ラベルさんはちみつの容器を裏返すと、原材料名の上に名称の欄があります。ここに何と書けるかは、はちみつ類の表示に関する公正競争規約という取り決めで決まっています。
その原文を読み、そのうえで市販品の名称欄を集めました。表示を写した日は2026年9月4日です。
この記事が並べるのは、表示のうえでどう分かれているかだけです。どのはちみつが体にいいか、どの産地が優れているかという話はしません。
「無添加のはちみつ」を探すと、まず「純粋」の2文字にぶつかる

売り場のはちみつには、たいてい「純粋」と書いてあります。加藤美蜂園本舗の商品カタログは、そもそも分類の見出しが純粋はちみつ、純粋アカシアはちみつ、純粋レンゲはちみつと並びます。
だから「純粋」と書いてあれば中身も確かだ、と思ってしまう。その隣に「純粋じゃないもの」があるはずだ、とも考えます。
ところが裏を返すと、書かれているのは別の言葉です。トップバリュの純粋はちみつ500gは、名称の欄が「はちみつ」で、原材料名が「はちみつ(中国)」でした。商品名の頭にある「純粋」が、名称欄には出てきません。
これは書き忘れではありません。名称欄に何と書くかは、はちみつ類の表示に関する公正競争規約という取り決めで指定されています。定めているのは一般社団法人全国はちみつ公正取引協議会です。
そこで、まず規約の原文でどう決まっているかを確かめました。そのうえで、名称欄を文字で公開している売り手から52商品を集めています。
規約の原文では、名称は4つに分かれていた

これを決めているのははちみつ類の表示に関する公正競争規約という取り決めです。定めているのは一般社団法人全国はちみつ公正取引協議会で、規約と施行規則の原文がPDFで公開されています。
第2条に、はちみつ類として4つが並びます。原文の言い方に沿って書き出します。
| 名称 | 原文の定めかた |
|---|---|
| はちみつ | みつばちが植物の花みつを採集し、巣房に貯え熟成した天然の甘味物質で、別表の性状と組成基準に合うもの |
| 甘露はちみつ | みつばちが植物の分泌物、または同分泌物を吸った他の昆虫の排出物を採集し、巣房に貯え熟成したもの |
| 巣はちみつ | 新しく作られて幼虫のいない巣房に貯えられたはちみつまたは甘露はちみつで、巣の全体か一部を封入したまま売られるもの |
| 巣はちみつ入りはちみつ | はちみつまたは甘露はちみつに、巣はちみつを加えたもの |
そして施行規則の第2条第1項第1号が、この4つをそのまま名称欄に書けと指示しています。はちみつなら「はちみつ」、巣はちみつなら「巣はちみつ」と、あてはまる1語を「名称」の文字の次に書くという決まりです。「名称」に代えて「品名」と書くこともできます。
ここに「純粋」の2文字は出てきません。名称欄に書けるのは、はちみつ・巣はちみつ・巣はちみつ入りはちみつ・甘露はちみつの4つだけです。
では、はちみつと名乗れる中身はどこで決まるのか。規約の別表に、組成基準として4つの数字が書かれています。
| 項目 | 基準 | 例外 |
|---|---|---|
| 水分 | 20%以下 | 国産はちみつは22%以下 |
| 果糖及びぶどう糖含有量(合計) | 60g/100g以上 | 甘露はちみつとその混合物は45g/100g以上 |
| しょ糖 | 5g/100g以下 | ニセアカシア・柑橘類・アルファルファ等は10g/100g以下、ラベンダー・ボリジは15g/100g以下 |
| 電気伝導度 | 0.8mS/cm以下 | 甘露はちみつとその混合物は0.8mS/cm以上。ユーカリ・菩提樹などは適用除外 |
読み方は単純です。果糖とぶどう糖を足して100gあたり60g以上あり、水分が20%を超えず、しょ糖が5gを超えない。この3つを満たしたものが、名称欄に「はちみつ」と書けます。
性状のほうも別表にあります。淡黄色から暗褐色のシロップ状の液で、特有の香味があり、結晶を生ずることがある、という一文です。結晶は品質が落ちた合図ではなく、定義の中にあらかじめ入っています。検査の方法も施行規則の第7条で決まっていて、水分は屈折率法、糖の量は高速液体クロマトグラフ法です。
「純粋」は中身を保証する言葉ではなく、言い方をそろえる決まりだった

では「純粋」はどこに出てくるのか。規約の第4条第1項第1号です。見出しは「特定事項の表示基準」で、柱書きにははちみつ類の商品名等に表示する場合の決まりだと書かれています。名称欄ではなく、商品名の側の話です。
条文の中身は、想像とはだいぶ違いました。書かれているのは、次の8語をひとつに統一しろという指示です。
| 規約が並べている文言 | 使うときの決まり |
|---|---|
| 純粋、天然、生、完熟、ピュア、ナチュラル、Pure、Natural、その他これらと類似の意味内容を表す文言 | 「純粋」または「Pure」という文言に統一して行わなければならない |
つまり、この8語は横並びの仲間として扱われています。「天然」も「生」も「完熟」も、使いたければ「純粋」か「Pure」に言い換えるという決まりです。使ってよい条件が語ごとに違うのではなく、書ける言葉が1つに決められています。
さらに施行規則の第3条が、この2語を使える商品を限定しています。「純粋」または「Pure」の文言は、はちみつ類以外に表示してはならない、という一文です。
ここから読めることは2つあります。1つは、「純粋」と書けるのは名称欄に4つの語のどれかが入る商品だけだということ。もう1つは、その4つに入っていれば「純粋」と書けるので、純粋という2文字自体は、水分やしょ糖の数字を別に保証してはいないということです。数字を保証しているのは組成基準のほうで、名称欄の「はちみつ」がそれに当たります。
「特選」や「高級」には、別の手続きがある
強めの言葉にも決まりがあります。施行規則第3条第8項は、「特選」「高級」「デラックス」その他これらに類似する文言を使うときは、公正取引協議会の承認を受けなければならないとしています。
花の名前も同じです。第4条第1項第4号は、採蜜源の花名を出すならその全部か大部分をその花から採り、あわせて採蜜国名を表示することを求めています。「国産」も、他の採蜜国と併記する場合を除き、原料蜜のすべてが国内で採れたものでなければ書けません。
52商品の名称欄。「純粋」は1つもなかった

ここからが実物です。名称欄を公式サイトに文字で載せている売り手をえらび、52商品ぶん写しました。数がまとまったのはトップバリュ、コープ、はちみつ専門店の秋田屋の3か所です。取得日はすべて2026年9月4日です。
| 名称欄の表記 | トップバリュ | コープ | 秋田屋 | ほか4社 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| はちみつ | 9 | 12 | 15 | 1 | 37商品 |
| 蜂蜜(はちみつ) | 0 | 0 | 6 | 0 | 6商品 |
| 巣はちみつ | 0 | 0 | 0 | 3 | 3商品 |
| はちみつ加工品 | 0 | 2 | 0 | 0 | 2商品 |
| 有機はちみつ | 1 | 0 | 0 | 0 | 1商品 |
| 有機甘露はちみつ | 0 | 0 | 0 | 1 | 1商品 |
| ファットスプレッド(加糖) | 1 | 0 | 0 | 0 | 1商品 |
| 乳等を主要原料とする食品 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1商品 |
| 合計 | 11 | 14 | 21 | 6 | 52商品 |

「純粋」と書かれた名称欄は、52商品に1つもありませんでした。漢字で書かれた6商品を足すと、43商品の名称欄が「はちみつ」の4文字でした。
いっぽう商品名のほうに「純粋」が入っていたのは10商品ありました。トップバリュに7商品、コープに3商品です。その10商品の名称欄を並べます。
| 商品名 | 名称欄 | 原材料名 | 本体価格 |
|---|---|---|---|
| トップバリュ 純粋はちみつ 250g | はちみつ | はちみつ(中国) | 358円 |
| トップバリュ 純粋はちみつ 500g | はちみつ | はちみつ(中国) | 578円 |
| トップバリュ 純粋はちみつ 1000g | はちみつ | はちみつ(中国) | 950円 |
| トップバリュ 純粋アカシアはちみつ 500g | はちみつ | アカシアはちみつ(中国産) | 698円 |
| トップバリュ 純粋アカシアはちみつ 利便ボトル 250g | はちみつ | アカシアはちみつ(中国産) | 578円 |
| トップバリュ カナダ産純粋はちみつ 250g | はちみつ | はちみつ(カナダ) | 598円 |
| トップバリュ 純粋蜂蜜 国産百花蜜 120g | はちみつ | はちみつ(国産) | 928円 |
| コープ 国産純粋はちみつ 150g | はちみつ | はちみつ(国産) | ページに記載なし |
| コープ アルゼンチン産純粋はちみつ 400g | はちみつ | はちみつ(アルゼンチン) | ページに記載なし |
| コープ アルゼンチン産純粋はちみつ 750g | はちみつ | はちみつ(アルゼンチン) | ページに記載なし |
10商品とも、名称欄は「はちみつ」でした。商品名の「純粋」は、裏の名称欄には出てきません。トップバリュの本体価格はイオングループ標準小売価格で、コープの商品情報検索のページには価格の欄がありません。
逆も同じでした。秋田屋の21商品には「純粋」の付く商品名が1つもありませんが、名称欄は21商品とも「はちみつ」または「蜂蜜(はちみつ)」です。
規約の4語のうち、3語までは実物で見つかった
甘露はちみつと巣はちみつは、探せば出てきました。
| 商品 | 名称欄 | 原材料名 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| ハンガリー産 アカシア コムハニー 200g(ブルーウィング) | 巣はちみつ | はちみつ(蜜源:アカシア) | 1,944円 |
| ハンガリー産 アカシア コムハニー 400g(同) | 巣はちみつ | はちみつ(蜜源:アカシア) | 3,888円 |
| ニュージーランド産 ホワイトクローバー コムハニー巣蜜 340g(同) | 巣はちみつ | ホワイトクローバーはちみつ | 5,616円 |
| ミエリツィア イタリア産森のハチミツ 250g(富澤商店) | 有機甘露はちみつ | 有機甘露はちみつ(イタリア) | 1,382円 |
| 野山の国産巣蜜 約350g(堀養蜂園) | はちみつ | 国産はちみつ(岐阜県産) | 7,073円 |
おもしろい商品が1つありました。堀養蜂園の野山の国産巣蜜は巣ごと入った商品ですが、名称欄は「はちみつ」でした。同じ巣蜜でも、名称欄が巣はちみつになる商品とならない商品があります。
4語のうち残る「巣はちみつ入りはちみつ」は、今回の範囲では名称欄に出ませんでした。原材料名の側なら、蜂蜜工房の巣蜜入り蜂蜜140gが「はちみつ(国産)」「巣はちみつ(国産)」と2つ並べていました。
添加物の表示があったのは、52商品のうち3商品だけ
そして肝心の添加物です。原材料名にスラッシュや添加物の欄があったのは3商品でした。残る49商品は、はちみつの名前だけで原材料名が終わっています。
| 商品 | 名称欄 | 添加物の表示 | 品目数 |
|---|---|---|---|
| トップバリュ はちみつバターソフト 120g | ファットスプレッド(加糖) | 乳化剤、香料、酸化防止剤(ビタミンE)、着色料(カロテン) | 4 |
| コープ はちみつレモン 480g | はちみつ加工品 | 酸味料、増粘剤(ペクチン) | 2 |
| コープ はちみつブルーベリー 480g | はちみつ加工品 | 酸味料、増粘剤(ペクチン) | 2 |
3商品に共通しているのは、名称欄が「はちみつ」で終わっていないことです。「加工品」が付くか、別の名前に変わるかしています。
原材料名の1番目も変わります。コープの2商品は「精製はちみつ(国内製造)」から始まり、そのあとにイソマルトオリゴ糖シロップと糖類(果糖、果糖ぶどう糖液糖)が続きました。トップバリュのスプレッドは食用植物油脂が1番目で、精製はちみつは4番目です。コープの添加物の欄では、酸味料の中身がクエン酸、増粘剤の中身がペクチンと明かされていました。
ただし名称欄が変われば必ず添加物が付く、というわけでもありません。よつ葉乳業のパンにおいしいはちみつ&バター100gは名称欄が「乳等を主要原料とする食品」ですが、原材料名は「バター(北海道製造)、精製はちみつ(はちみつ(メキシコ、スペイン、その他))」の2つで終わっています。
残り49商品が0品目だったことについては、断りを1つ足させてください。製造の途中だけ働いて製品に残らない加工助剤と、原料から持ち越されるキャリーオーバーは、書かなくてよい決まりになっています。49という数字が言えるのは、書く義務のあるものが表示に出ていなかったところまでです。
加糖はちみつと精製はちみつは、2019年に規約の外へ出ていた

ここで、古い説明との食い違いを片づけておきます。はちみつは純粋・精製・加糖の3つに分かれる、という説明を見かけますが、いまの規約の第2条にその3つは出てきません。
協議会の告知ページによれば、令和元年5月31日に告示・施行された改正で、対象商品が入れ替わりました。
| 2019年5月31日の改正で | 中身 |
|---|---|
| 対象から外れた | 精製はちみつ、加糖はちみつ、はちみつにローヤルゼリー等を添加した商品 |
| 対象に加わった | 甘露はちみつ |
| 義務になった | 乳児ボツリヌス症の注意表示 |
| 数字が変わった | 国産はちみつの水分を22%に |
| 基準ができた | 有機の表示 |
外れた理由も説明されています。精製はちみつと加糖はちみつが一般消費者向けの商品ではなくなったこと、国際的な規格でもこの3つのタイプははちみつの定義に含まれていないこと、規約の対象から外しても食品表示基準で適正な表示ができることの3つです。
外れる前の2語の中身は、東京都消費生活条例にもとづくはちみつ類品質表示基準実施要領で読めます。精製はちみつは「はちみつから臭い、色等を取り除いたもの」、加糖はちみつは「はちみつに異性化液糖その他の糖類を加えたものであって、はちみつの含有量が重量百分比で60パーセント以上のもの」です。
この要領はいまも、はちみつ類の範囲を5つとしています。国の規約は4つ、東京都の要領は5つ。同じ食品でも、決まりが違えば数え方も変わります。
外れたのは規約の対象からであって、商品が消えたわけではありません。精製はちみつは、いまも材料として使われています。コープのはちみつレモンとはちみつブルーベリーは原材料名の1番目が精製はちみつですし、杉養蜂園の巨峰&ハニー1kgも「精製はちみつ(国内製造)、巨峰果汁/クエン酸、増粘剤(ペクチン)、香料」で始まります。
2020年にも改正が入りました。変更の概要によれば、令和2年9月8日に消費者庁と公正取引委員会が認定し、同年9月30日に告示されています。マヌカハニーの花名表示、国際規格に合わせた例外規定、原材料名に「有機」を付ける書き方などが整えられました。
採蜜国が書かれる欄は、ふつうの加工食品とは別の名前だった

はちみつは輸入が多い食品です。そのぶん、産地がどこに書かれるかを知っておくと読みやすくなります。
施行規則の第2条第1項第3号は、原料原産地名の欄にはちみつ類の採蜜国を書くよう定めています。ふつうの加工食品なら原料原産地名は原材料の産地ですが、はちみつでは蜜を採った国を指します。
書き方は2通りです。原材料名欄の「はちみつ」の文字の次に括弧を付けるか、原料原産地名の欄に書くか。国内で採ったものは「国産」、外国なら「◯◯産」または「◯◯」と国名を入れます。
| 状況 | 規約の指示 |
|---|---|
| 採蜜国が複数 | 原材料に占める重量の割合が高いものから順に書く |
| 採蜜国が3か国以上 | 2番目までを書いたうえで「その他」とし、3番目以降を省略できる |
| 国内で採蜜 | 「国産」に代えて、採蜜地の都道府県名など一般に知られている地名を書ける |
| 製品の形で輸入 | 原産国名の欄に原産国名を書く(施行規則第2条第1項第7号) |
輸入品の行だけ、ほかの輸入食品と同じ仕組みです。できあがった状態で入ってきた商品には原産国名の欄が付き、日本で詰めた商品には採蜜国が付く。欄の名前が変われば、そこに書かれた国が指しているものも変わります。同じ読み分けは売り場を7か所まわって0品目を探した回でも使いました。
実物では、コープの欧州産アカシアはちみつが「はちみつ(ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア)」と3か国を並べていました。コープのはちみつレモンのほうは、主な原材料の産地の欄に「精製はちみつ(はちみつ)中国等」と、材料の名前と国が入れ子で出ています。
「1歳未満の乳児には与えないで下さい」は、規約が文言まで指定していた

はちみつの容器には、もう1行あります。施行規則の第2条第2項に、書くべき文言がそのまま指定されていました。
「1歳未満の乳児には与えないで下さい。」または「1歳未満の乳児には食べさせないで下さい。」の文言を明瞭に記載すること。あわせて、加熱処理すれば安全と誤解される表示をしないことも書かれています。
この一文が規約に入ったのは2019年5月31日の改正です。協議会の告知には、乳児ボツリヌス症注意表示の義務化と視認性向上への対応、と並んでいます。
公的な注意喚起も出ています。消費者庁のハチミツによる乳児のボツリヌス症のページには、生後1歳未満の乳児には与えてはいけないこと、そしてハチミツおよびハチミツを含む食品には「1歳未満の乳児には与えないで下さい。」とわかりやすい表示が必要だと書かれています。
この記事で扱えるのはここまでです。公的機関が注意喚起している事実と、その文言が容器に出ているかどうかという、表示の話に限ります。体の中で何が起きるかについては、上の消費者庁のページを読んでください。
ただし、名称欄が「はちみつ」=良い、という順位ではない

ここまでの数字に、注意書きを4つ足します。
1つめ。名称欄は安全性の欄ではありません。規約の第1条には、この規約の目的が不当な顧客の誘引を防ぎ、消費者の選択と事業者間の公正な競争を確保することだと書かれています。どちらが体にいいかを決める欄ではありません。
2つめ。49商品が0品目でも、糖の量は変わりません。トップバリュの純粋はちみつは100gあたりの炭水化物が81.6g、コープのアルゼンチン産純粋はちみつは20gあたり16.6gでした。100gに直せば83.0gです。原材料が1つで終わることと、量を気にしなくていいことは別々の話です。
3つめ。値段の高い安いも表しません。同じ名称欄「はちみつ」でも、秋田屋のメキシコ産オレンジはちみつ300gが税込864円、同じ秋田屋の初しぼり300gが税込2,880円です。同じ店の同じ内容量でも3倍以上の差があります。
4つめ。名称欄が「はちみつ加工品」でも、中身ははちみつから始まっていました。コープの2商品は原材料名の1番目が精製はちみつで、産地の欄にも「精製はちみつ(はちみつ)中国等」と出ています。加工品という3文字は、はちみつ以外のものが加わったという印であって、はちみつが入っていない印ではありません。
そして採蜜国についても1つ。この記事は、どの国のはちみつがいいという話をしていません。並べたのは、国の名前がどの欄にどう書かれるかという書き方の違いだけです。
じゃあ、どこで何を買うか

52商品を集めて、そのまま使える見かたが3つ出ました。
1つめ。買える場所で悩む必要はほとんどありません。今回の52商品のうち49商品は、原材料名がはちみつの名前だけで終わっていました。スーパーのプライベートブランドでも生協でも専門店でも、同じ結果です。ジャムや漬物のように、店を回って探す品目ではありませんでした。
2つめ。「純粋」ではなく、名称欄が「はちみつ」で終わっているかを見る。「はちみつ加工品」なら糖類や果汁が足されていますし、「ファットスプレッド」なら主役は油脂です。今回、添加物の表示が出た3商品は、いずれもこの1行で見分けがつきました。
3つめ。産地を知りたいなら、原材料名の括弧か原料原産地名の欄を読む。秋田屋の21商品は、原材料名がすべて「◯◯はちみつ(産地)」と書かれていました。花の名前と国名が1行にそろっているので、どの花からどの国で採ったかが1回で分かります。
甘さの足し方でどう変わるかは、砂糖を抜くとジャムと名乗れなくなる話と、ジャムとピーナッツバターで規格の有無が逆になる回にまとめてあります。飲み物のほうは1本ぶんの糖を角砂糖に置き換えた記録です。
そのうえで、はちみつを選び直しても、夕飯のおかずは1品も決まりません。何を使わないかを公式に並べている宅配なら、1回だけ試すこともできます。
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「無添加」という3文字の決まりは、法律に定義がないことを確かめた回にまとめています。
よくある質問
- Q純粋はちみつと、そうでないはちみつの違いは何ですか?
- A
「純粋」は商品名に付ける言葉で、名称欄の言葉ではありません。公正競争規約の第4条第1項第1号は、天然・生・完熟・ピュア・ナチュラルなど似た意味の文言を使うときは「純粋」または「Pure」に統一するよう定めています。中身の線を引いているのは名称欄で、そこに「はちみつ」と書ける条件が別表の組成基準です。水分20%以下、果糖とぶどう糖の合計が100gあたり60g以上、しょ糖が100gあたり5g以下と決まっています。
- Qはちみつに添加物が入っていることはありますか?
- A
今回集めた52商品では3商品でした。コープのはちみつレモンとはちみつブルーベリーが2品目、トップバリュのはちみつバターソフトが4品目です。3商品とも名称欄が「はちみつ」ではありませんでした。残る49商品は原材料名がはちみつの名前だけで終わっています。ただし加工助剤とキャリーオーバーは表示が免除されるため、書く義務のあるものが出ていなかったという意味です。
- Q加糖はちみつという名称の商品はありますか?
- A
今回の52商品には出ませんでした。加糖はちみつと精製はちみつは、令和元年5月31日に告示・施行された改正で規約の対象から外れています。協議会は、この2つが一般消費者向けの商品ではなくなったことなどを理由に挙げていました。精製はちみつのほうは、コープの2商品と杉養蜂園の果汁入りはちみつで原材料名に出ています。
- Q巣はちみつや甘露はちみつは売っていますか?
- A
どちらもありました。名称欄が「巣はちみつ」だったのはブルーウィングのコムハニー3商品で、ハンガリー産アカシア200gが税込1,944円、同400gが3,888円、ニュージーランド産ホワイトクローバー340gが5,616円です。甘露はちみつは富澤商店のミエリツィア イタリア産森のハチミツ250gが名称欄「有機甘露はちみつ」で税込1,382円でした(いずれも2026年9月4日時点)。
- Qはちみつの容器に「1歳未満の乳児には与えないで下さい」と書く義務はありますか?
- A
公正競争規約の施行規則第2条第2項が、この文言または「1歳未満の乳児には食べさせないで下さい。」を明瞭に記載するよう定めています。消費者庁も、ハチミツおよびハチミツを含む食品にはわかりやすい表示が必要だと案内しています。今回の52商品では、トップバリュの10商品と秋田屋の21商品の商品ページにこの一文が出ていました。
まとめ:見るのは商品名の「純粋」ではなく、名称欄の1行

52商品を集めて出た答えは3つです。
- 名称欄に「純粋」と書かれた商品は1つもありませんでした。43商品が「はちみつ」または「蜂蜜(はちみつ)」、3商品が「巣はちみつ」、1商品が「有機甘露はちみつ」。規約の4語のうち3語までが実物に出ています
- 添加物の表示があったのは3商品だけ。3商品とも名称欄が「はちみつ」ではありませんでした。49商品は原材料名がはちみつの名前で終わっています
- 「純粋」は、規約が言い方をそろえるために決めた言葉です。天然・生・完熟・ピュア・ナチュラルを使いたいときは、この2文字か「Pure」に統一するという決まりでした
そして、水分20%以下・果糖とぶどう糖の合計60g以上・しょ糖5g以下という組成基準の結果は、どの商品ページにも数字では出ていませんでした。基準を満たしたことが分かるのは、名称欄の「はちみつ」という4文字だけです。
明日やることは1つ。買おうとした容器を裏返して、原材料名の上にある名称の欄を読む。そこが「はちみつ」で終わっているか、それとも何かが後ろに付いているかだけを見てください。
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