ラベルさん鍋つゆの容器を裏返すと、原材料名の途中にスラッシュが入っている商品と、入っていない商品があります。
売り場に並ぶタイプは2つです。水を足さずに鍋へあける750gのボトルと、水で薄めて使う小さいパック。前者のほうが手を加えていない、と受け取りたくなる並び方です。
ところが表示を写して並べると、そうはなりませんでした。写した日は2026年9月2日。読んだのは各社が自分で出しているページだけです。14商品のうち0品目だった2商品は、どちらも水で薄めるほうでした。
ストレートのほうが手が入っていない、とは読めなかった

答えを先に書きます。そのまま使う8商品は、いちばん少ない商品でも2品目ありました。空欄だったのは、水で薄める6商品のうち2つです。
タイプの分け方は、公式の作り方にそろえました。水を足す指示があるものを濃縮タイプ、鍋にあけるだけのものをストレートとしています。
この2つは、パッケージの表側だけでなく一括表示の名称欄にも出ます。イオンのだし香るキムチ鍋つゆの名称欄は「鍋用つゆ(ストレートタイプ)」でした。
日本生協連の旨みそ濃厚鍋つゆも同じです。商品名に濃厚という2文字が入っていますが、名称欄は「鍋用つゆ(ストレート)」。濃厚は味の話で、薄めるかどうかとは別でした。
裏を返すと、商品名だけでは判断がつきません。名称欄を見れば1行で分かります。
ストレート8商品。いちばん少なくて2品目だった

まずは水を足さないほうです。原材料名は、容器に刷られている並びを崩さずに書き移しました。
| 商品 | 内容量 | 品目数 | スラッシュより後ろ | 公式の食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| ミツカン 〆まで美味しい 寄せ鍋つゆ ストレート | 750g | 2品目 | 調味料(アミノ酸等)、乳酸 | 100gあたり2.0g |
| ミツカン 〆まで美味しい ごま豆乳鍋つゆ ストレート | 750g | 3品目 | 調味料(アミノ酸等)、レシチン(大豆由来)、炭酸カリウム | 100gあたり1.8g |
| ミツカン 〆まで美味しい キムチ鍋つゆ ストレート | 750g | 4品目 | 調味料(アミノ酸等)、乳酸、パプリカ色素、増粘剤(キサンタンガム) | 100gあたり2.9g |
| モランボン もつ鍋用スープ 醤油味 | 750g | 4品目 | 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタン)、甘味料(スクラロース)、酸味料 | 100gあたり2.2g |
| ダイショー 地鶏だしちゃんこ鍋スープ 醤油味 | 750g | 2品目 | 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタン) | 1人前214gあたり3.9g |
| イチビキ ストレート豚みそちゃんこ鍋つゆ | 720g | 3品目 | アルコール、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、キサンタンガム) | 100gあたり2.5g |
| トップバリュ だし香るキムチ鍋つゆ | 750g | 3品目 | 調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタン)、パプリカ色素 | 100gあたり2.2g |
| CO・OP 金ごまのコクと鶏だしの豆乳鍋つゆ | 750g | 4品目 | 増粘剤(加工でん粉、グァーガム)、調味料(アミノ酸等)、セルロース、乳化剤 | 100gあたり1.6g |
8商品とも、調味料(アミノ酸等)が入っていました。いちばん少ないのは2品目で、ミツカンの寄せ鍋つゆとダイショーの地鶏だしちゃんこ鍋スープです。
モランボンの公式レシピでは、スープ1パックをそのまま鍋に入れて3〜4人前になります。ダイショーの作り方も同じで、水は材料に出てきません。
イオンと生協は、書き方が少し違いました。原材料名の欄と添加物の欄が別々に立っていて、スラッシュを使いません。読む側からすると、こちらのほうが境目がはっきりします。
生協の豆乳鍋つゆは、さらに踏み込んでいます。調味料の中身がアミノ酸と核酸だと公開されていて、乳化剤もグリセリン脂肪酸エステル等と書かれていました。
食塩相当量は100gあたり1.6gから2.9gの範囲です。ミツカンのキムチ鍋つゆの2.9gが上、生協の豆乳鍋つゆの1.6gが下でした。
濃縮6商品。0品目はこちらに2つあった

次は水を足すほうです。こちらは1人分の小袋と、300mlの容器が混ざります。
| 商品 | 内容量 | 品目数 | スラッシュより後ろ | 公式の食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| エバラ プチッと鍋 寄せ鍋 | 23g×6個 | 2品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料 | 1個23gあたり3.9g |
| エバラ プチッと鍋 キムチ鍋 | 23g×6個 | 5品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、カラメル色素、パプリカ色素、香辛料抽出物 | 1個23gあたり3.4g |
| エバラ キムチ鍋の素 | 300ml | 6品目 | 調味料(アミノ酸等)、パプリカ色素、ベニコウジ色素、酸味料、香辛料抽出物、カラメル色素 | 100mlあたり9.3g |
| イチビキ 豚みそちゃんこ鍋濃縮ミニパック | 200g(1人前×4) | 2品目 | アルコール、調味料(アミノ酸等) | 1袋50gあたり4.9g |
| オーサワのベジ担担鍋つゆ | 150g | 0品目 | なし | 1袋150gあたり9.5g |
| 久原本家 茅乃舎 小鍋で 麹サムゲタン仕立て | 1人前×2回分 | 0品目 | なし | 1回分3.6g |
いちばん多い6品目も、0品目も、どちらもこの6商品の中にありました。幅がストレートより広いという結果です。
6品目はエバラのキムチ鍋の素でした。公式レシピは300mlに水600mlで4〜5人分です。色にかかわる表示が3つ並びます。
0品目の1つめはオーサワのベジ担担鍋つゆです。1袋に水450mlで2〜3人前。原材料名は昆布だしから始まり、こしょうで終わります。
2つめは茅乃舎の小鍋で 麹サムゲタン仕立てです。専用つゆ1袋に水200ml。つゆは鶏がらスープから始まり、いわし煮干しエキスで終わります。
ここで1つ断りを入れます。表に0品目と書いた2商品は、表示に出ていないという意味です。工程で使って最後に残らないものと、原料から持ち越されるだけで働かないものには、書く義務がかかりません。加工助剤とキャリーオーバーと呼ばれる区分で、そこから先は表示では追えません。
14商品を分けたのは、とろみをつける表示だった

2つの表を見比べると、ストレートにしか出てこない言葉が1つありました。増粘剤です。

| タイプ | 商品数 | 増粘剤あり | 調味料(アミノ酸等)あり | 0品目 |
|---|---|---|---|---|
| ストレート | 8商品 | 6商品 | 8商品 | 0商品 |
| 濃縮 | 6商品 | 0商品 | 4商品 | 2商品 |
増粘剤は、そのまま使う8商品のうち6商品に出て、水で薄める6商品には1つも出ませんでした。品目数の多い少ないではなく、書かれている中身のほうが分かれました。
これがいちばんはっきり出たのが、1つの会社の1つの味でした。イチビキは豚みそちゃんこ鍋を2つの形で売っています。
- ストレート豚みそちゃんこ鍋つゆ 720g…アルコール、調味料(アミノ酸等)、増粘剤(加工でん粉、キサンタンガム)の3品目
- 豚みそちゃんこ鍋濃縮ミニパック 200g…アルコール、調味料(アミノ酸等)の2品目
味も会社も同じで、変わったのは形だけです。薄めて使うほうから、増粘剤の1行が落ちました。
0品目だった2商品にも、とろみのもとは入っています。ただし置き場所が違いました。オーサワは馬鈴薯でん粉、茅乃舎の専用つゆはでん粉。どちらもスラッシュより前、つまり原材料の欄です。
でん粉をそのまま使えば材料の扱いになり、加工でん粉として使えば添加物の欄に回ります。イチビキのストレートは、その加工でん粉をキサンタンガムと組み合わせていました。
増粘剤が出なかったストレートは2商品です。ミツカンの寄せ鍋つゆと、同じくごま豆乳鍋つゆ。後者にはレシチンと炭酸カリウムが入っていて、こちらは油と水が分かれないようにするためのものでした。
とろみが付く=悪い、ではない

ここは事実だけ書きます。増粘剤が何のために入るのかは、国の資料に用途として載っています。
消費者庁が出している食品添加物表示に関するマメ知識の一覧には、こう書かれています。
増粘剤、安定剤、ゲル化剤 食品に滑らかな感じや粘り気を与え、安定性を向上させる
とろみと、分離させないこと。この2つが用途です。日持ちのための表示ではありません。
そう読むと、増粘剤がストレートにだけ入る理由も分かります。750gのボトルは、水を足さずにそのまま鍋へ入れる商品です。買ってから使うまでのあいだに中身が分かれてしまっては困ります。
薄めて使う小袋は、事情が違います。水の量を決めるのは作る人です。パックの中でとろみを付けても、鍋に入った時点で薄まります。
もう1つ、書き方の決まりにも触れておきます。同じ資料には、物質名だけでなく用途名も一緒に書くよう求められる用途が8つ挙がっていて、増粘剤や安定剤はその中に入ります。甘味料や保存料と同じ並びです。
だから鍋つゆの表示では、増粘剤にだけ丸かっこが付いてキサンタンや加工でん粉が見えます。いっぽう調味料(アミノ酸等)は一括名で、中身の物質名は書かなくて済みます。つゆの濃縮倍率と品目数を突き合わせた回でも、同じ壁に行き当たりました。
「無添加」という言葉の扱いは3文字が何を指すのかを調べた記事にあります。
じゃあ、どこで買って、どれを選ぶか
14商品の買える場所は、3通りに分かれました。どこで手に入れるかを先に決めると、残る候補が絞れます。
1つめ。スーパーの鍋つゆ売り場だけで済ませるなら、2品目が下限です。ミツカンの寄せ鍋つゆとダイショーの地鶏だしちゃんこ鍋スープが該当しました。どちらも調味料(アミノ酸等)は入ります。
2つめ。0品目を狙うなら、自然食品店か公式の通販です。オーサワは自然食品を扱う店と通販、茅乃舎は直営店と公式通販で扱っています。どちらも薄める水の量が公式ページに書かれていました。
3つめ。公式ページに原材料名が出ていない商品もあります。セブンプレミアムの寄せ鍋つゆは説明文と価格だけで、一括表示の欄がありません。買う前に品目数を確かめる手段がないため、今回は外しました。
塩の量を比べたい場合は、1人前で並べるのが早いです。ダイショーの地鶏だしちゃんこ鍋スープは1人前214gで3.9g、エバラのプチッと鍋 寄せ鍋は1個で3.9g。形が違っても、公式の1人前の数字は同じでした。
鍋つゆ以外の調味料も同じように見たい場合は、109商品ぶんの割合を出した親記事とだしを16商品ぶん並べた回があります。売り場ごとの見つかりやすさは鍋つゆ以外の売り場で0品目がどれだけあったかにまとめました。
ここまでは表示の話です。鍋つゆを1本入れ替えるより、夕食を人に任せたい日もあります。何を使わないかを先に決めて作る宅配なら、注文する前にその範囲を確かめられます。
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よくある質問

- Qスーパーで買える鍋つゆで、スラッシュのない商品はありますか?
- A
今回そろえた14商品には、ありませんでした。空欄だった2つは、オーサワのベジ担担鍋つゆと茅乃舎の小鍋で 麹サムゲタン仕立てです。前者は自然食品を扱う店と通販、後者は直営店と公式通販で扱っています。スーパーで買える8商品は、いちばん少ないもので2品目でした。
- Q濃縮タイプのほうが添加物は多くなりますか?
- A
今回の14商品では、そうなりませんでした。0品目の2商品は濃縮タイプにあり、6品目という最多も濃縮タイプにあります。イチビキは同じ味を2つの形で出していて、ストレートが3品目、濃縮が2品目でした。形だけでは決まりません。
- Q増粘剤は何のために入っていますか?
- A
消費者庁の食品添加物表示に関するマメ知識には、食品に滑らかな感じや粘り気を与え、安定性を向上させる、と用途が書かれています。日持ちのために入るものではありません。増粘剤は用途名を物質名と一緒に書く決まりのグループなので、キサンタンや加工でん粉といった中身まで表示に出ます。
- Qストレートか濃縮かは、どこを見れば分かりますか?
- A
一括表示の名称欄に出ます。トップバリュのだし香るキムチ鍋つゆは「鍋用つゆ(ストレートタイプ)」、CO・OPの旨みそ濃厚鍋つゆは「鍋用つゆ(ストレート)」でした。後者は商品名に濃厚と入っていますが、これは味の表現です。作り方に水の量が書いてあるかどうかでも判断できます。
まとめ:見るのは品目数より、増粘剤があるかどうか

14商品を並べて残った答えは3つです。
1つめ。添加物の欄が空だったのは、水で薄める2商品だけでした。そのまま使う8商品は、少ない商品でも2品目あります。
2つめ。増粘剤は、ストレート8商品のうち6商品に出て、濃縮6商品には1つも出ませんでした。同じ会社の同じ味でも、薄めるほうから1行消えています。
3つめ。その増粘剤の用途は、とろみと分離止めでした。国の資料にそう書かれています。日持ちを目的にした表示ではありませんでした。
明日やることは1つ。手持ちの鍋つゆを裏返して、名称欄がストレートか濃縮かを見つける。そこまで来たら、増粘剤の3文字があるかどうかを最後に確かめます。
この順で見れば、商品名に付いた濃厚や本格という言葉に引っぱられません。
なお、オーサワにはベジごま豆乳鍋つゆという同じ形の商品もあります。原材料名は豆乳から始まり味噌で終わり、こちらもスラッシュがありませんでした。表の14商品には入れていません。
参照したページを挙げておきます。ミツカン(寄せ鍋つゆ・ごま豆乳鍋つゆ)、モランボン もつ鍋用スープ 醤油味、エバラ食品(プチッと鍋 寄せ鍋・プチッと鍋 キムチ鍋)、CO・OP 金ごまのコクと鶏だしの豆乳鍋つゆ。以上の各ページから、2026年9月2日に写しました。
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