ラベルさん先に結論です。スパムに使われている添加物は2つだけでした。加工デンプンと、発色剤(亜硝酸Na)。同じ売り場のポーク缶を6商品ぶん確かめたところ、スパムはむしろ添加物が少ないほうでした。
そのかわり、はっきり多いものがあります。食塩です。レギュラースパムは100gあたり2.5g、1缶340gだと8.5gになります。この記事では6商品を添加物の品目数で並べ、そのうえで1缶の食塩をどう扱えばいいかまで書きます。数字はすべて2026年8月22日に各社公式サイトで確認したものです。
「添加物だらけ」と言われるのは、色と3年という数字のせい

スパムが疑われる理由ははっきりしています。中身がきれいなピンク色で、常温のまま3年ももつからです。ふつうの豚肉はそうならないので、何かたくさん入っていると思われます。
ところが沖縄ホーメルの公式サイトに載っているレギュラースパム340gの原材料名は、たった一行です。「豚肉、食塩、砂糖/加工デンプン、発色剤(亜硝酸Na)」。スラッシュ(/)より後ろが添加物なので、使われているのは加工デンプンと発色剤の2つということになります。
ピンク色を作っているのが発色剤で、3年もつのは缶に密封して加熱してあるからです。長もちさせているのは添加物ではなく、缶そのものです。この読み方は無添加冷凍食品はスーパーで買える?売り場での選び方にも書きました。
ポーク缶6商品を、添加物の品目数で並べた

順位のつけ方は2つだけです。味は入れていません。
- 原材料名に書かれた添加物が、いくつ並んでいるかを数える
- 同数のときは、100gあたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
| 順位 | 商品 | 添加物の品目数 | 使われている添加物 | 脂質 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | チューリップ ポークランチョンミート | 5 | カゼインNa、リン酸Na、香辛料抽出物、酸化防止剤、発色剤 | 24g | 2.1g |
| 2 | チューリップ ベーコンランチ | 3 | リン酸Na、カゼインNa、発色剤 | 21g | 2.5g |
| 3 | レギュラースパム340g | 2 | 加工デンプン、発色剤 | 28.6g | 2.5g |
| 4 | 減塩スパム340g | 2 | 加工デンプン、発色剤 | 26.2g | 1.88g |
| 5 | うす塩スパム340g | 2 | 加工デンプン、発色剤 | 19.9g | 1.88g |
| 6 | わしたポークJAPAN 無塩せき | 0 | なし | 公式に記載なし | 公式に記載なし |

脂質と食塩相当量は100gあたりに換算しました。チューリップと沖縄ホーメルはもともと100gあたりで出していますが、缶の大きさが商品ごとに違うためです。4位と5位は食塩も同じだったので、脂質の多い減塩スパムを上に置きました。6位のわしたポークJAPANは栄養成分が公式に出ていません。
先に断っておきます。この順位は添加物の品目数が多い順であって、体に悪い順ではありません。
数が多かったのは、肉をつなぐために足した商品だった

上位2商品に入っていて、スパムに入っていない添加物があります。カゼインNaとリン酸Naです。
カゼインNaとリン酸Naは、肉と水をつなぐために使う
どちらも、ばらばらになりやすい肉と水と脂をなじませて、切ったときに崩れないようにするために使われます。1位のチューリップポークランチョンミートには、原材料名の2番目に「水」が書かれています。水を足して作るぶん、つなぐための添加物が要るという順番です。
スパムの2つは、色と食感のために使う
スパムの加工デンプンは食感を整えるため、発色剤は肉の色をピンクに保つためのものです。豚肉、食塩、砂糖のあとにこの2つが並ぶだけで、味をつけるための調味料は書かれていませんでした。
いっぽう6位のわしたポークJAPANは、原材料名が「食肉(豚肉、鶏肉)、ばれいしょでん粉、食塩、黒糖、こしょう」で終わります。発色剤を使っていないので無塩せきと呼ばれ、切り口の色も白っぽくなります。
つまり、6商品の差を作っていたのは保存の長さではなく水を足すかどうかと、色をつけるかどうかでした。
ただし「添加物が2つ=安心」でもない

ここを混ぜると判断を誤ります。日本で使用が認められている添加物には使用量の上限があり、品目数の多さは、そのまま摂取量の多さを意味しません。逆に、数が少ないから安心という話にもなりません。
毎日の体に効いてくるのは、表のいちばん右の列です。レギュラースパムは100gあたり食塩相当量2.5g。1缶340gを全部食べると8.5gになります。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、食塩の目標量は18歳以上の男性で1日7.5g未満、女性で6.5g未満です。1缶で1日ぶんを超えます。
脂質も、レギュラースパムの28.6gは1位のチューリップ(24g)より多い数字です。添加物の品目数と、毎日積み上がる数字は一致しません。
食塩の多さは、ほかの食肉加工品でも同じでした。生ハムの食塩と添加物を比べた記事では100gあたり3.4gから7.4gまで開きがあり、マルシンハンバーグ6商品の表示を見比べた記事では添加物ゼロの商品がいちばん食塩の多い結果になっています。同じ加工肉でも、ハムとベーコン6商品を100gにそろえた記事では食塩相当量が1.3gから3.2gにおさまり、大きく動いたのは脂質のほうでした。
じゃあ、どう食べればいいか

やることは1つです。1缶を4回に分けます。
340gを4等分すると1切れ85g。食塩は2.1gになり、1食ぶんとして無理のない量に収まります。減塩スパムやうす塩スパムなら1.6gです。缶を開けたその日に全部焼かない、それだけで数字は4分の1になります。
「無添加」という言葉が実際に何を指すのかは無添加とは?にまとめました。同じように加工肉が疑われる話はマーガリンは体に悪い?でも数字を確かめています。
ただし限界もあります。ポーク缶を4回に分けても、その4回ぶんのおかずが決まるわけではありません。スパムが売れているのは、切って焼くだけで一品になるからです。手を抜けるメインのおかずが要るから、常温で置ける缶に手が伸びます。
だから手間はかけたくない、でも食塩と添加物は減らしたいという人には、別の選択肢があります。添加物を使わないと決めて作った惣菜を、届けてもらう方法です。
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よくある質問
- Qスパムに保存料は入っていますか?
- A
レギュラースパム・減塩スパム・うす塩スパムの3商品とも、原材料名に保存料は書かれていませんでした。書かれているのは加工デンプンと発色剤(亜硝酸Na)の2つだけです。常温で3年もつのは、缶に密封してから加熱しているためです。
- Q減塩スパムとうす塩スパムは何が違いますか?
- A
公式サイトの数字では、食塩相当量はどちらも100gあたり1.88gで同じです。違うのは脂質で、減塩スパムが26.2g、うす塩スパムが19.9gでした。脂質まで下げたいならうす塩スパムという分かれ方になります。
- Q発色剤を使っていないポーク缶はありますか?
- A
あります。わしたポークJAPANは原材料名が「食肉(豚肉、鶏肉)、ばれいしょでん粉、食塩、黒糖、こしょう」で終わり、添加物の記載がありません。こうした商品は無塩せきと呼ばれ、切り口の色が白っぽくなります。
- Q添加物の数はどこで確認できますか?
- A
各メーカーの公式サイトの商品ページに、原材料名がそのまま載っています。スラッシュ(/)より後ろが添加物です。売り場では缶の裏の同じ位置を見れば、その場で数えられます。
缶詰は他の中身でも見方は変わりません。さんまの蒲焼は0個から2個、いわしは水煮のほうが食塩の多い商品もありました。フルーツ缶のシロップは、残す量で糖質が28.4g変わります。
まとめ:見るのは添加物より、1缶の食塩

6商品を並べて出た答えは1つです。スパムの添加物は加工デンプンと発色剤の2つだけで、比べた中では少ないほうでした。多いのは食塩で、レギュラースパムは1缶で8.5gになります。
明日やることは1つ。缶を開けたら全部焼かずに、4等分して1切れだけ使う。それだけで、1食の食塩は2.1gに収まります。
そのうえで「切って焼くだけのメインのおかずを、もっと減塩で用意したい」なら、宅配に切り替える手があります。5社の原材料表示を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と仕組みを確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
豚肉の加工品という点ではポーク缶に近いのに、ウインナーは公式が出す表示の単位が商品ごとにばらばらでした。シャウエッセンと他5商品の原材料名をたどった記事に、そろえ直した数字を載せています。
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