キムチの添加物といえば保存料、と思っていました。
ところが市販13商品の原材料名に、保存料の表示は1つもありません。書かれていたのは、うま味・酸味・とろみ・色の4つの用途でした。
この記事は、各メーカーの公式サイトに出ている原材料名を、2026年8月29日時点で写した記録です。添加物が0品目だった商品と、その買い方までをまとめます。
キムチ13商品の原材料名でわかったこと

市販キムチの添加物は、うま味のためのものが中心でした。日持ちのための表示は、ごく少数です。
- 添加物の表示が0品目だったのは、13商品のうち2商品
- 調味料(アミノ酸等)は11商品に入っていた
- 保存料の表示は13商品とも0品目
- いちばん多い商品で6品目、いちばん少ない商品で1品目
この0品目の2商品は、どちらもスーパーでは扱っていません。千葉と愛媛にある店が、自社の通販で売っているキムチでした。
ここでいう0品目には、断りが要ります。加工助剤、そしてキャリーオーバーに該当するものは、原材料名への表示が免除されています。だから0品目は「使っていない」の証明ではなく、表示の欄に出てこなかったという記録です。
理由は原材料名の中身にあります。まず13商品の表示をそのまま出します。
13商品の添加物の表示と、その品目数

原材料名にはスラッシュがあります。その右側が添加物の表示です。13商品から右側だけを取り出しました。
| 商品 | 販売者 | 原産国 | スラッシュより右の表示 | 品目数 |
|---|---|---|---|---|
| こくうまキムチ 300g | 東海漬物 | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘多糖類、カロチノイド色素 | 4 |
| カクテキこくうま 160g | 東海漬物 | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)、増粘多糖類、カロチノイド色素 | 5 |
| 味キムチ 90g | 東海漬物 | 日本 | 調味料(アミノ酸)、酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)、カロチノイド色素、香辛料抽出物 | 5 |
| ご飯がススムキムチ 180g | ピックルスコーポレーション | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘多糖類、甘味料(ステビア、スクラロース) | 4 |
| ご飯がススム辛口キムチ 180g | ピックルスコーポレーション | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘多糖類、パプリカ色素、甘味料(スクラロース、ステビア) | 5 |
| 王道キムチ 180g | 秋本食品 | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、酒精、モウソウチク抽出物、トウガラシ色素 | 5 |
| オモニの極旨キムチ 350g | 秋本食品 | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘剤(キサンタン)、トウガラシ色素、ユッカ抽出物、カラシ抽出物 | 6 |
| 国産白菜使用キムチ 300g | イオン(トップバリュ) | 日本 | 調味料(アミノ酸)、酸味料、増粘多糖類、アナトー色素、ビタミンB1 | 5 |
| 宗家 おいしさこだわりキムチ 320g | 大象ジャパン | 韓国 | 調味料(アミノ酸等)、ソルビトール | 2 |
| 宗家 おいしさこだわり発酵キムチ 300g | 大象ジャパン | 日本 | 調味料(アミノ酸等)、酸味料、増粘剤(キサンタンガム)、酒精 | 4 |
| 宗家 本場のおいしさキムチ 500g | 大象ジャパン | 韓国 | 調味料(アミノ酸等) | 1 |
| 無添加白菜キムチ ノーカット 1kg | やがちゃんキムチ | 日本 | スラッシュの表示なし | 0 |
| 李さん特製 白菜キムチ | リーサン | 日本 | スラッシュの表示なし | 0 |
数字は各社の公式ページに出ている表示から数え上げたものです。取得日は2026年8月29日です。
表示のもとにしたページは次のとおりです。
- こくうまキムチ 300g(東海漬物)
- カクテキこくうま(東海漬物)
- 味キムチ(東海漬物)
- ご飯がススムキムチ(ピックルスコーポレーション)
- ご飯がススム辛口キムチ(ピックルスコーポレーション)
- 王道キムチ(秋本食品)
- オモニの極旨キムチ(秋本食品)
- 国産白菜使用キムチ(トップバリュ)
- おいしさこだわりキムチ(大象ジャパン)
- おいしさこだわり発酵キムチ(大象ジャパン)
- 本場のおいしさキムチ(大象ジャパン)
- 無添加白菜キムチ ノーカット 1kg(やがちゃんキムチ)
- 李さん特製 白菜キムチ(リーサン)
表の中で味キムチだけは、名称が「はくさいキムチ」ではありません。だいこんときゅうりを使った常温の小袋商品です。
同じブランドでも品目数は変わる
目を引くのは、同じ宗家ブランドの中の差です。韓国産の500gが1品目、韓国産の320gが2品目でした。
いっぽう日本の工場で作る300gは4品目です。中身が近い商品でも、作る国が変わると表示も変わります。
東海漬物のこくうまキムチとカクテキこくうまでも、酸化防止剤(ビタミンC)の有無で1品目分の差がありました。主原料が白菜か大根かで作り方が変わるためです。
つまり「このメーカーは多い」という見方は当てになりません。判断は商品ごとになります。
入っていた添加物は4つの用途、保存料は0品目

13商品に出てきた添加物は、用途で4つにまとまります。
- うま味をつける:調味料(アミノ酸等)が11商品
- 酸味をつける:酸味料が9商品
- とろみをつける:増粘多糖類・増粘剤が7商品
- 色を出す:カロチノイド色素などの着色料が7商品

この4つ以外では、甘味料が3商品、酒精が2商品、酸化防止剤(ビタミンC)が2商品でした。香辛料抽出物やユッカ抽出物のように、1商品だけのものもあります。
いちばん多い調味料(アミノ酸等)は、うま味をつけるための表示です。トップバリュの公式ページは、物質名までL-グルタミン酸ナトリウムと書いています。
使っている色素はメーカーごとに違います。東海漬物はカロチノイド色素、秋本食品はトウガラシ色素、トップバリュはアナトー色素でした。
甘味料が出てきたのは、ピックルスコーポレーションの2商品と宗家の1商品です。ステビア、スクラロース、ソルビトールと中身は違います。
ここまでが「入っていたもの」の話です。次は「入っていなかったもの」になります。
保存料の表示は13商品とも見当たらない
13商品のスラッシュの右側に、保存料の文字はありませんでした。ソルビン酸も安息香酸も出てきません。
賞味期間のほうを見ると、理由の見当がつきます。今回の商品は、製造日から17日から30日ほどでした。
- やがちゃんキムチ 無添加白菜キムチ:製造日より17日
- ご飯がススムキムチ:製造日+20日
- こくうまキムチ 300g:製造日を含む25日
- トップバリュ 国産白菜使用キムチ:製造日より25日
- カクテキこくうま:製造日を含む30日
いずれも要冷蔵の商品です。冷蔵で1か月以内に食べきる前提なら、保存料を入れる場面は少なくなります。
ただし日持ちに関わる表示が、まったくないわけではありません。トップバリュの公式ページは、ビタミンB1の用途を「日持向上剤」と明記しています。
東海漬物の2商品には酸化防止剤(ビタミンC)があります。色や風味が変わるのをおさえるための表示です。
つまり「保存のための添加物が多い」という思い込みは、13商品の表示とは合いませんでした。多いのはうま味と、色や口あたりのほうです。
「キムチ」と名乗る条件は法令に書かれている

「キムチ」は好きに付けられる名前ではありません。食品表示基準という内閣府令の別表第三に、はくさいキムチの定義があります。
原文はこう書かれています。
農産物赤とうがらし漬け類のうち、塩漬け、水洗及び水切りしたはくさいを主原料として、赤とうがらし粉等のうち、にんにく、しょうが、にんにく以外のねぎ類若しくはだいこんを使用したもの(ただし、にんにく、しょうが、にんにく以外のねぎ類のうち、二種類以上を使用したものに限る。)又はこれに赤とうがらし粉等以外の漬け原材料を加えたものに漬けたものをいう
かみくだくと、条件は3つです。
- 白菜を塩漬けし、水洗いと水切りをしたものが主原料
- にんにく・しょうが・にんにく以外のねぎ類のうち、2種類以上を使う
- 赤とうがらし粉などを使って漬けている
だから市販キムチの原材料名には、にんにくとしょうがとにらが、そろって出てくることが多くなります。
今回の13商品でも、キムチの名称が付いた12商品は2種類以上が入っていました。
例外は東海漬物の味キムチです。にんにくはありますが、しょうがとねぎ類がありません。名称も「味キムチ」で、はくさいキムチではないと分かります。
JASの規格では、使える原材料がさらに限られる
もう1つ、任意の規格もあります。JASの農産物漬物(1752:2025)です。
2005年11月14日に作られ、2025年3月21日に改正されています。ここでは、はくさいキムチに使ってよい原材料が9つに限定されています。
- はくさい
- 赤とうがらし粉その他の香辛料
- にんにく、しょうが、にんにく以外のねぎ類、だいこん
- 食塩、みそその他の発酵調味料、アミノ酸液
- ごま、ナッツ類その他の農産物
- 砂糖類
- 水産物、塩辛類その他の水産加工品
- もち米粉、小麦粉
- 果実飲料
塩分は1.0%以上4.0%以下、総酸度は1.0%以下という数値の基準もあります。低温で乳酸を生成させ、容器に詰める前か後に発酵させることも条件です。
ただしJASは任意の規格です。JASマークを付けない商品は、この9つの限定を受けません。
無添加をうたうキムチはどこで買えるか

買える場所は3つあります。添加物の品目数は、この3つでかなり違いました。
スーパーの売り場
東海漬物、ピックルスコーポレーション、秋本食品の商品は、全国のスーパーで扱いがあります。イオンならトップバリュの国産白菜使用キムチが本体価格198円です。
ただし今回の13商品では、スーパーで買えるものはすべて添加物の表示がありました。少ない商品でも4品目です。
秋本食品には「保存料・着色料無添加 白菜キムチ」もあります。ただし公式サイトに原材料名が出ていないため、今回の表には入れていません。
韓国からの輸入品
宗家(チョンガ)ブランドの韓国産キムチは、添加物が1品目から2品目でした。本場のおいしさキムチ500gは、調味料(アミノ酸等)だけです。
同じ宗家でも、日本の工場で作る発酵キムチは4品目でした。国が違うと表示も変わります。
韓国食材のお店のほか、大象ジャパンの公式オンラインストアやAmazonにも扱いがあります。
作り手が自分で売る通販
添加物0品目の2商品は、どちらもこの通販でした。
- やがちゃんキムチ(千葉県柏市):無添加白菜キムチ ノーカット1kg 2,386円(税込)
- リーサン(愛媛県松山市):李さん特製 白菜キムチ 250g・500g・1kg
やがちゃんキムチの原材料は、白菜、唐辛子、自家製だし汁、自家製肉スープ、アミの塩辛と続きます。最後までスラッシュが出てきません。
李さん特製 白菜キムチも同じです。白菜、大根、唐辛子、ネギ、ニラ、ニンニク、塩、エビ、イワシエキス、砂糖、生姜の11品目だけでした。
どちらも冷蔵便で届きます。やがちゃんキムチの賞味期限は製造日から17日なので、届いた週に食べきることになります。
キムチ以外の品目については、キムチ以外の売り場で何が買えるかにまとめています。イオンの品ぞろえはイオンの10商品の原材料名のほうにあります。
キムチ以外の漬物も、同じやり方で並べました。たくあんや浅漬けまで含めた15商品では0品目5商品のうち流通に乗るのは1つという結果になっています。
原材料名のどこで判断するか

売り場でも通販でも、判断の順番は同じです。パッケージの表より、裏の原材料名のほうが早く答えが出ます。
- 原材料名の中にスラッシュがあるかどうかを探す
- その記号が出てこなければ、添加物の表示は0品目
- スラッシュがあれば、右側の品目数を確認する
「無添加」という言葉に、法律で決まった意味はありません。何を使っていないかは、商品ごとに違います。
「保存料・着色料無添加」と書いてあれば、無添加なのはその2つのことです。うま味の調味料まで入っていないとは限りません。
だから文字より、スラッシュの右側が早いのです。品目数はそのまま数字で出ます。
もう1つの目安が賞味期間です。今回の13商品は、製造日から17日から30日の幅にありました。
キムチは発酵が進むと酸味が出ます。大象ジャパンも公式サイトで、袋がふくらんだり酸味が出たりすることを説明しています。
買う量を決めるときは、この期間のほうから逆算すると失敗しにくくなります。1kgの袋は、食べる人数と日数に合うかどうかが先です。
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ほかの漬物と並べると、キムチの位置がはっきりします。番号のついた色素が出てきたのは、たくあんと福神漬の2つだけでした。比べたものはたくあんと福神漬にだけ出た色素にあります。
まとめ

市販キムチ13商品の表示から出てきたことは、次の5つです。
- 添加物の品目数は0品目から6品目まで幅があった
- いちばん多いのは調味料(アミノ酸等)で11商品
- 保存料の表示は13商品とも0品目
- 0品目の2商品は、千葉と愛媛の店が自分で売る通販
- 「はくさいキムチ」の定義は食品表示基準の別表第三にある
スーパーで買えるキムチは、少ない商品でも4品目でした。韓国からの輸入品は1品目から2品目です。
原材料が野菜と調味料だけの商品を探すなら、行き先は作り手の通販になります。値段は上がりますが、表示は短くなります。
次に売り場へ行くときは、パックを裏返してスラッシュを探すところから始めてみてください。品目数が1つの数字で出ます。
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