ラベルさん先に結論です。原材料名の欄は、4つの決まりだけでできています。原材料と添加物をどこで区切るか。どの順に並べるか。添加物をどの名前で書くか。そして、何を書かなくてよいか。この4つを順に当てはめると、どの商品の裏面も同じ手順で読めます。
そして1つ目に、思っていたのと逆の答えがありました。食品表示基準の別記様式一が定めている基本の形は、「原材料名」と「添加物」を別々の事項欄に分ける書き方です。スラッシュ(/)のほうが、その欄を作らないときに使ってよい代わりの書き方でした。トップバリュやコープが添加物を独立した欄に出しているのは、特別なやり方ではなく、別記様式一に書いてあるとおりの書き方です。
以下、この4つを内閣府令の条文と別表の原文で1つずつ押さえ、これまで公式ページから写し取ってきた実物の1行に当てはめていきます。危ないか危なくないかの話は出てきません。あくまで印刷のされ方だけを扱います。条文はe-Gov法令検索に載っている2026年4月1日施行の版を、2026年9月4日に開いて確認しました。
添加物が書いてある場所は、様式の上では2通りある

まず、書く場所の決まりからです。食品表示基準の第8条第3号は、名称や原材料名などの表示を「別記様式一により」行うと定めています。その別記様式一の枠に並ぶ事項名を、原文のまま写します。
名称/原材料名/添加物/原料原産地名/内容量/固形量/内容総量/消費期限/保存方法/原産国名/製造者
出典:食品表示基準 別記様式一(第八条関係)(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
「添加物」は、「原材料名」とは別の事項欄として枠の中にあります。これが様式の基本形です。では、スラッシュはどこから出てくるのか。同じ様式の備考にありました。
2 添加物については、事項欄を設けずに、原材料名の欄に原材料名と明確に区分して表示することができる。
出典:食品表示基準 別記様式一 備考第2号(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
読み取れることは1つです。「添加物」の欄を作るのが原則で、作らない場合に限って、原材料名の欄の中で区分してよい。条文が求めているのは「明確に区分」までで、記号までは指定していません。
区分の仕方は3通りある
では、明確な区分とは具体的に何か。消費者庁が消費者向けに出している「食品添加物表示に関するマメ知識」に、ゼリーの表示例で3つ並んでいます。
「原材料名欄」に表示する場合は、「/」で区切ったり、改行したり、原材料名と明確に区分して表示されます。
出典:消費者庁「食品添加物表示に関するマメ知識」(2026年9月4日取得)
同じ資料が挙げているゼリーの例で、3つの形を並べます。中身はまったく同じ商品です。
| 書き方 | 原材料名の欄に印刷される文字 |
|---|---|
| 添加物の欄を設ける | 原材料名:砂糖(国内製造)、濃縮果汁(ももを含む)、植物油脂 添加物:ゲル化剤(ペクチン)、酸味料、香料、着色料(紅麹) |
| スラッシュで区切る | 砂糖(国内製造)、濃縮果汁(ももを含む)、植物油脂/ゲル化剤(ペクチン)、酸味料、香料、着色料(紅麹) |
| 改行して分ける | 砂糖(国内製造)、濃縮果汁(ももを含む)、植物油脂 ゲル化剤(ペクチン)、酸味料、香料、着色料(紅麹) |
表の直後に1つだけ書き添えます。スラッシュが見当たらないことは、添加物がないことを意味しません。欄が分かれているか、行が変わっているかのどちらかです。実際、トップバリュとコープの豆腐は公式ページで添加物を独立した欄に出しています。1行の中で区切っている例は、ハウス食品の「80g おろし生わさび お徳用」で、公式の原材料名は「西洋わさび(中国)、砂糖、食塩、でんぷん、植物油脂、本わさび、本わさび加工品/ソルビトール、ミョウバン、香辛料抽出物、安定剤(キサンタンガム)、酒精、香料」です(2026年9月4日取得)。
言葉のほうの決まりは「無添加」という3文字に定義があるのかを調べた記事にまとめました。表に書かれた言葉と裏の1行は、別の決まりで決まっています。
並ぶ順番は、前も後ろも「重い順」で決まっている

2つ目の決まりは、並び順です。根拠は食品表示基準の第3条第1項にあります。ここには一般用加工食品の表示事項が表の形で並んでいて、そのうちの1行が「原材料名」です。冒頭を原文のまま写します。
一 原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する。
出典:食品表示基準 第3条第1項の表「原材料名」の欄(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
添加物のほうにも、同じ言い回しがあります。
次に掲げるものを除き、添加物に占める重量の割合の高いものから順に、別表第六の上欄に掲げるものとして使用される添加物を含む食品にあっては当該添加物の物質名及び同表の下欄に掲げる用途の表示を、それ以外の添加物を含む食品にあっては当該添加物の物質名を表示する。
出典:食品表示基準 第3条第1項の表「添加物」の欄(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
ここに、読み違えやすい一点があります。「原材料に占める割合」と「添加物に占める割合」は、別々の母数です。前半は原材料どうしで重い順、後半は添加物どうしで重い順。順位は2回付け直されます。だから区切りの直後に来る添加物が、その手前にある原材料より重いということにはなりません。
実例を1行で見ます。株式会社くらこんの「くらこん塩こんぶ 130g」は、公式商品ページで次のとおりです(2026年9月4日取得)。
昆布 (北海道産)、醤油 (大豆・小麦を含む)、食塩、醤油加工品 (大豆・小麦を含む)/調味料 (アミノ酸等)、甘味料 (ソルビトール、甘草)、増粘多糖類
前半で1番目に来る昆布は、この商品でいちばん重い原材料です。後半で1番目に来る調味料(アミノ酸等)は、添加物のなかでいちばん重いというだけで、食塩より重いとは限りません。「1番目に書いてある=いちばん多い」が成り立つのは、区切りのそれぞれの中だけです。
カッコの中にも、同じ順番の決まりがある
2種類以上の原材料からできた原材料は「複合原材料」と呼ばれ、名前の後ろにカッコを付けて中身を書きます。その中でも順番は同じです。条文はこう続きます。
イ 複合原材料の名称の次に括弧を付して、当該複合原材料の原材料を当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高いものから順に、その最も一般的な名称をもって表示する。ただし、当該複合原材料の原材料が三種類以上ある場合にあっては、当該複合原材料の原材料に占める重量の割合の高い順が三位以下であって、かつ、当該割合が五パーセント未満である原材料について、「その他」と表示することができる。
ロ 複合原材料の製品の原材料に占める重量の割合が五パーセント未満である場合又は複合原材料の名称からその原材料が明らかである場合には、当該複合原材料の原材料の表示を省略することができる。
出典:食品表示基準 第3条第1項の表「原材料名」の欄(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
数字を2つ拾っておきます。カッコの中の「その他」でまとめてよいのは、3位以下かつ5パーセント未満のものだけ。そして製品全体の5パーセント未満なら、カッコごと省略してよい。カッコが付いていない原材料は、中身が単純だからとは限らず、割合が小さいから省かれている場合があります。
添加物の名前は、4つの書き方に分かれる

3つ目の決まりが、名前です。先ほどの第3条第1項の「添加物」の欄には、原則のあとに例外が続きます。原文を写します。
3 1の規定にかかわらず、添加物の物質名の表示は、一般に広く使用されている名称を有する添加物にあっては、その名称をもって、別表第七の上欄に掲げるものとして使用される添加物を含む食品にあっては同表の下欄に掲げる表示をもって、これに代えることができる。
出典:食品表示基準 第3条第1項の表「添加物」の欄(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
原則の「物質名」に、用途名の併記、一括名、一般に広く使われている名称の3つが重なります。整理すると4通りです。
| 書き方 | 決まりの場所 | 印刷される形 |
|---|---|---|
| 物質名だけ | 第3条第1項(原則) | ソルビトール、酒精、キトサン |
| 用途名を併記 | 別表第六(8つの用途) | 着色料(黄5)、酸化防止剤(ビタミンC) |
| 一括名 | 別表第七(14種) | 香料、調味料(アミノ酸等)、凝固剤 |
| 簡略名・類別名 | 通知「食品表示基準について」 | ビタミンC、亜硝酸Na、増粘多糖類 |
4つ目の簡略名だけは、府令ではなく通知に一覧があります。消費者庁の説明を原文で引きます。
ただし、通知※で示された食品添加物に限って、簡略名や類別名等の一般に広く使用されている名称で表示することも可能です。
※通知:「食品表示基準について」(平成27年3月30日消食表第139号)出典:消費者庁「食品添加物表示に関するマメ知識」(2026年9月4日取得)
当サイトが写してきた10商品で、4つの書き方を並べる
決まりだけでは分かりにくいところがあります。これまで取り上げてきた商品のなかから、4つの書き方がそれぞれ表に出ている行を選んで並べます。いずれの表示も、2026年9月4日にメーカーの公式ページで開き直しました。
| 商品 | 会社 | 印刷されている文字 | 書き方 |
|---|---|---|---|
| おろし生わさび 80g | ハウス食品 | ソルビトール | 簡略名(正式名称はD-ソルビトール) |
| おろし生わさび 80g | ハウス食品 | 安定剤(キサンタンガム) | 用途名の併記 |
| くらこん塩こんぶ 130g | くらこん | 増粘多糖類 | 簡略名(多糖類を2種類以上使ったとき) |
| ポッカレモン100 450ml | ポッカサッポロ | 香料 | 一括名 |
| きなこねじり | 佐藤製菓 | 青色1号、黄色4号 | 物質名だけ |
| えびポンセン | 深澤製菓 | 着色料(黄5) | 用途名の併記 |
| ねぎみそポン | 深澤製菓 | カラメル色素 | 物質名だけ |
| おしどりミルクケーキ コーヒー | 日本製乳 | 着色料(カラメル) | 用途名の併記 |
| コープ 木綿とうふ | 日本生協連 | 凝固剤(塩化Mg) | 一括名+簡略名 |
| トップバリュ 木綿とうふ | イオン | 豆腐用凝固剤 | 一括名(添加物の欄に単独) |
表の直後に1つ。同じ物質でも、書き方は4通りに分かれます。カラメルは深澤製菓のねぎみそポンでは「カラメル色素」、日本製乳のおしどりミルクケーキでは「着色料(カラメル)」。ソルビトールも同じで、わさびの行ではそのまま書かれ、塩こんぶの行では甘味料という用途名のカッコの中に入っています。どちらも決まりどおりで、どちらかが不親切ということではありません。
用途名を付ける8つと、名前によって省ける2つの例外

物質名だけでは足りない、と決められている用途があります。別表第六の全項目を、原文のまま写します。上欄が用途、下欄が印刷する文字です。
| 上欄(用途) | 下欄(表示する用途名) |
|---|---|
| 甘味料 | 甘味料 |
| 着色料 | 着色料 |
| 保存料 | 保存料 |
| 増粘剤、安定剤、ゲル化剤又は糊料 | 主として増粘の目的で使用される場合にあっては、増粘剤又は糊料/主として安定の目的で使用される場合にあっては、安定剤又は糊料/主としてゲル化の目的で使用される場合にあっては、ゲル化剤又は糊料 |
| 酸化防止剤 | 酸化防止剤 |
| 発色剤 | 発色剤 |
| 漂白剤 | 漂白剤 |
| 防かび剤又は防ばい剤 | 防かび剤又は防ばい剤 |
出典:食品表示基準 別表第六(第三条関係)(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
行の数は8つです。4番目だけが3通りに分かれていて、同じ物質でも何のために入れたかで印刷される文字が変わります。ペクチンをとろみのために使えば増粘剤、固めるために使えばゲル化剤です。
「色」と「増粘」の2文字が入っていれば、用途名は省ける
ところが、袋の裏で「着色料」の4文字を探しても見つからないことがあります。同じ第3条第1項に、省略の定めがあるからです。
4 1の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合にあってはそれぞれ当該各号に定める用途の表示を省略することができる。
一 添加物を含む旨の表示中「色」の文字を含む場合 着色料
二 添加物を含む旨の表示中「増粘」の文字を含む場合 増粘剤又は糊料出典:食品表示基準 第3条第1項の表「添加物」の欄(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
この2号が、先ほどの表の見え方をひっくり返します。「カラメル色素」は名前の中にすでに「色」の字が入っているので、頭に用途名を足す必要がありません。青や黄の番号が付いた色素も同じ理由で単独で並びます。ところが「黄5」には「色」の字がなく、省略の条件から外れます。だから深澤製菓のえびポンセンは「着色料(黄5)」という形になりました。
「増粘」のほうも同じ理屈です。くらこんの塩こんぶに出てきた「増粘多糖類」は、名前の中に「増粘」が入っているので、頭に「増粘剤」を付ける必要がありません。
だから袋の裏で色を確かめたいときに探すのは、「着色料」の4文字ではなく「色」の1字です。駄菓子の実例で確かめた結果は太郎と名のつく6商品で色の表示をたどった記事にあります。
シェフの無添つくりおき

- 初回26%OFF+初回の送料は無料
- 1回だけのお試しOK・定期縛りなし
- 化学調味料・保存料など不使用(公式表記)
キャンペーン内容は公式サイトでご確認ください
一括名で書ける14種は、中身が印刷されない

もう1つの例外が一括名です。別表第七の上欄に載っているものとして使ったなら、物質名の代わりに下欄の文字を書いてよい。その別表第七の全項目を、原文のまま写します。
| 上欄 | 下欄(一括名) |
|---|---|
| イーストフード | イーストフード |
| ガムベース | ガムベース |
| かんすい | かんすい |
| 酵素 | 酵素 |
| 光沢剤 | 光沢剤 |
| 香料 | 香料 |
| 酸味料 | 酸味料 |
| チューインガム軟化剤 | 軟化剤 |
| 調味料(甘味料及び酸味料に該当するものを除く。) | アミノ酸・核酸・有機酸・無機塩の別と「等」の有無で8通り |
| 豆腐用凝固剤 | 豆腐用凝固剤又は凝固剤 |
| 苦味料 | 苦味料 |
| 乳化剤 | 乳化剤 |
| 水素イオン濃度調整剤 | 水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤 |
| 膨張剤 | 膨張剤、膨脹剤、ベーキングパウダー又はふくらし粉 |
出典:食品表示基準 別表第七(第三条関係)(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
行の数は14です。上欄と下欄が同じ言葉になっている行が多いなかで、下欄のほうが増えている行が4つあります。チューインガム軟化剤は「軟化剤」まで短くでき、水素イオン濃度調整剤は「pH調整剤」でよく、膨張剤は「ふくらし粉」まで許されています。豆腐用凝固剤は「凝固剤」の3文字で済みます。
この14種で共通しているのは、下欄の文字からは中身の物質名が読み取れないことです。ポッカサッポロのポッカレモン100(450ml)は、原材料名が「レモン(アルゼンチン、イスラエル、イタリア)/香料」で、区切りの後ろは2文字だけでした。何の香りの成分をいくつ使ったかは、この2文字からは分かりません。
豆腐の凝固剤も同じです。下欄の3文字だけで終わらせている商品と、「凝固剤(塩化Mg)」まで踏み込んでいる商品が、同じ売り場に並びます。省いてよい部分をあえて印刷する会社があるので、品目数が多い商品ほど中身が多い、とは言えません。豆腐で書き方が分かれた経緯は豆腐6商品で消泡剤の扱いが分かれた記事にまとめました。
書かれないものが3つある。免除の2つと、小さい包装

4つ目の決まりが、書かなくてよいものです。ここまでの3つを完璧に読めても、読めるのは「書く義務のあるもの」までにとどまります。理由は2か所にあります。
製品に残らないもの、原料から持ち越されたもの
1つ目は、先ほど引いた第3条第1項です。原則の書き出しに「次に掲げるものを除き」という言葉があり、続く一と二が、その除かれるものの中身になります。
一 加工助剤(食品の加工の際に添加されるものであって、当該食品の完成前に除去されるもの、当該食品の原材料に起因してその食品中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの又は当該食品中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該食品に及ぼさないものをいう。以下同じ。)
二 キャリーオーバー(食品の原材料の製造又は加工の過程において使用され、かつ、当該食品の製造又は加工の過程において使用されないものであって、当該食品中には当該添加物が効果を発揮することができる量より少ない量しか含まれていないものをいう。以下同じ。)
出典:食品表示基準 第3条第1項の表「添加物」の欄(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
この2つは、工程で使ったかどうかを問うていません。できあがった製品にどう残るかだけで決まります。だから記事で使っている「0品目」という言い方は、印刷する義務のある添加物が1つも出てこなかった、というところまでを指します。製造の途中で何も足していない、という保証にはなりません。袋入りのカット野菜がそのままの例で、原材料名は野菜の名前で終わるのに、メーカーは公式に殺菌料を使っていると説明しています。突き合わせた過程はカット野菜6商品と公式回答を並べた記事にあります。
なお、この欄には3つ目の免除がありました。栄養強化の目的で使うものです。2025年3月28日に公布された改正で削除され、いまの条文には一と二しか残っていません。ただし附則で、令和12年(2030年)3月31日までに製造・加工・輸入される加工食品は、改正前の表示のままでよいと定められています。そのため2030年の春までは、栄養を補うために足したビタミン類が印刷されている商品と、印刷されていない商品が、同じ値札の下で混ざります。印刷されている側の代表が朝食用のシリアルで、ある商品では添加物14品目の内訳のうち11までが栄養素でした。仕分けた結果はシスコーンの添加物を1つずつ開いた記事にあります。
包装が小さいと、欄ごと消える
2つ目は、包装の大きさです。第3条第3項に、省略できる場合の表があります。
前二項の規定にかかわらず、次の表の上欄に掲げる表示事項の表示は、同表の下欄に掲げる区分に該当する食品にあってはこれを省略することができる。
(添加物の欄)容器包装の表示可能面積がおおむね三十平方センチメートル以下であるもの(特定保健用食品及び機能性表示食品を除く。)
出典:食品表示基準 第3条第3項の表(e-Gov法令検索・2026年9月4日取得)
同じ表の「原材料名」の欄には、この30平方センチメートルに加えてもう1つ、「原材料が一種類のみであるもの」という区分が並んでいます(缶詰と食肉製品などは除く)。原材料名の欄が見当たらない商品には、この2つのどちらかが当てはまっていることが多くなります。
30平方センチメートルは、5センチ角より少し大きい程度です。1個ずつ包まれた飴やガム、小袋の菓子がここに入ります。文字の大きさにも別の決まりがあり、第8条第9号は原則8ポイント以上、表示可能面積がおおむね150平方センチメートル以下なら5.5ポイント以上としています。小さい袋の裏の文字が読みにくいのは、印刷の都合ではなく条文どおりの下限です。
ここで1つ断っておきます。書かれている品目の数が多いことと、その食品が体に悪いことは別の話です。先ほどのシリアルのように、14品目のうち11品目が栄養素という商品もあります。逆に品目数が少なくても、糖や脂質や食塩の量が大きい商品はいくらでもあります。数の大小は、読み取れる事実の1つにすぎません。売り場で0品目の商品がどこにあったかはスーパーの売り場別に0品目を探した記事にまとめています。
水が書かれないのは、免除の規定ではなく慣例だった

4つの決まりを当てはめても、飲み物では答えの出ない疑問が1つ残ります。いちばん重いのは水のはずなのに、原材料名に「水」と書いてある商品と、書いていない商品があることです。
当サイトでスポーツドリンクと経口補水液23商品の原材料名を公式サイトから写したとき、1番目は糖類が18商品、食塩が3商品、果実が2商品でした。「水」から始まる商品は、23商品に1つもありません。栄養成分表示から引き算すると、どれも9割以上は水です。
条文に除外はなく、消費者庁の答えは「慣例」だった
先に条文を見ます。書かなくてよいものとして食品表示基準の第3条第1項が挙げているのは加工助剤とキャリーオーバーで、ここに水は入っていません。包装の小ささを理由に省ける第3条第3項にも、水は出てきません。
理由が書かれていたのは、消費者庁の食品表示基準Q&Aのほうでした。しかも原材料名の項ではなく、原産地の項です。
現行、水は慣例として表示していない場合が多いことから、仮に、水を原材料の欄の一番初めに表示した場合であっても、原料原産地表示の対象となりません。
出典:食品表示基準Q&A 別添「新たな原料原産地表示制度」(原原-5)(消費者庁・2026年9月4日取得)
ここから2つ読めます。1つは「慣例」という言葉です。水を書かなくてよいと定めた条文があるのではなく、書かない習わしが続いていると説明されています。もう1つは「仮に、水を原材料の欄の一番初めに表示した場合であっても」という書き出しです。水を1番目に書くこと自体は、はじめから認められています。
水が名指しで外れるのは、産地を書く相手を決めるときだけです。通知「食品表示基準について」は、こう限っています。
使用した原材料に占める重量の割合が最も高い原材料(中略)であり、添加物及び水は含まない。
出典:食品表示基準について(13)原料原産地名(消費者庁・2026年9月4日取得)
まとめると、水を書くか書かないかは各社の判断にゆだねられていて、書いたとしても産地を添える義務は生まれません。書いていない商品を見ても、水を使っていないとは読めないことになります。
水を売り物にしている商品には、書く決まりがある
書いてある側には根拠がありました。容器に詰めた飲用水には、農林水産省が出した品質表示ガイドラインがあります。
ア.「水」と記載し、水の次に括弧を付して、原水(鉱水・鉱泉水・湧水・温泉水・浅井戸水・水道水等)の種類を記載すること。
出典:ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン(平成2年3月30日食品流通局長通達2食流第1071号、平成7年2月17日改正・2026年9月4日取得)
ペットボトルの天然水がそろって「水(鉱水)」で始まるのは、この一文があるからです。カッコの中は、採った水の種類を指します。
飲み物12商品の原材料名を、メーカーの公式サイトから写しました。取得日はすべて2026年9月4日です。
| 商品 | 種類 | 原材料名の1番目 | 「水」の記載 |
|---|---|---|---|
| 伊賀の天然水 600mlペット(サンガリア) | 天然水 | 水(鉱水) | あり |
| 磨かれて、澄みきった日本の水 PET 2L(伊藤園) | 天然水 | 水(鉱水) | あり |
| エビアン PET 750ml(伊藤園) | 天然水 | 水(鉱泉水) | あり |
| 伊賀の天然水炭酸水 500mlペット(サンガリア) | 炭酸水 | 水(鉱水) | あり |
| 伊賀の天然水炭酸水レモン 1000mlペット(サンガリア) | 炭酸水 | 水(鉱水) | あり |
| 炭酸水 185ml缶(サンガリア) | 炭酸水 | 水 | あり |
| 強炭酸水 ミネラルSTRONG(東日本)PET 500ml(伊藤園) | 炭酸水 | ナチュラルミネラルウォーター | なし |
| サンガリアラムネ 190g缶(サンガリア) | 炭酸飲料 | 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖) | なし |
| お~いお茶 緑茶 PET 600ml(伊藤園) | 緑茶 | 緑茶(日本) | なし |
| みどりのお茶 600mlペット(サンガリア) | 緑茶 | 緑茶(国産) | なし |
| 果実味わう100%アップルジュース 190g缶(サンガリア) | 果汁飲料 | りんご(輸入) | なし |
| つぶつぶオレンジ 500mlペット(サンガリア) | 果汁飲料 | 糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖) | なし |
12商品のうち、「水」の字があったのは6商品でした。分かれるのは、水を売っている商品かどうかです。天然水と炭酸水は水から始まり、水に何かを溶かした飲み物は水を書きません。同じ炭酸の商品でも、伊賀の天然水炭酸水は「水(鉱水)」から始まり、サンガリアラムネは糖類から始まります。表示を並べた過程は炭酸飲料6商品で共通の添加物を探した記事にあります。
1つだけ、文字だけでは読み違える例を挙げます。伊藤園の強炭酸水 ミネラルSTRONGは、1番目が「ナチュラルミネラルウォーター」です。水が1番目に来ていても、「水」の1字とはかぎりません。緑茶と果汁飲料が水を書かない理由も同じ並びで、1番目は茶葉と果実でした。茶葉のほうを1本ずつ開いた記録はお茶14商品の表示をたどった記事にまとめています。
裏面の読み方は、1行足すだけで済みます。飲み物の原材料名の先頭にあるのは、水を除いていちばん重い材料だと考えることです。先頭が砂糖なら砂糖の量が最も多く、先頭が食塩なら甘みの材料は入っていません。水が印刷されている商品も、重い順という決まりから外れているわけではありません。
よくある質問
- Q原材料名にスラッシュがなければ、添加物は入っていないのですか?
- A
入っていないとは言い切れません。別記様式一の基本形は「添加物」という独立した事項欄なので、欄が分かれている商品には記号が出てきません。行を変えるだけの区分も認められています。まず「添加物」という事項名があるかを見て、なければ原材料名の欄で途中に改行がないかを確かめてください。
- Q原材料名の1番目が、その商品でいちばん多い材料ですか?
- A
区切りより前の1番目については、そのとおりです。条文が「原材料に占める重量の割合の高いものから順に」と定めています。ただし区切りより後ろの添加物は「添加物に占める重量の割合」で並び直されるので、後半の1番目が前半の最後より多いとは限りません。順位は前半と後半で別々に付きます。
- Q用途名を書かなければならない添加物は、いくつありますか?
- A
用途の数でいうと8つです。食品表示基準の別表第六が、上欄に8行だけを掲げています。本文の表に全項目を原文で写しました。ただし例外があり、物質名のなかに「色」または「増粘」の文字が含まれている場合は、その用途名を省いてよいと第3条第1項に定められています。
- Q「香料」や「調味料(アミノ酸等)」の中身を知る方法はありますか?
- A
印刷からは絞り込めません。どちらも別表第七に掲げられた一括名で、下欄の文字だけで物質名の代わりになると決まっているからです。消費者庁は、詳しく知りたい場合の連絡先として、容器包装に書かれた表示責任者を案内しています。聞き方の例も資料に並んでいて、一括名の詳細を教えてほしい、という尋ね方がそのまま挙がっています。
- Q小さい袋に原材料名が印刷されていないのは、書き忘れですか?
- A
違います。第3条第3項の表で、容器包装の表示可能面積がおおむね30平方センチメートル以下のものは、原材料名も添加物も省略できると定められています。原材料が一種類だけの食品も同じ表で省略が認められています。中身を知りたいときは、外袋やメーカーの商品ページを見ることになります。
まとめ:袋の裏は、この4つの順で読む

原材料名の欄は、4つの決まりでできていました。順に当てはめるだけで読めます。
- 区切りを探す。「添加物」という事項欄があればそこが後半です。なければ原材料名の欄でスラッシュか改行を探します。様式の基本は別の欄で、スラッシュのほうが代わりの書き方でした。
- 順番を読む。前半は原材料どうしで重い順、後半は添加物どうしで重い順。順位は2回付け直されます。カッコの中も同じ順で、5パーセント未満なら省略されています。
- 名前の書き方を見る。物質名だけか、用途名が付いているか、一括名か、簡略名か。用途名が要るのは別表第六の8つ、一括名で書けるのは別表第七の14種です。
- 書かれていないものを思い出す。製品に残らない加工助剤と、原料から持ち越されたキャリーオーバーは印刷されません。包装が30平方センチメートル以下なら、欄ごと省かれています。

明日から売り場でやることは1つです。裏を返したら、まず「添加物」という事項名があるかを見る。なければスラッシュか改行を探す。その位置が決まれば、あとの3つは順に当てはまります。
この読み方を使うと、企業が表に書いた言葉と裏の1行のずれも見えてきます。表示基準にない言葉が売り文句に使われている例は四大添加物という4語を条文で探した記事で扱いました。
4つの決まりを毎回たどるのが負担になるなら、抜くものを先に決めている宅食を1回試して、届いた表示を読み比べてみる手もあります。
シェフの無添つくりおき

- 初回26%OFF+初回の送料は無料
- 1回だけのお試しOK・定期縛りなし
- 化学調味料・保存料など不使用(公式表記)
キャンペーン内容は公式サイトでご確認ください

