ラベルさん添加物の入っていないケチャップを探すとき、たいてい最初に疑われるのは赤の出どころです。
ところが14商品の表示を写してみると、スラッシュの右側が空だったのは11商品でした。残る3商品に付いていたのも、酸味料が1つと増粘剤が2つです。
差がつかない理由は、商品ではなく名前のほうにありました。「トマトケチャップ」と名乗る商品に足してよいものが、法令で3つに絞られています。表示を写した日は2026年9月2日です。
ケチャップ14商品の内訳。0品目は11商品で、残る3つも1品目で止まった

対象は合計14商品です。内訳はメーカー3社が11商品、プライベートブランドが3商品。表示のスラッシュより右が空欄だったものを、この記事では0品目と呼びます。
1つ先に書いておきます。加工助剤とキャリーオーバーは、表示の欄に出てきません。作る途中で取り除かれるものや、原料にもとから入っていてごく少ない量のものが、その扱いになります。ここでいう0品目は、書くように決められた添加物が見当たらなかったところまでを指します。
| メーカー | 取り上げた数 | うち0品目 | 付いていた添加物 |
|---|---|---|---|
| カゴメ | 4商品 | 3商品 | 酸味料 |
| デルモンテ(キッコーマン) | 5商品 | 3商品 | 増粘剤(加工でん粉) |
| ナガノトマト | 2商品 | 2商品 | ― |
| プライベートブランド3つ | 3商品 | 3商品 | ― |
| 合計 | 14商品 | 11商品 | ― |
付いていたのは2種類だけでした。酸味料が1商品、増粘剤(加工でん粉)が2商品です。品目数はどれも1で止まり、2品目以上の商品は出ませんでした。
プライベートブランドが全部0品目だったのも、この分野の特徴です。安いほうに何か足されている、という並びにはなりませんでした。
14商品の表示を、そのまま並べた

品目数の少ない順、同じ数ならメーカー順です。
| 商品 | メーカー | 内容量 | 添加物 | スラッシュの後ろ |
|---|---|---|---|---|
| カゴメトマトケチャップ | カゴメ | 500g | 0品目 | ― |
| カゴメ有機トマト使用トマトケチャップ | カゴメ | 300g | 0品目 | ― |
| カゴメ 濃厚リコピントマトケチャップ | カゴメ | 500g | 0品目 | ― |
| デルモンテ トマトケチャップ | キッコーマン | 500g | 0品目 | ― |
| デルモンテ リコピンリッチ トマトケチャップ | キッコーマン | 485g | 0品目 | ― |
| デルモンテ 有機トマトケチャップ | キッコーマン | 285g | 0品目 | ― |
| 世界の畑のトマトケチャップ | ナガノトマト | 500g | 0品目 | ― |
| 長野県産ケチャップ | ナガノトマト | 240g | 0品目 | ― |
| 完熟トマトの風味をいかしたトマトケチャップ | トップバリュ | 500g | 0品目 | ― |
| オーガニックトマトケチャップ | トップバリュ | 295g | 0品目 | ― |
| トマトケチャップ | CO・OP | 500g | 0品目 | ― |
| カゴメケチャップハーフ | カゴメ | 275g | 1品目 | 酸味料 |
| デルモンテ トマトケチャップ For Daily | キッコーマン | 460g | 1品目 | 増粘剤(加工でん粉) |
| デルモンテ 国産トマト使用ケチャップ | キッコーマン | 285g | 1品目 | 増粘剤(加工でん粉) |
11商品が0品目でした。中身も似ています。トマト、糖類、醸造酢、食塩、たまねぎ、香辛料。この6語で終わる商品が大半でした。
プライベートブランドの3つは、作っている会社まで公式ページに出ています。CO・OPのトマトケチャップはカゴメ小坂井工場、トップバリュの2つはハグルマと高橋ソースです。500gの完熟トマトの風味をいかしたトマトケチャップはトップバリュベストプライス、295gのオーガニックトマトケチャップはトップバリュ グリーンアイから出ています。セブンプレミアムのトマトケチャップ500gも原材料名を公開していて、こちらも0品目でした。14商品には入れていませんが、同じ並びです。
残る3商品も、種類は分かれていません。酸味料か、増粘剤(加工でん粉)か。この2つのどちらかでした。
原材料名は、次の商品ページから写しました。カゴメはトマトケチャップ、有機トマト使用、濃厚リコピン、ケチャップハーフの4ページ。キッコーマンはデルモンテのトマトケチャップ、リコピンリッチ、有機、For Daily、国産トマト使用の5ページ。ナガノトマトは世界の畑と長野県産の2ページです。プライベートブランドはトップバリュの商品ページ2つ(完熟トマトの風味をいかしたトマトケチャップ、オーガニックトマトケチャップ)と、日本生活協同組合連合会の商品情報検索を見ました。
「トマトケチャップ」に足してよいものは、3つに決まっていた

ここまでそろう理由は、名前のほうにありました。よりどころは食品表示基準です。内閣府令で、すべての加工食品にかかります。
その別表第三に、トマトケチャップの定義がそのまま書かれています。
一 濃縮トマトに食塩、香辛料、食酢、砂糖類及びたまねぎ又はにんにくを加えて調味したもので可溶性固形分が二十五パーセント以上のもの
二 一に酸味料(かんきつ類の果汁を含む。)、調味料(アミノ酸等)、糊料等(たまねぎ及びにんにく以外の農畜水産物並びに着色料を除く。)を加えたもので可溶性固形分が二十五パーセント以上のもの
大事なのは二のほうです。足してよい添加物として名前が挙がるのは、酸味料、調味料(アミノ酸等)、糊料の3つだけ。そして着色料は、カッコの中で名指しして外されています。

糊料は、表示の欄では増粘剤と書かれます。つまり14商品で見つかった酸味料と増粘剤は、定義に載っている3つのうちの2つでした。ここから外れたものは1つも出てきません。
赤が着色料でないのも、この一文で説明がつきます。色を足した時点で、その商品はトマトケチャップと名乗れなくなります。
農林水産省のトマト加工品の日本農林規格も、同じ向きです。原材料の欄は次の7つに限られていました。
| 区分 | 規格の中身 |
|---|---|
| 原材料 | 濃縮トマト、たまねぎ、にんにく、食塩、香辛料、醸造酢、砂糖類の7つ以外を使用していないこと |
| 可溶性固形分 | 特級は30%以上、標準は25%以上 |
| トマト以外の野菜類の含有率 | 1%以上5%未満 |
制定は昭和54年10月11日の農林水産省告示第1419号、最終改正は平成27年5月28日の告示第1387号です。名前を分ける数字は特級と標準で違い、上の等級ほど濃くなります。
そして食品表示基準の別表第四には、名称の書き方も出ています。トマトケチャップにあっては「トマトケチャップ」と表示する。パッケージの名称の欄は、この一文で決まります。
商品名が「ケチャップ」でも、名称の欄は別のことがある

ここが売り場でいちばん間違えやすいところです。表に大きく「ケチャップ」と書いてあっても、名称の欄まで同じとは限りません。
7つの原材料からはみ出した商品を、6つ集めました。
| 商品 | メーカー | 7つに入っていない原材料 | 添加物 |
|---|---|---|---|
| カゴメ洋食店のケチャップ | カゴメ | 食用植物油脂、でん粉、バターエキスパウダー、バター、ローストオニオンペースト | 香辛料抽出物 |
| 信州生まれのケチャップ 国産つぶ野菜入り | ナガノトマト | にんじん | 増粘剤(加工デンプン) |
| つぶつぶ野菜入りケチャップ | ナガノトマト | にんじん、オニオンパウダー | 増粘剤(キサンタン) |
| 子どもと食べたい! つぶ野菜入りケチャップ | ナガノトマト | にんじん、にんじんペースト、赤ピーマン、マンゴーピューレー、ピーマンペースト、ほうれんそうペースト、オニオンパウダー | 増粘剤(加工デンプン) |
| オムライス好きのケチャップ | ナガノトマト | しょうゆ、清酒、バター、白ワイン、酵母エキス、こんぶエキス、オニオンパウダー | 増粘剤(加工デンプン) |
| トマトと5種の野菜入りケチャップ | CO・OP | にんじん、ピーマンペースト、乾燥パセリ、オニオンパウダー | 0品目 |
規格の第6条は、原材料の欄に濃縮トマト、たまねぎ、にんにく、食塩、香辛料、醸造酢、砂糖類の7つを並べているだけで、第2条の定義にもこの7語の説明はなく、粉やペーストにしたものを含むかどうかは書かれていません。この記事ではオニオンパウダーとローストオニオンペーストを7つの外、乾燥たまねぎと乾燥にんにくを7つの内側として扱いました。
出どころはカゴメの洋食店のケチャップ、ナガノトマトの信州生まれのケチャップ、つぶつぶ野菜入り、子どもと食べたい!、オムライス好き、日本生活協同組合連合会のトマトと5種の野菜入りケチャップの各ページです。
ここで名称の欄を見てください。CO・OPのトマトと5種の野菜入りケチャップは、名称の欄が「トマトミックスソース」です。にんじんとピーマンペーストと乾燥パセリとオニオンパウダーを足したので、トマトケチャップとは名乗っていません。添加物のほうは0品目です。
カゴメの洋食店のケチャップも、7つには収まりません。食用植物油脂とでん粉とバターとローストオニオンペーストが入り、スラッシュの後ろに香辛料抽出物が付きます。この香辛料抽出物は、トマトケチャップの定義にある3つのどれでもありません。14商品には1つも出てこなかった品目が、ここで出てきます。
ナガノトマトのつぶ野菜入りの3商品も同じで、にんじんやオニオンパウダーが入ったぶん7つから外れています。ただし公式ページには、世界の畑のトマトケチャップに「JAS特級規格品」と書かれています。同じ会社でも、名乗る枠が分かれていました。
いっぽう長野県産ケチャップは、商品名に「トマト」が付かないのに0品目です。原材料はトマト、砂糖、醸造酢、食塩、たまねぎ、香辛料の6つで、7つの内側に収まっていました。表の言葉ではなく、原材料名の中身で決まります。
業務用でも同じだった。等級を名乗る3つは0品目

飲食店に納まる大容量のほうが、いろいろ入っているのではないか。そう思って業務用も当たりました。キッコーマンが公開しているデルモンテの業務用5商品です。
| 商品 | 容器 | 添加物 | スラッシュの後ろ |
|---|---|---|---|
| デルモンテ トマトケチャップ JAS特級 | 3.33kg缶ほか | 0品目 | ― |
| デルモンテ トマトケチャップ JAS標準 | 3.3kg缶ほか | 0品目 | ― |
| デルモンテ トマトケチャップ デリカパック JAS標準 | 10kgパックほか | 0品目 | ― |
| デルモンテ リコピンリッチ トマトケチャップ | 5kgパックほか | 0品目 | ― |
| デルモンテ トマトケチャップ デリカパック テイスティ | 980gチューブ | 1品目 | 増粘剤(加工でん粉) |
出どころはキッコーマンの業務用商品ページ、JAS特級、JAS標準、デリカパック JAS標準、リコピンリッチ、デリカパック テイスティの5つです。
5商品のうち4商品が0品目でした。そして商品名に「JAS特級」「JAS標準」と入れている3商品は、いずれもスラッシュがありません。等級を名乗るには規格を満たす必要があるので、原材料も7つに収まります。
唯一のテイスティには増粘剤が入りました。この商品名には等級が付いていません。家庭用のFor Dailyと国産トマト使用も同じで、名前に等級が入らない商品にだけ増粘剤が付いています。
業務用だから多い、という見立てのほうが外れました。量が増えても表示は変わりません。
0品目のほうが、食塩は多かった

ここまで品目数で並べてきましたが、品目が少ないほうが体によい、という順位ではありません。今回の数字は、むしろ逆でした。
100gあたりの食塩相当量を見ます。0品目のカゴメトマトケチャップは3.3g、デルモンテ トマトケチャップは3.2gでした。いっぽう1品目のデルモンテ 国産トマト使用ケチャップは1.1g、カゴメケチャップハーフは1.5gです。品目が付いているほうが、塩は3分の1まで下がっていました。
糖のほうも同じ向きにはなりません。0品目のカゴメ 濃厚リコピンは炭水化物29.7g、同じく0品目のデルモンテ 有機トマトケチャップは20.6gでした。どちらもスラッシュがないのに、9.1gの差があります。
塩を下げた商品に必ず何か足される、とも言えません。濃厚リコピンは1.3g、デルモンテ 有機は1.4g、リコピンリッチは1.4gで、3商品とも0品目です。塩の量と品目数は、そろっていませんでした。
表の0品目にも、断りが要ります。加工助剤とキャリーオーバーは表示の欄に現れないので、ラベルの空欄が保証するのは、そこへ刷る義務のある添加物がなかった一点だけです。「無添加」という表示については無添加という表示がどこまで許されるかの回にまとめました。栄養の数字を横に並べたい場合はケチャップとソースを100gにそろえた回があります。
どこで買うか。近所で足りて、迷うのは塩の量だけ

14商品を並べてみて、買い方は3つに絞れました。
1つめ。いつものスーパーで足ります。カゴメトマトケチャップとデルモンテ トマトケチャップは全国の量販店にあり、どちらも0品目でした。取り寄せは要りません。この分野では、これが答えになります。
2つめ。塩を下げたいときは、名前に「リコピン」か「有機」が入るものへ。カゴメ 濃厚リコピンが100gで1.3g、デルモンテ リコピンリッチと有機が1.4gです。3商品とも0品目のまま塩が半分以下になります。ハーフとFor Dailyを選ぶと1品目が付きます。
3つめ。プライベートブランドでも下がりません。イオンならトップバリュの2商品、生協ならCO・OPのトマトケチャップと日本のトマトケチャップ、セブン-イレブン系ならセブンプレミアムのトマトケチャップです。いずれも公式ページに原材料名が出ていて、スラッシュはありませんでした。
もっと原材料を選びたい場合は、光食品のトマトケチャップ3商品があります。公式サイトの原料産地ページに載っているのは有機トマト、有機砂糖、食塩、有機たまねぎ、有機にんにく、麦芽水飴、有機米酢、有機りんご酢でした。商品ページには保存料と着色料と調味料(アミノ酸等)を使っていないと書かれています。直販の案内はないので、取扱店か通販を通す形です。
売り場の回り方はかご1つぶんの表示を売り場順に確かめた記事にあります。となりに並ぶソース類はウスターソース類の規格を当たった記事へ。台所全体をどの順で替えるかは7種類の調味料で0品目の出方を比べた回にまとめています。
そのうえで、ボトルを1本替えるだけでは追いつかない日もあります。はじめから添加物を足さない方針で作られた惣菜を、まとめて受け取る道も用意されています。
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よくある質問
- Q添加物0品目のケチャップは、普通のスーパーで買えますか?
- A
買えます。14商品のうち11商品が0品目で、カゴメトマトケチャップとデルモンテ トマトケチャップという全国流通の定番が2つとも入っています。イオンのトップバリュ2商品と生協のCO・OPトマトケチャップも同じでした。取り寄せは要りません。
- Q入っていた3商品には、何が使われていましたか?
- A
酸味料が1商品、増粘剤(加工でん粉)が2商品でした。カゴメケチャップハーフが酸味料、デルモンテのFor Dailyと国産トマト使用ケチャップが増粘剤です。食品表示基準の別表第三は、トマトケチャップに足せるものを酸味料、調味料(アミノ酸等)、糊料の3つに限り、着色料をカッコの中で外しています。糊料は表示の欄では増粘剤と書かれます。
- Q商品名に「ケチャップ」とあれば、名称の欄も「トマトケチャップ」ですか?
- A
限りません。CO・OPのトマトと5種の野菜入りケチャップは、名称の欄が「トマトミックスソース」でした。にんじんとピーマンペーストと乾燥パセリとオニオンパウダーが入り、規格の7つの原材料から外れているためです。カゴメの洋食店のケチャップにも食用植物油脂とでん粉とバターとローストオニオンペーストが入っていて、こちらは香辛料抽出物が付きます。
- Q塩分を下げた商品ほど、添加物は増えますか?
- A
そうなりませんでした。100gあたりの食塩相当量が1.3gのカゴメ 濃厚リコピン、1.4gのデルモンテ リコピンリッチと有機トマトケチャップは、3商品とも0品目です。いっぽう1.5gのカゴメケチャップハーフには酸味料、1.1gのデルモンテ 国産トマト使用ケチャップには増粘剤が付きました。塩の量と品目数は別の話です。
まとめ:名前を守っている商品ほど、後ろが空だった

14商品から出た答えは2つです。原材料名のスラッシュより後ろが空だったのは11商品。残る3商品も1品目で止まり、中身は酸味料か増粘剤のどちらかでした。
そして足せる添加物は、食品表示基準の定義が酸味料と調味料(アミノ酸等)と糊料の3つに絞り、着色料を名指しで外しています。赤が着色料でないのは、色を足すとトマトケチャップと名乗れなくなるからでした。
明日やることは1つ。ボトルを裏返して、名称の欄が「トマトケチャップ」かどうかだけ見る。そこが合っていれば、後ろに並ぶ余地は3つしかありません。にんじんやバターが入った商品は、名称の欄のほうが先に変わります。
1本ずつ見直すのが面倒な週は、宅配に任せる手もあります。
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