ラベルさん先に結論です。冷凍餃子に保存料は入っていませんでした。6商品の原材料名を1つずつ読みましたが、保存料という言葉は1回も出てきません。書かれていた添加物は2個から5個。差を作っていたのは、味つけと油のほうでした。
この記事では6商品を添加物の数で並べ、順位の根拠まで全部出します。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認したものです。
「保存料が入っているはず」という思い込みが出どころ

何か月ももつ食べ物が、なぜ傷まないのか。ここが分からないと、人は薬品を想像します。「そんなに長くもつのだから、何か入れているはずだ」という理屈です。
答えは温度にあります。日本冷凍食品協会は、公式サイトでこう書いています。「冷凍食品は、保存料を使用していません。-18℃以下の低温で保存すると、腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料を使用する必要がありません」。
保存料の代わりをしているのは、冷凍庫そのものということです。同じ協会は、食品衛生法で認められた添加物は使われている場合があるとも書いています。
もう1つ、言葉として残っているものがあります。2008年に、輸入された冷凍ギョウザで健康被害が疑われる事例が起きました。食品安全委員会が当時の経過を公開しています。今回並べた6商品は、いずれも公式サイトに国内の生産工場が書かれている商品です。
6商品の原材料名を、添加物の数で並べた

順位の付け方は2つだけです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が、何個あるかを数える
- 同じ数のときは、100gあたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
たれが別添されている商品は、餃子そのものの原材料名だけを数えました。
| 順位 | 商品(内容量) | 添加物の数 | 添加物の中身 | エネルギー | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪王将 羽根つき餃子(12個・318g) | 5個 | 加工でん粉、乳化剤、安定剤(アルギン酸エステル)、増粘剤(キサンタンガム)、香辛料抽出物 | 143kcal | 1.10g |
| 2 | 味の素 しょうがギョーザ(12個・276g) | 5個 | 調味料(アミノ酸等)、乳化剤、香料、増粘多糖類、カゼインNa | 170kcal | 0.83g |
| 3 | 味の素 おいしく塩分配慮ギョーザ(12個・276g) | 5個 | 調味料(無機塩等)、乳化剤、増粘多糖類、酸味料、カゼインNa | 157kcal | 0.61g |
| 4 | 大阪王将 羽根つきスタミナ肉餃子(303g) | 4個 | 加工でん粉、乳化剤、安定剤(アルギン酸エステル)、増粘剤(キサンタンガム) | 153kcal | 1.10g |
| 5 | 味の素 ギョーザ(12個・276g) | 4個 | 調味料(アミノ酸等)、乳化剤、増粘多糖類、カゼインNa | 152kcal | 1.04g |
| 6 | 大阪王将 ぷるもち水餃子(16個・272g) | 2個 | 加工でん粉、乳化剤 | 178kcal | 1.00g |

エネルギーと食塩相当量は100gあたりに計算し直しました。味の素冷凍食品は1個23gあたりの表示なので、100g分に直しています。大阪王将は最初から100gあたりの表示です。
先に断っておきます。この順位は書かれている添加物の数が多い順であって、体に悪い順ではありません。1位と6位の差も、3個です。
6商品すべてに書かれていたのは、乳化剤ひとつだけだった

いちばん大きい発見は、順位の中身ではなく順位に入らなかったものです。6商品の原材料名を1文字ずつ読みましたが、保存料という言葉は1回も出てきませんでした。
共通していたのは乳化剤。あとはメーカーで分かれた
6商品すべてに書かれていたのは乳化剤だけです。味の素冷凍食品は公式サイトで、カゼインNaについて「牛乳に含まれるたん白質から作られており、油をひかずに焼けるように使用しています」と説明しています。水と油をなじませる働きは、山崎製パンも公式サイトで乳化剤の役目として挙げています。
そこから先はメーカーで分かれました。味の素冷凍食品の3商品は調味料(アミノ酸等)とカゼインNa、大阪王将の3商品は加工でん粉と増粘剤(キサンタンガム)。味をつける側か、皮と具をまとめる側か。同じ餃子でも、手を入れている場所が違います。
いちばん少なかったのは、焼かない餃子だった
6位のぷるもち水餃子は2個。加工でん粉と乳化剤だけです。羽根を作らない水餃子なので、羽根のための表示が要りません。
一方で、エネルギーは100gあたり178kcalで6商品のいちばん上でした。添加物がいちばん少ない商品が、エネルギーはいちばん高い。2つの数字は別々に動いています。
食塩相当量は1.8倍の差があった
図を見てください。100gあたりの食塩相当量は、大阪王将の羽根つき餃子が1.10g、味の素のおいしく塩分配慮ギョーザが0.61g。1.8倍の開きがあります。この商品は添加物の数では3位ですが、食塩相当量では6商品のいちばん下でした。
ただし、添加物の数が多い=体に悪い、ではない

ここを一緒にすると、選び方をまちがえます。消費者庁は、食品添加物について食品安全委員会の評価を受けたうえで成分の規格や使用の基準を定め、その範囲で使用を認めていると説明しています。書かれている数が多いことは、そのまま食べる量の多さにはなりません。
冷凍餃子で先に見るべきなのは、1食で何個食べるかのほうでした。味の素のギョーザは12個入りで276g。100gあたり1.04gなので、1袋を1人で食べれば約2.9gです。厚生労働省のe-ヘルスネットによれば1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満なので、1袋で4割前後を使う計算になります。ここに、たれをつければさらに増えます。
気をつける相手は、原材料名の後半より、食べる個数とたれです。
同じ冷凍庫に入っている冷凍うどん6商品を比べた記事でも、差をつくっていたのはめんではなく袋のつゆでした。ひき肉のおかずなら、マルシンハンバーグ6商品の表示を見比べた記事もどうぞ。冷凍のハンバーグなら、冷凍ハンバーグ6商品を100gにそろえて比べた記事で、1個16gの商品と1袋200gの商品を同じ100gに直しています。
では、餃子に何を合わせるか

冷凍餃子の弱点は、これ1品では食卓が終わらないことです。焼いて5分で1品できても、野菜と汁物は決まっていません。
そこで足すのが、ほかの冷凍食品や惣菜です。ただし、こちらは原材料名の長さが違います。同じ数え方で並べた冷凍食品6商品の添加物ランキングでは1位が10個でした。売り場での選び方はスーパーで買える無添加の冷凍食品にまとめてあります。「無添加」という言葉が何を指すのかは無添加とは?をどうぞ。
買う店を替えるという手もあります。業務スーパーで原材料が公表されていた12商品を照合したところ、添加物0品目は7品でした。品名は業務スーパーで0品目を探した記事にあります。
そのうえで、おかずのほうを丸ごと入れ替える方法もあります。添加物を使わないと決めて作られた惣菜を、届けてもらうやり方です。
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よくある質問
冷凍餃子の表示について、よく聞かれることをまとめました。
- Q冷凍餃子に保存料は入っていますか?
- A
今回の6商品には入っていませんでした。原材料名に保存料と書かれた商品は1つもありません。日本冷凍食品協会は、−18℃以下では細菌が活動できないため保存料を使う必要がないと説明しています。
- Q冷凍餃子の添加物はどこを見れば数えられますか?
- A
原材料名のスラッシュ(/)より後ろが添加物です。たれが別添の商品は、餃子とたれで原材料名が分かれています。
- Qいちばん添加物が少ない冷凍餃子はどれですか?
- A
今回の6商品では、大阪王将のぷるもち水餃子が2個で最少でした。ただしエネルギーは100gあたり178kcalで、6商品のいちばん上です。
- Q1袋食べると食塩はどれくらいになりますか?
- A
味の素のギョーザは12個入り276gで、100gあたり1.04gです。1袋を1人で食べれば約2.9gになります。1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満なので、1袋で4割前後にあたります。
まとめ:保存料の代わりをしているのは、冷凍庫だった

6商品を並べて出た答えは1つです。冷凍餃子に保存料は入っていませんでした。書かれていた添加物は2個から5個で、6商品すべてに共通していたのは乳化剤だけ。差を作っていたのは、味つけの調味料と、羽根のための油をなじませる仕組みでした。
明日やることは1つ。冷凍餃子を買うとき、袋の裏の食塩相当量が100gあたりか1個あたりかを見る。そのうえで、その日に食べる個数をかけ算する。この一手間だけで、うわさではなく自分の数字で選べます。
そのうえで「餃子はいいとして、ほかのおかずの添加物は減らしたい」なら、宅配に切り替える手があります。5社の原材料名を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と仕組みを確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
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