ラベルさん辛子明太子、たらこ、明太子のペースト。この3種類から15商品を選び、メーカーと販売者が自社で公開している表示だけを集めました。写し取った日は2026年9月4日です。
添加物の表示がなかったのは5商品。そして5商品とも、作り手が自分で売っている通販でしか手に入りませんでした。イオンと生協で買える6商品には、いずれも表示がついています。
「無添加の明太子は見つからない」と言われる出どころ

言われるとおりでした。15商品のうち10商品には、スラッシュより右の表示が付いています。いちばん長いもので9品目でした。
探しにくさには、もうひとつ別の理由があります。売り場でいちばん目に入る4文字が「無着色」だからです。この4文字が言っているのは、色をつける添加物のことだけです。ほかの添加物については何も言っていません。
言葉のほうの決まりごとは、辛子明太子の業界ルールと消費者庁のガイドラインを引いた無着色と無添加で指す範囲が変わる理由をまとめた回にまとめてあります。ここでは、その言葉が実際の商品でどう分かれたかだけを追います。
明太子・たらこ15商品の表示を、品目数の多い順にならべた

スラッシュから右が添加物の欄です。読み方は1つだけ決めておきます。かっこでくくられたかたまりは、中身がいくつ並んでいても1品目として扱います。
書き方が違う会社が1社あります。イオンのトップバリュは公式ページで「原材料名」と「添加物」を別の欄に分けています。3商品はその欄の中身を、下の表の「スラッシュより右の表示」に入れました。原材料名の欄だけを読むと0品目に見えますが、添加物は横の欄に載っています。
| 商品 | 販売者・製造元 | 買える先 | スラッシュより右の表示 | 品目数 |
|---|---|---|---|---|
| ねり明太(辛子明太子ペースト)160g | イオン(トップバリュ) | スーパー | ソルビトール、酒精、増粘剤(加工でん粉)、pH調整剤、調味料(アミノ酸等)、安定剤(キサンタンガム)、香料、アカダイコン色素、酸味料 | 9 |
| 化粧箱入り辛子明太子 紡 222g | 稚加榮 | 通販 | 調味料(アミノ酸等)、ナイアシン、酸化防止剤(ビタミンC)、酸味料、着色料(赤102、黄5、赤3)、発色剤(亜硝酸Na)、酵素 | 7 |
| 化粧箱入り 無着色辛子明太子 222g | 稚加榮 | 通販 | 調味料(アミノ酸等)、ナイアシン、酸化防止剤(V.C)、酸味料、発色剤(亜硝酸Na)、酵素 | 6 |
| ご家庭用 あごだしめんたいこ(うまくち)80g | 久原本家 椒房庵 | 通販 | 調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、酸化防止剤(V.C)、ナイアシン、グリシン、発色剤(亜硝酸ナトリウム) | 6 |
| たらこ 5食入(たらこソース) | CO・OP | 生協 | 調味料(アミノ酸等)、乳化剤、アルコール、増粘剤(キサンタンガム)、着色料(ベニコウジ色素、クチナシ黄色素)、香辛料抽出物 | 6 |
| [無着色]辛子明太子(上切)180g | かねふく | 通販 | 調味料(アミノ酸等)、酸化防止剤(ビタミンC)、増粘多糖類、酵素、発色剤(亜硝酸Na) | 5 |
| MSC認証焼き辛子明太子 76g | イオン(トップバリュ) | スーパー | 調味料(アミノ酸等)、ソルビット、酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na)、香辛料抽出物 | 5 |
| たらこスプレッド 120g | イオン(トップバリュ) | スーパー | 調味料(アミノ酸等)、着色料(ベニコウジ、コチニール、カロテン)、香料(乳・さけ・大豆由来)、乳化剤(大豆由来)、酸化防止剤(ビタミンE) | 5 |
| 無着色皮なし辛子明太子 60g×2個 | CO・OP | 生協 | 調味料(アミノ酸等)、ソルビトール、酸化防止剤(ビタミンC)、酸味料、ナイアシン | 5 |
| 無着色辛子明太子 木箱 110g | 味の丸屋 | 通販 | 酸化防止剤(ビタミンC)、発色剤(亜硝酸Na) | 2 |
| 無添加辛子明太子 150g | 味の丸屋 | 通販 | スラッシュの表示なし | 0 |
| 無添加明太子 国産・極み 90g | 海千 | 通販 | スラッシュの表示なし | 0 |
| 無添加明太子(並切)500g | 海千 | 通販 | スラッシュの表示なし | 0 |
| 鰹節と昆布の天然だし明太子 150g | みなと水産 | 通販 | スラッシュの表示なし | 0 |
| 鰹節と昆布の天然だしカットたらこ 170g | みなと水産 | 通販 | スラッシュの表示なし | 0 |
数字は、かねふくの上切、稚加榮の紡と無着色、久原本家のあごだしめんたいこ、味の丸屋の無添加と無着色、海千の国産・極みと並切、みなと水産の明太子とカットたらこ、CO・OPの無着色皮なしとたらこ5食入、トップバリュのねり明太・焼き辛子明太子・たらこスプレッドの各商品ページから写しました。
15商品の合計は56品目です。上下の並びは品目数の多い順で、おいしさや品質の順ではありません。
0品目の5商品について、ひとこと添えます。ここでの0品目は、公式ページの表示に出ていないという意味です。仕上がるまでに役目を終えるもの(加工助剤)と、原料から持ち込まれて製品では働かないもの(キャリーオーバー)には、書かなくてよい決まりがあるためです。
「無着色」と書いてある4商品を、1つずつ照合した

15商品のうち、商品名に「無着色」を掲げているのは4商品でした。かねふくの上切、稚加榮の222g、味の丸屋の木箱、CO・OPの皮なしです。この4つを1つずつ、発色剤の表示があるかどうかで突き合わせました。
結果は3対1です。かねふく・稚加榮・味の丸屋の3商品には発色剤(亜硝酸Na)が書かれていて、CO・OPの1商品には書かれていませんでした。
CO・OP 無着色皮なし辛子明太子の右側は、調味料(アミノ酸等)、ソルビトール、酸化防止剤(ビタミンC)、酸味料、ナイアシンの5品目です。色をつけるものも、色を保つものも並んでいません。「無着色」の4文字だけでは、発色剤が入っているかどうかは分かりません。それを示しているのが、このCO・OPの1商品です。同じ4文字でも、中身は商品ごとに違います。
同じ会社が、2つの言葉を使い分けている
いちばん分かりやすいのは味の丸屋でした。同じ会社が「無着色辛子明太子」と「無添加辛子明太子」を別々に売っています。
無着色のほうは、すけとうだらの卵、塩、唐辛子、清酒、味醂、鰹節、昆布、還元水飴に、酸化防止剤(ビタミンC)と発色剤(亜硝酸Na)の2品目が続きます。無添加のほうは、すけとうだらの卵、塩、唐辛子、清酒、味醂、鰹節、昆布、蜂蜜だけで、スラッシュがありません。違うのは、還元水飴が蜂蜜に替わっている点と、右側の2品目があるかないかだけです。
同社は公式ページで、発色剤についてこう書いています。
「発色剤」を極力少なくして行こうと、より低い量での自社基準を設けて努力を重ね、現在「無着色辛子明太子」でも仕上がり段階でほとんど検知しない量まで抑えられています。
使うか使わないかの二択ではなく、量の話として書かれているのが特徴です。値段は無着色の木箱110gが1,125円(税込)、無添加の150gが2,145円(税込)でした。
発色剤は、使える食品と残ってよい量が条文で決まっている

亜硝酸ナトリウムは、どの食品にでも入れられる添加物ではありません。厚生労働省が公表している添加物の使用基準に、名前ごとの条文があります。
条文が名前を挙げているのは7つの食品だけです。ハムやベーコンなどの食肉製品と鯨肉ベーコン、魚肉ソーセージと魚肉ハム、そして魚卵のいくら・すじこ・たらこ。この最後のたらこが、明太子の原料にあたります。
残ってよい量は、その7つの中でもさらに分かれます。条文はこう書いています。
亜硝酸ナトリウムは、亜硝酸根として、食肉製品及び鯨肉ベーコンにあってはその1kgにつき0.070gを超える量を、魚肉ソーセージ及び魚肉ハムにあってはその1kgにつき0.050gを超える量を、いくら、すじこ及びたらこにあってはその1kgにつき0.0050gを超える量を残存しないように使用しなければならない。
1kgあたり0.0050g。ハムやベーコンの0.070gの14分の1です。同じ添加物の名前でも、食品が変われば上限も変わるということです。
袋の裏に用途つきで出るのは、表示の決まりのため
「発色剤(亜硝酸Na)」という書き方には理由があります。食品表示基準の別表第六には、物質名だけでは足りない用途が8つ挙げられていて、発色剤はそのうちの1つだからです。同じ8つには着色料も保存料も酸化防止剤も入ります。
だから、袋の裏では役目とセットで出てきます。逆に言えば、この8つに入らない添加物は物質名だけで書かれるので、目に留まりにくくなります。
着色料のほうは、明太子を止める条文がなかった
今回、着色料の表示があったのは4商品です。稚加榮の紡には赤102、黄5、赤3。トップバリュのねり明太にはアカダイコン色素、たらこスプレッドにはベニコウジ、コチニール、カロテン。CO・OPのたらこ5食入にはベニコウジ色素とクチナシ黄色素でした。
番号のついた3つには、使ってはいけない食品の一覧が条文についています。カステラ、きなこ、魚肉漬物、鯨肉漬物、こんぶ類、しょう油、食肉、食肉漬物、スポンジケーキ、鮮魚介類、茶、のり類、マーマレード、豆類、みそ、めん類、野菜、わかめ類。この並びに魚卵は入っていません。明太子に赤や黄の番号が出てくるのは、そのためです。
買える場所は3つ。置いてあるものが違った

15商品を買える先で分け直すと、3つに分かれました。中身の傾向も、きれいに分かれます。
1つめ、スーパーの売り場
イオンのトップバリュから3商品を確認しました。粒のものはMSC認証焼き辛子明太子76gで、本体298円(税込321.84円)。5品目で、発色剤(亜硝酸Na)が入ります。
残る2つはペーストとスプレッドです。ねり明太160gは本体398円で9品目、たらこスプレッド120gは本体278円で5品目。この2つには発色剤がありませんが、代わりに色をつける表示が入ります。塗るタイプに移ると、並ぶ添加物の顔ぶれ自体が変わりました。
ほかの売り場でどこまで0品目が見つかるかは、種類ごとに分けた売り場ごとに0品目の有無を確かめた記録にまとめています。
2つめ、生協の注文書
CO・OPからは2商品です。無着色皮なし辛子明太子60g×2個は、すけとうだらの卵巣(アメリカ)、米発酵調味液、食塩、たん白加水分解物、唐辛子、ぶどう糖、ゆずこしょうに、5品目が続きます。今回の15商品で、発色剤も着色料もなくて店で買えるのは、この1商品だけでした。
たらこ5食入のほうは、のりが別添のソースタイプで6品目。同じ生協の中でも、そのまま食べるものと調味済みのものでは表示の長さが違います。
生協は加入の手続きが必要です。そのぶん、注文する前に原材料名まで公開されている点は使いやすいところです。
3つめ、作り手の通販
0品目の5商品は、5つとも作り手の直販でした。内訳は味の丸屋の無添加辛子明太子150g(2,145円)、海千の国産・極み90g(1,620円)と並切500g(3,888円)、みなと水産の天然だし明太子150g(1,600円)と天然だしカットたらこ170g(1,404円)です。いずれも税込で、2026年9月4日に各社の公式ページで確認しました。
原料の作り方も似ています。海千の2商品は、すけとうだらの卵巣に食塩、本みりん、オリゴ糖、清酒、酵母エキス、唐辛子、かつお節エキス、醸造酢。みなと水産の2商品は、食塩、砂糖、魚醤、みりん、鰹節、昆布で、明太子にだけ唐辛子が足されます。うま味は、だしと発酵調味料で出しています。ここが共通していました。
いっぽう、同じ通販でも品目数が二桁近い商品もあります。稚加榮の紡は7品目、久原本家のあごだしめんたいこは6品目でした。通販だから短い、という話ではありません。
ただし、品目数の少なさは味の順位でも産地の順位でもない

ここまで品目数で並べてきましたが、この数字が言えることは限られています。順番はあくまで表示の長さの順で、おいしさや品質の順ではありません。
原料の産地とも結びついていませんでした。7品目の稚加榮 紡は北海道産のすけとうだらの卵、6品目の稚加榮 無着色はアメリカ産です。いっぽう0品目の海千 並切500gはロシア・アメリカ産、同じく0品目のみなと水産の2商品もロシアまたはアメリカ産でした。産地と品目数は、別々に見たほうが確実です。
値段の幅も無視できません。100gあたりに直すと、通販の0品目5商品は778円から1,800円までの幅に入ります。いっぽうトップバリュのMSC認証焼き辛子明太子は本体298円の76gで、100gあたり392円でした。品目数が少ない商品ほど、値段は高くなっていました。
この記事は表示の書かれ方と条文の数値を並べたもので、体への影響を判断するものではありません。無添加の表示に法律上の定義がないという話も、あわせてどうぞ。
よくある質問

- Q無添加の明太子はスーパーで買えますか?
- A
今回の15商品では見つかりませんでした。イオンのトップバリュ3商品はいずれも添加物の欄に表示があり、粒のMSC認証焼き辛子明太子76gには発色剤(亜硝酸Na)が入ります。表示のなかった5商品は、すべて作り手の通販でした。生協まで含めると、発色剤も着色料もないのはCO・OP 無着色皮なし辛子明太子の1商品です。
- Q「無着色」と書いてあれば発色剤も入っていませんか?
- A
別々の話です。今回、商品名に「無着色」を掲げていた4商品のうち3商品には発色剤(亜硝酸Na)の表示がありました。入っていなかったのはCO・OP 無着色皮なし辛子明太子の1商品だけです。着色料と発色剤は食品表示基準の別表第六で別の用途として並んでおり、着色料を使っていないからといって発色剤も使っていないとは限らず、その逆も同じです。
- Q亜硝酸ナトリウムはどの食品に、どれだけ使えるのですか?
- A
7つの食品名が、添加物の使用基準(厚生労働省)に挙がっています。食肉製品と鯨肉ベーコン、魚肉ソーセージと魚肉ハム、それに魚卵3種です。残ってよい量は亜硝酸根として1kgあたり、前の2つが0.070g、次の2つが0.050g、魚卵3種が0.0050gと分かれます。明太子はたらこの区分に入ります。
- Q明太子に赤や黄色の番号がついた着色料が使えるのはなぜですか?
- A
使ってはいけない食品の一覧に、魚卵が入っていないためです。食用赤色102号や食用黄色5号の条文には、カステラ、きなこ、魚肉漬物、こんぶ類、しょう油、食肉、鮮魚介類、のり類、豆類、みそ、めん類、野菜などが並びます。今回15商品で番号つきの着色料が出たのは、稚加榮の紡(赤102、黄5、赤3)の1商品でした。
まとめ:「無着色」の4文字ではなく、スラッシュの右側を見る

15商品の表示から出た答えは3つです。添加物の表示がなかったのは5商品で、5つとも作り手の通販だけで売られていました。味の丸屋、海千2商品、みなと水産2商品です。
2つめは、「無着色」の4商品が3対1に分かれたこと。かねふく・稚加榮・味の丸屋には発色剤(亜硝酸Na)があり、CO・OPの皮なしにはありませんでした。同じ「無着色」でも、発色剤が入っているかどうかは商品ごとに違います。
3つめは、店頭で買えるもののうち、発色剤も着色料も表示になかったのがCO・OP 無着色皮なし辛子明太子の1商品だったこと。イオンのトップバリュ3商品には、発色剤か色をつける表示のどちらかが入っていました。
次にパックを裏返すときは、表の「無着色」を読んだあとで、そのまま右側まで目を移してみてください。発色剤という3文字があるかどうかだけで、4文字が何を言っていて何を言っていないかが分かります。
ごはんに乗せるものを広げたい日は、原材料名が産地だけで終わった焼きのりの表示が一行で終わった回と、種類ごとに買える先を分けた漬物15商品を買える先ごとに分けた回もどうぞ。
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