ラベルさん先に結論です。惣菜が悪いのではなく、中身が見えない売り方があるだけでした。パックに入って売られている惣菜6商品の原材料名を見たところ、添加物は1品目から4品目。多い商品でも4品目です。
問題は数の多さではなく、その場で作って量り売りする惣菜には、原材料名を表示する義務がないことのほうでした。この記事では6商品を添加物の数で並べ、順位の根拠と、表示の決まりまで全部出します。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認しました。
「添加物だらけ」と言われる出どころは、表示がないこと

スーパーの惣菜には、売り方が2つあります。その場でトングを使って取り、量り売りしてもらうものと、最初からパックに入って原材料名が印刷されているものです。この2つは、法律の扱いがまったく違います。
食品の表示は食品表示法で決まっていて、具体的な決まりは食品表示基準です。東京都保健医療局はこの基準を整理し、表示しなければならないものを「容器包装に入れられた消費者に販売される形態となっている加工食品」と書いています。項目には名称・原材料名・添加物・内容量・消費期限などが並びます。
言いかえると、こうです。容器包装に入っていない惣菜は、この項目を書かなくてよいことになります。量り売りのおかずに原材料名が付いていないのは、手を抜いているからではなく、決まりのうえでそうなっているからです。
だから「添加物だらけ」と言われても、確かめようがありません。見えないものは、多いようにも少ないようにも言えてしまいます。
パックに入った惣菜6商品を、添加物の数で並べた

順位の付け方は2つだけです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が、何品目あるかを数える
- 同じ品目数のときは、100gあたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
並べたのは、スーパーで手に入りやすい6商品です。
| 順位 | 商品(1パックの量) | 添加物の数 | 添加物の中身 | エネルギー | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | フジッコ おかず畑 おばんざい小鉢 うの花(52g) | 4品目 | グリシン、酸味料、酸化防止剤、水酸化カルシウム | 102kcal | 1.54g |
| 2 | フジッコ おかず畑 おばんざい小鉢 彩りこうや(46g) | 4品目 | グリシン、酸味料、重曹、炭酸カリウム | 107kcal | 1.52g |
| 3 | フジッコ おかず畑 おばんざい小鉢 ひじき煮(42g) | 2品目 | 酸味料、水酸化カルシウム | 100kcal | 1.43g |
| 4 | トップバリュ ひじき煮 | 2品目 | 水酸化カルシウム、豆腐用凝固剤 | 63kcal | 1.00g |
| 5 | トップバリュ 国産じゃがいものポテトサラダ(120g) | 2品目 | 調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物 | 147kcal | 0.80g |
| 6 | トップバリュ きんぴらごぼう(75g) | 1品目 | 水酸化カルシウム | 88kcal | 1.47g |

エネルギーと食塩相当量は100gあたりに計算し直しました。公式サイトに書かれている単位が、フジッコのうの花は1パック52g、彩りこうやは46g、ひじき煮は42g、トップバリュのきんぴらごぼうは1袋75g、ひじき煮とポテトサラダは100gと、商品ごとに違うためです。
先に断っておきます。この順位は原材料名に書かれた添加物の数が多い順であって、体に悪い順ではありません。それでも、6商品を並べると見えてきたものがありました。
上位3商品には、どれも酸味料が使われていた

上の3商品に共通していたのは、酸味料です。1位のうの花、2位の彩りこうや、3位のひじき煮。どれも小さいパックに入って常温より低い温度で日持ちさせる惣菜で、原材料名の最後に酸味料が並んでいました。
1位のうの花は、4品目のうち3品目が日持ちと色のため
うの花に使われている添加物4品目は、グリシン、酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)、水酸化カルシウム。このうち水酸化カルシウムはこんにゃくを固めるためのもので、原材料名にもそう書かれています。残る3品目は、日持ちと色の変化に向けたものです。
6位のきんぴらごぼうは、こんにゃくを固める1品目だけ
いちばん少なかったトップバリュのきんぴらごぼうは、添加物が水酸化カルシウム1品目だけ。しかも用途は「こんにゃく用凝固剤」と書かれています。ごぼう、にんじん、こんにゃく、三温糖、しょうゆ——原材料名のほとんどが、家の台所にあるものと同じ名前でした。
惣菜だから添加物が多い、ということではありません。日持ちさせる作り方をしているかどうかで、数が変わっていました。
表示がないことと、入っていないことは別です。カット野菜6商品は原材料名の添加物が0品目でしたが、それは加工助剤にあたるものを書かなくてよいからでした。条文はカット野菜6商品と加工助剤の条文で引いています。
ただし、添加物の品目数が多い惣菜ほど体に悪い、とは言えない

品目数の多い少ないを体への良し悪しに置きかえると、惣菜の選び方をまちがえます。日本で使用が認められている添加物には使用量の上限があり、品目が多くても、食べる量が多いとはかぎりません。1位と6位の差も、4品目と1品目です。
毎日食べて増えていくのは、むしろ脂質と食塩相当量のほうでした。添加物が2品目で5位だったポテトサラダは、100gあたりの脂質が9.5g。添加物4品目で1位のうの花(5.2g)より多いです。食塩相当量も、いちばん少ないポテトサラダの0.80gと、いちばん多いうの花の1.54gで倍近い差がありました。
添加物の数で分かるのはどうやって日持ちさせているかで、脂質と食塩で分かるのは毎日どれだけとるかです。別のことなので、順位も一致しません。見る欄は2つあります。
買ってきてそのまま食べるものは、惣菜だけではありません。体に悪い菓子パンランキングでは、添加物の順とカロリーの順が同じ並びになりませんでした。おかずでは、マルシンハンバーグ6商品の表示を見比べた記事で添加物ゼロの商品がいちばん食塩の多い結果になっています。温めるだけのレトルトカレー10商品を比べた記事もどうぞ。
スラッシュの後ろを見る読み方は市販のミートボールでも同じで、ミートボールは体に悪い?市販6商品の表示を並べた記事では保存料が1商品も出てこず、差がついたのはカラメル色素でした。
昼を店で食べる日も、事情は同じです。確認した8社のうちアレルギー情報を出していたのは7社、原材料名まで出していたのは1社でした。内訳は外食8社のアレルギー情報と原材料名にあります。
では、売り場で何を選べばいいのか

答えははっきりしています。その場で品目を確かめたいなら、パックに入って原材料名が印刷されている惣菜です。東京都保健医療局によれば、添加物は「原則として、全ての添加物の物質名を添加物に占める重量の割合の高いものから順に表示します」。しかも原材料と添加物は記号「/」で区切って書けるので、スラッシュの後ろを見れば、その場で数えられます。
冷凍のおかずでも数え方は同じです。冷凍食品6商品の添加物ランキングと無添加冷凍食品はスーパーで買える?にまとめてあります。「無添加」の意味は無添加とは?にあります。
帰り道のコンビニでも、読み方は変わりません。よく手に取る8商品の原材料名を1件ずつ確認したところ、0品目は4商品、いちばん多い商品は15品目でした。品名はコンビニ8商品の原材料名を並べた記事にあります。惣菜ではなく弁当で1食を終わらせたい日は、無添加の弁当に残された3つの道のほうが手がかりになります。
コンビニの4商品の0にも、同じ条件つきです。加工助剤は書かなくてよい決まりです。惣菜の材料に元から入っていたキャリーオーバーについても、書く必要はありません。読み取れるのは、包装に印刷された添加物の数までです。
ただし弱点もあります。数えるには、毎回パックを裏返して読む必要があります。仕事帰りに、子どもを連れて、それを毎日やるのは楽ではありません。
だから読む作業ごと減らしたい人には、もう1つの道があります。裏返して品目を追う代わりに、はじめから添加物を使わないと決めて作った惣菜を届けてもらう。
届けてもらう側でも、中身の見え方は会社で分かれます。宅配14社が原材料名をいつ出しているかを1社ずつ確かめると、注文する前に読めたのは9社で、残る5社は届いてふたを取るまで品目名が出てきませんでした。
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よくある質問
- Q量り売りの惣菜に原材料名がないのはなぜですか?
- A
食品表示基準で表示しなければならないものが「容器包装に入れられた消費者に販売される形態となっている加工食品」だからです。容器包装に入っていない惣菜は、これに当てはまりません。気になるときは、店の人に聞くのが早いです。
- Q惣菜の添加物は何品目くらいが普通ですか?
- A
今回の6商品では1品目から4品目でした。ただし6商品はどれも煮物とサラダです。揚げ物や味の濃いおかずは数が変わる可能性があるので、この数字を全部の惣菜には当てはめられません。
- Q水酸化カルシウムや豆腐用凝固剤は何のために入っていますか?
- A
原材料名に用途がそのまま書かれています。水酸化カルシウムは「こんにゃく用凝固剤」、豆腐用凝固剤は油揚げなどの大豆製品を固めるためのものです。どちらもこんにゃくや豆腐を作る工程で使われます。
- Q惣菜を買うとき、いちばん先に見る数字はどれですか?
- A
今回の6商品では、添加物の数より脂質と食塩相当量のほうが差が大きく出ました。100gあたりの脂質は1.2gから9.5g、食塩相当量は0.80gから1.54gです。表示の単位が商品ごとに違うので、そろえて見ると比べやすくなります。
ポテトサラダも同じ売り場の惣菜です。市販6商品を確かめたところ、添加物は0品目から5品目で、脂質の順位は添加物の数とは逆になりました。
まとめ:悪いのは惣菜ではなく、中身が見えない売り方だった

6商品を並べて出た答えは1つです。パックに入った惣菜の添加物は1品目から4品目で、用途は日持ちとこんにゃくを固めることでした。数が増えていたのは惣菜だからではなく、日持ちさせる作り方をしているからです。そして、その場で作って量り売りする惣菜には、原材料名を書く義務がありません。
明日やることは1つ。惣菜を買うとき、原材料名が印刷されているほうを手に取る。スラッシュの後ろがいくつあるかを見れば、その場で選べます。
パックを裏返す作業ごとなくしたいなら、宅配に切り替える手があります。5社ぶんの表示を並べたのが無添加のおかず宅配おすすめ5社です。料金と届く量まで見たものはシェフの無添つくりおきの検証記事にあります。
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