ラベルさん「無添加」と印刷されたコンソメを売り場で探しても、まず出てきません。手がかりになるのは、箱の裏にあるスラッシュ(/)のほうです。
市販の洋風スープの素18商品について、各メーカーの公式ページから原材料名を写し取りました。取得日は2026年8月30日です。
原材料名が公式に出ていたのは15商品。スラッシュより後ろが1行もない商品は7つでした。ただし、この7商品は売り場に散らばっていません。
7つのうち6つが顆粒です。固形は1つ、粉末はゼロでした。ここから、形ごとの表示と、その7商品をどこで買えるかを書いていきます。
洋風スープの素の形は3つ。買える場所も形で変わる

洋風スープの素の形は、家庭用では3つでした。固形、顆粒、粉末です。ペーストの商品は、今回の公式ページからは出てきませんでした。
この3つは、思いつきの区切りではありません。国の規格でも同じ3つが並びます。乾燥スープの日本農林規格は、原料を「粉末状,か粒状又は固形状に乾燥したもの」と書いています。
そして買える場所も、この形ごとに分かれました。ほしい形が決まれば、どこへ行けばいいかも決まります。
- スーパーの調味料の売り場。味の素、トップバリュ、セブンプレミアム、平和食品工業がここです。固形と粉末は、ほぼスーパーだけでした
- 自然食品の店と公式通販。創健社は公式オンラインショップ、ムソーは取扱店一覧、オーサワジャパンは取扱店舗のページで入手先を公開しています
- 生協の宅配。生活クラブとパルシステムの顆粒は、組合員になって注文する形になります
固形3商品と粉末2商品。表示が0品目だったのは固形の1つだけ

食品添加物は、原材料名のスラッシュより後ろに印刷される決まりです。まず固形から。
| 商品(固形) | スラッシュより後ろ | 品目数 | 公式の表示単位 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| 創健社 チキンコンソメ | 表示なし | 0 | 1個(4.5g) | 2.0g |
| 味の素KKコンソメ<固形タイプ> | 調味料(アミノ酸等)、加工デンプン、酸味料 | 3 | 1個(5.3g) | 2.4g |
| 味の素KKコンソメチキン | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、カラメル色素 | 3 | 1個(5.3g) | 2.4g |
創健社のチキンコンソメは、原材料名が「食塩(イタリア製造)」から始まって「澱粉」で終わります。スラッシュが入りません。希望小売価格は45gで389円(税込)と公式に出ています。
いっぽう味の素KKコンソメ<固形タイプ>とコンソメチキンは、うしろが3行です。1行目はどちらも調味料(アミノ酸等)でした。
次に粉末です。今回はイオンのプライベートブランド2商品が該当しました。
| 商品(粉末) | スラッシュより後ろ | 品目数 | 公式の表示単位 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| トップバリュ コンソメチキン味 粉末 | 調味料(アミノ酸等)、加工でん粉 | 2 | 1袋(4.5g) | 2.6g |
| トップバリュ コンソメ 粉末 | 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料、加工でん粉 | 4 | 1袋(4.5g) | 2.4g |
トップバリュのコンソメ 粉末は、うしろが4行です。18商品でいちばん長い表示でした。
ここまでで、固形と粉末の5商品のうち、0品目は創健社の1つだけでした。スーパーでよく見かける形ほど、スラッシュの後ろが長くなっています。
顆粒13商品では、6商品にスラッシュがなかった

顆粒13商品のうち、原材料名が公式に出ていたのは10商品でした。
| 商品(顆粒) | スラッシュより後ろ | 品目数 | 公式の表示単位 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| ムソー 野菜でうまみ〈食塩無添加〉 | 表示なし | 0 | 1包(3.5g) | 0.1g |
| 生活クラブ 洋風だし顆粒 | 表示なし | 0 | 1袋(8g) | 1.63g |
| 創健社 洋風だし一番 | 表示なし | 0 | 1袋(8g) | 2.3g |
| オーサワの野菜ブイヨン | 表示なし | 0 | 1袋(5g) | 2.4g |
| ムソー 野菜のおかげ | 表示なし | 0 | 1包(5g) | 2.5g |
| 平和食品工業 野菜ブイヨン | 表示なし | 0 | 100g | 27.7g |
| 平和食品工業 コンソメスープ 220g | 酸化防止剤(V.E) | 1 | 100g | 39.6g |
| ユウキ食品 MCコンソメ 90g | 加工デンプン | 1 | 100g | 48.3g |
| 味の素KKコンソメ<顆粒タイプ> | 調味料(アミノ酸等)、酸味料 | 2 | 小さじ2杯(5.3g) | 2.4g |
| 平和食品工業 コンソメ 60g | 調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、酸味料 | 3 | 小さじ1杯(3g) | 1.3g |
ムソーの野菜でうまみから平和食品工業の野菜ブイヨンまでの6商品には、いずれもスラッシュがありません。
原材料名は、それぞれの公式ページから写しました。ムソーの野菜でうまみ、野菜のおかげ、創健社の洋風だし一番から写しました。
残る3つは生活クラブの洋風だし顆粒、オーサワの野菜ブイヨン、平和食品工業の野菜ブイヨンです。
残る4商品にはスラッシュが入ります。ただし平和食品工業のコンソメスープは酸化防止剤(V.E)だけ、ユウキ食品のMCコンソメは加工デンプンだけです。
残る3商品は、公式ページに原材料名が出ていません。パルシステムのチキンブイヨン、国産ビーフのコンソメ(顆粒)、セブンプレミアムのコンソメ顆粒です。
ここまでで0品目は7商品。うち6つが顆粒という結果になりました。同じ見方でほかの売り場も調べた話は、洋風だし以外の売り場でどうだったかにあります。
添加物の表示がなくても、塩の量は20倍ひらいた

公式の表示単位がばらばらなので、100g当たりに直しました。すると並びが入れ替わります。上から3番目に来るムソーの野菜のおかげは、品目数が0なのに50.0gです。
| 商品 | 形 | 品目数 | 100g当たりの食塩相当量 |
|---|---|---|---|
| トップバリュ コンソメチキン味 粉末 | 粉末 | 2 | 57.8g |
| トップバリュ コンソメ 粉末 | 粉末 | 4 | 53.3g |
| ムソー 野菜のおかげ | 顆粒 | 0 | 50.0g |
| オーサワの野菜ブイヨン | 顆粒 | 0 | 48.0g |
| 味の素KKコンソメ<固形タイプ> | 固形 | 3 | 45.3g |
| 創健社 チキンコンソメ | 固形 | 0 | 44.4g |
| 創健社 洋風だし一番 | 顆粒 | 0 | 28.8g |
| 生活クラブ 洋風だし顆粒 | 顆粒 | 0 | 20.4g |
| ムソー 野菜でうまみ〈食塩無添加〉 | 顆粒 | 0 | 2.9g |
食塩相当量がいちばん低い商品も0品目でした。ムソーの野菜でうまみは2.9gです。いちばん多い57.8gとのあいだには、20倍を超える差があります。
差の理由も公式ページにあります。野菜でうまみの原材料名には、食塩の文字がありません。1番目はでん粉分解物です。
いっぽう野菜のおかげは、1番目が食塩です。スラッシュがあるかないかではなく、原材料名の1番目が何かで塩の量が変わっていました。
「化学調味料」は食品表示基準にない言葉。公式で出たのは2商品

「化学調味料不使用」という言葉を思い浮かべた方もいると思います。ところが、18商品の公式ページでこの語が出たのは2商品だけでした。
パルシステムのチキンブイヨンと、国産ビーフのコンソメ(顆粒)です。前者の商品ページには「化学調味料は不使用」と書かれています。
残る16商品は、別の書き方でした。オーサワは「砂糖・動物性原料不使用」、ムソーは商品名が「野菜でうまみ〈食塩無添加〉」です。
理由は、この言葉が表示のルールにないからです。消費者庁が2022年に出した不使用表示のガイドラインに、次の一文があります。
化学調味料の用語は、かつてJAS規格において使用されていたが、平成元年には削除されており、食品表示基準において使用されたことはない。
この一文は「類型2 食品表示基準に規定されていない用語を使用した表示」の中にあります。ガイドラインは10の類型を挙げていて、これはその2つめです。
「化学調味料」は、法律の用語ではありません。もともとJAS規格の言葉で、平成元年に消えました。それから30年以上、表示のルールには戻っていません。
この話は、表の3文字が使えなくなった経緯にまとめてあります。
0品目だった7商品すべてに、酵母エキスが入っていた

ここからが、見落としやすいところです。スラッシュが0品目でも、うま味の材料は入っています。
今回0品目だった7商品を1つずつ見ると、すべてに酵母エキスが入っていました。
- 平和食品工業 野菜ブイヨン、創健社 洋風だし一番、ムソー 野菜のおかげ、ムソー 野菜でうまみ、オーサワの野菜ブイヨンは、原材料名に「酵母エキス」の文字があります
- 生活クラブ 洋風だし顆粒は「酵母エキスパウダー」です
- 創健社 チキンコンソメは原材料名に文字がありませんが、公式ページの注記に「チキンシーズニングパウダーには酵母エキスが含まれています」とあります
なぜスラッシュの後ろに出てこないのか。酵母エキスもたん白加水分解物も、添加物ではなく食品として扱われるからです。
裏づけは規格の原文にあります。乾燥スープの日本農林規格は原料を4つ挙げていて、3番目が「たん白加水分解物」です。煮出汁と同じ、原料のあつかいになっています。
消費者庁も、この点を先ほどのガイドラインで扱っています。類型5の例として挙がっているのが、次の一文です。
例1:原材料として、アミノ酸を含有する抽出物を使用した食品に、添加物としての調味料を使用していない旨を表示
つまり「0品目=うま味の材料が何も入っていない」ではありません。スラッシュより前を最後まで読むと、名前が出てきます。
たん白加水分解物も4商品にありました。味の素の固形と顆粒には「大豆たん白加水分解物」、トップバリュの粉末2商品には「たん白加水分解物」。いずれもスラッシュより前です。
スラッシュの後ろに出てくる調味料(アミノ酸等)の話は、宅配弁当でこの表記が何件あったかにもあります。
もう1つ、袋に印刷されない話をしておきます。仕上げまでに取り除かれる加工助剤と、原料に残っていた分がわずかに移るキャリーオーバー。この2つは表示しなくてよいと決まっています。だから、ここで0品目とした7商品も、作るときに何も使っていないとまでは言えません。
「乾燥コンソメ」には規格がある。「ブイヨン」の語は出てこない

コンソメとブイヨンに公的な決まりはあるのか。ここは分かれました。
コンソメには、名前のついた規格があります。乾燥スープの日本農林規格(JAS 0602)です。1975年5月30日に制定され、2025年1月29日に改正されています。
この規格の「3.8 乾燥コンソメ」に定義があります。煮出汁を使い、つなぎを加えず、水や熱湯でおおむね清澄なスープになるもの、という内容です。
品質基準もあります。乾燥コンソメの場合はこうでした。
- 水分は3%以下(うきみや具を多く使うものは6%以下)
- 食塩は、調理したスープ1000mL当たり12g以下
- 全窒素は170mg以上。商品名に鶏肉または牛肉を含む旨があるものは300mg以上
- 溶解促進剤は、乳糖とデキストリン以外を使わないこと
いっぽう「ブイヨン」という語は、この規格に1度も出てきません。用語と定義の欄にも、品質基準の表にもありません。ブイヨンという名前だけの規格も、格付の対象となるJAS品目の一覧にはありませんでした。
ここで注意が1つ。JAS規格は任意です。認証を受けていない商品は、この基準に縛られません。「コンソメ」と書いてある商品すべてが上の数字に収まるわけではありません。
お湯で溶くタイプではなく、そのまま温めるスープも同じように調べました。粉末7商品が7つともスラッシュ入りだったスープの調べでは、差が出たのは容器ではなく、とろみの付け方でした。
どこで買って、どれを選ぶか
18商品の表示から、買う場所を3つに絞ります。
1つめ。固形のまま替えたいなら、自然食品の店か公式通販。固形で0品目は創健社のチキンコンソメだけでした。1個4.5gで食塩相当量2.0g、45gで389円(税込)です。
2つめ。塩を自分で決めたいなら、顆粒の食塩不使用タイプ。ムソーの野菜でうまみは1包3.5gで0.1g、18商品でいちばん低い値でした。3.5g×6包で410円(税込)。味つけは自分で足す前提です。
3つめ。毎週の注文にのせたいなら、生協の宅配。生活クラブの洋風だし顆粒は1袋8gで1.63g、80gで495円(税込)。原材料名は4つで終わります。
逆に、スーパーだけですませたいなら、あきらめる部分が出ます。スーパーの固形と粉末で0品目に当てはまる商品は、今回はありませんでした。
ここまでが調味料の話です。そもそも、おかずごと入れ替える手もあります。使わない原料を公式に書いている惣菜が、冷蔵のまま家に届きます。
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よくある質問
- Q原材料名にスラッシュがないコンソメは、スーパーで買えますか?
- A
今回の18商品では、0品目の7商品はいずれも自然食品の店、公式通販、生協の宅配が入手先でした。創健社、ムソー、オーサワジャパンは公式サイトに取扱店のページを置いています。生活クラブは組合員向けの注文サイトで扱っています。
- Qコンソメとブイヨンに、法律上の決まりはありますか?
- A
乾燥スープの日本農林規格に「乾燥コンソメ」の定義と品質基準があります。食塩は調理後のスープ1000mL当たり12g以下、全窒素は170mg以上です。いっぽう「ブイヨン」の語は、この規格には出てきません。なおJAS規格は任意なので、認証を受けていない商品は対象外です。
- Q酵母エキスやたん白加水分解物は、添加物にあたりますか?
- A
どちらも食品として扱われます。乾燥スープの日本農林規格は、たん白加水分解物を煮出汁と同じ列の原料として挙げています。そのためスラッシュより前に印刷され、添加物の品目数には入りません。今回0品目だった7商品にも、すべて酵母エキスが入っていました。
- Q「化学調味料不使用」と書いてある商品は減っているのですか?
- A
今回18商品の公式ページでこの語が出たのは、パルシステムの2商品だけでした。消費者庁のガイドラインは、化学調味料の用語がかつてJAS規格にあったと書いています。平成元年に削除され、食品表示基準では使われたことがない、とも続きます。中身の話ではなく、使ってよい言葉かどうかの話です。
まとめ:形を替えると、原材料名の長さが変わる

18商品の表示から出た答えは3つあります。
1つめ。スラッシュの後ろでいちばん多かったのは、調味料(アミノ酸等)でした。表示があった8商品のうち6商品に入っています。
2つめ。0品目の7商品は、6つが顆粒でした。固形は1つ、粉末はゼロです。売り場より先に、形を替えるほうが近道でした。
3つめ。0品目でも、うま味の材料はゼロではありません。7商品すべてに酵母エキスが関わり、いずれもスラッシュより前に印刷されていました。
明日やることは1つ。いま家にあるコンソメの箱を裏返して、スラッシュの有無と、原材料名の1番目を控えておく。1番目が食塩なら、塩の量は多めです。
この読み方は洋風にかぎりません。100g当たりの数字を出したうま味調味料無添加の中華調味料の数字もどうぞ。
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