【凍らせただけなら原材料名は要らない】冷凍フルーツとドライフルーツは体に悪い?28商品の表示

冷凍フルーツとドライフルーツ28商品の表示を並べた記録の見出し 体に悪い?食品査定
ラベルさんラベルさん
冷凍のブルーベリーって、袋の裏に「ブルーベリー」としか書いてないの。果物そのままなのに、なんで体に悪いって言われるんだろう。
うーめんうーめん
そこを開けてみた。冷凍13商品とドライ・むき甘栗15商品、合わせて28商品の表示を集めて、国の決まりの原文と突き合わせた。

先に答えを書きます。果物を単に凍らせただけのものは、法律の上では生鮮食品です。生鮮食品に書く義務があるのは名称と原産地の2つだけで、原材料名も添加物の欄もありません。

いっぽう砂糖を足したり、乾かしたりした時点で加工食品に変わり、そこではじめて原材料名と添加物を書く義務が生まれます。28商品のうち、添加物が表示に出ていたのは5商品でした。表示と価格はすべて2026年9月4日に各社の公式サイトで取得しています。

「冷凍フルーツやドライフルーツは体に悪い」と言われる出どころ

生成りの布に薄緑の板が二枚ずれて重ねて置かれている

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「体に悪い」と言われる果物は、たいてい生の果物ではありません。冷凍された果物と、乾かされた果物です。この2つは、生の果物にはない工程を通っています。

そのうえで、袋の裏の見え方がそろっていません。冷凍のブルーベリーは「ブルーベリー」の1行で終わります。ところがドライのレーズンには、干しぶどうのあとに何かがもう1つ書いてあることがあります。ドライマンゴーには、括弧つきの短い言葉が並ぶ商品もありました。

同じ果物なのに、行の長さがそろわない。この差を「メーカーによって混ぜ物が違うから」と受け取ると、話がややこしくなります。実際は、法律がこの2つを別の枠に入れているからです。まず冷凍から表示を並べます。

冷凍フルーツ13商品の表示を並べた

灰緑の面に薄緑の札が等間隔で一列に並んでいる

トップバリュの公式サイトから、冷凍の果物13商品を集めました。名称の欄と原材料名は、書かれている順のまま写します。トップバリュは添加物を原材料名とは別の欄に分けて書くので、その欄も分けて並べます。

商品内容量名称の欄原材料名添加物の欄本体価格
ブルーベリー200g冷凍果実ブルーベリーブルーベリーなし278円
ブルーベリー500g冷凍果実ブルーベリーブルーベリーなし598円
ワイルドブルーベリー150g冷凍ブルーベリーブルーベリーなし398円
オーガニック ブルーベリー150g冷凍果実 有機ブルーベリー有機ブルーベリーなし278円
マンゴー200g冷凍果実マンゴーマンゴーなし278円
マンゴー500g冷凍果実マンゴーマンゴーなし598円
ストロベリー150g冷凍果実ストロベリーストロベリーなし198円
ゴールデンパイナップル130g冷凍果実パインアップルパインアップルなし198円
2種のベリーミックス200g冷凍ミックスベリーストロベリー(モロッコ産)、ブルーベリー(モロッコ産)なし278円
4種のベリーミックス500g混合果実ブルーベリー、ラズベリー、ストロベリー、ブラックベリーなし648円
オーガニック 2種のベリーミックス150g有機混合果実有機ブルーベリー、有機ストロベリーなし298円
凍ったままでおいしい いちご100g加糖いちごいちご、砂糖乳酸カルシウム248円
凍ったままでおいしい 白桃100g加糖白桃もも、砂糖pH調整剤248円

13商品のうち11商品は、原材料名が果物の名前だけで終わりました。添加物の欄が出てきたのは、いちごと白桃の2商品です。この2つには共通点があります。原材料名に砂糖が入っていることです。

表示は、どれもトップバリュの商品ページから写しました。ブルーベリー200g、マンゴー200g、2種のベリーミックス200g、4種のベリーミックス500g、凍ったままでおいしい いちご、凍ったままでおいしい 白桃ほか、2026年9月4日に写しました。価格は本体価格で、実際の売値は店舗によって違います。

単に凍らせたものは生鮮食品、砂糖を足すと加工食品になる

白い布の上に薄緑の板が二枚重ねて置かれている

13商品は、同じ売り場に並んでいても、同じ決まりの中にいません。どちらになるかは食品表示基準の別表で決まります。

生鮮食品の一覧である別表第二には、農産物の6番目として果実が挙がっています。括弧の中はこう書かれています。「収穫後調整、選別、水洗い等を行ったもの、単に切断したもの及び単に凍結させたものを含む。」

「単に凍結させたもの」の8文字が、冷凍フルーツをまるごと生鮮食品にしています。消費者庁の食品表示基準Q&A 第1章 総則にも、生鮮食品とは「単に水洗いや切断、冷凍等したものが該当し」と書かれています。

ここからが本題です。生鮮食品を売るときに書く事項は、食品表示基準の第18条にまとまっています。表の上欄に並ぶのは名称と原産地の2つだけです。原材料名の行も、添加物の行も、ここには出てきません。

加工食品は違います。第3条に並ぶのは、名称のほかに原材料名と添加物です。この2つの条文の差が、袋の裏の行数の差になります。

では、加工食品の一覧である別表第一はどうか。5番目の果実加工品の欄には、こう並びます。「果実缶・瓶詰、ジャム・マーマレード及び果実バター、果実漬物、乾燥果実、果実冷凍食品、その他の果実加工品」。

ドライフルーツは「乾燥果実」として、最初から加工食品です。冷凍のほうも「果実冷凍食品」という言葉で、加工食品の一覧にも出ています。凍らせただけなら生鮮食品、冷凍食品を作る工程まで進めば加工食品。同じ冷凍でも、行き先が2つあります。

Q&Aには、その境目の例も出ています。野菜について「ブランチング処理したものは、加工食品となります。」と書かれています。ブランチングは、凍らせる前に短時間だけ加熱する工程です。

果物の表示が生鮮食品と加工食品に分かれる図。凍らせただけは名称と原産地の2項目、砂糖を足すと原材料名と添加物が加わる

表の2商品に戻ります。「加糖いちご」「加糖白桃」という名称は、砂糖を足したことをそのまま名乗ったものです。足した時点で加工食品になり、原材料名と添加物を書く義務が生まれます。乳酸カルシウムとpH調整剤が見えているのは、そのためです。

混ぜたものも同じです。2種のベリーミックスの原材料名は「ストロベリー(モロッコ産)、ブルーベリー(モロッコ産)」で、果物の名前のうしろに産地が括弧で付いています。加工食品には原料原産地名を書く決まりがあるので、この形になります。

いっぽう単品の冷凍は、原産地が原材料名の中ではなく、別の場所に書かれます。公式サイトではブルーベリー200gがカナダ、マンゴー200gがペルー、ストロベリー150gがチリと、それぞれ原産国名として出ていました。

ドライフルーツとむき甘栗15商品の表示を並べた

生成りの布に濃い緑の細長い帯が何本も縦に並んでいる

次は乾かしたほうです。トップバリュから6商品、ドライフルーツを専門に扱う共立食品から9商品、合わせて15商品を集めました。こちらは全部が加工食品なので、原材料名を書く義務があります。

商品会社内容量原材料名(そのまま)原産国名
オーガニック レーズントップバリュ150g有機レーズントルコ
オーガニック いちじくトップバリュ150g有機いちじくトルコ
オーガニック プルーン(種抜き)トップバリュ150g有機プルーンアルゼンチン
オーガニック アプリコットトップバリュ150g有機アプリコットトルコ
オーガニックむき甘栗トップバリュ100g有機栗中国
むき甘栗トップバリュ160g有機栗中国
レーズン共立食品90g干しぶどう、植物油アメリカ
有機レーズン共立食品65g有機干しぶどう、植物油アメリカ
カリフォルニアレーズン 植物油不使用共立食品190g干しぶどうアメリカ
クランベリー チャック付共立食品70gクランベリー、砂糖、植物油アメリカ
マンゴー徳用共立食品120gマンゴー、砂糖/酸化防止剤(亜硫酸塩)カンボジア
ソフトプルーン種ぬき共立食品150gプルーンアメリカ
種抜きデーツ チャック付共立食品70gデーツチュニジア
バナナチップ共立食品45gバナナ、ココナッツオイル、砂糖/香料フィリピン
フルーツミックス チャック付共立食品65gレーズン[干しぶどう(アメリカ)、植物油]、ドライパイナップル[パイナップル(タイ)、砂糖]、ドライパパイヤ[パパイヤ(タイ)、砂糖]、ドライクランベリー[クランベリー(アメリカ)、砂糖、植物油]、ドライマンゴー[マンゴー(タイ)、砂糖]/酸味料、酸化防止剤(亜硫酸塩)、着色料(黄色4号、黄色5号)ー

15商品のうち12商品は、原材料名に添加物が出てきませんでした。出てきたのは、マンゴー徳用、バナナチップ、フルーツミックスの3商品です。

むき甘栗はトップバリュの2商品とも「有機栗」の3文字だけでした。色を保つための何かは、表示には出ていません。なお甘栗の大手であるクラシエは、公式の商品ページで栄養成分とアレルギー物質は公開していますが、原材料名は載せていません。そのため今回の15商品からは外しています。

表示を写したのは、次のページです。共立食品のレーズン90g、カリフォルニアレーズン 植物油不使用190g、クランベリー チャック付、マンゴー徳用、フルーツミックス チャック付、およびトップバリュのオーガニック レーズン、オーガニックむき甘栗の各ページです。共立食品は公式サイトに価格を出していないため、内容量までにしています。

レーズンの植物油と、ドライマンゴーの亜硫酸塩

明かりの当たる壁ぎわに薄緑の板が一枚立てかけてある

表で目を引いたのは、レーズンの原材料名の2つ目です。共立食品のレーズン90gも、有機レーズン65gも、原材料名は「干しぶどう、植物油」でした。有機のほうにも植物油があります。

これは特別なことではありません。消費者庁のQ&Aに、名指しで出てきます。「加工」に当たる行為を並べた表の中に、結着防止という項目があり、その中身がこう書かれています。「固まらないように植物性油脂を塗布(レーズンへの植物性油脂の塗布)」。

国の資料が、レーズンと油の組み合わせを例として挙げているということです。干したぶどうは互いにくっつきます。それを防ぐ目的で、表面に薄く塗るという説明になります。

塗らない選び方もあります。共立食品には「カリフォルニアレーズン 植物油不使用」という商品名の190g入りがあり、原材料名は「干しぶどう」の1つだけでした。同じ会社のページには、袋の内側が白く曇って見えるのは油を使っていないためだ、という注意書きも添えられています。

ここで大事なのは、植物油は添加物ではなく原材料だということです。だから斜線の前に書かれます。原材料名の行が1つ長くなっても、添加物の数は0のままです。

もう1つは色の話です。マンゴー徳用の原材料名は「マンゴー、砂糖/酸化防止剤(亜硫酸塩)」でした。フルーツミックスにも同じ「酸化防止剤(亜硫酸塩)」が並びます。

この書き方には決まりがあります。食品表示基準の別表第六に、用途の名前を一緒に書く添加物が並んでいます。甘味料、着色料、保存料、増粘剤や安定剤やゲル化剤や糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤または防ばい剤の8つです。

亜硫酸塩は、この表の酸化防止剤や漂白剤に当たる使い方をされます。だから物質の名前だけでなく、何のために使ったかが必ず前に付きます。「酸化防止剤」の6文字と「亜硫酸塩」の5文字は、そういう組み合わせです。

フルーツミックスの行は、さらに続きます。「酸味料、酸化防止剤(亜硫酸塩)、着色料(黄色4号、黄色5号)」の3つです。着色料も別表第六に載っているので、括弧の中に物質の名前が入ります。

ちなみに乾燥果実は、原産地についても決まりの中にいます。食品表示基準の別表第十五の1番目に「乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実(フレーク状又は粉末状にしたものを除く。)」が挙がっています。表で原産国名がきれいに埋まったのは、偶然ではありません。

ただし、書いてある行の数と、体への影響は別の話

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ここまでは、書く義務があるかどうかの話だけです。表示の決まりは、その食べ物が体にどう働くかを決めるものではありません。読めるのは、そこまでです。

まず、0品目は「使っていない」の証明ではありません。原材料名に何も出ていなくても、加工助剤とキャリーオーバーに当たるものは、食品表示基準で書かなくてよいと決まっています。つまり0品目という言い方は、表示に出ていないという意味にとどまります。表示が免除される仕組みの中身は、洗浄に使う殺菌料が袋に出てこない理由で条文から確かめました。

次に、生鮮食品の欄が短いことも、中身が少ないことの証明にはなりません。そもそも書く欄が用意されていないだけです。冷凍のブルーベリーが1行で終わるのは、義務がそこまでだからです。

逆の見方も同じです。亜硫酸塩や着色料が書かれている商品を、書かれているという理由だけで下に置くこともできません。用途名が付いているということは、何をしたかが読める状態だということでもあります。

最後に数の話です。28商品のうち、原材料名や添加物の欄に添加物が出ていたのは5商品でした。冷凍で2商品、ドライで3商品です。残りの23商品は、果物の名前と、砂糖や植物油といった原材料だけで終わっています。

じゃあ、どれを選んで、どう使うか

日の差す壁ぎわに薄緑の四角い板が一枚立てられている

28商品を並べて出てきたことから、3つに絞ります。

1つめ。冷凍は名称の欄から読む。「冷凍果実ブルーベリー」と「加糖いちご」では、乗っている決まりが違います。名称に加糖や混合と入っていたら、それは加工食品です。原材料名と添加物の欄が続くので、そこまで読めます。

2つめ。レーズンで油を避けたいなら、商品名を見る。共立食品のように、植物油不使用と商品名に入れている商品があります。原材料名が「干しぶどう」だけで終わるかどうかは、袋の裏ではなく表で先に分かることがあります。

3つめ。むき甘栗は、原材料名を公開しているかで会社が分かれる。トップバリュは公式ページに「有機栗」まで載せていました。載せていない会社もあります。カット野菜で原材料名を公開していた会社と同じで、買う前に読めるかどうかに差が出ます。

そのうえで、表示を1枚ずつ確かめるより、夕飯を丸ごと入れ替えたい日もあります。添加物を入れない前提で作られた惣菜を、家まで運んでもらうやり方もあります。

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よくある質問

Q
冷凍フルーツの袋に原材料名がないのは、書き忘れですか?
A

違います。食品表示基準の別表第二には、果実は「単に凍結させたもの」を含むと書かれています。単に凍らせただけのものは生鮮食品で、第18条で書く事項は名称と原産地の2つだけです。原材料名の欄はもともと義務の外にあります。

Q
レーズンに植物油が書かれているのは、なぜですか?
A

くっつくのを防ぐためだと説明されています。消費者庁の食品表示基準Q&Aは、加工に当たる行為の例として「固まらないように植物性油脂を塗布(レーズンへの植物性油脂の塗布)」を挙げています。斜線の前に書かれるのは、植物油が添加物ではなく原材料だからです。

Q
「酸化防止剤(亜硫酸塩)」の括弧は何を表していますか?
A

前が用途の名前で、括弧の中が物質の名前です。食品表示基準の別表第六には、用途名を一緒に書く添加物として甘味料、着色料、保存料、増粘剤などのほか、酸化防止剤と漂白剤が並んでいます。亜硫酸塩はこれに当たる使い方をされるため、何のために使ったかが前に付きます。

Q
むき甘栗は、色を保つために何か使っていますか?
A

今回そろえた2商品では、表示に出ていませんでした。トップバリュのオーガニックむき甘栗と、むき甘栗160gは、どちらも原材料名が「有機栗」だけです。ただし加工助剤やキャリーオーバーに当たるものは書く義務がないので、表示に出ていないという意味にとどまります。

まとめ:袋の裏より先に、名称の欄が答えを出している

窓のある部屋の床に薄緑の四角い板が三枚並んでいる

28商品を並べて出た答えは2つです。果物を単に凍らせただけのものは生鮮食品で、書く事項は名称と原産地の2つ。原材料名も添加物の欄も、はじめから義務の外にあります。

そして砂糖を足す、種類を混ぜる、乾かす。このどれかを通ると加工食品になり、そこで原材料名と添加物が現れます。今回の28商品では、添加物が出てきたのは5商品でした。レーズンの植物油は添加物ではなく原材料、ドライマンゴーの亜硫酸塩は用途名の付いた添加物という違いも、そのまま行に出ています。

明日やることは1つ。いつも買っている冷凍フルーツの袋で、名称の欄だけ読んでみる。「冷凍果実」で始まるのか、「加糖」で始まるのか。そこから先に何行あるかが決まります。

冷凍の売り場でどこを見るかは、冷凍食品の袋で確かめる場所をまとめた記事にあります。おかずのほうの冷凍食品で添加物が何に使われていたかは、6商品を比べた記事で開きました。「無添加」の3文字が2024年から使いにくくなった経緯は、この言葉に定義がない話にまとめています。

売り場ごとに0品目の商品を探した記録は、スーパーの7つの売り場をまわった記事にあります。毎回の表示読みが続かない日は、宅配という選び方もあります。

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