ラベルさん色をつける表示が多かったのは、明太子ではなく鮭フレークのほうでした。ごはんのおともを3種類に区切り、22商品ぶんの原材料名を各社の公式ページから写し取りました。名前の印象と裏の表示は、そろいません。
辛子明太子とたらこは8商品、鮭フレークは7商品、塩昆布は7商品。スラッシュの後ろが空だった商品は4つありました。発色剤の表示が出たのは、明太子とたらこの8商品中7つです。表示の取得日は2026年8月30日。各社が公開している商品ページの内容で、2026年9月2日に22商品のページをもう一度開き、品目数が変わっていないことをたしかめました。
「無着色」と「無添加」は、指している範囲が違う

結論から書きます。「無着色」は着色料を使っていないという意味だけです。ほかの添加物が入っているかどうかは、この4文字からは分かりません。
この線引きを示したのが、食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(消費者庁)です。注意すべき10類型の1つめが、対象を書かない単独の「無添加」でした。何を入れていないのかが伝わらない、という整理です。
4つめの類型には、着色料の例も出てきます。
既存添加物の着色料を使用した食品に、○○着色料が不使用である旨を表示(○○着色料とは、指定添加物の着色料をいう。)
裏返すと、対象を書いた不使用表示は別の扱いです。「無着色」は対象が着色料だと分かる書き方なので残り、単独の「無添加」は減りました。
辛子明太子には、業界の自主ルールが用意されている
辛子明太子には、この線引きを条文にした業界ルールがあります。全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会が運用する公正競争規約で、1988年の認定です。施行規則の第5条第7号を引きます。
「無添加」又はこれに類似する用語は、無添加である原材料名等が明確に併記され、かつ、当該原材料等が使用されていないことが確認できる場合でなければ使用することができない。
同じ号は、添加物について「無添加」と書く場合の条件も足しています。栄養強化の目的やキャリーオーバー、加工助剤まで含めて一切使っていないこと。「無着色」なら着色料を使っていないことを示せば足り、単独の「無添加」はキャリーオーバーや加工助剤まで問われます。
メーカーも、この2つの違いを説明している
作り手の説明も同じ向きです。博多辛子明太子の島本は、公式サイトで2つの違いを示しています。
発色剤:もともと食品がもっている色を引き出す
着色料:もとの色とは全く違う色もつけることができる
同社は「島本の明太子は、全て無着色となっています」と書いています。そのうえで、発色剤の亜硝酸ナトリウムを使うことも公開しました。無着色と発色剤入りは、同時に成り立ちます。言葉のルールは売り場ぜんぶで0品目を探した本編にまとめました。
3種22商品の表示|添加物は合計69品目

数え方の決まりは2つです。味の良し悪しは入れていません。
- メーカーや生協の公式ページから原材料名を書き写す
- スラッシュより後ろの表示を、かたまりごとに1品目として計上する
書き方が違うのは2社です。島本のオリジナル辛子明太子は原材料名にスラッシュがなく、添加物にあたる4つの表示を品目数としました。トップバリュは公式ページで添加物を「添加物」という別の欄に分けています。塩昆布、大豆たんぱく入りさけフレーク、鮭めんたいの3商品は、その欄の中身を表の「スラッシュの後ろ」に入れました。原材料名の欄だけを見ると0品目に見えますが、添加物は別の欄に載っています。
辛子明太子・たらこ8商品|0品目は1つ、発色剤ありは7つ
| 商品 | 内容量 | 品目数 | スラッシュの後ろ | 着色料 | 発色剤 |
|---|---|---|---|---|---|
| かねふく [無着色]辛子明太子 | 360g | 5品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、増粘多糖類、酵素、発色剤(亜硝酸Na) | なし | あり |
| やまや うちのめんたい 切子[中辛] | 460g | 7品目 | ソルビット、調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、酒精、酵素、発色剤(亜硝酸Na)、香辛料 | なし | あり |
| ふくや 味の明太子レギュラー | 385g | 6品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(V.C)、ナイアシン、着色料(赤102、黄5、赤3)、発色剤(亜硝酸Na)、酵素 | あり | あり |
| ふくや 味の明太子無着色レギュラー | 100g | 5品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(V.C)、ナイアシン、発色剤(亜硝酸Na)、酵素 | なし | あり |
| ふくや ふくやのたらこ まろやか仕立て | 120g | 6品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(V.C)、ナイアシン、酸味料、発色剤(亜硝酸Na)、酵素 | なし | あり |
| 島本 オリジナル辛子明太子 切れ子 | 280g | 4品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、ナイアシン、発色剤(亜硝酸Na) | なし | あり |
| 島本 昆布漬け辛子明太子ほぐし切れ子 | 200g | 6品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、ナイアシン、発色剤(亜硝酸Na)、甘味料(ソルビット)、保存料(ソルビン酸K) | なし | あり |
| 生活クラブ からし明太子(アラスカ産) | 80g | 0品目 | スラッシュなし | なし | なし |
出典はかねふく、やまや、ふくやのレギュラー・無着色・たらこ、島本の切れ子・昆布漬け、生活クラブの各商品ページです。
鮭フレーク7商品|0品目は2つ、着色料ありは5つ
| 商品 | 内容量 | 品目数 | スラッシュの後ろ | 着色料 | 発色剤 |
|---|---|---|---|---|---|
| トップバリュ 鮭フレーク | 52g | 3品目 | ソルビトール、調味料(アミノ酸等)、着色料(紅麹、カロテノイド) | あり | なし |
| トップバリュ 大豆たんぱく入りさけフレーク カルシウム入り | ― | 5品目 | 調味料(アミノ酸等)、骨カルシウム、ソルビトール、着色料(黄5、赤102)、ビタミンD | あり | なし |
| トップバリュ 鮭めんたい | ― | 5品目 | 調味料(アミノ酸等)、香辛料抽出物、増粘剤(加工でん粉)、香料、着色料(トウガラシ色素、黄5、赤102) | あり | なし |
| CO・OP たっぷり使える鮭フレーク | 120g | 2品目 | 調味料(アミノ酸等)、着色料(ベニコウジ色素、クチナシ黄色素) | あり | なし |
| CO・OP 北海道の鮭フレーク | 50g | 2品目 | 調味料(アミノ酸等)、着色料(ベニコウジ色素、パプリカ色素) | あり | なし |
| CO・OP 紅鮭フレーク 2本組 | ― | 0品目 | スラッシュなし | なし | なし |
| CO・OP 山漬け製法 荒ほぐし鮭 | 70g | 0品目 | スラッシュなし | なし | なし |
出どころはトップバリュの鮭フレーク・大豆たんぱく入り・鮭めんたいです。あわせてコープ商品情報検索のたっぷり使える・北海道の鮭・紅鮭・荒ほぐし鮭です。
塩昆布7商品|0品目は1つ、着色料ありは1つ
| 商品 | 内容量 | 品目数 | スラッシュの後ろ | 着色料 | 発色剤 |
|---|---|---|---|---|---|
| くらこん塩こんぶ | 130g | 3品目 | 調味料(アミノ酸等)、甘味料(ソルビトール、甘草)、増粘多糖類 | なし | なし |
| トップバリュ 北海道産昆布使用塩昆布 | ― | 3品目 | 調味料(アミノ酸等)、甘味料(ソルビトール、カンゾウ)、増粘多糖類 | なし | なし |
| フジッコ きざみ塩こんぶ 梅しそ | 32g | 4品目 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、香料、クチナシ色素 | あり | なし |
| フジッコ ふじっ子 小袋 | 28g | 1品目 | 調味料(アミノ酸等) | なし | なし |
| フジッコ 減塩ふじっ子 | 27g | 1品目 | 調味料(アミノ酸等) | なし | なし |
| CO・OP 塩吹昆布 | 30g | 1品目 | 調味料(アミノ酸等) | なし | なし |
| オーサワジャパン 塩吹き昆布 | 30g | 0品目 | スラッシュなし | なし | なし |

出典はくらこん、トップバリュ、フジッコのふじっ子・減塩・梅しそ、CO・OP、オーサワジャパンです。
この順番は表示されている品目数の順であり、安全性の順位ではありません。3種類の合計は69品目。1商品あたりでは明太子とたらこが4.9品目、鮭フレークが2.4品目、塩昆布が1.9品目でした。
発色剤の表示が出たのは、明太子とたらこだけだった

3つの表を並べると、発色剤のところだけがはっきり分かれます。あったのは明太子とたらこの7商品、鮭フレークと塩昆布は14商品とも0でした。偶然ではありません。
使える食品が法令で決まっているためです。厚生労働省が公表する添加物の使用基準に、亜硝酸ナトリウムの条文があります。
亜硝酸ナトリウムは、食肉製品、鯨肉ベーコン、魚肉ソーセージ、魚肉ハム、いくら、すじこ及びたらこ(スケトウダラの卵巣を塩蔵したものをいう。以下この目において同じ。)以外の食品に使用してはならない。
7つの食品名に、鮭も昆布も入っていません。鮭フレークと塩昆布には、そもそも使えない添加物です。条文にはたらこの定義も丸かっこで入っています。
残ってよい量は、食品ごとに14倍の差がある
同じ条文は、残ってよい量も食品ごとに変えています。数字は亜硝酸根として、製品1kgあたりです。
- 食肉製品および鯨肉ベーコン……0.070g
- 魚肉ソーセージおよび魚肉ハム……0.050g
- いくら、すじこおよびたらこ……0.0050g
たらこの上限は、食肉製品の14分の1です。ハムやソーセージの数字をそのまま明太子に持ってくると、判断がずれます。
何のために入るのかは、消費者庁の用途名の解説にある
用途の一覧は、食品添加物表示に関するマメ知識という消費者庁の資料にあります。着色料と発色剤は別々の行です。
- 着色料……食品を着色し、色調を調整する
- 発色剤……ハム・ソーセージなどの色調を改善する
この2つは、食品表示基準で用途名の併記が求められる8つの用途に入ります。だから袋の裏には、何のためかが分かる形で「発色剤(亜硝酸Na)」と出ます。魚の加工品での扱いはちくわとかまぼこの表示が分かれた回が近い話です。
0品目だったのは、生活クラブの1商品
8商品でスラッシュがなかったのは生活クラブのからし明太子(アラスカ産)だけでした。原材料は卵巣、砂糖、食塩、昆布、唐辛子、塩ゆず皮の6つ。商品ページには「着色料や亜硝酸塩は使用していません」とあり、80gで税込589円です。
色をつける表示が多かったのは、鮭フレークのほう

着色料の表示は、明太子より鮭フレークのほうが多く出ました。鮭フレーク7商品のうち5商品に着色料の表示があり、明太子とたらこ8商品では1商品だけです。
中身も分かれます。トップバリュの鮭フレークは紅麹とカロテノイド、CO・OPの2商品はベニコウジ色素が中心でした。いっぽう大豆たんぱく入りさけフレークと鮭めんたいには、黄5と赤102が入ります。大豆たん白を混ぜた商品のほうが、色の表示が増えていました。
0品目の2商品は、どちらも生協の瓶詰め
CO・OP 紅鮭フレーク 2本組は紅さけ、植物油脂、食塩、清酒、砂糖の5つ。着色料を使わず、素材の自然な色を大切にしたと書かれています。山漬け製法 荒ほぐし鮭 70gは、さけ、食塩、植物油脂、砂糖、清酒の5つでした。
大手2社は、公式ページに原材料名を出していない
公式サイトで原材料名まで読めるかどうかは、メーカーで違います。マルハニチロのさけフレーク50gとニッスイの焼さけあらほぐしは、栄養成分と産地とアレルギー物質までです。福さ屋の切子 家庭用 無着色 辛子めんたい180gも原産地までです。
塩昆布は品目数が少なく、公的な規格も見つからなかった

3種類で最も品目数が少なかったのは塩昆布です。7商品の合計は13品目、うち4商品は1品目か0品目でした。原材料も昆布、しょうゆ、食塩、砂糖など5つから8つです。例外はフジッコのきざみ塩こんぶ 梅しその4品目で、しそと梅を足したぶん酸味料、香料、クチナシ色素が加わりました。
塩昆布に、公的な規格や表示ルールはなかった
塩昆布には、明太子のような業界ルールがあるのでしょうか。公正競争規約にもJAS規格にも、塩昆布の項目は入っていませんでした。
消費者庁の公正競争規約が設定されている業種には、表示関係66規約が載ります。食品関係36規約に辛子めんたいこ食品はありますが、昆布の加工品はありません。農林水産省のJAS規格の告示一覧にも、削りぶしやハム類は並ぶ一方で昆布の規格はありませんでした。
等級がつくのは、加工前の乾燥昆布だけ
いっぽう、原料の乾燥昆布には格付があります。一般社団法人北海道水産物検査協会の説明では、JAS規格と北海道条例が廃止されました。同協会は平成17年、北海道の要綱による登録格付機関として認可されています。「北海道こんぶ製品規格」に沿って等級がつきます。対象は乾燥昆布までです。
ごはんに乗せるものでは、海苔の原材料名がいちばん短く、1行で終わります。焼きのり5商品の原材料名が1行で終わった回では、5商品とも0品目で、書いてあるのは産地だけでした。
無添加のごはんのおともを、どこで買うか

買える場所は3つに分かれました。0品目の4商品のうち3つは生協、1つは自然食品の売り場です。
1つめ:いつものスーパーで塩昆布から替える
いちばん替えやすいのは塩昆布です。フジッコのふじっ子は小袋28gが税込203円、大袋46gが税込278円。減塩ふじっ子は27gで税込213円で、どちらも1品目でした。
鮭フレークなら、トップバリュの鮭フレーク52gが本体398円です。ただし3品目で、着色料の表示も入ります。同じ売り場でも、種類によって結果は別ものです。他の売り場の結果はイオンで10商品の表示を写した回にあります。
2つめ:生協の注文書から入る
生活クラブのからし明太子(アラスカ産)80gは税込589円。CO・OPの紅鮭フレーク、荒ほぐし鮭、塩吹昆布は、各地域の生協の注文で扱われます。
生協は加入の手続きが必要です。そのかわり、注文の前に原材料名まで公開されています。
3つめ:メーカー通販と自然食品の売り場
オーサワジャパンの塩吹き昆布30gは518円(税抜480円)。原材料は真昆布、醤油、てんさい含蜜糖、食塩、米酢の5つです。
明太子はメーカー直販が中心でした。かねふくの無着色360g、ふくやの無着色レギュラー100g、島本のオンラインストアが代表格です。店頭ではセブンプレミアムの辛子明太子 無着色 80gが税込386円で、ヨークグループの店で扱われます。
3つのうち続けやすいのは1つめです。理由は、塩昆布の品目数が少なく、値段の幅も小さいことにあります。明太子まで替えるなら2つめが早いです。
シェフの無添つくりおき

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- 化学調味料・保存料など不使用(公式表記)
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瓶詰めのおともは、食塩相当量の差が大きくなりました。100gにそろえると2.5gから17.3gまで6.9倍です。数字は瓶詰め6商品の食塩相当量の開きにあります。
正月のおせちになると、明太子で見た発色剤の話が黒豆や栗きんとんにも出てきます。看板ではなく品目ごとに決まったおせち通販の表示を見ると、公式が書いている無添加の言葉と中身は別でした。
明太子とたらこだけを、もっと細かく見たい場合は別に書いています。15商品を品目数の多い順にならべた記事では、スラッシュの表示がなかった5商品と、その5つがどれも作り手の通販でしか買えなかったことまでたどっています。
よくある質問
- Q無着色の明太子なら添加物は入っていませんか?
- A
「無着色」が示すのは着色料の不使用だけです。今回の明太子とたらこ8商品では、着色料の表示がない7商品すべてに発色剤(亜硝酸Na)が入っていました。袋の裏でスラッシュの後ろをご確認ください。
- Q鮭フレークや塩昆布に発色剤は使われていますか?
- A
鮭フレークと塩昆布の14商品には、1つもありませんでした。亜硝酸ナトリウムの使用基準が認めているのは、食肉製品、鯨肉ベーコン、魚肉ソーセージ、魚肉ハム、いくら、すじこ、たらこだけです。鮭も昆布も入っていません。
- Q辛子明太子に公的な決まりはありますか?
- A
景品表示法にもとづく「辛子めんたいこ食品の表示に関する公正競争規約」があります。1988年の認定で、辛子めんたいこは、すけとうだらの卵巣に唐辛子を原料とする調味液等で味付けしたものと定義されています。
- Q塩昆布に等級や規格はありますか?
- A
塩昆布には、公正競争規約もJAS規格もありません。等級がつくのは原料の乾燥昆布です。北海道水産物検査協会が登録格付機関として、北海道こんぶ製品規格に沿った格付を行っています。
まとめ:3種類は、同じ選び方では決まらない

22商品から出た答えは3つです。1つめは、発色剤の表示が明太子とたらこの7商品だけに出たこと。鮭フレークと塩昆布14商品には0でした。
2つめは、色をつける表示が鮭フレークに多かったこと。7商品中5商品にあり、明太子とたらこでは1商品だけ。名前の印象とは逆の結果です。
3つめは、スラッシュの後ろが空だった商品が4つあったこと。生活クラブのからし明太子、CO・OPの紅鮭フレークと荒ほぐし鮭、オーサワジャパンの塩吹き昆布です。
明日やることは1つです。「無着色」の4文字ではなく、その裏のスラッシュの後ろに何が書かれているかを確認する。何もなければ、表示上は0品目です。
ごはんのおともを広げたいときは、梅干し6商品の食塩相当量を出した回と納豆に付くたれの中身を確認した回が近い話です。
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