ラベルさん先に結論です。1缶を全部食べるか、シロップを残すかで、糖質は28.4g変わりました。トップバリュのみかん缶が、内容量425g全部の数字と、液汁を除いた234gの数字の両方を公開していたので、その差から出しています。角砂糖1個を約4gとすると、およそ7個分です。
そして添加物のほうは、6商品すべてで酸味料が1品目、多い商品でも2品目。フルーツ缶は表示が短い食品でした。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認しています。
「缶詰のシロップは体に悪い」と言われる出どころ

この言い方には、昔の話と今の話が混ざっています。昔の話というのは缶の内側の材質にかかわるもので、今の缶とは事情が違います。
今も残っているのは糖の話です。フルーツ缶の液体は水ではなく、砂糖やぶどう糖果糖液糖を溶かしたもの。名称の欄に「シラップづけ」と書いてあり、濃さによって「ヘビー」「ライト」と分かれています。果物のまわりにある液体そのものが甘味料の水溶液なので、飲めばそのぶん糖が入ります。
ただし「悪い」と決める前に、量を見たほうが早いです。ここから先は表示の数字で確かめます。
フルーツ缶6商品を添加物の品目数で並べた

順位の付け方は2つです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が何品目あるか
- 同じ品目数のときは、100gあたりの炭水化物が多いほうを上位に置く(フルーツ缶は食塩相当量がどれも0g前後で差が付かないため、この記事だけ糖に置き換えました)
| 順位 | 商品(内容量) | 添加物の品目数 | 添加物の中身 | 100gあたり炭水化物 | 数字の出し方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | K&K 白桃(EO缶)425g | 2品目 | クエン酸、酸化防止剤(ビタミンC) | 20.6g | 液汁を含む |
| 2 | CO・OP 白桃 5号(ヘビー)295g | 2品目 | 酸味料、酸化防止剤(ビタミンC) | 19.1g | 液汁を除く |
| 3 | トップバリュ みかん缶 425g | 2品目 | 酸味料、安定剤(メチルセルロース) | 15.0g | 液汁を除く |
| 4 | カンピー パインアップル K3号缶 425g | 1品目 | 酸味料 | 19.3g | 液汁を除く |
| 5 | Dole ミックスフルーツ 227g | 1品目 | クエン酸 | 16.2g | 記載なし |
| 6 | CO・OP みかん 5号 295g | 1品目 | 酸味料 | 15.7g | 液汁を除く |

この順位は表示されている添加物が多い順であって、体に悪い順ではありません。そのうえで、右の2列を見てください。4位のパインアップルは添加物1品目なのに、炭水化物は19.3gで上位2商品に迫ります。添加物の順位と糖の順位は、そろっていませんでした。
もう1つ大事なのが右端の列です。栄養成分をどの重さで出しているかが、商品ごとに違います。K&Kは液汁を含む100gあたり、コープとカンピーは液汁を除いた100gあたり、Doleは出し方の記載がありません。同じ「100gあたり」でも、指しているものが違います。ここを知らずに数字だけ並べると読み違えます。
上位3商品に共通していたのは、酸味料にもう1品目

1位と2位は白桃。色を保つビタミンCが加わる
上位2商品はどちらも白桃で(コープの白桃の表示)、酸味料(クエン酸)に酸化防止剤(ビタミンC)が足されています。白い桃は空気に触れると色が変わりやすく、それを抑えるために使われるものです。いっぽう、みかんやパインアップルの商品には入っていませんでした。
3位のみかん缶だけが、シロップの糖を数字で出している
3位のトップバリュ みかん缶は、栄養成分を2通りで公開しています。
| 食べ方 | 重さ | エネルギー | 糖質 |
|---|---|---|---|
| 1缶を全部(シロップも飲む) | 425g | 259kcal | 62.3g |
| 実だけ(シロップを残す) | 234g | 144kcal | 33.9g |
| 差 | 191g | 115kcal | 28.4g |
シロップを残すと、糖質は28.4g減ります。角砂糖1個を約4gとすると、およそ7個分。WHOは遊離糖類を1日の摂取エネルギーの10%未満、できれば5%未満にすることをすすめており、成人でおよそ25gが目安になります。シロップだけで、その目安を超える計算です。
同じ角砂糖の置き換えははちみつレモン1本の糖を確かめた記事でも使いましたが、あちらは飲みきる前提の1本分。こちらは残せば消える分なので、意味が違います。捨てるか飲むかを自分で決められるのが、缶詰のいいところです。
下位3商品は酸味料だけ
4位から6位までは、書かれている添加物が酸味料(またはクエン酸)の1品目だけでした。とくに5位のDole ミックスフルーツは、原材料が果実とパインアップル果汁だけで、砂糖が使われていません。液体が果汁なので、シラップづけとは中身が変わります。
ただし、添加物の品目数が多い=体に悪い、ではない
ここを一緒にすると、選び方をまちがえます。厚生労働省は、一日摂取許容量にもとづいて添加物の使用基準を定めていると説明しています。今回の6商品に書かれていたのは酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)、安定剤の3種類だけ。保存料は1商品もありませんでした。缶詰は密封してから加熱するため、保存料を使わずに常温で置けます。
そして毎日の体に積み上がるのは、添加物の品目数ではなく糖のほうです。4位のパインアップルは添加物1品目ですが、100gあたりの炭水化物は19.3g。3位のみかん缶(15.0g)より多い数字でした。表示が短いことと、糖が少ないことは別です。
添加物の品目数は色や形をどう保っているかを、糖はどれだけ体に入るかを表しています。見るところは2つあります。
では、どう選んで、どう食べるか
順番に3つあります。
1つめは、名称の欄を見ること。「シラップづけ(ヘビー)」より「(ライト)」のほうが液体の糖が少なく、「果汁づけ」なら砂糖が使われていません。商品名ではなく、名称の欄に書いてあります。
2つめは、栄養成分がどの重さの数字かを見ること。「液汁を除いた値です」と書いてあれば、その数字にシロップの糖は入っていません。シロップも飲むなら、実際にとる糖はもっと多くなります。
3つめは、シロップを残すこと。今回の計算どおり、それだけで糖質が28.4g変わる商品がありました。冷たいデザートを甘さで選びがちな人は、ラクトアイスの原材料名を確かめた記事もあわせてどうぞ。「無添加」という言葉が何を指すのかは無添加とは?にまとめてあります。
ここまでは甘いものの話ですが、毎日の食卓ごと添加物を減らしたいなら、おかずを替えるほうが効きます。
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よくある質問
- Q缶詰のシロップは飲まないほうがいいですか?
- A
残せば糖質が減るのは確かです。トップバリュのみかん缶では、1缶425gを全部食べると糖質62.3g、実だけ234gなら33.9gで、差は28.4gでした。飲むかどうかは、その日の糖の量と相談する話になります。
- Qフルーツ缶に保存料は入っていますか?
- A
今回の6商品には、保存料の表示はありませんでした。書かれていたのは酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)、安定剤の3種類だけです。
- Qシロップを使い切る方法はありますか?
- A
この記事では原材料表示と栄養成分だけを見ているので、使い道までは扱っていません。糖を減らしたい場合は、名称の欄が「果汁づけ」の商品を選ぶと、液体に砂糖が使われていません。
- Q100gあたりの数字はそのまま比べられますか?
- A
そのままでは比べられません。今回の6商品でも、液汁を含む値、液汁を除いた値、記載のないものが混ざっていました。同じ「100gあたり」でも中身が違うので、出し方の注記まで見る必要があります。
まとめ:シロップは捨てるより、量を知ってから決める

6商品を並べて出た答えは2つです。1つめは、シロップを残すと糖質が28.4g減る商品があったこと。角砂糖でおよそ7個分で、WHOがすすめる1日の目安をシロップだけで超える計算でした。
2つめは、添加物の順位と糖の順位が一致しなかったこと。添加物1品目のパインアップルが、2品目のみかん缶より炭水化物が多い。表示が短いことと、糖が少ないことは別でした。
明日やることは1つ。缶を開ける前に、名称の欄が「ヘビー」か「ライト」か「果汁づけ」かを見る。それだけで、液体の甘さがだいたい分かります。
そのうえで「食卓全体の添加物を減らしたい」なら、5社の原材料名を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と仕組みを確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
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