ラベルさん先に結論です。砂糖を入れていない米麹の甘酒のほうが、砂糖が1番目に書かれた酒粕の甘酒より炭水化物が多い。100mlあたりの最多は砂糖ゼロの玄米甘酒で28.9g、砂糖が1番目の商品は最多でも16.2gでした。
もう1つ。「アルコール分1%未満」と書かれているのは酒粕を使う7商品だけで、米麹だけの商品は0.00%かノンアルコールの表記です。1%という数字は酒税法で決まっています。数字はすべて2026年9月2日に各社公式サイトで確認しました。
「甘酒は体に悪い」と言われる出所は、砂糖とアルコールと名前の3つ

甘酒が名指しされる理由は、大きく3つに分かれます。甘いから糖分が多いのではという見方、名前に「酒」が付くからアルコールが入っているのではという見方、そしてコップ1杯のカロリーです。
3つとも、答えはラベルに書いてあります。糖分は栄養成分表示の炭水化物の行、アルコールは「アルコール分」の行、カロリーはエネルギーの行です。この記事では健康への影響の評価には入りません。各社が表示している数字と文言をそのまま並べて、うわさと表示のずれを見るだけです。
アルコールの決まりを先に確かめておきます。酒税法の第二条にある酒類の定義は「アルコール分一度以上の飲料」です。条文はe-Gov法令検索で読めます。国税庁のQ&Aも同じ説明で、根拠法令は酒税法第2条です。
では1度に届かない飲み物は何と呼ばれるか。大阪健康安全基盤研究所は、清涼飲料水を法令で「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満を含有する飲料」と定義していると説明しています。つまりアルコール分が1%に届かなければ酒類ではなく清涼飲料水です。各社の商品ページに「清涼飲料水」の文字があるのは、このためです。
酒粕と米麹に分けて、甘酒13商品の表示を並べた

甘酒は、甘さの出し方で2つに分かれます。米麹で米を糖化させるものと、酒粕に砂糖を足すものです。13商品を2つに分けて、原材料名・アルコール分・炭水化物を公式表示のまま転記しました。
炭水化物は各社の表示単位が違うので、100mlか100gあたりにそろえています。換算した商品は表に印を付け、根拠の数字はあとで書きます。
まず、米麹だけの6商品です。
| 商品 | 原材料名(公式表記) | アルコール分 | 炭水化物 | 添加物 |
|---|---|---|---|---|
| ヤマト醤油味噌 玄米甘酒 490ml | 玄米(国産)、米こうじ | ノンアルコール | 28.9g/100ml | 0品目 |
| 八海山 麹だけでつくったあまさけ 118g | 米麹(国産米) | ノンアルコール | 25.6g/100g(換算) | 0品目 |
| CO・OP 米と米麹の甘酒 1000ml | 甘酒(米、米こうじ)(国内製造)、食塩 | 記載なし | 18.4g/100ml(換算) | 0品目 |
| マルコメ プラス糀 糀甘酒LL 1000ml | 甘酒(国内製造)(米、米こうじ、食塩) | アルコール0% | 17.0g/100ml | 0品目 |
| 森永製菓 米麹甘酒 1000ml | 米麹(国内製造)、米、米粉、食塩 | 0.00% | 13.9g/100ml | 0品目 |
| 篠崎 国菊あまざけ 985g | 米麹、米 | ノンアルコール | 記載なし(109kcal/100g) | 0品目 |
6商品とも、原材料名に砂糖の文字がありません。スラッシュもなく、添加物の表示は6商品すべて0品目でした。アルコール分は0.00%、0%、ノンアルコールと書き方が分かれますが、いずれも「1%未満」という書き方ではありません。
次に、酒粕を使う7商品です。
| 商品 | 原材料名(公式表記) | アルコール分 | 炭水化物 | 添加物 |
|---|---|---|---|---|
| 大関 甘酒 1L | 砂糖(国内製造)、酒粕、生姜汁、澱粉、蜂蜜、食塩/酸味料 | 1%未満 | 16.2g/100ml | 1品目 |
| 白鶴 あまざけ 190g | 糖類(砂糖、粉飴)(国内製造)、酒粕、米こうじ/酸味料 | 1%未満 | 15.9g/100g(換算) | 1品目 |
| 月桂冠のあま酒 190g缶 | 砂糖(国内製造)、酒粕、難消化性デキストリン(食物繊維)、米こうじ、食塩/増粘剤(加工でん粉)、酸味料 | 1%未満 | 15.5g/100mL | 2品目 |
| 月桂冠の冷やしあま酒 190g缶 | 砂糖(国内製造)、酒粕、難消化性デキストリン(食物繊維)、米こうじ、食塩/増粘剤(加工でん粉)、酸味料 | 1%未満 | 15.5g/100mL | 2品目 |
| 森永製菓 甘酒 190g | 砂糖(国内製造)、酒粕、米麹、食塩/酸味料 | 1%未満 | 13.4g/100g | 1品目 |
| 森永製菓 甘酒 糖質50%オフ 185g | 酒粕(国内製造)、米麹、酒粕粉末、食塩/安定剤(増粘多糖類)、酸味料、甘味料(ステビア、スクラロース、ラカンカ)、香料 | 0.05%未満 | 4.2g/100g | 4品目 |
| 大関 甘酒 125ml(酒粕米麹ブレンド) | 甘酒(米、米麹)(国内製造)、砂糖、酒粕、生姜汁、澱粉、はちみつ、食塩、乳酸菌(加熱処理)/酸味料 | 1%未満 | 記載なし | 1品目 |
7商品のうち5商品は、砂糖か糖類が1番目です。残る2商品も、森永の糖質50%オフは甘味料、大関のブレンドは2番目に砂糖が入ります。酒粕を使う7商品には、砂糖か甘味料が必ず入っていました。
アルコール分は7商品とも1%未満の書き方で、森永の糖質50%オフだけが0.05%未満です。1%未満とは、酒類にならない上限を示す書き方であって、ゼロという意味ではありません。
添加物は7商品すべてにスラッシュがあり、1品目から4品目。7商品に共通して入っていたのは酸味料でした。
換算の根拠です。八海山は118gあたり炭水化物30.2g、白鶴は190gあたり30.2g、CO・OPはコップ1杯200mlあたり36.8gが公式の表示で、それぞれ100あたりに割り直しました。八海山と白鶴は表示上の数字が同じ30.2gですが、八海山は118g、白鶴は190gあたりです。
0品目という言い方に一言添えます。ここでの0品目は、表示の決まりで書くことになっている添加物が並んでいない、という意味です。加工助剤にあたるものと、原材料から持ち越されるキャリーオーバーの分は表示しなくてよいので、使われた添加物が全くない証明にはなりません。
米麹だけの商品は、次のページから写しました。ヤマト醤油味噌の玄米甘酒、八海山の麹だけでつくったあまさけ、CO・OPの米と米麹の甘酒、マルコメの糀甘酒LL、森永製菓の米麹甘酒、篠崎の国菊あまざけ。
酒粕を使う商品はこちらです。大関の甘酒1L、大関の甘酒125ml、白鶴のあまざけ、月桂冠のあま酒、月桂冠の冷やしあま酒、森永製菓の甘酒190g、森永製菓の糖質50%オフ。いずれも2026年9月2日に写しました。
砂糖を入れていない6商品のほうが、炭水化物は多かった

2つの表を見比べると、うわさと逆になります。砂糖が1番目の酒粕甘酒は、炭水化物が100mlあたり13.4gから16.2gの間でした。ところが砂糖を入れていない米麹甘酒は13.9gから28.9gで、数字の出ている5商品のうち4商品が、酒粕を使う商品の最多16.2gを上回っています。
同じ森永製菓で比べても、砂糖なしのほうが多い
森永製菓の甘酒190gは砂糖が1番目で、炭水化物は100gあたり13.4g。同じ森永製菓の米麹甘酒は砂糖なしで、100mlあたり13.9gです。砂糖を足した缶より、足していない紙パックのほうが0.5g多い。単位がgとmlで異なるので厳密な比較ではありませんが、少なくとも砂糖の有無で順番が決まってはいません。
甘さのもとが、砂糖ではなく米のでんぷんだから
理由は各社が公式ページで説明しています。マルコメが糀甘酒LLに添えているのは「米、米こうじのデンプンを糖化し、自然な甘みを引き出した」という説明と、栄養成分のショ糖0gです。八海山は「砂糖を一切使わず麹のでんぷんを糖化させる」と説明しています。米麹の甘酒は、砂糖を入れないかわりに米を糖に変えているので、砂糖ゼロでも炭水化物は減りません。
炭水化物がいちばん少ないのは、酒粕に甘味料を足した1本
13商品で炭水化物が最も少なかったのは、森永製菓の糖質50%オフで100gあたり4.2gでした。砂糖のかわりにステビア、スクラロース、ラカンカの甘味料が入り、添加物は4品目で13商品の最多です。炭水化物を減らした1本は、添加物の品目数ではいちばん多い。乳酸菌飲料でも同じ入れ替わりがありました。65mlの乳酸菌飲料を100mlにそろえた記事で、糖質オフ版の添加物が1品目から4品目に増えています。
つまり、うわさの3つの出所のうち「甘いから砂糖が多い」は、表示を見るかぎり甘酒には当てはまりません。原材料名に砂糖がなくても、炭水化物の数字は減りません。
ただし、炭水化物が多い=体に悪い、ではない

濃さと飲む量の2つを一緒にすると、選び方をまちがえます。100mlあたりの数字は濃さの比較であって、飲む量を掛けなければ1回分にはなりません。
実際、1回分でそろえると順番が入れ替わります。八海山の118g瓶は1本で30.2g、白鶴の190g缶も1本で30.2gです。100gあたりでは25.6gと15.9gで差があるのに、1本飲めば同じ数字になります。ヤマトの玄米甘酒は100mlで28.9gですが、490ml入りなので1本の数字は表示にありません。コップ1杯200mlなら57.8g、半量の100mlなら28.9gです。
アルコールも同じで、1%未満という表記は上限です。酒税法の第三条は、アルコール分を「温度十五度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量」と定めています。数字の意味を知らないまま「酒粕だから危ない」「米麹だから安心」と分けるのは、表示の読み違いです。
添加物の品目数も安全の順位ではありません。酒粕の7商品に共通していた酸味料は、酸味を付けて味を整える目的で使われる添加物です。品目数が0か1かで体への影響が決まるわけではない。「無添加」という言葉が何を指すかは、無添加の表示が2024年から変わった経緯にまとめています。
では、甘酒の何を見て選ぶか

見る場所は3か所です。上から順に確かめれば、30秒もかかりません。
- アルコール分の行/「1%未満」なら酒粕を使う商品、「0.00%」「ノンアルコール」なら米麹だけの商品と考えて、記載のあった12商品では外れませんでした
- 原材料名の1番目/砂糖か糖類なら甘さは足したもの、米麹か米なら甘さは米のでんぷん由来です
- 炭水化物の単位/100mlあたりか、100gあたりか、1本あたりか。八海山と白鶴のように同じ30.2gでも量が違います
1つめのアルコール分の行を見るのが、いちばん速いです。そして砂糖を避けたいなら米麹、炭水化物の量を減らしたいなら糖質オフの酒粕と、目的によって選ぶ商品が逆になります。同じ「甘酒」という名前でも、答えは2つに分かれます。
買える場所と、米麹だけの商品にも砂糖入りが1つあった話は、米麹だけの商品にも砂糖入りが1つあった甘酒9商品の記事に書いています。甘酒以外の売り場でも同じ見方でいけるかは、添加物0品目の市販品が7つの売り場にあった記事で確かめられます。
ただし弱点もあります。甘酒を選び直しても、その日の夕飯はまだ決まっていません。飲み物の表示を読めるようになったら、次に読むのはおかずの表示です。
おかずの表示まで毎日読むのは、正直しんどいです。そこは添加物を使わずに作った惣菜を、家まで届けてもらう手もあります。
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よくある質問

- Q甘酒にアルコールは入っていますか?
- A
商品によります。酒粕を使う7商品は「1%未満」(森永の糖質50%オフだけ0.05%未満)、米麹だけの6商品は0.00%やノンアルコールの表記でした。1%未満は酒税法で酒類にならない上限であって、ゼロという意味ではありません。
- Q砂糖不使用の甘酒なら、糖は少ないですか?
- A
今回の13商品では逆でした。砂糖を入れていない米麹甘酒の炭水化物は100mlあたり13.9gから28.9g、砂糖が1番目の酒粕甘酒は13.4gから16.2gです。米麹甘酒は米のでんぷんを糖に変えて甘くしているためです。
- Q添加物が書かれていない甘酒はありますか?
- A
米麹だけの6商品は、いずれも原材料名にスラッシュがなく0品目でした。酒粕を使う7商品は1品目から4品目で、7商品すべてに酸味料が書かれています。
- Q炭水化物の数字はどの単位で見ればいいですか?
- A
まず表示の単位を確かめてください。各社で100ml、100g、1本あたりと分かれます。八海山は118g瓶あたり30.2g、白鶴は190g缶あたり30.2gで、同じ数字でも量が違いました。濃さを比べるなら100あたり、飲む量を考えるなら1本あたりです。
まとめ:砂糖を使っていなくても、炭水化物は減らなかった

13商品を並べて分かったことは2つです。砂糖を入れていない米麹甘酒のほうが、砂糖が1番目の酒粕甘酒より炭水化物が多かった。最多は砂糖ゼロの玄米甘酒で100mlあたり28.9g、砂糖が1番目の商品は最多でも16.2gです。
そして「1%未満」の表記があるのは酒粕を使う7商品だけで、これは酒税法の一度という決まりによるものです。米麹だけの6商品は0.00%かノンアルコールで、添加物はすべて0品目でした。
次に買うときにやることは1つです。手に取った甘酒の、アルコール分の行と炭水化物の単位を見る。1%未満か0.00%か、100mlあたりか1本あたりか。この2つで、うわさのどれが当てはまるかがその場で分かります。
飲み物の表示が読めるようになったら、次は毎日のおかずです。宅配5社の原材料名を並べた記事と、シェフの無添つくりおきの料金と届き方を確かめた記事に続きます。
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