ラベルさん先に結論です。ZEROの「ゼロ」は糖類だけの話で、糖質はゼロではありません。甘さのもとはマルチトールなどの糖アルコールで、そこにスクラロースなどの甘味料を足しています。糖アルコールは法律上「糖類」に入らないので、糖類0gと書けます。
ゼロアイスケーキは1個44mlで糖類0g、糖質11.2g。100mlに直した炭水化物は30.9gで、明治エッセルスーパーカップの17.7gより多い数字でした。この記事では、14商品の甘味料と数字を並べます。数字はすべて2026年9月2日に各社公式サイトとe-Govの法令ページで確認しました。
「ZEROなのに甘い」の理由は、ゼロが糖類だけの話だから

まず、ZEROはロッテのブランドです。公式サイトのZERO商品一覧にはアイス5商品、チョコレート、ビスケット、キャンディが並び、どの商品ページにも同じ注記がついています。「食品表示基準に基づき、糖類0.5g未満(100g当り)を糖類0(ゼロ)としています」「糖類は糖質の一部です。本品は糖質を含みます」。メーカー自身が、ゼロは糖類の話だと書いています。
その根拠が食品表示基準の別表第13です。第一欄に並ぶのは熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウムの6つだけ。糖類の「含まない旨」の基準値は食品100gあたり0.5gで、第7条にこの基準値「に満たない場合」に表示できるとあります。
ここで大事なのが、糖類の定義です。同じ第7条に「糖類(単糖類又は二糖類であって、糖アルコールでないものに限る。)」と書かれています。砂糖やぶどう糖は糖類ですが、マルチトールやラクチトールのような糖アルコールは、糖類には入りません。だから糖アルコールで甘くした商品は、糖類0gと書けます。
もう1つ。別表第13に「糖質」の行はありません。糖質ゼロや糖質オフには、法律で決められた数字がないということです。グリコのSUNAOが「糖質5.8g以下を目安」という書き方をしているのは、そのためだと思います。飲み物の「カロリーゼロ」が100mlあたり5kcal未満まで書ける話は、ゼロカロリー飲料6商品の熱量の線を確かめた記事にまとめています。今回のアイスは、熱量ではなく糖類の数字です。
ZEROシリーズ7商品と、比べる7商品の表示を並べた

ロッテのZEROシリーズは、公式サイトに載っているアイス5商品にチョコレートとビスケットを足した7商品。比べるのは、同じく糖質を抑えたグリコのSUNAO2商品と、砂糖で甘くした通常品5商品です。甘味料は原材料名のスラッシュ(/)より後ろに、糖アルコールはスラッシュより前に書かれています。
| 商品(内容量) | 公式の言い方 | 甘味料(/の後ろ) | 糖アルコール(/の前) | 糖質 | 糖類 | エネルギー |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ロッテ ゼロ アイスケーキ(44ml) | 砂糖ゼロ・糖類ゼロ | アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース | マルチトール、還元水あめ、ラクチトール | 11.2g | 0g | 104kcal |
| ロッテ ゼロ ビスケットクランチチョコバー(75ml) | 砂糖・糖類ゼロ | アスパルテーム、スクラロース | マルチトール、還元水あめ、ラクチトール | 11.6g | 0g | 159kcal |
| ロッテ ゼロ ビスケットクランチチョコバー 香る焙煎抹茶(75ml) | 砂糖・糖類ゼロ | アスパルテーム、スクラロース | 還元水あめ、マルチトール、ラクチトール | 11.7g | 0g | 155kcal |
| ロッテ ゼロ ミニカップマカダミアナッツ(120ml) | 砂糖・糖類ゼロ | アセスルファムK、スクラロース | マルチトール、還元水あめ、ラクチトール | 14.2g | 0g | 173kcal |
| ロッテ ゼロ ミニカップ紅茶&ビスケット(120ml) | 砂糖・糖類ゼロ | アセスルファムK、スクラロース | マルチトール、還元水あめ、ラクチトール | 16.6g | 0g | 165kcal |
| ロッテ ゼロ チョコレート<袋>(1粒4.1g) | 砂糖ゼロ、糖類ゼロ | アスパルテーム、スクラロース | マルチトール、ラクチトール | 1.6g | 0g | 20kcal |
| ロッテ ゼロ シュガーフリービスケット(26g) | 砂糖ゼロ、糖類ゼロ | スクラロース、アセスルファムK | マルチトール | 15.4g | 0g | 106kcal |
| グリコ SUNAO バニラ(120ml) | 糖質5.8g以下を目安 | スクラロース | 還元水あめ | 5.8g | 表示なし | 80kcal |
| グリコ SUNAO チョコモナカ(82ml) | 糖質7.7g以下を目安 | スクラロース | 還元水あめ | 7.7g | 表示なし | 110kcal |
| グリコ パピコ チョココーヒー(45ml) | 表示なし | なし | なし(砂糖、果糖ぶどう糖液糖) | 炭水化物8.0g | 表示なし | 47kcal |
| グリコ ジャイアントコーン クッキー&チョコ(140ml) | 表示なし | なし | なし(砂糖) | 炭水化物28.8g | 表示なし | 247kcal |
| 明治 エッセル スーパーカップ 超バニラ(200ml) | 表示なし | なし | なし(砂糖、水あめ) | 炭水化物35.3g | 表示なし | 374kcal |
| 森永製菓 チョコモナカジャンボ(150ml) | 表示なし | なし | なし(砂糖、水あめ) | 炭水化物34.7g | 表示なし | 312kcal |
| 赤城乳業 ガリガリ君 ソーダ(105ml) | 表示なし | なし | なし(異性化液糖、砂糖) | 炭水化物16.8g | 表示なし | 66kcal |

数字はすべて公式サイトの表示単位のまま、1個(1本・1袋・1粒)あたりです。通常品5商品は糖質の内訳がなく、炭水化物だけが載っていたので、そのまま書きました。出どころはロッテのゼロ アイスケーキをはじめとする各商品ページ、グリコのSUNAO バニラ、パピコ、ジャイアントコーン、明治のスーパーカップ、森永製菓のチョコモナカジャンボ、赤城乳業のガリガリ君です。
表を見て最初に目に入るのは、ZERO7商品の糖類がそろって0gなのに、糖質は1.6gから16.6gまであることです。糖類はどの商品もゼロなのに、糖質だけばらばらです。この差が何から来ているのかを、次に書きます。
ZERO全7商品に共通していたのは、マルチトールとスクラロースの組み合わせ

甘さのもとは、スラッシュの前に書かれた糖アルコール
ZERO7商品すべての原材料名に、マルチトールが2番目から4番目に書かれていました。原材料名は重さの多い順ですから、ZEROの甘さのもとはマルチトールです。アイス5商品にはさらに還元水あめとラクチトールが並びます。アイスケーキと紅茶&ビスケットには、スラッシュの後ろにソルビトールも書かれています。いずれも糖アルコールで、先ほどの決まりどおり糖類には入りません。ただし糖質には入ります。糖質11.2gは、この糖アルコールの分です。
甘さの上乗せは、スラッシュの後ろの甘味料
糖アルコールだけでは甘さが足りないのか、7商品すべてのスラッシュの後ろに「甘味料」がありました。スクラロースは7商品すべてに、アセスルファムKは4商品に、アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物は4商品に書かれています。組み合わせは商品ごとに違いますが、スクラロースだけはどの商品にも入っていました。
同じ「糖質を抑えた」でも、SUNAOは作り方が違った
グリコのSUNAO2商品は、甘味料がスクラロース1つだけ。糖アルコールは還元水あめだけで、その代わりにSUNAO バニラでは水溶性食物繊維とはちみつが原材料名の2番目と3番目に来ています。そして糖類の欄がなく、糖類ゼロとは書いていません。はちみつには糖類が入っているので、糖類ゼロとは書けません。ゼロと書けるかどうかは、甘さを何で出したかで決まります。
100mlに直すと、ゼロ アイスケーキの炭水化物は通常品より多かった
内容量が違うので、アイスだけ100mlあたりの炭水化物に直します。ゼロ アイスケーキは30.9g(13.6g÷0.44)、ゼロ ビスケットクランチチョコバーは19.5g、ゼロ ミニカップ紅茶&ビスケットは17.8g。通常品はスーパーカップが17.7g、チョコモナカジャンボが23.1g、ジャイアントコーンが20.6gでした。糖アルコールは炭水化物に数えられるので、糖類0gでも炭水化物の数字は小さくなりません。ゼロ ビスケットクランチチョコバーの19.5gとゼロ ミニカップ紅茶&ビスケットの17.8gは通常品3商品と同じくらいですが、ゼロ アイスケーキの30.9gは3商品のどれよりも多い数字でした。SUNAO バニラは11.2gで、こちらは通常品より少ない数字です。
ただし、甘味料の品目が多い=体に悪い、ではない

甘味料の品目数と体への影響を一緒にすると、選び方をまちがえます。スラッシュの後ろの品目を見ると、ゼロ アイスケーキは9品目、ゼロ ミニカップマカダミアナッツは7品目。スーパーカップは香料とアナトー色素の2品目です。ただし品目が多いことは、そのまま量が多いことではありません。国が使用を認めた添加物には使い方の決まりがあり、甘味料は少量で甘さを出すために使われます。この記事は表示に書かれた事実だけを扱い、甘味料の体への影響は評価しません。
見る数字を変えると、順番は入れ替わります。脂質を100mlに直すと、ゼロ ミニカップマカダミアナッツは11.4g、スーパーカップは11.7g、ゼロ アイスケーキは15.5g。砂糖を糖アルコールに替えても、脂質の数字は変わりません。エネルギーも同じで、ゼロ ミニカップは120mlで173kcal、SUNAO バニラは同じ120mlで80kcalでした。
種類別の表示で「安いアイスは油が多い」と言われるラクトアイスが、実際には熱量が低いほうだった話はスーパーカップとハーゲンダッツの数字を並べた記事に、11商品を品目数で並べたら差はアイスを包む皮にあった話はアイス11商品の品目数を順に並べた記事にあります。どちらも、言葉の印象と数字がずれていた例です。
では、アイスを買うときに何を見るか

減らしたいものが砂糖か、糖質か、品目かで、見る場所が3つに分かれます。
- 砂糖を避けたい人:ZEROは表示どおり糖類0gです。原材料名に砂糖も水あめも果糖ぶどう糖液糖もありません。砂糖を避けたいなら、書いてあるとおりです
- 糖質を減らしたい人:見るのは「ゼロ」の文字ではなく、栄養成分表示の糖質の行です。1個あたりの数字を内容量で割ると、ZEROとSUNAOと通常品の多い少ないが分かります
- 品目を減らしたい人:スラッシュの後ろを見ます。糖アルコールと甘味料で甘くしたアイスは、砂糖のアイスより品目が増えます。品目が少ないアイスがどの種類別に多いかは市販アイス16商品でスラッシュの後ろが空だった3商品の探し方にまとめました
アイス以外の食品でも、見る場所は同じです。スーパーの7つの売り場で表示だけを頼りに選んだ記録に、売り場ごとの見つけやすさを書いています。「無添加」という3文字に法律の定義がない話は2024年に変わった無添加表示のルールにあります。
ただし弱点もあります。アイス1個の糖類を0にしても、その日の食事の砂糖は減っていません。毎日食べる量が多いのは、おやつよりおかずのほうです。
おかずの原材料名を毎日読むのは、正直しんどいです。そこを人にまかせる、もう1つのやり方があります。添加物を使わずに作った惣菜を、家まで届けてもらう方法です。
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よくある質問
- QZEROアイスは糖質ゼロですか?
- A
糖質ゼロではありません。ゼロなのは糖類で、糖質はゼロ アイスケーキで1個11.2g、ゼロ ミニカップ紅茶&ビスケットで16.6gです。ロッテの商品ページにも「本品は糖質を含みます」と書かれています。
- Q糖類ゼロと糖質ゼロは何が違いますか?
- A
糖類は砂糖やぶどう糖などの単糖類・二糖類で、糖アルコールは含みません。糖質は炭水化物から食物繊維を引いたもので、糖アルコールも含みます。食品表示基準の別表第13に基準値があるのは糖類だけで、糖質の行はありません。
- QZEROの甘味料は何ですか?
- A
7商品すべてにスクラロース、4商品にアセスルファムK、4商品にアスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物が書かれています。スラッシュの前には糖アルコールのマルチトール、ラクチトール、還元水あめが並びます。
- QSUNAOとZEROはどちらが糖質が少ないですか?
- A
同じ120mlで比べると、SUNAO バニラは糖質5.8g、ゼロ ミニカップマカダミアナッツは14.2gでした。ただしSUNAOにははちみつが入っていて、糖類ゼロとは書いていません。減らしたいのが糖質か糖類かで、答えが変わります。
まとめ:ZEROのゼロは糖類だけ。甘さは糖アルコールと甘味料でできていた

14商品を並べて分かったことは1つです。ZEROの糖類0gは、糖アルコールが法律上の糖類に入らないから書ける数字で、糖質も炭水化物もゼロではありませんでした。甘さのもとはマルチトール、そこに足しているのがスクラロース。7商品すべてで同じでした。
次に買うときにやることは1つです。ゼロの文字を見たら、栄養成分表示の糖質の行を1個あたりで読む。それだけで、糖類と糖質を分けて選べます。
そのうえで「おやつより毎日のおかずの表示を読むのがしんどい」なら、宅配に切り替える手があります。宅配5社の原材料名はおかず宅配5社の表示を並べた記事で、料金と届き方はつくりおき惣菜の仕組みを確かめた記事で確かめられます。
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