ラベルさん減塩や生(なま)タイプに添加物が増える。そう予想して取得を始めましたが、数字はそちらへ動きませんでした。
スラッシュ(/)の右側が最も長くなったのは、だしを足したタイプです。減塩はメーカーによって1品目から3品目まで割れました。生タイプは、ふつうの濃口と同じでした。
この記事の数字は2026年8月29日に各社の公式商品ページから控えました。売り場で何を目印にするか、順番に整理します。
醤油売り場に「無添加」の文字はない。目印は原材料名の右側

買う場所から先に書きます。添加物の表示が0品目の醤油は、いつものスーパーの醤油売り場で手に入ります。自然食品店や通販へ回る必要はありません。
ただし、パッケージの表に「無添加」と刷られた1本を探す方法では届きません。この言葉には法律上の定義がなく、消費者庁は対象を書かない表示を誤認のおそれがあるものとして整理しました。
出どころは令和4年3月30日づけの食品添加物の不使用表示に関するガイドラインになります。その経緯そのものをまとめた記事として、無添加という言葉のルールもあります。
ですから、目印は裏側に移ります。原材料名にはスラッシュ(/)が入り、その右側に並ぶものが添加物です。醤油の場合、右側に何も付かない商品が実在します。
売り場で持ち上げる本数は2本で足ります。手順はこうです。
- 商品名に「丸大豆」「有機」「国産」のどれかが入った1本を取る
- 裏返して、スラッシュがあるかを確認する
- スラッシュがなければ、原材料は大豆・小麦・食塩だけ
この3手順で行き着く商品を、次の章で26商品ぶん示します。
5社26商品の原材料名。大豆・小麦・食塩だけは5商品だった

取得先は5社の公式商品ページです。キッコーマン、ヤマサ、ヒガシマル、正田醤油、マルキン(盛田)から、26商品の原材料名と食塩相当量を控えました。
結果は添加物0品目が5商品、1品目が13商品です。26商品のうち18商品が、0か1で収まりました。
原材料名は公式の表記のままです。産地の括弧書きと遺伝子組換えに関する注記は、長くなるため省いています。食塩相当量はすべて大さじ1杯(15ml)当たりです。
| 商品名 | 種類 | 原材料名(公式表記) | 添加物 | 食塩相当量 | 出どころ |
|---|---|---|---|---|---|
| キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆ | こいくち | 大豆、小麦、食塩 | 0品目 | 2.5g | 公式 |
| キッコーマン 特選有機しょうゆ | こいくち | 有機大豆、有機小麦、食塩 | 0品目 | 2.5g | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 国産しょうゆ | こいくち | 大豆、小麦、食塩 | 0品目 | 2.3g | 公式 |
| ヤマサ 鮮度生活 特選丸大豆しょうゆ | こいくち | 大豆、小麦、食塩 | 0品目 | 2.4g | 公式 |
| ヒガシマル 特選丸大豆うすくちしょうゆ | うすくち | 大豆、食塩、小麦、米、米発酵調味料 | 0品目 | 2.7g | 公式 |
| キッコーマン しょうゆ | こいくち | 脱脂加工大豆、小麦、食塩、大豆/アルコール | 1品目 | 2.5g | 公式 |
| キッコーマン まろやか丸大豆 しょうゆ | こいくち | 大豆、小麦、食塩、みりん/アルコール | 1品目 | 2.2g | 公式 |
| 正田の丸大豆しょうゆ 特撰 | こいくち | 大豆、小麦、食塩/アルコール | 1品目 | 2.4g | 公式 |
| 正田のしょうゆ 特級 | こいくち | 脱脂加工大豆、小麦、食塩、大豆/アルコール | 1品目 | 2.4g | 公式 |
| マルキン こいくちしょうゆ | こいくち | 脱脂加工大豆、小麦、食塩、大豆/アルコール | 1品目 | 2.4g | 公式 |
| マルキン 特選丸大豆しょうゆ | こいくち | 大豆、小麦、食塩/アルコール | 1品目 | 2.6g | 公式 |
| キッコーマン うすくちしょうゆ | うすくち | 食塩、脱脂加工大豆、小麦、果糖ぶどう糖液糖、米、大豆/アルコール | 1品目 | 2.8g | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたて生しょうゆ | 生 | 脱脂加工大豆、小麦、食塩/アルコール | 1品目 | 2.3g | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 しぼりたてうすくち生しょうゆ | 生・うすくち | 脱脂加工大豆、食塩、小麦、みりん/アルコール | 1品目 | 2.3g | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 塩分ひかえめ丸大豆生しょうゆ | 生 | 大豆、小麦、食塩/アルコール | 1品目 | 1.9g | 公式 |
| マルキン 醤の郷 小豆島 丸大豆生しょうゆ | 生 | 大豆、小麦、食塩/アルコール | 1品目 | 2.6g | 公式 |
| 正田 減塩しょうゆ | 減塩 | 脱脂加工大豆、小麦、食塩、醸造酢/アルコール | 1品目 | 1.3g | 公式 |
| マルキン 超特選 減塩しょうゆ | 減塩 | 脱脂加工大豆、小麦、食塩、大豆/アルコール | 1品目 | 1.4g | 公式 |
| マルキン デラックス醤油 | こいくち | 脱脂加工大豆、食塩、小麦、砂糖、みりん、大豆/アルコール、調味料(アミノ酸等) | 2品目 | 2.7g | 公式 |
| ヤマサ 鮮度生活 減塩しょうゆ | 減塩 | 脱脂加工大豆、小麦、食塩、醸造酢、水あめ、大豆、みりん/アルコール、ビタミンB1 | 2品目 | 1.3g | 公式 |
| キッコーマン 減塩しょうゆ | 減塩 | 小麦、脱脂加工大豆、食塩、大豆/アルコール、酸味料、ビタミンB1 | 3品目 | 1.2g | 公式 |
| キッコーマン 特選 丸大豆減塩しょうゆ | 減塩 | 大豆、小麦、食塩/アルコール、酸味料、ビタミンB1 | 3品目 | 1.2g | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 超減塩しょうゆ | 減塩 | 脱脂加工大豆、小麦、食塩/アルコール、酸味料、ビタミンB1 | 3品目 | 0.8g | 公式 |
| ヒガシマル 京風割烹 白だし | 白だし | 本醸造しょうゆ、食塩、砂糖、たん白加水分解物、ふし、醸造酢、かつおエキス、さばエキス、かつおぶしエキス、発酵調味料、煮干し、酵母エキス、こんぶ/調味料(アミノ酸等)、アルコール | 2品目 | 記載なし | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 大豆ペプチド 減塩しょうゆ(だし入り) | だし入り | 大豆発酵分解調味液、しょうゆ、食塩、昆布/アルコール、酸味料、調味料(アミノ酸等)、ビタミンB1 | 4品目 | 0.6g | 公式 |
| キッコーマン いつでも新鮮 旨み豊かな 昆布だししょうゆ | だし入り | しょうゆ、食塩、砂糖、ぶどう糖果糖液糖、昆布/調味料(アミノ酸等)、アルコール、酸味料、甘味料(ステビア)、ビタミンB1 | 5品目 | 1.8g | 公式 |
0品目の5商品は、どれも大手メーカーの定番です。専門店でしか手に入らない銘柄は入っていません。
1品目の13商品に付いていたものは、すべてアルコールでした。酒精とも書かれる成分で、味を付ける目的ではありません。用途は次の章で扱います。
「本醸造」の3文字は、国が定義を持っている用語だった

ラベルの名称欄には「こいくちしょうゆ(本醸造)」のように括弧書きが付きます。この括弧の中身は、メーカーが自由に付けた宣伝文ではありません。
しょうゆには日本農林規格(JAS 1703:2021)があります。2004年9月13日制定、2021年1月25日改正の規格です。ここに3つの方式が定義されています。
規格の3.8から、そのまま引用します。
- 本醸造方式によるもの「もろみを発酵させ,及び熟成させて得られた清澄な液体調味料」
- 混合醸造方式によるもの「もろみにアミノ酸液,酵素分解調味液又は発酵分解調味液を加えて発酵させ,及び熟成させて得られた清澄な液体調味料」
- 混合方式によるもの「a),b)若しくは生揚げ又はこのうち2つ以上を混合したものにアミノ酸液,酵素分解調味液若しくは発酵分解調味液又はこのうち2つ以上を混合したものを加えたもの」
アミノ酸液の定義も同じ規格にあります。3.5に「大豆等の植物性たん白質を酸によって処理したもの」とあります。
つまり3方式の差は、もろみ以外のうま味成分を足すかどうかです。足さないものが本醸造、もろみの段階で足すものが混合醸造、しぼったあとに足すものが混合になります。
この括弧書きは任意ではありません。消費者庁のしょうゆに関する個別品目ごとの表示ルール(令和7年3月)に、食品表示基準の別表第4がそのまま載っています。
そこには「こいくちしょうゆであって、本醸造方式によるものは『こいくちしょうゆ(本醸造)』と、混合醸造方式によるものは『こいくちしょうゆ(混合醸造)』と、混合方式によるものは『こいくちしょうゆ(混合)』と表示する」と書かれています。
原材料名の書き方にも決まりがあります。同じ別表第4に、大豆は「大豆」か「脱脂加工大豆」の別を表示し、アミノ酸液は「アミノ酸液」と表示する、とあります。
ですから、アミノ酸液を使った商品は原材料名で分かります。今回の26商品には、アミノ酸液の表示があるものはありませんでした。
減塩しょうゆに何が入るかは、メーカーで割れた

減塩タイプは添加物が多い。取得を始める前は、そう予想していました。実データは、そのとおりになりませんでした。
6商品の内訳はこうです。
- 1品目/正田 減塩しょうゆ、マルキン 超特選 減塩しょうゆ。どちらもアルコールだけ
- 2品目/ヤマサ 鮮度生活 減塩しょうゆ。アルコールとビタミンB1
- 3品目/キッコーマンの減塩3商品。アルコール、酸味料、ビタミンB1
同じ「減塩」の名前でも、1品目から3品目まで開きました。減塩だから一律に増える、という関係ではありません。
そもそも「減塩」と書ける条件も決まっています。先ほどの消費者庁の資料にある食品表示基準の別表第22です。しょうゆ100g中の食塩量が9g以下のものに限る、と示されています。
もうひとつ差が出たのは、スラッシュの左側です。ヤマサは醸造酢、水あめ、みりんを足し、正田は醸造酢を足していました。塩を減らした分を、別の材料で埋める設計です。
食塩相当量のほうは、はっきり動きます。大さじ1杯で1.2gから1.4gに収まりました。通常の濃口は2.4gから2.5gなので、およそ半分です。
いちばん低かったのは、だし入りの大豆ペプチド減塩しょうゆで0.6gです。ただしこの商品は添加物が4品目で、26商品の中では多いほうに入ります。
食塩を下げると添加物の欄が長くなる商品もあれば、変わらない商品もある。減塩は、どちらを優先するかで選ぶ場所だと言えます。
品目数が伸びたのは、醤油ではなく、だしを足した側だった

26商品で最も品目数が多かったのは、昆布だししょうゆの5品目です。次が大豆ペプチド減塩しょうゆの4品目でした。どちらもだしを足した商品です。
この2商品の原材料名は、1番目がしょうゆ、または大豆発酵分解調味液になります。醤油そのものではなく、醤油を材料にした調味料という組み立てです。
白だしは、また別の形でした。ヒガシマルの京風割烹白だしは、スラッシュの右側が調味料(アミノ酸等)とアルコールの2品目です。数だけなら少なめに見えます。
ところが左側は13種類あります。かつおぶしなど7種のふし、かつおエキス、さばエキス、酵母エキス、たん白加水分解物などが並びます。数が少ないのは、うま味を添加物ではなく原材料で組んでいるからです。
ここで、めんつゆとの線を引いておきます。めんつゆは薄めて使う商品です。原液の食塩相当量をそのまま持ち出すと、口に入る量とはずれます。その差はめんつゆ6商品の濃縮倍率の記事で扱いました。
この記事が扱うのは、薄めずに使う醤油のほうです。原液のまま鍋や皿に入る前提なので、表示の数字がそのまま届きます。
まとめると、だしが入ると品目数か原材料の種類数のどちらかが伸びるという形でした。醤油の部分が長くなっていたわけではありません。
どの1本を手に取り、どこで買うか

売り場での判断を3段階で整理します。上から順に確認すれば、迷う時間が短くなります。

- スラッシュを1本もなくしたいなら/商品名に「特選 丸大豆」「有機」「国産」が入った1本。今回はキッコーマン、ヤマサ、ヒガシマルの5商品が該当しました
- アルコール1つまでなら許容するなら/各社の定番濃口と生タイプ。13商品がここに入り、価格帯もいちばん広くなります
- 食塩相当量を優先するなら/減塩タイプ。ただし添加物は1品目から3品目まで割れるので、裏側の確認が要ります
だしを足したタイプは、この3段階とは別の商品として考えるほうが早いです。醤油を買うつもりで手に取ると、表示の長さに驚くことになります。
買える場所は、全国のスーパーの醤油売り場です。今回の5社は、いずれも量販店の定番として扱われているメーカーになります。取り寄せが必要な銘柄ではありません。醤油以外の売り場でどこまで同じことが言えるかは、調味料以外の売り場はどうだったかで売り場ごとに分けています。
見つからない場合は、各社の公式通販もあります。ヤマサはヤマサ吟選グルメ便、ヒガシマルはヒガシマル醤油 通信販売で、公式が直接販売しています。
調味料の裏側を1本ずつ確認する作業は、慣れると数秒で終わります。ただし主菜まで同じ調子で確認するのは、平日の夕方だとなかなか続きません。
おかずの側を外から埋める手もあります。宅配の各社が原材料名を注文前に公開しているかどうかは、宅配弁当14社の原材料公開状況に整理しました。
シェフの無添つくりおき

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よくある質問
Q. 原材料名にあるアルコールは、何のために入っていますか。
A. しょうゆのJAS規格(JAS 1703:2021の3.8)に手がかりがあります。砂糖類やアルコールを補助的に加えたものも、しょうゆに含めると定義されています。目的について各社の商品ページに個別の記載はありませんでした。
Q. 「特級」と書かれた商品と「特選」と書かれた商品は、何が違いますか。
A. 特級はJAS規格の等級です。こいくちしょうゆの特級は、本醸造方式で全窒素分1.50g/100mL以上などの基準を満たす必要があります。一方、消費者庁の資料には、特選などの用語を等級の格付けなしに用いることが表示禁止事項として挙げられています。
Q. 脱脂加工大豆と丸大豆では、添加物の数は変わりますか。
A. 今回の26商品では、そこで決まりませんでした。丸大豆の商品でもアルコールの表示がある商品は複数あり、0品目だった5商品との差は原料の形だけでは説明できません。
Q. うすくちしょうゆのほうが、食塩相当量は少ないですか。
A. 逆でした。今回のうすくち2商品は大さじ1杯2.7gと2.8gで、濃口の2.2gから2.6gより高い数字です。色が薄いことと塩の量は連動していません。
Q. 生(なま)しょうゆは表示が長くなりますか。
A. なりませんでした。今回の生タイプ4商品はいずれもアルコール1品目で、各社の定番濃口と同じ品目数です。なお「生(なま)」と書けるのは、火入れを行わず、火入れの殺菌処理と同等な処理をしたものに限られます(別表第22)。
Q. 味噌のほうはどうなっていますか。
A. 味噌には酒精の表示が付く商品があります。だしなしの商品でも入る例があり、その内訳は味噌6商品の表示の記事にあります。
まとめ:商品名の3語で目星をつけて、裏のスラッシュで決める

5社26商品の原材料名から出たことを、3つに絞ります。
- 大豆・小麦・食塩だけの醤油は5商品あり、いずれも大手の定番。売り場で普通に手に入ります
- 1品目だった13商品は、すべてアルコール。醤油そのものの表示は、0か1で収まる形でした
- 品目数が伸びたのは、だしを足した商品。昆布だししょうゆの5品目が最も長い表示でした
売り場でやることは1つです。商品名に「丸大豆」「有機」「国産」のどれかが入った1本を取り、裏返してスラッシュの有無を確認する。これで判断が付きます。
減塩を選ぶ場合だけは、もう一手間かかります。同じ「減塩」でも1品目から3品目まで割れます。商品ごとに裏側の確認が要ります。
表示は改訂されます。この記事の数字は2026年8月29日時点の各社公式ページのものなので、購入前には手元の商品のラベルをご確認ください。
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