ラベルさん先に結論です。膨張剤は6商品すべてに入っていました。ここでは差がつきません。
分かれたのは書き方でした。「ベーキングパウダー」と書く商品が4つ、「膨張剤」と書く商品が2つです。厚生労働省の資料では、この2つは、同じものの別の書き方にあたります。
そしてアルミニウムの有無は、どちらの書き方でも原材料名からは分かりません。数字ではっきり差が出たのは糖のほうでした。100gあたりの炭水化物は68.9gから84.0gまでひらいています。数字はすべて2026年8月27日に各社公式サイトで確認しました。
「ホットケーキミックスは体に悪い」の出どころは、ふくらし粉のアルミニウム

このうわさには、はっきりした出どころがあります。厚生労働省のアルミニウムに関する情報というページです。
そこに、平成23年度から24年度の摂取量調査の結果が載っています。推定摂取量の平均値は、すべての年代層で許容量を下回っていました。ただし1歳から6歳の小児だけは割合が最も大きく、許容量の約43%でした。
多く食べる場合の推計もあります。小児のうち摂取量の多い5%の人は、許容量を超える可能性があると書かれています。多くを占めていたのは穀類加工品と菓子類です。ふくらし粉に使われる添加物によるもの、と書かれています。
その許容量の中身も同じページにあります。国際機関のJECFAが決めた暫定の目安が体重1kgあたり1週間で2mg。内閣府の食品安全委員会は平成29年12月19日に、耐容週間摂取量を体重1kgあたり1週間で2.1mgと設定しました。
厚生労働省は平成30年11月30日に使用基準も改正しています。菓子・生菓子・パンについて、1kgにつきアルミニウムとして0.1g以下という基準値ができました。うわさが広まったのは、この一連の発表があったからです。
市販6商品の原材料名。膨張剤は6商品とも入っていた

各社の公式サイトから、ホットケーキミックスとパンケーキミックス6商品の表示を取りました。スラッシュより後ろだけを並べます。
| 商品 | 製造元・販売者 | 膨張剤の表記 | 香料 | 乳化剤 | 添加物の品目数 |
|---|---|---|---|---|---|
| ホットケーキミックス600g | 森永製菓 | ベーキングパウダー | あり | あり | 4品目 |
| SHOWAホットケーキミックス | 昭和産業 | ベーキングパウダー | あり | なし | 2品目 |
| トップバリュ ホットケーキミックス | イオン(製造は昭和産業 船橋工場) | ベーキングパウダー | あり | なし | 2品目 |
| 米粉のホットケーキミックス | 共立食品 | 膨張剤 | あり | なし | 4品目 |
| ホットケーキミックス 300g | パイオニア企画 | 膨張剤 | なし | なし | 3品目 |
| グルテンフリー砂糖不使用パンケーキミックス | みたけ食品工業 | ベーキングパウダー | なし | なし | 1品目 |
並べる前は、香料と乳化剤で差がつくと思っていました。実際は違いました。乳化剤が入っていたのは森永製菓の1商品だけです。香料は4商品で、こちらのほうがまだ分かれています。
いちばん少ないのは、みたけ食品工業の1品目です。原材料名は「うるち米、大豆、食塩/ベーキングパウダー」だけでした。いちばん多い森永製菓は、ベーキングパウダー、乳化剤、香料、カゼインNaの4品目です。
出どころは各社の公式ページです。森永製菓、昭和産業、トップバリュ、共立食品、パイオニア企画、みたけ食品工業から、2026年8月27日に写しました。
昭和産業のSHOWAホットケーキミックスだけは、取得したあとに公式サイトの商品ページがなくなり、2026年9月4日の時点で見つかりません。そのためリンクを外しています。表の原材料名と栄養成分は、2026年8月27日に公式ページで確かめた時点のものです。
「ベーキングパウダー」と「膨張剤」は同じもの。表示名は4通りある

表の3列目で、書き方が2通りに分かれました。これは中身の違いではありません。
先ほどの厚生労働省のページに、表示名の一覧が載っています。ふくらし粉として使われたときの書き方です。「膨脹剤」「膨張剤」「ベーキングパウダー」「ふくらし粉」の4通りが認められています。
昭和産業のホットケーキミックスとは?にも同じ説明があります。ベーキングパウダーの主原料は重曹で、酸性のものと組み合わせると炭酸ガスが出る仕組みです。そのガスが生地をふくらませます。
そして、ここがいちばん大事なところです。厚生労働省は同じページにこう書いています。「膨脹剤」と表示されていても、アルミニウムを含む添加物が使われていないことがある、と。
つまり原材料名を何度読んでも、アルミニウムの有無は出てきません。分かるのは会社の窓口のほうです。
今回の6商品では、2社が公式に書いていました。森永製菓はお問い合わせ窓口で「弊社で使用している膨脹剤は全てアルミフリー」と回答しています。みたけ食品工業は商品ページに「ベーキングパウダーはアルミニウムフリー」と書いています。
残る4商品の公式ページには、この記載がありませんでした。記載がないことは、入っているという意味ではありません。書いていないだけです。分からないものは分からない、と置いておきます。
こうした一括名の書き方については、無添加とは?売り場での見分け方にもまとめています。
100gにそろえると、差が出たのは糖のほうだった

では何を見ればいいか。栄養成分表示です。6商品を粉100gあたりにそろえます。
| 商品 | 炭水化物 | エネルギー | 食塩相当量 | 添加物の品目数 |
|---|---|---|---|---|
| 米粉のホットケーキミックス(共立食品) | 84.0g | 361kcal | 1.6g | 4品目 |
| トップバリュ ホットケーキミックス | 80.8g | 356kcal | 1.25g | 2品目 |
| SHOWAホットケーキミックス(昭和産業) | 80.3g | 355kcal | 1.4g | 2品目 |
| ホットケーキミックス600g(森永製菓) | 80.2g | 379kcal | 1.2g | 4品目 |
| ホットケーキミックス 300g(パイオニア企画) | 77.0g | 362kcal | 1.5g | 3品目 |
| グルテンフリー砂糖不使用パンケーキミックス(みたけ食品工業) | 68.9g | 363kcal | 1.9g | 1品目 |

1商品だけ、公式の表示が1袋200gあたりでした。トップバリュです。2で割って100gに直しました。エネルギーは712kcal÷2で356kcal。炭水化物は161.6g÷2で80.8g。食塩相当量は2.5g÷2で1.25gです。残る5商品は公式が最初から100gあたりで出しています。
6商品とも、粉100gのうち68.9gから84.0gが炭水化物でした。重さのおよそ7割から8割です。ここが、どの商品を選んでも変わらない部分になります。
原材料名の並び順も同じです。6商品のうち5商品で、2番目に来ているのが砂糖でした。1番目は小麦粉か米粉です。粉の次に多いのが砂糖、という順番になります。
いちばん多い共立食品の84.0gと、いちばん少ないみたけ食品工業の68.9gでは15.1gの差です。添加物の品目数の順位とは、別の並びになりました。
添加物がいちばん少ないみたけ食品工業が、食塩ではいちばん多かった

ここまで品目数を並べてきましたが、これは安全性の順位ではありません。今回の6商品では、それが数字で出ました。
添加物が1品目のみたけ食品工業は、食塩相当量が1.9gで6商品のうち最も多い値でした。逆に4品目の森永製菓は1.2gで最も少ない値です。順位がきれいに逆になっています。
糖のほうも同じです。みたけ食品工業は砂糖を使っていません。それでも炭水化物は68.9g、うち糖質は64.6gあります。米粉と大豆粉のでん粉が残るからです。糖類だけが3.2gまで下がります。
香料も、あるかないかで良し悪しは決まりません。パイオニア企画は公式ページで、従来品に比べて香りを抑えたと説明しています。香りを立てないぶん、クッキーやパウンドケーキにも使いやすくなる、という説明です。味の話であって、安全性の順位ではありません。
何かを減らすと、別の何かが増えます。品目数の少なさだけを見ると、そこを見落とします。
じゃあ、どれを選んで、どう焼くか

市販6商品を見比べて残ったことは、3つです。
1つめ。膨張剤の文字で選ばない。「ベーキングパウダー」も「膨張剤」も同じものの表示名です。どちらで書かれていても、アルミニウムの有無は原材料名に出てきません。
2つめ。そこが気になるなら、会社の問い合わせページを見る。森永製菓とみたけ食品工業は、公式に「アルミフリー」と書いています。書いていない会社は、問い合わせ窓口で聞くのが早いです。
ふくらし粉の中身を、書かなくてよいのに自分から書いている粉もありました。14商品まで広げるとそれは5商品で、いずれも自然食品を扱う会社です。内訳はかっこの中まで書いていた5商品にあります。
3つめ。粉より、上に乗せるものを見る。粉100gの時点で炭水化物は68.9gから84.0gあります。ここにシロップとバターが加わります。粉を選び直すより、乗せる量を決めるほうが早いです。
そのうえで、ホットケーキだけでなく、夕飯まで切り替えたいという日もあります。粉から焼くかわりに、味付けの済んだ惣菜を冷蔵で届けてもらう頼み方もあります。
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よくある質問
- Qホットケーキミックスの膨張剤にはアルミニウムが入っていますか?
- A
原材料名からは分かりません。厚生労働省のページにこう書かれています。「膨脹剤」と表示されていても、アルミニウムを含む添加物が使われていないことがある、と。今回の6商品では、森永製菓とみたけ食品工業が公式に「アルミフリー」と記載していました。
- Q「ベーキングパウダー」と「膨張剤」は違うものですか?
- A
同じものの別の表示名です。厚生労働省の資料では「膨脹剤」「膨張剤」「ベーキングパウダー」「ふくらし粉」の4通りで書けるとされています。6商品では、ベーキングパウダーが4商品、膨張剤が2商品でした。
- Q添加物がいちばん少ない商品はどれでしたか?
- A
みたけ食品工業のグルテンフリー砂糖不使用パンケーキミックスで、ベーキングパウダーの1品目だけでした。ただし食塩相当量は100gあたり1.9gで、6商品のうち最も多い値です。
- Q砂糖不使用なら糖質も低いですか?
- A
低くはなりますが、ゼロにはなりません。みたけ食品工業の商品は砂糖を使っていませんが、100gあたりの炭水化物は68.9g、糖質は64.6gあります。米粉と大豆粉のでん粉が残るためです。糖類は3.2gでした。
まとめ:見るのは膨張剤の文字ではなく、100gの7割から8割

6商品を並べて分かったことは2つです。膨張剤は6商品すべてに入っていました。書き方が「ベーキングパウダー」と「膨張剤」に分かれただけで、中身の違いではありません。
そしてアルミニウムの有無は、原材料名からは読めません。分かるのは会社の問い合わせページのほうです。6商品のうち公式に「アルミフリー」と書いていたのは2社でした。
数字で差が出たのは糖です。粉100gのうち68.9gから84.0gが炭水化物。6商品のうち5商品で、原材料名の2番目が砂糖でした。
明日やることは1つ。焼くときに、使う粉の重さを一度だけはかってみる。100gなら糖は7割から8割です。そこが分かれば、上に乗せるシロップの量が変わります。
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