ラベルさん先に結論です。飲み物は100mlあたり5kcal未満なら「ゼロ」と書けます。完全に0という意味ではありません。食品表示基準の別表第13に、そう書かれています。
そしてもう1つ。「カロリーオフ」のほうには、上限の数字がありません。キリンの「おいしい免疫ケア カロリーオフ」は、100mlあたり21kcalでした。数字はすべて2026年8月27日に各社公式サイトと法令のページで確認しました。
「ゼロなのに甘い」の出どころは、5kcal未満まで書ける決まり

「ゼロ」と書ける条件は、食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の別表第13に載っています。e-Govの法令ページから原文を写しました。
熱量の欄にはこうあります。含まない旨の表示の基準値は、食品100gあたり五キロカロリー。括弧内は、一般に飲用に供する液状の食品100mlあたりの場合で、こちらも五キロカロリーです。
そして第7条に、含まない旨の表示は「基準値に満たない場合」にできると書かれています。つまり5kcal未満です。5kcalちょうどは入りません。
「無」「ゼロ」「ノン」といった言い方がこの基準に当たることは、東京都保健医療局の栄養強調表示のページに表現例として載っています。
ここを100mlではなく1本に直すと、見え方が変わります。500mlのペットボトル1本なら5倍で、25kcal未満まで「ゼロ」のまま入る計算です(5kcal×5=25kcal)。決まりが100mlあたりで書かれているので、こうなります。
この「決まりの言葉」と「ふだんの言葉」がずれる話は、無添加とは?売り場での見分け方にもまとめています。
飲み物6商品を100mlにそろえた

日本コカ・コーラとキリンビバレッジの公式サイトから、6商品の栄養成分表示を写しました。エネルギーの多い順に並べます。
| 順位 | 商品 | 製造元 | 公式の言い方 | 100mlあたりのエネルギー | 100mlあたりの炭水化物 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | コカ・コーラ | 日本コカ・コーラ | 表示なし | 45kcal | 11.3g |
| 2 | おいしい免疫ケア カロリーオフ | キリンビバレッジ | カロリーオフ | 21kcal | 4.8g |
| 3 | 午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー | キリンビバレッジ | 無糖 | 10kcal | 0.6g |
| 4 | コカ・コーラ ゼロ | 日本コカ・コーラ | カロリーゼロ | 0kcal | 0g |
| 4 | アクエリアス ゼロ | 日本コカ・コーラ | ゼロカロリー | 0kcal | 0.7g |
| 4 | 午後の紅茶 おいしい無糖 | キリンビバレッジ | 無糖 | 0kcal | 0g |

6商品とも、公式の表示単位がもともと100mlでした。「おいしい免疫ケア カロリーオフ」だけは1本100mlなので、こちらも換算していません。
換算が必要で表から外した商品が1つあります。キリンのメッツ コーラは表示単位が1本480mlで、炭水化物は6.7gでした。100mlに直すと6.7÷4.8=1.40gです。エネルギーは1本で0kcalでした。単位がそろわないので、順位表には入れていません。
出どころは公式サイトです。コカ・コーラの原材料・栄養成分表示、アクエリアスの原材料・栄養成分表示、キリンの原材料名・栄養成分等一覧から、2026年8月27日に写しました。
気になるのは4位のアクエリアス ゼロです。エネルギーは0kcalなのに、炭水化物だけ0.7g入っています。この0.7gが何なのかは、次で書きます。
「無糖」は熱量の線ではない。糖類0gで10kcalの紅茶があった

先にアクエリアス ゼロの0.7gです。原材料名の1番目は果糖でした。糖が入っていても、エネルギーが100mlあたり5kcal未満なら「ゼロカロリー」と書けます。
もう1つの決まりが糖類です。別表第13の糖類の欄には、含まない旨の基準値は0.5g、飲み物も括弧内で0.5gとあります。100mlあたり0.5g未満なら「無糖」です。
この決まりが熱量とは別だと分かるのが、午後の紅茶の2商品です。
| 商品 | 100mlあたりの糖類 | 100mlあたりのエネルギー |
|---|---|---|
| 午後の紅茶 おいしい無糖 | 0g | 0kcal |
| 午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー | 0g | 10kcal |
どちらも糖類は0gです。それでもミルクティーのほうは10kcalありました。原材料名の1番目が牛乳で、たんぱく質0.6g、脂質0.6gが入っているからです。
「無糖」は糖類についての決まりで、熱量についての決まりではありません。無糖と書いてあっても0kcalとはかぎらない、ということです。
飲み物1本に入る糖の量を調べた記事は別にあります。はちみつレモン1本の糖を角砂糖に置き換えた記事では、糖の量を数えています。この記事で見ているのは、量ではなく表示の決まりのほうです。
「カロリーオフ」に上限はない。21kcalでも書ける

今回いちばん意外だったのが、ここです。キリンのおいしい免疫ケア カロリーオフは、100mlあたり21kcalでした。
別表第13で、熱量の「低い旨の表示の基準値」は40kcal、飲み物は括弧内で20kcalです。低い旨は「基準値以下」なので、20kcalちょうどまで。21kcalはこの数字を超えています。
では、何の決まりに当てはまるのか。東京都保健医療局のページでは、「△△10gオフ」「□□ハーフ」は低減された旨の表現例として載っています。他の同種の食品と比べる書き方です。
比べる相手は同じシリーズにありました。
| 商品 | 100mlあたりのエネルギー | 100mlあたりの炭水化物 |
|---|---|---|
| おいしい免疫ケア | 47kcal | 11g |
| おいしい免疫ケア カロリーオフ | 21kcal | 4.8g |
差は26kcalです(47−21=26)。低減された旨の基準値は、飲み物なら20kcal以上。そのうえで低減された割合が25パーセント以上という条件があります。26÷47=0.553で、55.3パーセントです。どちらも満たします。
つまり「オフ」はその商品の数字ではなく、比べた相手との差です。相手が大きければ、残った数字も大きくなります。だから21kcalでも「カロリーオフ」が成り立ちます。
同じようなパッケージの言葉でも、見ている欄がちがいます。「ゼロ」は100mlあたりの数字。「オフ」は他の商品との差です。この2つは別の話です。
ただし、ゼロのほうが添加物の品目数は多かった

ここまで熱量で並べてきましたが、これは体にいい順・悪い順ではありません。原材料名を見ると、順番が入れかわります。
| 商品 | 甘味料の種類 | 添加物の品目数 | 原材料名の1番目 |
|---|---|---|---|
| アクエリアス ゼロ | アセスルファムK、スクラロース | 8品目 | 果糖 |
| コカ・コーラ ゼロ | スクラロース、アセスルファムK | 6品目 | 炭酸 |
| おいしい免疫ケア カロリーオフ | アセスルファムK、スクラロース | 5品目 | 砂糖 |
| コカ・コーラ | なし | 5品目 | 糖類 |
| 午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティー | なし | 4品目 | 牛乳 |
| 午後の紅茶 おいしい無糖 | なし | 2品目 | 紅茶 |
熱量が0kcalの2商品が、品目数では1位と2位になりました。砂糖入りのコカ・コーラは5品目で、ゼロの2商品より少ないという並びです。
コカ・コーラ ゼロの原材料名にはスラッシュがありません。書かれている6つは、すべて添加物です。炭酸、カラメル色素、酸味料、甘味料、香料、カフェインの6つでした。
甘味料の中身は商品ごとに違いました。今回の6商品ではアセスルファムKとスクラロースの組み合わせだけでしたが、表から外したメッツ コーラはアスパルテーム・L−フェニルアラニン化合物、アセスルファムK、スクラロースの3つが書かれています。
ひとつはっきりさせておきます。この記事では、甘味料が体にどう影響するかは判断していません。確かめたのは表示の決まりと、各社公式に載っている数字だけです。品目数が多いか少ないかだけでは、良し悪しは決まりません。
法律のどのカテゴリに入るかで、書いてある項目が入れかわる例もあります。エナジードリンク6本の表示を確かめた記事では、カフェイン量が必ず載るのは清涼飲料水ではないほうでした。
じゃあ、どれをどう選ぶか

6商品を100mlにそろえて分かったことから、3つに絞ります。
1つめ。「ゼロ」を見たら、1本の量をかける。決まりは100mlあたり5kcal未満です。500mlなら5倍。ここまでは表示のままで入ります。
2つめ。「無糖」と「ゼロカロリー」を同じ意味で読まない。午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティーは糖類0gで10kcalでした。糖類と熱量は、別の欄に書かれています。
3つめ。「オフ」は数字を見る。上限が決まっていないので、21kcalでも成り立ちます。裏面の栄養成分表示で100mlあたりのエネルギーを見れば、それで済みます。
甘くない飲み物には、入れてよいものが法令で決まっているものもあります。トマト、濃縮トマト、食塩の3つだけという一群は入れてよいものが3つに限られる飲み物で確かめました。
そのうえで、飲み物を1本ずつ確かめるより、食事のほうを切り替えたいという日もあります。原材料を先に決めて作られた惣菜を、届けてもらう方法もあります。
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よくある質問
- Qゼロカロリーは本当に0キロカロリーですか?
- A
食品表示基準の別表第13では、飲み物は100mlあたり5kcal未満なら「ゼロ」と書けます。0という意味ではありません。アクエリアス ゼロは公式サイトで100mlあたり0kcalと表示されていますが、炭水化物は0.7gで、原材料名の1番目は果糖でした。
- Q「無糖」と書いてあれば0キロカロリーですか?
- A
かぎりません。無糖は糖類の線で、100mlあたり0.5g未満が基準です。キリンの午後の紅茶 おいしい無糖 ミルクティーは糖類0gですが、エネルギーは100mlあたり10kcalでした。原材料名の1番目は牛乳です。
- Qカロリーオフは何キロカロリー以下ですか?
- A
上限は決まっていません。「オフ」は他の同種の食品と比べた書き方で、飲み物なら差が20kcal以上、かつ25パーセント以上減っていることが条件です。キリンのおいしい免疫ケア カロリーオフは100mlあたり21kcalで、通常品47kcalとの差は26kcalでした。
- Q甘味料が入っている飲み物は体に悪いですか?
- A
この記事では判断していません。確かめたのは表示の決まりと、各社公式サイトに載っている数字だけです。今回の6商品では、甘味料はアセスルファムKとスクラロースの組み合わせで、3商品に書かれていました。
まとめ:見るのは「ゼロ」の文字ではなく、100mlあたりの数字

6商品を100mlにそろえて分かったことは2つです。飲み物は100mlあたり5kcal未満なら「ゼロ」と書けます。アクエリアス ゼロは0kcal表示で、炭水化物は0.7g入っていました。
そして「カロリーオフ」には上限がありません。おいしい免疫ケア カロリーオフは21kcalで、比べる相手の47kcalとの差が26kcalありました。ゼロはその商品の数字、オフは比べた相手との差です。
明日やることは1つ。買った飲み物の裏面で、100mlあたりのエネルギーを一度だけ見てみる。おもての「ゼロ」や「オフ」より、そちらのほうが早く分かります。
カロリーの数字ではなく原材料名で選びたい日は、0品目が茶葉と麦茶1本だけだったお茶14商品の調べが参考になります。
0品目という数字は、原材料名に書く義務のある添加物がなかったことだけを示します。加工助剤やキャリーオーバーは表示が免除されるので、茶葉や水の処理まで含めたゼロという意味にはなりません。
飲み物より食事のほうを見直したい日は、宅配に切り替える手もあります。5社の原材料表示を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社もどうぞ。
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