ラベルさん先に結論です。ジャムの砂糖は、甘くするためだけの材料ではありません。国の決まりでは、果実を砂糖類か糖アルコールか蜂蜜と一緒に煮たものを「ジャム類」と呼びます。
だから砂糖を使わない1品は、名称欄が「ジャム」ではなく「フルーツスプレッド」でした。糖度は40度から約67度、100gあたりの炭水化物は41.0gから69.0gです。数字はすべて2026年8月27日に各社公式サイトで確認しました。
「ジャムは体に悪い」と言われる出どころは、原材料名の1番目

アヲハタ トラディショナル オレンジママレードの原材料名は、こう書かれています。
砂糖(国内製造)、かんきつ類(夏みかん、ネーブルオレンジ、冬だいだい)/ゲル化剤(ペクチン)
原材料名は重い順に書く決まりです。つまりこの商品は果実より砂糖のほうが多いことになります。
いっぽう同じアヲハタの55 イチゴ 濃厚ブレンドは、1番目がいちごでした。同じ会社でも並びが逆になります。
「砂糖のかたまり」と言われる出どころは、この並びです。ただし、ここで止めると砂糖のもう1つの役目が見えません。次の章で6商品を並べます。
糖度でジャム6商品を並べた

アヲハタ、ソントン食品、スドージャムの公式サイトで、ジャム6商品の表示を確かめました。糖度の高い順に並べます。
| 商品 | 製造元 | 糖度 | 添加物の品目数 | 原材料名の1番目 |
|---|---|---|---|---|
| トラディショナル オレンジママレード | アヲハタ | 約67度 | 1品目 | 砂糖 |
| 55 イチゴ 濃厚ブレンド | アヲハタ | 44度 | 2品目 | いちご |
| カロリーハーフ イチゴジャム | アヲハタ | 42度 | 3品目 | いちご |
| 100%フルーツ ストロベリー | スドージャム | 40 | 1品目 | いちご |
| 有機いちごジャム | ソントン食品 | 記載なし | 2品目 | 有機いちご |
| 紙カップ イチゴジャム | スドージャム | 記載なし | 4品目 | 砂糖類 |
まず気になるのは、アヲハタ 55の糖度が44度だったことです。名前と数字が合いません。
これはアヲハタの公式ページに書かれています。1970年に日本初の低糖度ジャム(糖度55度)として発売し、1988年に糖度45〜55度まで下げたという年表です。いまのイチゴ 濃厚ブレンドは44度なので、年表の45〜55度よりさらに低い数字です。名前は発売時の糖度の名残でした。
糖度が出ている商品と、出ていない商品に分かれた理由もあります。「低糖度」と書くなら、糖度の数字を一緒に出すという決まりがあるからです。
出どころは公式サイトです。トラディショナル オレンジママレード、55 イチゴ 濃厚ブレンド、カロリーハーフ イチゴジャム、100%フルーツ ストロベリー、有機いちごジャム、紙カップ イチゴジャムの各ページから、2026年8月27日に写しました。
砂糖を減らすと、名前と置き場所の2つが変わる

名称欄まで公式に出しているのは、スドージャムの2品だけでした。ここがきれいに分かれます。
| 商品 | 名称欄 | 原材料 |
|---|---|---|
| 紙カップ イチゴジャム | いちごジャム | 砂糖類(水あめ、砂糖、ぶどう糖)、いちご/ゲル化剤(ペクチン)、酸味料、pH調整剤、香料 |
| 100%フルーツ ストロベリー | フルーツスプレッド(ストロベリー) | いちご、濃縮果汁(白ぶどう、レモン)、ゲル化剤(ペクチン) |
下の1品、スドージャムのフルーツスプレッドは砂糖を使っていません。そして名称欄が「ジャム」ではなく「フルーツスプレッド」になっています。
理由は言葉の決まりにあります。農林水産省のジャム類の日本農林規格は、ジャム類をこう決めています。
果実、野菜又は花弁を砂糖類、糖アルコール又は蜂蜜とともにゼリー化するようになるまで加熱したもの
砂糖類も糖アルコールも蜂蜜も使わなければ、この文にあてはまりません。果実と果汁だけで作ると、ジャムと名乗れなくなるということです。
同じ定義は、消費者庁の食品表示基準にもそのまま入っています。
かんきつ類を使って果皮が見えるものは「マーマレード」、搾り汁から作るものは「ゼリー」です。
この原材料名の読み方については、無添加とは?売り場での見分け方にもまとめています。
変わるのは名前だけではありません。砂糖のもう1つの役目は保存です。アヲハタは55シリーズのページにこう書いています。
保存料を使っておらず、低糖度のため、開栓後は生もの同様に傷みやすくなります
糖度が下がると傷みやすくなる、と公式ページに書かれています。
この決まりは法律にも書かれています。消費者庁の食品表示基準に、ジャム類の決まりがあります。糖用屈折計の示度が60ブリックス度以下なら「開封後は、10℃以下で保存すること」と書くという中身です。
6商品の使用上の注意を並べます。
| 商品 | 糖度 | 開栓後の書かれ方 |
|---|---|---|
| トラディショナル オレンジママレード | 約67度 | 要冷蔵(10℃以下) |
| 55 イチゴ 濃厚ブレンド | 44度 | 要冷蔵・保存目安2週間 |
| カロリーハーフ イチゴジャム | 42度 | 要冷蔵(10℃以下)・保存目安2週間 |
| 100%フルーツ ストロベリー | 40 | 冷蔵庫(10℃以下)・なるべく早く |
| 有機いちごジャム | 記載なし | 公式ページに記載なし |
| 紙カップ イチゴジャム | 記載なし | 冷蔵庫(10℃以下)・なるべく早く |
ここで、都合の悪い数字も出ました。糖度約67度のトラディショナルにも「開栓後要冷蔵」と書いてあります。60ブリックス度を超えているので、法律が求めているわけではありません。
ただし差はあります。67度の1品には「2週間」という目安がなく、44度と42度の2品には付いています。決まりの上か下かではなく、書き方の細かさが違いました。
日本農林規格のほうにも、下限があります。可溶性固形分は40%以上と決められていて、測り方は20℃の糖用屈折計と書かれています。
そしてこの下限は、下がってきました。アヲハタの年表にはジャムの糖度規格が65度以上から45度以上へ変わったと書かれています。いまの規格は40%です。
100gにそろえると、炭水化物は41.0gから69.0g

栄養成分表示は、6商品とも大さじ約1杯(20g)あたりで書かれていました。100gにそろえるには、100÷20で5倍します。
この20gという量は、アヲハタの栄養情報一覧にも「使用量目安:20g/食」と書かれています。パン1枚に塗る量が大さじ約1杯ということです。
| 商品 | 20gのエネルギー | 100gのエネルギー | 100gの炭水化物 |
|---|---|---|---|
| トラディショナル オレンジママレード | 55kcal | 275kcal | 69.0g |
| 紙カップ イチゴジャム | 46kcal | 230kcal | 56.5g |
| 有機いちごジャム | 37kcal | 185kcal | 46.0g |
| 55 イチゴ 濃厚ブレンド | 35kcal | 175kcal | 42.5g |
| 100%フルーツ ストロベリー | 33kcal | 165kcal | 41.5g |
| カロリーハーフ イチゴジャム | 15kcal | 75kcal | 41.0g |

いちばん多い69.0gと少ない41.0gの差は28.0g、1.7倍ほどの開きでした。
ここでカロリーハーフを見てください。炭水化物は41.0gで、100%フルーツの41.5gとほとんど変わりません。それなのにエネルギーは75kcalと165kcalで、2倍以上の差が付きました。
理由は原材料名にあります。カロリーハーフの甘みは還元麦芽糖水あめとエリスリトールで、砂糖ではありません。糖アルコールは炭水化物に数えられますが、エネルギーは低く見積もられます。
カロリーが半分になっても、糖度は42度で、55シリーズの44度とほぼ同じでした。だから保存の条件も同じで、開栓後は要冷蔵・2週間です。
表から外した商品もあります。アヲハタのまるごと果実 いちごで、糖度は約33度と6商品のどれより低い数字でした。
外したのは、5倍換算の答え合わせに使ったからです。公式の100g表は138kcal・炭水化物33.8g、20gの表示を5倍すると140kcal・34.0g。ずれは2kcalと0.2gでした。
ジャムの添加物は、固さと酸と香りで役目がばらばら

ここまで品目数も並べてきましたが、この数は安全性の順位ではありません。
6商品では、それがはっきり出ました。添加物が1品目のトラディショナルは、100gの炭水化物が69.0gで6商品の最多です。数が少ないほうが糖は多い、という並びになりました。
逆に4品目の紙カップも、中身の役目はばらばらです。ゲル化剤は固さ、酸味料とpH調整剤は酸、香料は香り。4つとまとめて数えると、そこが分かりません。
ゲル化剤についても、ジャムには別の見方があります。日本農林規格の定義では、ゲル化剤は「加えてもよい」ほうに書かれています。定義の1つ目が果実と砂糖類を煮たもので、そこにゲル化剤や酸味料を足したものが2つ目です。
つまりジャムで外せないのは、固めるものではなく砂糖類のほうです。6商品すべてにペクチンが入っていましたが、規格で必ず入れるように決められたものではありません。
ソントン食品は、そのゲル化剤と酸味料を使う理由を公式のPDFで公開していました。日本農林規格の特級を名乗るには、添加物の情報を消費者に伝える方法を用意する決まりがあるためです。
色や甘みの付け方でも、同じ話が出ます。ハリボーの色は果物と野菜だったという記事でも、品目数と中身がずれていました。
じゃあ、どれを選んで、どう塗るか

ジャム6商品の表示から、塗る前に決めることが3つ見えました。
1つめ。糖度の数字が出ているものを見る。6商品のうち4商品は、公式ページに糖度を出していました。40度から約67度まで開きがあります。
2つめ。開けたら冷蔵庫に入れる。糖度が60ブリックス度以下なら、10℃以下で保存すると書く決まりです。糖度が低い商品ほど、冷蔵庫に入れておく必要があります。
3つめ。カロリーを下げたいのか、砂糖を抜きたいのかを先に決める。カロリーハーフは75kcalまで下がるかわりに甘味料が入ります。100%フルーツは砂糖を使わないかわりに、名称欄が「ジャム」ではありません。
そのうえで、パンに塗るものより、おかず全体を切り替えたいという日もあります。朝のパンはそのままにして、夕飯だけ添加物を足さない惣菜に替える手があります。
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よくある質問
- Qジャムの糖度に決まりはありますか?
- A
あります。農林水産省のジャム類の日本農林規格では、可溶性固形分が40%以上と決められています。測り方は20℃の糖用屈折計です。アヲハタの公式ページには、以前は65度以上だった規格が45度以上へ下がったと書かれています。
- Q砂糖不使用のジャムは体にいいのですか?
- A
良し悪しは表示からは分かりません。スドージャムの100%フルーツ ストロベリーは砂糖を使いませんが、100gあたりの炭水化物は41.5gあります。果実と濃縮果汁の糖が残るためです。名称欄も「ジャム」ではなく「フルーツスプレッド」でした。
- Qアヲハタ55の55は糖度のことですか?
- A
公式ページの年表には、1970年に日本初の低糖度ジャム(糖度55度)として発売し、1988年に糖度45〜55度まで下げたと書かれています。いまのイチゴ 濃厚ブレンドの糖度は44度で、年表の45〜55度よりさらに低い数字です。名前と現在の数字は一致しません。
- Q開けたジャムは常温に置いてもいいですか?
- A
各社の使用上の注意に従ってください。消費者庁の食品表示基準にも決まりがあります。糖用屈折計の示度が60ブリックス度以下なら「開封後は、10℃以下で保存すること」と書く、という中身です。今回の6商品では、糖度約67度の1品にも要冷蔵と書かれていました。
まとめ:砂糖が決めていたのは、甘さだけではなかった

6商品を並べて分かったことは2つです。1つめ。砂糖類も糖アルコールも蜂蜜も使わないと、名称欄は「ジャム」ではなく「フルーツスプレッド」になります。
2つめ。糖度が60ブリックス度以下なら、開封後は10℃以下で保存すると書く決まりがあります。砂糖を減らしたぶん、冷蔵庫で持たせるということです。
明日やることは1つ。冷蔵庫の瓶を出して、糖度と開栓後の書かれ方を1回だけ読んでみる。2週間という目安が書いてあれば、開けた日を覚えておく理由が分かります。
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