ラベルさん先に結論です。原材料の品目数がいちばん多い8品目も、いちばん少ない2品目も、どちらも水煮でした。油を使うか使わないかでは、原材料の行の長さは決まりません。
差が出たのは別のところです。油を抜いた分のうま味を、野菜スープや貝のエキスで足しているかどうかです。数字はすべて2026年8月27日に、いなば食品とホテイフーズの公式サイトで確認しました。
「ノンオイルならヘルシー」の一言で、原材料の行が読み飛ばされている

ツナ缶の売り場には、油漬とノンオイルが横に並んでいます。ノンオイルのほうへ手が伸びる理由は、たいてい「油が入っていないから」です。
ただ、油を抜くと、そのままでは味が薄くなります。だから何かで補う必要が出てきます。
いなば食品の公式サイトには、ツナ缶の調理は3つに分かれると書かれています。ツナ缶の基礎知識によれば、油漬は調味液の約半分以上が油のもの、油入り水煮は油が半分未満のもの、水煮は油を調味に使わず水や野菜スープだけで仕上げたものです。
ここに「野菜スープ」という言葉が出てきます。水だけではないということです。では実際の原材料名はどうなっているのか。6商品を出しました。
ツナ缶6商品の原材料は、2品目から8品目まで分かれた

順位の付け方は2つです。味は判断に入れていません。
- 原材料名に書かれている材料が、全部でいくつあるかを見る(スラッシュの前と後ろの合計)
- 同じ品目数のときは、100gあたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
油漬・水煮・油をひかえたタイプが混ざるように選びました。
| 順位 | 商品 | 製造元 | 調理 | 原材料の1番目 | 原材料の品目数 | うち添加物 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 国産ライトフレーク オイル無添加 70g | いなば食品 | 水煮 | かつお(国産) | 8品目 | 2品目 |
| 2 | ライトツナ スーパーノンオイル(タイ産) 70g | いなば食品 | 水煮 | きはだまぐろ | 7品目 | 2品目 |
| 3 | ライトフレーク 70g | いなば食品 | 油漬 | かつお | 7品目 | 1品目 |
| 4 | ライトツナフレーク(タイ産) 70g | いなば食品 | 油漬 | まぐろ | 6品目 | 1品目 |
| 5 | ツナカルLIGHT1/2 70g | ホテイフーズ | オイルハーフ | きはだまぐろ(輸入) | 5品目 | 1品目 |
| 6 | 無添加ツナ 70g | ホテイフーズ | 水煮 | きはだまぐろ(輸入) | 2品目 | 0品目 |

1位と6位を見てください。どちらも水煮です。8品目と2品目で、4倍の開きがあります。
油漬は3位と4位で、水煮にはさまれました。油の有無で順位が決まっていないということです。
出どころは各社の公式ページです。国産ライトフレーク オイル無添加、ライトツナ スーパーノンオイル、ライトフレーク、ライトツナフレーク、ツナカルLIGHT1/2、無添加ツナから、2026年8月27日に写しました。
調理の欄は各社の表記に合わせています。ツナカルLIGHT1/2は、ホテイフーズが「オイルハーフタイプ」と書いている商品です。
8品目も2品目も水煮。違いは、うま味を何で足すかだった

原材料名を全部書き出すと、理由が分かります。
| 商品 | 原材料名(公式サイトの表記) |
|---|---|
| 国産ライトフレーク オイル無添加 | かつお(国産)、野菜スープ、食塩、帆立貝エキス、かつお節エキス、塩こうじ/調味料(アミノ酸等)、紅藻抽出物 |
| ライトツナ スーパーノンオイル | きはだまぐろ、野菜スープ、ナチュラルミネラルウォーター、食塩、帆立貝エキス/調味料(アミノ酸等)、紅藻抽出物 |
| ライトフレーク | かつお、大豆油、ナチュラルミネラルウォーター、食塩、塩こうじ、野菜エキス/調味料(アミノ酸等) |
| ライトツナフレーク | まぐろ、大豆油、ナチュラルミネラルウォーター、食塩、野菜エキス/調味料(アミノ酸等) |
| ツナカルLIGHT1/2 | きはだまぐろ(輸入)、大豆油、鶏ガラスープ、食塩/調味料(アミノ酸等) |
| 無添加ツナ | きはだまぐろ(輸入)、食塩 |
上の2つには、帆立貝エキスと紅藻抽出物が入っています。1位にはかつお節エキスも加わります。どれも油漬の4商品には出てきません。
油を抜いた分のコクを、貝や節のうま味で足しているということです。「油を抜く」と「材料が減る」は、同じではありませんでした。
ただし、ここで話は終わりません。6位の無添加ツナも水煮です。原材料は「きはだまぐろ(輸入)、食塩」の2品目だけ。スラッシュもありません。
ホテイフーズの商品ページには、調味料(アミノ酸等)を使わず食塩だけで仕上げたツナ水煮だと書かれています。うま味を足していない水煮です。
ここで1つ、注意することがあります。原材料名に書かなくてよい添加物があり、加工助剤と、キャリーオーバーがそれにあたります。最後まで残らないものや、ごく少量で働きを持たないものは書かなくてよい決まりだからです。原材料名が短くても分かるのは、表示に出る添加物がなかった、というところまでです。
水煮の中で二手に分かれていました。読むべきは「ノンオイル」の4文字ではなく、その下の行です。
なお原材料名は、重量の割合が高いものから順に書く決まりです。だから1番目に何が来るかにも意味があります。
原材料の1番目は3通り。「ライトツナ」だけでは魚が決まらない

6商品の1番目を抜き出すと、「まぐろ」「きはだまぐろ」「かつお」の3通りになりました。
いなば食品のツナ缶の基礎知識には、原料の魚が4種類あると書かれています。びんながまぐろはホワイトツナ、きはだまぐろ・かつお・めばちまぐろはどれもライトツナという区分です。
つまり「ライトツナ」という言葉は、魚の名前ではありません。3種類のどれかを指しています。
いなば食品の商品名にも、それが出ていました。「ライトツナフレーク」の1番目はまぐろ、「ライトフレーク」の1番目はかつおです。名前は2文字しか違いませんが、中身の魚が違います。
はごろもフーズも同じことを公式に書いています。シーチキン情報によれば、シーチキンLはきはだまぐろ、シーチキンマイルドはかつお、シーチキンファンシーはびんながまぐろ、シーチキンEveryはぶりです。ツナ缶と呼ばれていても、ぶりが入るものもあるということです。
いなばのライトツナフレークは、1番目が「まぐろ」だけでした。種類までは読み取れません。
ただし、原材料の品目数が多い=体に悪い、ではない

ここを一緒にすると、選び方をまちがえます。日本で使用が認められている添加物には使用量の上限があり、品目が多くても、食べる量が多いとはかぎりません。
栄養成分でも順位が入れ替わります。各社が1缶70g当たりで出している数字を、70で割って100を掛けました。
| 商品 | 調理 | エネルギー | 脂質 | 食塩相当量 | 原材料の品目数 |
|---|---|---|---|---|---|
| ライトツナフレーク | 油漬 | 307kcal | 26.6g | 0.9g | 6品目 |
| ライトフレーク | 油漬 | 293kcal | 24.9g | 0.9g | 7品目 |
| ツナカルLIGHT1/2 | オイルハーフ | 169kcal | 12.6g | 0.9g | 5品目 |
| 国産ライトフレーク オイル無添加 | 水煮 | 73kcal | 0.4g | 1.1g | 8品目 |
| ライトツナ スーパーノンオイル | 水煮 | 70kcal | 0.3g | 1.3g | 7品目 |
| 無添加ツナ | 水煮 | 61kcal | 0.9g | 0.7g | 2品目 |
並びが変わりました。原材料が8品目でいちばん多かった商品が、エネルギーでは下から3番目です。逆に2品目の無添加ツナは、エネルギーでもいちばん低い61kcalでした。
油の有無は、ここではっきり出ます。油漬の307kcalと水煮の61kcalで、差は246kcal。脂質も油漬が26.6g、水煮は0.3gから0.9gの範囲でした。
脂質の数字は、1缶で0.2gや0.3gという小さな値を換算したものです。小数第1位で丸めた値なので、何倍という言い方はしません。実数のまま読んでください。
食塩相当量も逆になりました。水煮の上位2商品が1.3gと1.1gで、油漬の0.9gより多いという結果です。同じことはいわし缶6商品を比べた記事でも出ていました。水煮という言葉は、食塩を使っていないという意味ではありません。
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、食塩相当量の1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。1缶70gで0.5gから0.9gなので、1缶あたりでは目標の1割前後です。
水銀を心配する声もあります。厚生労働省が公開している妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項のQ&A(平成17年11月2日)には、キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶詰は水銀含有量が低く、妊婦でも通常の食べ方で差し支えないと書かれています。今回の6商品の魚も、きはだまぐろとかつおでした。
表から外した商品と、その理由
都合の悪いものを外していないか、先に書いておきます。
はごろもフーズと極洋は、家庭用の商品ページに原材料名がありません。栄養成分とアレルギー物質だけです。だから品目数の表には入れていません。魚の種類は公式に出ているので、その部分だけ使いました。
ホテイフーズのツナカル70gも外しました。油漬・きはだまぐろで、いなばのライトツナフレークと役割が重なるためです。数字は100gあたり296kcal・脂質26.1g・食塩相当量1.0gで、油漬2商品と近い数字でした。外しても結論は変わりません。
いなばのライトツナチャンク まぐろ油漬165gは、公式サイトが100gあたりで273kcal・脂質21.7g・食塩相当量0.9gと出しています。70g缶の油漬と近い数字でした。
じゃあ、どのツナ缶を選ぶか

6商品を出して分かったことから、3つに絞ります。
1つめ。ノンオイルという言葉だけで決めない。今回は水煮に8品目と2品目の両方がありました。缶の表ではなく、原材料名の1行を読むほうが早いです。
2つめ。原材料を短くしたいなら、貝や節のエキスが入っていないものを選ぶ。帆立貝エキス・かつお節エキス・紅藻抽出物が並ぶ商品は、そのぶん行が長くなります。うま味は増えますが、材料も増えます。
3つめ。エネルギーを下げたいなら水煮、うま味を残したいなら油漬。100gあたりで307kcalと61kcalです。ここは名前どおりに差が出ました。
買う場所まで決めたいときは、15商品を売り場ごとに並べたほうが早く済みます。全国のスーパーで買えるのは1商品だけという結果は添加物の表示がないツナ缶7商品の行き先に出しました。
ツナ缶の表に「無添加」とあるとき、それがどこまでを指すのかは無添加とは?売り場での見分け方で説明しています。
ただし弱点もあります。ツナ缶を選び直しても、その日のおかずはまだ決まっていません。ツナ缶が売れているのは、開ければすぐ一品になるからです。
だから缶を開けるだけでは足りない日には、もう1つの手があります。原材料名の行を読まずに済むよう、はじめから添加物を使わないと決めて作った惣菜を届けてもらう。
シェフの無添つくりおき

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よくある質問
- Qノンオイルのツナ缶なら、添加物は少ないですか?
- A
そうとは限りません。今回の6商品では、水煮に添加物2品目の商品と0品目の商品の両方がありました。原材料の合計も8品目と2品目に分かれています。
- Q「ライトツナ」と書いてあれば、まぐろですか?
- A
限りません。いなば食品の公式サイトでは、きはだまぐろ・かつお・めばちまぐろのどれもライトツナと区分されています。魚の種類は原材料名の1番目で確認できます。
- Qツナ缶の水銀は気にしたほうがいいですか?
- A
厚生労働省が公開しているQ&A(平成17年11月2日)には、キハダ、ビンナガ、メジマグロ、ツナ缶詰は水銀含有量が低く、妊婦であっても通常の食べ方で差し支えないと書かれています。
- Q油を切れば、脂質は減りますか?
- A
断定できません。いなば食品の表示は液汁を含む値で、切ったあとの数値は公式に出ていません。この記事の数字も液汁を含んだものです。
まとめ:読むのは「ノンオイル」の4文字ではなく、その下の1行

6商品を出して分かった答えは2つです。原材料がいちばん長い8品目も、いちばん短い2品目も、どちらも水煮でした。油の有無では行の長さは決まりません。
もう1つは魚のほうです。原材料の1番目は「まぐろ」「きはだまぐろ」「かつお」の3通り。同じツナ缶という呼び名でも、入っている魚は同じではありません。
明日やることは1つ。缶を裏返して、「ノンオイル」の下にある原材料名の1行を最後まで読む。帆立貝エキスや紅藻抽出物が並んでいるかどうかで、選ぶものが変わります。
缶詰の見方は、中身が変わっても同じです。タレの糖で差が出たさんまの蒲焼の缶詰6商品の記事もどうぞ。
缶を選び直すのが大変な日は、宅配に切り替える手もあります。表示を5社ぶん並べたのは無添加のおかず宅配おすすめ5社です。
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