ラベルさん無添加のソースを買いたい。そう思ったとき、最初に決まるのは店ではなく種類でした。
ウスターソースなら、原材料名にスラッシュのない商品が大手にもあります。いっぽうオイスターソース6商品で0品目は1商品だけでした。
差がつく理由もはっきりします。ウスターソース類には国が決めた規格があり、オイスターソースにはありませんでした。表示の取得は2026年8月30日です。
ソース26商品の内訳。0品目は11商品で、種類ごとに偏った

対象はウスターソース、中濃ソース、濃厚ソース、お好み焼と焼そばのソース、オイスターソースの5種類、合計26商品です。原材料名のスラッシュより後ろに何もない商品を、ここでは0品目と呼びます。
この呼び方には但し書きが必要です。加工助剤、キャリーオーバーと呼ばれるものは、原材料名への記載が免除されます。最終の製品に残らないものや、原材料由来でごく少量のものが対象です。つまり0品目と呼ぶのは、記載の対象になる添加物がなかった、という範囲の話です。
| 種類 | 商品数 | 0品目の数 | 0品目でない商品に付いたもの |
|---|---|---|---|
| ウスターソース | 4商品 | 3商品 | 香辛料抽出物 |
| 中濃ソース | 5商品 | 3商品 | 増粘多糖類、増粘剤 |
| 濃厚ソース(とんかつ) | 3商品 | 2商品 | カラメル色素、増粘剤、甘味料、香辛料抽出物 |
| お好み焼・焼そば | 8商品 | 2商品 | 増粘剤、カラメル色素、調味料(アミノ酸等) |
| オイスターソース | 6商品 | 1商品 | 調味料(アミノ酸等)、増粘剤、カラメル色素、酒精 |
| 合計 | 26商品 | 11商品 | ― |
ウスターソースからオイスターソースへ進むほど、0品目は少なくなります。ウスターソースは4商品のうち3商品、オイスターソースは6商品のうち1商品です。買える場所も、この順で遠くなりました。
ウスター・中濃・濃厚の12商品。大手の定番に0品目が残っていた

最初の3種類、合計12商品です。品目数の少ない順です。
| 商品 | メーカー | 種類 | 添加物 | スラッシュの後ろ |
|---|---|---|---|---|
| ウスターソース | ブルドック | ウスター | 0品目 | ― |
| イカリウスターソース | イカリソース | ウスター | 0品目 | ― |
| 有機ウスターソース | 光食品 | ウスター | 0品目 | ― |
| 中濃ソース | ブルドック | 中濃 | 0品目 | ― |
| イカリ中濃ソース | イカリソース | 中濃 | 0品目 | ― |
| 有機中濃ソース | 光食品 | 中濃 | 0品目 | ― |
| とんかつソース | ブルドック | 濃厚 | 0品目 | ― |
| 有機濃厚ソース | 光食品 | 濃厚 | 0品目 | ― |
| 醸熟ソース ウスター | カゴメ | ウスター | 1品目 | 香辛料抽出物 |
| 醸熟ソース 中濃 | カゴメ | 中濃 | 1品目 | 増粘多糖類 |
| 中濃ソース | トップバリュ | 中濃 | 1品目 | 増粘剤(加工でん粉ほか) |
| 醸熟ソース こいくち | カゴメ | 濃厚 | 4品目 | カラメル色素、増粘剤、甘味料、香辛料抽出物 |

12商品のうち8商品が0品目でした。顔ぶれも、いつもの売り場にあるものです。
ブルドックソースは公式ページで、着色料・増粘剤・甘味料の不使用を明記しています。イカリソースも「添加物(着色料、増粘剤、甘味料)不使用」と書いています。この2社の定番5商品が、そのまま0品目に入りました。
同じブルドックの有機野菜使用のソース200mlにもスラッシュがありません。ただし公式ページに名称の記載がなく、26商品には入れていません。
いっぽうカゴメの3商品には、いずれも表示がありました。とくにこいくちは4品目で、今回の12商品では最多です。
表示は各社の商品ページから写しました。ブルドックはウスター、中濃、とんかつ。イカリはウスターと中濃。カゴメはウスター、中濃、こいくち。ほかにトップバリュ 中濃ソースと光食品のソース類です。
お好み焼と焼そばの8商品。増粘剤とカラメル色素がほぼ全部に付いた

ここから結果が変わります。8商品のうち0品目は2つでした。
| 商品 | メーカー | 種類 | 添加物 | スラッシュの後ろ |
|---|---|---|---|---|
| お好みソース | 光食品 | お好み焼 | 0品目 | ― |
| やきそばソース | 光食品 | 焼そば | 0品目 | ― |
| お好みソース | オタフク | お好み焼 | 2品目 | 増粘剤、調味料(アミノ酸等) |
| お好みソース | オリバー | お好み焼 | 2品目 | 増粘剤、カラメル色素 |
| 本格お好みソース | ブルドック | お好み焼 | 3品目 | 増粘剤、調味料(アミノ酸)、カラメル色素 |
| 本格焼そばソース | ブルドック | 焼そば | 3品目 | 増粘剤、カラメル色素、調味料(アミノ酸等) |
| 焼そばソース | オタフク | 焼そば | 3品目 | カラメル色素、増粘剤、調味料(アミノ酸等) |
| どろソース | オリバー | お好み焼 | 3品目 | 増粘剤、カラメル色素、調味料(アミノ酸等) |
はっきり違ったのがブルドックソースです。定番3商品は0品目なのに、専用ソースには3品目ずつ付いています。同じ会社でも、使う場面が変わると中身が変わりました。
8商品のうち6商品に増粘剤が、5商品にカラメル色素が入っていました。鉄板の上で流れ落ちないとろみと、焼き色に合う濃い色をつけるものです。
0品目だった光食品の2商品は、とろみをでんぷんで付けています。公式の原材料一覧に増粘剤の記載はありません。
表示はオタフクのお好みと焼そば、ブルドックのお好みと焼そば、オリバーのお好みとどろの各ページです。
オイスターソース6商品。0品目は1つで、100gの食塩は11g超だった

0品目がいちばん少なかったのがここです。
| 商品 | メーカー | 添加物 | スラッシュの後ろ | 100gの食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|
| オイスターソース | 光食品 | 0品目 | ― | 公式に記載なし |
| オイスターソース素材本位 | 李錦記 | 1品目 | 増粘剤(加工デンプン) | 11.2g |
| 化学調味料無添加オイスターソース | ユウキ食品 | 1品目 | 増粘剤(加工デンプン、キサンタン) | 12g |
| オイスターソース | 李錦記 | 3品目 | 調味料(アミノ酸)、増粘剤、カラメル色素 | 14.7g |
| 特製オイスターソース | 李錦記 | 3品目 | 調味料(アミノ酸)、増粘剤、カラメル色素 | 12.7g |
| オイスターソース | キッコーマン | 4品目 | 調味料(アミノ酸等)、増粘剤、酒精、カラメル色素 | 18gあたり2.5g |
6商品とも、増粘剤だけは入っています。0品目の光食品も、とろみのもとは有機ばれいしょでんぷんという原材料でした。同じことを、添加物ではなく原材料でやっているという違いです。
食塩も書いておきます。100gあたり11.2gから14.7gでした。スプーン1杯で使う調味料なので、単位に注意が要ります。
表示は李錦記の素材本位、定番255g、特製、キッコーマン、ユウキ食品、光食品の各ページです。
なお富士食品工業のオイスターソースは、公式ページが業務用の案内で原材料名の記載がなく、対象から外しています。
差がついた理由は規格だった。ウスターソース類にはあり、オイスターにはない

この偏りには理由がありました。国の決めた規格があるかどうかです。
根拠はウスターソース類の日本農林規格です。農林水産省が公開しています。3つの名前の定義は、原文の第2条にあります。
| 名前 | 規格の原文にある定義 |
|---|---|
| ウスターソース | ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s未満のものをいう。 |
| 中濃ソース | ウスターソース類のうち、粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満のものをいう。 |
| 濃厚ソース | ウスターソース類のうち、粘度が2.0Pa・s以上のものをいう。 |
3つを分けているのは粘度です。境目は0.2Pa・sと2.0Pa・s。味でも香りでもなく、とろみで名前が決まります。
知りたかったのは、そのあとの原材料の欄です。ここには9つが並び、それ以外を使わないことと定められています。
一 野菜及び果実/二 砂糖類/三 蜂蜜/四 食酢/五 食塩/六 香辛料/七 調味料/八 酒類/九 でん粉
使ってよい原材料が9つだけに限られていました。ここにないものを入れると、規格に沿った商品ではなくなります。
いっぽう添加物の欄は、品目名の一覧ではありませんでした。コーデックスの一般規格に適合すること、使用量を正確に記録して保管すること、その情報を消費者に伝えること。この3つが条件です。
つまりソースの規格が名指しで決めているのは原材料で、添加物は条件つきで認められています。調べる前に思っていたのとは逆でした。
表示のルールにも同じ名前が出てきます。消費者庁が2025年9月に公開したウスターソース類の個別ルールの資料です。食品表示基準の別表第3に定義が、別表第5に名称の決まりがあります。粘度の数値も同じでした。
ではオイスターソースはどうか。農林水産省のJASの対象品目一覧にウスターソース類はありますが、オイスターソースもかき油もありません。消費者庁の資料にある個別ルールの一覧にも入っていませんでした。
オイスターソースには、名乗るための規格がない。牡蠣をどれだけ使えばよいかという決まりも、公的な資料では確認できませんでした。同じ売り場に並んでいても、後ろにある決まりが違います。
「不使用」の言葉が届く範囲と、添加物が入る理由

分かりやすかったのは、表示の言葉と実際の品目数がずれた3商品です。
1つめ。オリバーソースのお好みソースです。公式ページに「化学調味料、甘味料、保存料、不使用です」とあります。実際の表示は2品目で、増粘剤とカラメル色素が入っていました。書いてある3つは、たしかに入っていません。
2つめ。ユウキ食品の化学調味料無添加オイスターソースです。商品名のとおり調味料(アミノ酸等)はありません。ただし増粘剤(加工デンプン、キサンタン)が1品目残ります。
3つめ。李錦記のオイスターソース素材本位です。定番品にある調味料(アミノ酸)とカラメル色素が抜け、増粘剤だけが残ります。定番品の3品目から1品目に減りました。
共通するのは、不使用と書かれた種類は本当に入っておらず、書かれていない種類は残ることです。不使用と書ける範囲は、名指しした分だけです。
では残る3つは何のために入るのか。メーカーや公的機関の説明があります。
| 表示 | 公開されている説明 | 出どころ |
|---|---|---|
| 調味料(アミノ酸等) | アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩の4種類のうち2種類以上を使い、主としてアミノ酸から構成されるものの表示。うまみを追加して味の質を調和させ、コクや味の広がりを加える | ハウス食品 |
| カラメル色素 | 砂糖、ぶどう糖等の糖類を熱処理して得られた着色料。清涼飲料、お酒、調味料、製菓等の食品の着色や風味づけに使用 | サッポロビール |
| 増粘剤(加工でん粉) | 食感を持続・改善する、透明性を維持したり離水を防いだりする、品質を保ち食品ロスを減らす | 農畜産業振興機構 |
とろみを保つ、色を安定させる、うまみを足す。お好み焼と焼そばのソースでこの3つがそろったのは、鉄板の上で使う調味料だからでしょう。
逆に、ブルドックは公式ページでソースの約30%はお酢でできていると説明しています。お酢には防腐や殺菌のはたらきもあるそうです。同じ役目を原材料でまかなうやり方もあります。
説明の出典はハウス食品、サッポロビール、農畜産業振興機構の各解説ページです。
どう選んで、どこで買うか。種類ごとに買う場所が変わる
26商品を並べた結果から、選び方を3つにまとめます。
1つめ。ウスターと中濃と濃厚は、いつもの売り場で足りる。ブルドックの定番3商品とイカリの2商品が0品目でした。全国のスーパーで手に入り、取り寄せは要りません。
2つめ。お好み焼と焼そばは、切り替える覚悟がいる。0品目は光食品の2商品だけで、大手の専用ソースには増粘剤とカラメル色素が入ります。買う場所は自然食品を扱う店か通販です。
3つめ。オイスターソースは1商品しかない。6商品で0品目は光食品だけでした。ここを妥協するなら、次に少ないのは1品目の李錦記 素材本位とユウキ食品です。どちらも増粘剤だけが残ります。
買い方も種類ごとに別です。イカリソースは自社のオンラインショップで直販しています。ブルドック、カゴメ、オタフク、エスビー食品、キッコーマンは全国の量販店で扱いがあります。光食品は公式に直販の案内がなく、買う場所は取扱店です。
売り場での探し方は無添加をスーパーで探した記録にあります。表示のルールは無添加表示の2024年ルールをまとめた記事へ。
そのうえで、ソースを1本ずつ替えるより、献立ごと変えたい日もあります。はじめから添加物を使わない方針で作られた惣菜を、宅配で受け取る手もあります。
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よくある質問
- Q添加物0品目のソースは、スーパーで買えますか?
- A
ウスター・中濃・濃厚なら買えます。12商品のうち8商品が0品目で、ブルドックの定番3商品とイカリの2商品が入っています。お好み焼・焼そば用は8商品中2商品、オイスターソースは6商品中1商品でした。
- Qウスターソースと中濃ソースと濃厚ソースは、何で分かれているのですか?
- A
粘度で決まります。日本農林規格の定義では、0.2Pa・s未満ならウスターソース。2.0Pa・s以上なら濃厚ソース。そのあいだが中濃ソースです。同じ数値は食品表示基準の別表第3にもあります。
- Qオイスターソースにも規格はありますか?
- A
ありませんでした。農林水産省が公開しているJASの対象品目一覧に、オイスターソースもかき油も載っていません。消費者庁の資料にある個別ルールの一覧にも入っていません。牡蠣の使用量の決まりも確認できませんでした。
- Q「無添加」や「不使用」と書いてあれば、添加物は0品目ですか?
- A
そうとは限りません。ユウキ食品の化学調味料無添加オイスターソースは増粘剤が1品目でした。オリバーのお好みソースは「化学調味料、甘味料、保存料、不使用」の表記で2品目です。名指しされた種類は入っていませんが、それ以外は残ります。
- Qソースの増粘剤やカラメル色素は、何のために入っているのですか?
- A
農畜産業振興機構は加工でん粉について、食感の持続と改善、離水の防止、品質の保持を挙げています。カラメル色素についてのサッポロビールの説明は、着色や風味づけです。調味料(アミノ酸等)はハウス食品が、うまみを足して味の質を調和させるものと説明しています。
まとめ:規格のある種類ほど、0品目が売り場に残っていた

26商品から出た答えは2つです。原材料名にスラッシュのなかったのは11商品。うち8商品がウスター・中濃・濃厚に集中していました。
そしてウスターソース類には日本農林規格があり、オイスターソースにはありません。規格の原材料の欄は、使ってよいものを9つに限っています。表示のない商品が多かったのも、この規格がある種類でした。
明日やることは1つ。ソースを手に取ったら、原材料名のスラッシュがあるかどうかだけたしかめる。ウスターと中濃なら、そのままかごに入る商品が見つかります。お好み焼と焼そば、そしてオイスターソースは、そこで妥協点を決めることになります。
規格のあるトマトケチャップはさらにはっきりしていて、14商品中11商品が0品目だったケチャップの調べでは着色料が定義から名指しで外されていました。
全部を入れ替えるのが大変な日は、宅配に頼る手もあります。宅配5社の原材料表示をまとめた記事と宅配弁当9社の調味料(アミノ酸等)の記事もどうぞ。食塩はソースとケチャップ6商品の食塩の記事へ。冷凍は冷凍食品の売り場での選び方の記事にまとめています。
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