ラベルさん先に結論です。添加物の数で並べた1位は、カロリーでは4番目の商品でした。逆にカロリーが2番目に高かったメロンパンは、添加物の数では6番目まで下がります。カロリーの多さと添加物の多さは、同じ方向を向いていませんでした。
この記事では、メーカー公式サイトに原材料名が載っている菓子パン8商品を、添加物の数で並べます。順位の根拠も、原材料名を公開していないメーカーがあったことも、全部そのまま書きます。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認したものです。
「体に悪い菓子パン」の話は、たいていカロリーで終わっている

菓子パンが名指しされる理由は、数字がはっきりしているからです。1個で300kcalから500kcal。それが1個の袋に入って、片手で食べ切れます。ただし、その話にはもう1つの数字が出てきません。原材料名の後半に並んでいる添加物が、何個書かれているかです。
どこからが添加物かは、決まった書き方があります。山崎製パンは公式サイトのよくある質問で、こう説明しています。「原材料名欄には、はじめに原材料名が記載されており、『/』(スラッシュ記号)の後に添加物が続きます。いずれも製品に占める重量の多い順に書かれています」。
つまり袋の裏のスラッシュを見つければ、その後ろを数えるだけです。カロリーと添加物、2つの数字を並べたら何が起きるのか。8商品で確かめます。
8商品の原材料名を、添加物の数で並べた

順位の付け方は3つだけです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が、何個あるかを数える
- 同じ数のときは、食塩相当量が多いほうを上位に置く
- 食塩相当量も同じときは、エネルギーが高いほうを上位に置く
| 順位 | 商品 | 添加物の数 | 添加物の中身(先頭から3つ) | エネルギー | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | くりーむどーなつ | 16個 | 加工デンプン、トレハロース、グリシン ほか | 373kcal | 0.6g |
| 2 | うずまきデニッシュ | 15個 | 乳化剤、炭酸Ca、香料 ほか | 460kcal | 1.3g |
| 3 | たっぷりホイップジャムパン | 15個 | ゲル化剤(増粘多糖類)、グリシン、乳化剤 ほか | 308kcal | 0.5g |
| 4 | 銀チョコロール | 14個 | 加工デンプン、乳化剤、グリシン ほか | 350kcal | 0.5g |
| 5 | たっぷりホイップクリームパン | 14個 | グリシン、加工デンプン、乳化剤 ほか | 339kcal | 0.5g |
| 6 | チョコチップメロンパン | 11個 | 乳化剤、膨脹剤、光沢剤 ほか | 395kcal | 0.5g |
| 7 | サクふわっメロンパン | 11個 | 加工デンプン、乳化剤、膨脹剤 ほか | 382kcal | 0.5g |
| 8 | スナックパン チョコ(1本) | 4個 | 加工デンプン、乳化剤、香料、酸化防止剤(ビタミンE) | 105kcal | 0.2g |

先に断っておきます。この順位は原材料名に書かれた添加物の数が多い順であって、体に悪い順ではありません。
そのうえで図を見てください。カロリーで並べ替えると、順位が入れ替わります。添加物1位のくりーむどーなつは、カロリーでは4番目。添加物6位のチョコチップメロンパンは、カロリーでは2番目。添加物3位のたっぷりホイップジャムパンにいたっては、308kcalで下から2番目です。
カロリーは食べる量の話で、添加物の数は作り方の話でした。
原材料名を公開していたのは、4社のうち1社だけだった
ここは正直に書きます。今回並べた8商品は、すべて敷島製パン(Pasco)の商品です。大手4社の公式サイトを1つずつ開いたところ、商品ページに原材料名を載せていたのは、この1社だけでした。
山崎製パンの菓子パンの商品ページには栄養成分表があり、原材料名の欄はありません。フジパンの商品一覧も栄養成分表示とアレルゲン情報まで、第一パンの菓子パンのページも同じでした。原材料名がわからないので、この3社の商品は表に入れていません。
上位に共通していたのは、パン生地ではなく中身だった

順位を上から見ると、共通点がありました。上位5商品は、すべてクリームかホイップかチョコレートが入っています。
1位のくりーむどーなつには、保存料が1つだけ書かれていた
1位のくりーむどーなつのスラッシュの後ろには、16個が並びます。その中に保存料(ソルビン酸K)がありました。8商品を通して、保存料という文字が出てきたのはこの1商品だけです。
先頭にはカスタードクリームが書かれています。原材料名は重量の多い順なので、この商品はパン生地よりクリームのほうが多いということです。
クリームが入ると、数が一気に増える
2位のうずまきデニッシュは15個。原材料名の前半に、バター入りマーガリン、マーガリン、加工油脂、ファットスプレッド、ショートニングと、油脂が5種類並びます。460kcalという数字は、ここから来ています。
3位のたっぷりホイップジャムパンも15個。先頭はミルクホイップクリーム、次がいちごジャムです。中身が増えると、そのための表示も増えていました。
4個で止まったのは、中身が入っていない商品だった
いちばん少なかったスナックパン チョコは4個。細長い生地に準チョコレートを練り込んだだけで、あとから何かを詰めていません。
差を作っていたのは、パン生地ではなく中身のほうでした。
ただし、添加物の数が多い=体に悪い、ではない

ここを一緒にすると、選び方をまちがえます。消費者庁は、食品添加物について、食品安全委員会の評価を受けたうえで成分の規格や使用の基準を定め、その範囲で使用を認めていると説明しています。書かれている数が多いことは、そのまま食べる量の多さにはなりません。
食塩相当量も0.2gから1.3gの範囲でした。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。
むしろ菓子パンで大きいのは、1個あたりのエネルギーと脂質のほうです。うずまきデニッシュ1個は460kcalで、脂質が23.1g。くりーむどーなつは脂質25.8gです。これは添加物の数ではなく、原材料名の前半に並んでいる油脂と砂糖が作っている数字でした。
気をつける相手は、スラッシュの後ろより先に、スラッシュの前です。
同じパン売り場でも、食事に使うほうは中身が違います。ふんわり食パン6商品の原材料を比べた記事では、添加物が0個の商品もやわらかく作られていました。買ってきてそのまま食べるものという意味では、スーパーの惣菜6商品の添加物を比べた記事も近い話です。
では、菓子パンを何で置き換えるか

菓子パンが選ばれる理由ははっきりしています。包みを開ければすぐ食べられて、1個で足りるからです。
ただし菓子パン1個ではおかずになりません。食事にすると、たんぱく質と野菜が足りないまま脂質と砂糖だけが増えます。同じ数え方で並べた冷凍食品6商品の添加物ランキングやマイサイズ6商品の記事と比べても、菓子パンはおかずの側にいない食品です。「無添加」という言葉が何を指すのかは無添加とは?にまとめてあります。
菓子パンそのものを別のものに替えるなら、行き先は2つあります。朝を食パンにするなら、公式サイトの13商品のうち10商品が添加物0品目でした。買い方はパンの購入先とパン屋の表示義務をまとめた記事にあります。甘いものを1個だけにしたいなら、14商品中9商品が0品目だったお菓子の購入先を調べた記事のほうが早く決まります。
そこで手が出るのが、おかずのほうを丸ごと入れ替える方法です。添加物を使わないと決めて作られた惣菜を、届けてもらうやり方があります。
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よくある質問
菓子パンの表示について、よく聞かれることをまとめました。
- Q菓子パンの添加物はどこを見れば数えられますか?
- A
原材料名のスラッシュ(/)より後ろが添加物です。山崎製パンは公式サイトのよくある質問で、スラッシュの後に添加物が続き、いずれも重量の多い順に書かれていると説明しています。
- Q菓子パンに保存料は入っていますか?
- A
今回の8商品では、保存料と書かれていたのは1位のくりーむどーなつだけでした。残りの7商品には書かれていません。
- Qカロリーが低い菓子パンなら添加物も少ないですか?
- A
今回の8商品では、そうなりませんでした。添加物3位のたっぷりホイップジャムパンは308kcalで、8商品のうち下から2番目です。カロリーが低くても添加物の数が多い商品があります。
- Qイーストフードや乳化剤は何のために使われていますか?
- A
山崎製パンは公式サイトで、イーストフードはパン酵母に窒素やリンなどの栄養源を補うもの、乳化剤は水と油を混ぜ合わせてきめ細かくしっとりした柔らかさを保つものと説明しています。
まとめ:数える場所は、スラッシュの前と後ろの両方

8商品を並べて出た答えは1つです。カロリー順と添加物順は、同じ並びになりませんでした。1位のくりーむどーなつは16個でカロリー4番目。8位のスナックパン チョコは4個で105kcal。差を作っていたのは、パン生地ではなくクリームやチョコという中身のほうでした。
明日やることは1つ。菓子パンを買うとき、袋の裏のスラッシュを探して、その前と後ろを1回ずつ見る。前半に油脂がいくつ並んでいるか、後半が何個あるか。それだけで、同じ売り場のパンの見え方が変わります。
中身より外側で添加物が増えるのは、パンだけではありませんでした。市販アイス11商品で同じことをすると、増やしていたのはモナカやコーンの皮のほうです。順位は体に悪いアイスランキング11商品に載せています。
袋のパンではなく、はさんだパンのほうも確かめています。ランチパックの記事では、メーカー公式に原材料名そのものが載っていないという事実と、味ごとに1個の中身がどれだけ違うかを並べました。
そのうえで「おやつはともかく、おかずの添加物は減らしたい」なら、宅配に切り替える手があります。5社の原材料名を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と仕組みを確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
スラッシュの後ろを同じように数えると、駄菓子は3品目から7品目に収まりました。6商品分の内訳は太郎シリーズの表示を並べた記事にあります。
スラッシュの後ろを同じように開くと、グミは4品目から12品目まで3倍ひらきました。グミ6商品を比べた記事では、それでも100gの糖の濃さはほとんど分かれていません。
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