー、着色料(ビタミンB2)
字数にすると104字と49字。から揚げ粉のほうが2倍以上あります。「長い=添加物が多い」と読まれてきたのが、うわさの出どころだと思います。
ただし、長さのもとは前半です。にんにく粉末、粉末醤油、黒こしょう、オニオンパウダー。これらはスラッシュより前、つまり添加物ではありません。味をつける材料です。
では添加物は何品目なのか。次の章で6商品ぶんを書き出します。
から揚げ粉と天ぷら粉、6商品の添加物を書き出した

昭和産業、日本食研、桜井食品の公式サイトから、から揚げ粉3商品と天ぷら粉3商品の原材料名を取りました。スラッシュより後ろの数を並べます。
| 種類 | 商品 | 製造元 | 添加物の品目数 | 添加物として書かれているもの |
|---|---|---|---|---|
| から揚げ粉 | お肉をやわらかくするから揚げ粉 | 昭和産業 | 2品目 | 調味料(アミノ酸)、酵素 |
| から揚げ粉 | から揚げの素 160g | 日本食研 | 3品目 | 加工デンプン、調味料(アミノ酸)、膨張剤 |
| から揚げ粉 | パリッジュ~から揚げ粉 | 昭和産業 | 5品目 | 加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、ベーキングパウダー、乳化剤、パプリカ色素 |
| 天ぷら粉 | 天ぷら粉 | 桜井食品 | 1品目 | 膨張剤(重曹) |
| 天ぷら粉 | おいしく揚がる魔法の天ぷら粉 | 昭和産業 | 5品目 | 加工でん粉、ベーキングパウダー、調味料(アミノ酸)、乳化剤、カロテン色素 |
| 天ぷら粉 | 天ぷら粉 | 昭和産業 | 2品目 | ベーキングパウダー、着色料(ビタミンB2) |
から揚げ粉は2品目、3品目、5品目。天ぷら粉は1品目、5品目、2品目です。から揚げ粉だから多い、天ぷら粉だから少ない、という決まりはありませんでした。
いちばん少ないのは天ぷら粉の1品目、いちばん多い商品は、から揚げ粉と天ぷら粉に1つずつありました。「から揚げ粉のほうが添加物が多い」は、この6商品では出ませんでした。
なお桜井食品の1商品だけは、原材料名にスラッシュがありません。すべて中黒(・)でつないだ書き方で、末尾に膨張剤(重曹)と書かれています。
出どころは各社の公式ページです。お肉をやわらかくするから揚げ粉、パリッジュ~から揚げ粉、天ぷら粉、おいしく揚がる魔法の天ぷら粉、から揚げの素 160g、桜井食品の天ぷら粉から、2026年8月27日に写しました。
このうち2商品は、取得したあとに公式サイトでの置き場所が変わりました。お肉をやわらかくするから揚げ粉は公式オンラインショップの商品ページ、昭和産業の天ぷら粉はリニューアル後の商品ページにつなぎ直しています(2026年9月4日に確認)。表に並べた原材料名と数字は、2026年8月27日に確かめたときのままです。
大手2社を6商品から外しています。日清製粉ウェルナと、ニップンです。どちらも商品ページに栄養成分表示はありますが、原材料名の記載がありませんでした。原材料名が主役の記事なので、表には入れていません。
ただし食塩の数字だけは公式に出ています。日清 から揚げ粉は100gあたり9.8g、日清 コツのいらない天ぷら粉 揚げ上手は0.25gです。この2つは同じ会社の商品ですが、から揚げ粉のほうが食塩が多い点は、あとで見る6商品と同じでした。
膨張剤も加工でん粉も、から揚げ粉のほうに入っていた

品目数でだめなら、用途で見たらどうか。「衣をふくらませるのが天ぷら粉、味をつけるのがから揚げ粉」という読み方です。用途ごとに丸をつけます。
| 商品 | 種類 | 調味料 | 膨張剤 | 加工でん粉 | 着色料 |
|---|---|---|---|---|---|
| お肉をやわらかくするから揚げ粉 | から揚げ粉 | あり | なし | なし | なし |
| から揚げの素 160g | から揚げ粉 | あり | あり | あり | なし |
| パリッジュ~から揚げ粉 | から揚げ粉 | あり | あり | あり | あり |
| 天ぷら粉(桜井食品) | 天ぷら粉 | なし | あり | なし | なし |
| おいしく揚がる魔法の天ぷら粉 | 天ぷら粉 | あり | あり | あり | あり |
| 天ぷら粉(昭和産業) | 天ぷら粉 | なし | あり | なし | あり |
ベーキングパウダーは膨張剤の一括名なので、膨張剤として数えました。すると膨張剤は6商品のうち5商品に入っていました。から揚げ粉にも2商品あります。
加工でん粉も3商品にあり、うち2商品はから揚げ粉でした。着色料は3商品で、これも両方にまたがります。
惜しかったのが調味料です。から揚げ粉は3商品とも入っていました。天ぷら粉で入っていたのは1商品だけです。それでも例外が1つ出た時点で、用途では線を引けません。
例外は昭和産業のおいしく揚がる魔法の天ぷら粉です。天ぷら粉なのに調味料(アミノ酸)が入り、原材料名にも食塩が書かれていました。
調味料の書かれていないから揚げ粉も、13商品まで広げると3商品ありました。どれもうま味をかつお節や昆布、別添のたれに移していました。
ここで一括名の話をもう少しだけ。東京都保健医療局の解説のとおり、用途によっては複数の物質を1行にまとめて書けます。「調味料(アミノ酸等)」の1品目に、物質が1つとは限りません。売り場での見分け方は無添加とは?売り場での見分け方にもまとめています。
きれいに差が出たのは食塩。100gでから揚げ粉7.5gから8.3g、天ぷら粉0.4gから1.1g

次は栄養成分表示です。ここで単位をそろえます。
公式の表示単位は、商品ごとにそろっていませんでした。6商品のうち100gあたりで出ているのは4商品です。日本食研のから揚げの素は「1回分(80g)当たり」、昭和産業のパリッジュ~から揚げ粉は「80gあたり」と書かれていました。表に入れたのは、その2商品を100gに換算し直した数字です。
計算式はこれだけです。80gあたりの数字 ÷ 80 × 100。日本食研は食塩相当量6.0g ÷ 80 × 100 で7.5g、264kcal ÷ 80 × 100 で330kcalになります。パリッジュ~から揚げ粉は6.6g ÷ 80 × 100 で8.3g、266kcal ÷ 80 × 100 で332.5kcalです。
| 種類 | 商品 | 100gあたり食塩相当量 | エネルギー | 脂質 |
|---|---|---|---|---|
| から揚げ粉 | パリッジュ~から揚げ粉(換算値) | 8.3g | 332.5kcal | 1.0g |
| から揚げ粉 | お肉をやわらかくするから揚げ粉 | 8.2g | 327kcal | 0.6g |
| から揚げ粉 | から揚げの素 160g(換算値) | 7.5g | 330kcal | 1.25g |
| 天ぷら粉 | 天ぷら粉(桜井食品) | 1.1g | 358kcal | 2.4g |
| 天ぷら粉 | おいしく揚がる魔法の天ぷら粉 | 0.7g | 360kcal | 1.9g |
| 天ぷら粉 | 天ぷら粉(昭和産業) | 0.4g | 352kcal | 1.4g |

上3つがから揚げ粉、下3つが天ぷら粉です。7.5gと1.1gのあいだで、はっきり分かれています。重なった商品は1つもありませんでした。
いちばん少ないから揚げ粉の7.5gでも、いちばん多い天ぷら粉の1.1gの6.8倍です。品目数の順位とは、まったく別の並びになりました。
使う量でも見ておきます。日本食研のから揚げの素は1回分が80gで、そこに食塩相当量が6.0gと書かれていました。粉の段階でもう入っている、ということです。
もう1つ、表示の読み方で気をつけることがあります。昭和産業の天ぷら粉は、原材料名に食塩の文字がないのに、食塩相当量が0.4gと出ています。
これは食塩相当量の出し方によるものです。東京都保健医療局の解説によると、計算式は食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000。食塩以外の材料に入っているナトリウムも、この数字に入ります。
ただし、食塩相当量が多い=体に悪い、ではない

ここまで数字を並べてきましたが、順位はそのまま良し悪しの順位ではありません。理由を3つ書きます。
1つめ。100gの数字は、100gを口に入れる数字ではありません。1回に使う量は商品ごとに違います。そろえないと比べられないので100gにしただけです。
2つめ。エネルギーと脂質は、天ぷら粉のほうが高く出ました。天ぷら粉は352kcalから360kcal、から揚げ粉は327kcalから332.5kcalです。脂質も天ぷら粉が1.4gから2.4gで多くなっています。食塩が少ない天ぷら粉が、エネルギーと脂質では多いということです。
3つめ。添加物が最少の商品で、食塩は最多でした。桜井食品の天ぷら粉は添加物が膨張剤(重曹)の1品目だけです。それでも食塩相当量は1.1gで、天ぷら粉3商品のうちいちばん多い値でした。
この「1つ減らすと別のどこかが増える」は、ほかの商品でも出ています。チキンナゲット6商品を比べた記事では、添加物ゼロの商品が脂質で1位でした。
じゃあ、どの粉を選んで、どう使うか

6商品の数字から、決め手を3つに絞ります。
1つめ。品目数で選ばない。天ぷら粉には1品目の商品も5品目の商品もありました。から揚げ粉も2品目から5品目です。並んでいる文字の数と、口に入る量は別ものです。
2つめ。から揚げ粉を使う日は、しょうゆをたさない。から揚げ粉は100gに7.5gから8.3gの食塩が入っていました。味つけは粉にもう入っています。
3つめ。食塩を減らしたいなら、粉の種類を変える。同じ揚げるための粉でも、天ぷら粉は0.4gから1.1gでした。から揚げ粉の減塩タイプを探すより、この差のほうが大きいです。
そのうえで、粉から見直すより、おかず全体を切り替えたいという日もあります。揚げずに済むおかずを、味つけごと届けてもらう手もあります。
その場合に見るのは100gではなく1食です。1食あたりで食塩を比べた宅配弁当の記事では、12社の数字が0.9gから4.6gに分かれました。
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同じ粉ものでも、ホットケーキミックスは膨張剤が6商品すべてに入っていました。ここでは差が付かず、分かれたのは書き方のほうです。整理はホットケーキミックス6商品の膨張剤にあります。
よくある質問
- Qから揚げ粉のほうが添加物は多いのですか?
- A
この6商品では出ませんでした。から揚げ粉は2品目から5品目、天ぷら粉は1品目から5品目です。原材料名が長く見えるのは、にんにく粉末や粉末醤油などスラッシュより前の材料が並ぶからでした。
- Qから揚げ粉と天ぷら粉で、いちばん違うのはどこですか?
- A
100gあたりの食塩相当量です。から揚げ粉は7.5gから8.3g、天ぷら粉は0.4gから1.1gでした。6商品で重なりはなく、いちばん少ないから揚げ粉でも、いちばん多い天ぷら粉の6.8倍あります。
- Q膨張剤が入っているのは天ぷら粉だけですか?
- A
違います。6商品のうち5商品に入っていて、そのうち2つはから揚げ粉でした。加工でん粉も3商品にあり、2つはから揚げ粉のほうです。用途では2つの粉を分けられませんでした。
- Q原材料名に食塩がないのに、食塩相当量が出るのはなぜですか?
- A
食塩相当量はナトリウムから計算する数字だからです。東京都保健医療局の解説では、食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000。昭和産業の天ぷら粉は原材料名に食塩がありませんが、0.4gと表示されています。
まとめ:見るのは品目数ではなく、100gの食塩相当量

6商品を並べて出た答えは2つです。添加物の品目数では、から揚げ粉と天ぷら粉は見分けられませんでした。膨張剤も加工でん粉も、から揚げ粉のほうに入っていました。
そして100gあたりの食塩相当量は、から揚げ粉が7.5gから8.3g、天ぷら粉が0.4gから1.1g。6商品で重なりはありませんでした。
明日やることは1つ。から揚げ粉を使う日に、しょうゆやたれを足していないか一度だけ見てみる。粉にもう7.5g以上が乗っていると分かれば、手が止まります。
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