ラベルさん先に結論です。やわらかさを作っているのは、乳化剤と油脂です。山崎製パンが公式サイトでそう説明しています。ただし今回見た食パンには、添加物が1つも書かれていない商品が3つありました。それでもやわらかく作られています。
並べたのは、公式サイトに原材料名が載っている食パン6商品。「ふんわり=添加物」でまとめられるのかを、表示の数字だけで確かめます。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認しました。
「ふんわり」を作っているものは、メーカーが公式サイトで説明していた

ここで読むのは、山崎製パンが公式サイトのよくある質問に載せている3つの説明です。乳化剤のはたらき、油脂のはたらき、そして原材料名の読み方が書かれています。
「ふんわり食パンは体に悪い」という話は、たいてい2つの言葉から始まります。乳化剤と、マーガリンやショートニングという油脂です。
この2つが何をしているのかは、山崎製パンが公式サイトのよくある質問で答えています。乳化剤については「本来混ざることのない油と水を分離せず均一化させ、きめ細かくしっとりとした柔らかさを維持する為に使用しております」。油脂については「風味を良くし、パンが固くなったり食感がパサつくのを防ぎ、保存性の向上にも関係があります」。
やわらかさのために使っている、と会社が自分で書いているわけです。ここまではうわさのとおりでした。
同じページに、原材料名の読み方も書かれています。「原材料名欄には、はじめに原材料名が記載されており、『/』(スラッシュ記号)の後に添加物が続きます。いずれも製品に占める重量の多い順に書かれています」。この数え方で6商品を並べます。
6商品の原材料名を、添加物の数で並べた

食パン6商品を、各社の公式サイトに出ている原材料名と栄養成分表示から並べました。順番は、表示されている添加物の品目数で決めています。
順位の付け方は2つだけです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が、何品目あるかを数える
- 同じ品目数のときは、1枚あたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
| 順位 | 商品(食品単位) | 添加物の数 | 添加物の中身 | エネルギー | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Pasco レーズンブレッド(1枚) | 2品目 | 甘味料(ステビア)、香料 | 180kcal | 0.6g |
| 2 | Pasco 低糖質ブラン食パン(1枚) | 2品目 | 加工デンプン、増粘剤(アルギン酸エステル) | 79kcal | 0.4g |
| 3 | Pasco 超熟(6枚スライス1枚) | 0品目 | なし | 164kcal | 0.7g |
| 4 | Pasco 超熟山型(6枚スライス1枚) | 0品目 | なし | 160kcal | 0.7g |
| 5 | Pasco 麦のめぐみ全粒粉入り食パン(6枚スライス1枚) | 0品目 | なし | 154kcal | 0.7g |
| 6 | ヤマザキ ふんわり食パン(6枚スライス1枚) | 公式に記載なし | 公式に記載なし | 146kcal | 0.6g |

先に断っておきます。この順位は表示されている添加物の数が多い順であって、体に悪い順ではありません。3位から5位は3商品とも0品目で食塩相当量も同じだったので、エネルギーが高い順に並べました。
そのうえで図を見てください。やわらかさに直接関わる脂質を、6枚スライス1枚あたりで比べたものです。いちばん多いのはヤマザキ ダブルソフトの3.4g。ヤマザキ ふんわり食パンは2.0gで、8商品のうち下から2番目でした。名前がいちばんやわらかそうな商品が、脂質は少ないほうでした。
原材料名を公開していたのは、4社のうち1社だけだった
ここは正直に書きます。大手4社の公式サイトを1つずつ開いたところ、商品ページに原材料名を載せていたのは敷島製パン(Pasco)だけでした。
山崎製パンの食パンの商品ページには栄養成分表があり、原材料名の欄がありません。フジパンの商品一覧も、第一パンの食パンのページも同じです。だから6位のふんわり食パンは、ゼロではなく「公式に記載なし」と書きました。確かめたい人は、売り場で袋の裏のスラッシュを探してください。
添加物が0品目の食パンも、やわらかく作られていた

大事なのは、順位の上ではなく下でした。3位から5位の3商品は、原材料名にスラッシュがありません。つまり添加物が1つも書かれていない食パンです。
超熟の原材料名は、7つで終わっている
超熟の原材料名は「小麦粉(国内製造)、砂糖、バター入りマーガリン、パン酵母、食塩、米粉、醸造酢」。7つで終わりです。乳化剤もイーストフードも書かれていません。
それでも2番目が砂糖、3番目がバター入りマーガリンです。やわらかさを作る油脂は、添加物ではなく原材料として書かれています。
添加物が書かれていた2商品は、食パン以外のものが入っていた
1位のレーズンブレッドに書かれていたのは、甘味料(ステビア)と香料。2番目の原材料は洋酒漬レーズンです。2位の低糖質ブラン食パンは加工デンプンと増粘剤(アルギン酸エステル)で、小麦ふすまが入っています。
素の食パンではゼロ、何かを足した食パンで2品目。数を増やしていたのは「ふんわり」ではありませんでした。
そのパンを砕いて作るパン粉も、0品目の商品がありました。パン粉14商品でビタミンCの置きどころが分かれた回では、14商品のうち7商品が0品目です。
ただし、原材料名が長い食パンが、体に悪い食パンではない

原材料名に並んだ品目の数と、体への良し悪しは別の話です。消費者庁は、食品添加物について食品安全委員会の評価を受けたうえで成分の規格や使用の基準を定め、その範囲で使用を認めていると説明しています。数が多くても、食べる量が多いとはかぎりません。
食パンで先に見るべきなのは、1枚の大きさのほうでした。同じ超熟でも、4枚スライス1枚は246kcal、8枚スライス1枚は123kcal。ちょうど2倍です。食塩相当量も1.1gと0.5gで開きます。何枚切りを選ぶかのほうが、毎日の合計を大きく動かします。
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、食塩相当量の1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満です。6枚スライス1枚は0.6gから0.7gでした。
気をつけるのは、食パンより、その上にのせるものです。
同じパンでも、おやつに近いものは中身が変わります。体に悪い菓子パンランキングでは、1個で460kcal・脂質23.1gという商品もありました。朝の主食をごはんにするなら、パックご飯の添加物を確かめた記事もどうぞ。
では、朝のパンに何を合わせるか

食パンの弱点は、1枚だけではおかずにならないことです。焼いて2分で用意できても、その日のたんぱく質と野菜はまだ決まっていません。
そこで手に取るのが、ハムやソーセージや冷凍のおかずです。ただし、こちらは原材料名の長さがまったく違います。同じ数え方で並べた冷凍食品6商品の添加物ランキングでは1位が10品目、無添加ソーセージ4商品の記事でも数が並びました。数を増やしているのはパンではなく、合わせる1品のほうです。パンの袋にある「無添加」がどこまでを指すのかは無添加とは?で説明しています。
パンのほうを替えるなら、行き先はパン屋か袋入りの市販品になります。公式サイトの食パン13商品では10商品が添加物0品目で、パン屋に原材料名の表示義務がない理由もふくめて無添加のパンをどこで買うかを調べた記事に書きました。
その10商品の0品目にも、条件がつきます。加工助剤は、原材料名から省いてよいものです。油脂や砂糖の原料から入ってきたキャリーオーバーも、省いて構いません。0品目というのは、袋の表示で確かめられる範囲の話です。
そのうえで、合わせる一品を丸ごと入れ替える方法もあります。ハムやソーセージの代わりに、添加物を使わないと決めて作った惣菜を家まで運んでもらえます。
そのパンを昼の弁当にするなら、話は朝だけでは終わりません。弁当を用意する3つの道と原材料名の出かたを、作る・買う・届けてもらうで分けて書いています。
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家で焼く粉のほうにも、同じ読み方が使えます。ホットケーキミックス6商品では「ベーキングパウダー」と書く商品が4つ、「膨張剤」と書く商品が2つでした。ちがいはベーキングパウダーと書く4商品にあります。
その粉をどこで買うかまで決めたいなら、ふつうの売り場では1つも見つかりませんでした。買える場所を整理した1品目の8商品が分かれた4つのルートを見てください。
よくある質問
食パンの表示について、よく聞かれることをまとめました。
- Qふんわり食パンの原材料名はどこで見られますか?
- A
山崎製パンの商品ページには栄養成分表はありますが、原材料名の欄がありません。売り場で袋の裏を見るのが確実です。スラッシュ(/)より後ろが添加物です。
- Q乳化剤は何のために使われていますか?
- A
山崎製パンは公式サイトで、水と油を均一に混ぜ合わせ、きめ細かくしっとりとした柔らかさを保つために使っていると説明しています。
- Q添加物が入っていない食パンはありますか?
- A
今回見た6商品のうち3商品は、原材料名にスラッシュがなく、添加物が1つも書かれていませんでした。超熟、超熟山型、麦のめぐみ全粒粉入り食パンです。
- Q何枚切りを選べばいいですか?
- A
目的しだいですが、数字ははっきり違います。超熟の場合、4枚スライス1枚は246kcalで食塩相当量1.1g、8枚スライス1枚は123kcalで0.5gでした。
まとめ:ふんわりの正体は、添加物ではなく油脂だった

6商品を並べて出た答えは1つです。やわらかさを作っているのは乳化剤と油脂で、そのうち油脂は添加物ではありません。今回見た食パンのうち3商品は添加物が0品目で、それでもやわらかく作られていました。原材料名の2番目と3番目に砂糖と油脂が並ぶ、それが「ふんわり」の中身です。
明日やることは1つ。食パンを買うとき、原材料名の2番目と3番目だけ見る。そこに何が書いてあるか。スラッシュがあるかないか。この2点だけで、同じ売り場のパンの見え方が変わります。
同じパンでも、中身をはさんだものは事情が変わります。ランチパックの定番7商品を確かめた記事では、うわさの臭素酸カリウムが2024年10月で使用終了になっていたことと、1個の熱量が123kcalから173kcalまでひらいていたことが分かりました。
パンは用意できるけれど、合わせる一品の添加物は減らしたい。そんなときの候補5社の原材料名を、無添加のおかず宅配おすすめ5社に並べました。実際の料金と量はシェフの無添つくりおきの検証記事です。
パンに合わせるチーズも、裏の1行で中身が違います。さけるチーズは添加物が2品目、6Pチーズは乳化剤1品目でした。詳しくはさけるチーズの記事をどうぞ。
朝の一品をシリアルに変えても、裏の1行は同じように読めます。シスコーンの添加物14品目のうち11品目がビタミンとミネラルだった件はシスコーンは体に悪い?で確かめました。
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