ラベルさん先に結論です。プロセスチーズ5商品のうち4商品は、書かれた添加物が乳化剤の1品目だけでした。残る1商品は「とろける」タイプで、3品目です。
その乳化剤は、ナチュラルチーズを溶かして固め直すために要るものでした。比べたナチュラルチーズのカマンベールは、原材料が生乳と食塩だけです。数字はすべて2026年8月27日に各社公式サイトで確認しました。
「プロセスチーズは体に悪い」と言われる出どころは、名前についた加工の二文字

そう言われるのは、名前のせいだと思います。プロセスは加工という意味です。四角く切りそろえられ、1枚ずつフィルムに包まれている。見た目からして、手を加えたものに見えます。
賞味期間が長いことも、言われる理由になっています。6Pチーズは270日、ベビーチーズは9カ月。日もちするのは保存料のおかげだ、という話につながります。
ですが、作り方の説明は公式に書かれています。雪印メグミルクのミルク便利帳にはこうあります。プロセスチーズとは「ナチュラルチーズを乳化剤などを加えて加熱して溶かし、再び成形したもの」。
つまりプロセスチーズは、チーズを材料にして作るチーズです。だから原材料名の1番目はナチュラルチーズ。では、そのうしろに何が並ぶのか。
チーズ6商品を、添加物の品目数が少ない順に

集めた基準は2つです。味の好みは入れていません。
- 売り場でよく見る形から選ぶ(スライス・6P・ベビー・とろける)
- 比べるために、ナチュラルチーズを1つ入れる
並べ方は、原材料名のスラッシュより後ろに書かれた品目数が少ない順です。
| 商品 | 製造元 | 種類別 | 添加物の品目数 | 添加物の中身 | 表示の単位 |
|---|---|---|---|---|---|
| 雪印北海道100 カマンベールチーズ | 雪印メグミルク | ナチュラルチーズ | 0品目 | なし(生乳と食塩のみ) | 1箱90g |
| 明治北海道十勝スライスチーズ7枚入り | 明治 | プロセスチーズ | 1品目 | 乳化剤 | 1枚16g |
| クラフト スライスチーズ7枚 | 森永乳業 | 公式ページに記載なし | 1品目 | 乳化剤 | 1枚16g |
| 6Pチーズ | 雪印メグミルク | プロセスチーズ | 1品目 | 乳化剤 | 1個17g |
| ベビーチーズ(プレーン)4個 | 六甲バター | プロセスチーズ | 1品目 | 乳化剤 | 1個13.5g |
| 雪印とろけるスライス(7枚入り) | 雪印メグミルク | プロセスチーズ | 3品目 | 乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、調味料(アミノ酸等) | 1枚16g |

出どころは各社の商品ページです。明治のスライスチーズ、クラフトのスライスチーズ、Q・B・Bのベビーチーズの3つ。残りは雪印メグミルクの6Pチーズ、とろけるスライス、カマンベールチーズです。
1つだけ、そろわなかった欄があります。森永乳業の商品ページには、種類別の記載がありませんでした。原材料名は「ナチュラルチーズ(外国製造、国内製造)、ホエイパウダー/乳化剤」で、ほかのプロセスチーズと同じ書き方です。ただし種類別の文字は見つかりませんでした。
もう1つ、外した商品があります。丸大食品のキャンディチーズも見に行きましたが、商品ページが販売終了の案内に変わっていました。数字が取れないので入れていません。
表の品目数に、1つ条件を付けておきます。工程の途中で使われて最後まで残らない加工助剤と、原材料から持ち越されて、その食品では働かないキャリーオーバーは、原材料名に印刷しなくてよいことになっています。溶かして固め直すところまで、この数字で追えるわけではありません。カマンベールの0品目も、書く決まりになっているものが並ばなかった、という意味です。
共通していたのは乳化剤ひとつ。溶かして固め直すために入っている

乳化剤がないと、溶かしたチーズは分かれてしまう
4商品にそろって入っていたのは乳化剤だけでした。保存料も着色料も、どこにも書かれていません。日もちの理由は、加熱で乳酸菌が死んで熟成が止まるためだと、先のミルク便利帳が説明しています。
では乳化剤は何のために入るのか。チーズをただ加熱すると、脂と水分が分かれます。それをまとめて、四角い形に流し込めるようにするのが乳化剤の役目です。
だから乳化剤は、味のためでも日もちのためでもありません。溶かして固め直すという作り方から出てくる1品目です。種類別の欄がプロセスチーズなら、この1品目はほぼ必ず書かれます。
乳化剤の中身は、鉱物からできたリン酸塩
乳化剤という書き方は用途名です。中身までは原材料名に出てきません。森永乳業のよくいただくご質問はこう答えています。「乳化剤には通常、鉱物由来のリン酸塩が主に使われています」。
ここから先、体にどう働くかまでは公式の数字が取れませんでした。取れていないことは書きません。この記事で言えるのは、表示の上では1品目だというところまでです。
3品目に増えていたのは、とろけるタイプだけ
ここだけ違ったのが雪印とろけるスライスです。乳化剤に加えて、安定剤(増粘多糖類)と調味料(アミノ酸等)が書かれていました。
とろけるタイプは、加熱したときに糸を引いて広がることが売りです。その働きを足すぶん、書かれる品目数も増えます。同じプロセスチーズでも、はたらきを1つ足すと書かれる添加物が増えます。
ナチュラルチーズでも、袋入りのシュレッドにはセルロースが入る
ナチュラルチーズなら添加物ゼロ、とも言い切れませんでした。雪印とろけるナチュラルチーズの原材料名は「ナチュラルチーズ(オーストラリア製造)/セルロース」です。
同じページの備考に理由が書いてあります。「チーズの結着を防止するため、セルロース(食物繊維)をまぶしています」。細く切ったチーズが袋の中でくっつかないようにするためです。
ここでも同じです。添加物は、味のためではなく、作るときの都合で入っています。100gあたりの食塩相当量は1.5g、カルシウムは790mgでした。
100gにそろえると、食塩とカルシウムに差が出た

公式の表示は1枚、1個、1箱とばらばらです。そこで100gにそろえます。使った式はこれだけです。
- 1枚16gの商品は、100÷16=6.25を掛ける
- 6Pチーズは102gの6個入りなので1個17g、100÷17=5.88を掛ける
- ベビーチーズは1個13.5gなので、100÷13.5=7.41を掛ける
- カマンベールは1箱90gの表示なので、100÷90=1.11を掛ける
| 商品 | エネルギー | 脂質 | 食塩相当量 | カルシウム |
|---|---|---|---|---|
| 雪印北海道100 カマンベールチーズ | 311kcal | 26.1g | 1.22g | 420mg |
| 雪印とろけるスライス(7枚入り) | 331kcal | 26.3g | 1.63g | 681mg |
| 明治北海道十勝スライスチーズ7枚入り | 338kcal | 27.5g | 2.50g | 669mg |
| ベビーチーズ(プレーン)4個 | 333kcal | 27.4g | 2.59g | 563mg |
| 6Pチーズ | 324kcal | 25.9g | 3.06g | 582mg |
| クラフト スライスチーズ7枚 | 313kcal | 25.0g | 3.13g | 569mg |
エネルギーは311kcalから338kcalに収まりました。脂質も25.0gから27.5gで、大きな差はありません。どれを選んでも、100gあたりの脂質は4分の1ほどです。
差がついたのは食塩相当量です。いちばん少ないカマンベールが1.22g、いちばん多いクラフトのスライスチーズが3.13gでした。
ただし、この3.13gは幅を持って読む必要があります。もとの表示が1枚0.5gと、小数第1位までしか出ていないからです。0.45gから0.55gの間なら、100gでは2.81gから3.44gの幅になります。だから「これがいちばん多い」とは書けません。
小数第2位まで出ている中では、6Pチーズの3.06gが最も多い数字です。1個あたりでは0.52gでした。
カルシウムは逆の並びになりました。プロセスチーズ5商品はすべて563mg以上で、カマンベールの420mgを上回っています。最も多いとろけるスライスは681mgで、カマンベールの1.6倍でした。
ただし「添加物が少ない=体にいい」ではない

添加物が少ない商品ほど数字もよい、という並びにはなりませんでした。ここを一緒にすると選び方をまちがえます。
いちばんはっきりしているのが、とろけるスライスです。添加物は3品目でいちばん多いのに、食塩はプロセスチーズ5商品でいちばん少ない。カルシウムは6商品でいちばん多い数字でした。
逆にカマンベールは添加物ゼロですが、カルシウムは420mgで最も少なくなりました。ゼロという数字は、栄養がいちばん多いという意味ではありません。
食塩も、量にすると見え方が変わります。今回のスライスチーズ1枚は0.26gから0.5gでした。3枚でも0.78gから1.5gです。厚生労働省が示す1日の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。
この入れ替わりは、ほかのチーズでも起きていました。さけるチーズ7商品の表示を並べた記事では、添加物がいちばん多い商品が100gあたりの食塩ではいちばん少なくなっています。
では、売り場で何を選ぶか

手順は3つです。順番を守ると迷いません。
1つ目はパッケージの種類別の欄を読むことです。プロセスチーズと書いてあれば、乳化剤が1品目入っていると思ってかまいません。ナチュラルチーズには入りません。
この欄はパッケージに載っています。公式サイトのほうは、森永乳業のように載せていない会社もありました。確かめるのは手元の商品です。
2つ目はとろけるタイプや味つきを買うかどうかを決めることです。とろけるはたらきや味を足すと、そのぶん品目数が増えます。増えていたのは安定剤と調味料でした。
3つ目は食塩で選ぶなら1枚・1個あたりの数字で比べることです。100gの数字は商品どうしの比較用で、1回に食べる量とは違います。「無添加」という言葉の意味は無添加とは?にまとめてあります。
ただし弱点もあります。チーズを1枚足しても、その日の食事はそろいません。おやつや朝食の一品で終わる話で、夕食の中身は別に決めることになります。
だからチーズではなく夕食ごと変えたい人には、もう1つの手があります。作るところから添加物を使わない前提の惣菜が、冷蔵で家に届きます。
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よくある質問
- Qプロセスチーズの乳化剤は何でできていますか?
- A
森永乳業のよくいただくご質問では、鉱物由来のリン酸塩が主に使われていると説明されています。原材料名には用途名の「乳化剤」とだけ書かれ、中身の物質名までは出てきません。
- Q6Pチーズとスライスチーズ、添加物が少ないのはどちらですか?
- A
今回の6商品では同じでした。6Pチーズも明治とクラフトのスライスチーズも、乳化剤の1品目だけです。ただし、とろけるタイプのスライスは3品目に増えていました。
- Qキャンディチーズやベビーチーズも同じですか?
- A
同じ形でした。六甲バターの徳用キャンディーチーズ120gも種類別はプロセスチーズで、添加物は乳化剤の1品目です。表示は3粒15gで食塩相当量0.46g、カルシウム91mgでした。
- Qナチュラルチーズなら添加物はゼロですか?
- A
カマンベールは生乳と食塩だけでゼロでした。ただし袋入りのシュレッドは別です。雪印とろけるナチュラルチーズにはセルロースが1品目入り、公式の備考では結着を防ぐためと説明されています。
まとめ:種類別がプロセスチーズなら、添加物は乳化剤ひとつ

6商品を見て出た答えは1つです。プロセスチーズ5商品のうち4商品は、書かれた添加物が乳化剤の1品目だけ。その1品目は、溶かして固め直すという作り方から来ています。増えていたのは、とろけるタイプの1商品だけでした。
100gにそろえると、食塩相当量は1.22gから3.13g、カルシウムは420mgから681mgです。添加物が3品目の商品が、食塩はいちばん少なくカルシウムはいちばん多いという並びでした。品目数と中身の数字は、別々に見る必要があります。
明日やることは1つ。パッケージの種類別の欄が、プロセスチーズかナチュラルチーズかを読む。その1行で、乳化剤が入る商品かどうかが分かります。
チーズを替えても、その日の夕食の中身は決まりません。そこを宅配で埋めるなら、原材料名を5社ぶん書き出した無添加のおかず宅配おすすめ5社から入るのが早いです。頼み方と値段はシェフの無添つくりおきの検証記事に書いています。
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