ラベルさん本当に無添加の宅配弁当はあるのか。この問いに、9社ぶんの原材料名で答えます。
結果は、探す単位で割れました。会社で探すと0社。商品で探すと65点です。
添加物の表示が1つもない会社は、9社の中に見あたりませんでした。いっぽうで、原材料名にスラッシュ(/)そのものが出てこない商品は、212点のうち65点あります。
もとになった数字は、2026年8月に当サイトが9社の公式サイトなどで1社ずつ取得しました。消費者庁のガイドラインは原文を引きます。
会社で探すと0社、商品で探すと65点だった

「本当に無添加の宅配弁当はあるのか」への答えは、1つに決まりませんでした。会社という単位では0社、商品という単位では65点です。
理由は、1社が何十品も作っているからです。料理ごとに使う調味料が違えば、原材料名に出てくる品目も動きます。
生活クラブの惣菜・おかず85品が分かりやすい例です。85品のうち55品にはスラッシュがありません。残る30品には、合わせて41個の表示があります。
同じ会社の中で、ゼロの商品と3個の商品が同時にあるということです。会社の名前だけでは、どちらに当たるかが決まりません。
だから「この会社は無添加」という言い方は、9社のどこにも使えませんでした。使えるのは「この商品は表示がゼロだった」という言い方までです。
- 会社まるごと表示ゼロ……0社(原材料名が公開されている9社中)
- 表示がゼロだった商品……65点(対象212点中/4社に分かれる)
- 保存料の表示があった会社……3社(それぞれ1メニュー)
「無添加」に法律の定義はない、と消費者庁が書いている

先に土台を固めます。「無添加」という言葉に、食品表示のルール上の定義はありません。
根拠は、消費者庁の食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(令和4年3月30日)です。背景の項に、こう書かれています。
食品表示基準上、食品添加物が不使用である旨の表示(以下「食品添加物の不使用表示」という。)に関する特段の規定はなく、現状では、食品関連事業者等が容器包装に、任意で「無添加」、「不使用」等の表示を行っている。
出典:消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(令和4年3月30日/2026年8月29日取得)
定義がないので、名乗るかどうかは各社の任意です。ガイドラインは、注意が必要な表示を10の類型に分類しています。
先頭の類型1が「単なる『無添加』の表示」です。原文の説明はこうなっています。
対象を明示せず単に無添加と表示をすると、何を添加していないのかが不明確であるため、添加されていないものについて消費者自身が推察することになり、一般的に消費者が推察した内容が事業者の意図と異なる場合には内容物を誤認させるおそれがある。
出典:同ガイドライン 類型1
ここで、宅配弁当ならではの事情が2つ出てきます。
1つは、ガイドラインの適用範囲です。原文には「一般用加工食品の容器包装における、食品衛生法第4条第2項に規定する食品添加物の不使用表示について適用する」とあります。
対象は容器包装、つまり届いた容器に貼られる表示です。通販の商品ページや広告の文言は、この範囲に入っていません。
もう1つは類型9です。加工助剤やキャリーオーバーに関する類型で、禁止事項に当たるおそれが高い例として次の書き方が挙がっています。
例1:原材料の一部に保存料を使用しながら、最終製品に「保存料不使用」と表示
出典:同ガイドライン 類型9
しょうゆそのものに入っていた分まで、さかのぼる必要があるということです。
なお、ガイドラインは不使用表示そのものを禁じるものではありません。原文にも「食品添加物の不使用表示を一律に禁止するものではない」と書かれています。関連ページは消費者庁の食品表示法の一覧にまとまっています。
言葉のルールをもう少しくわしく知りたい人は、無添加とは?2024年に変わったルールにまとめています。
9社の実数を1枚にした

ここからが本題です。原材料名が注文前に公開されている9社について、実数を1枚に収めます。
数え方は各社の記事と同じです。スラッシュ(/)の右側にどれだけ品目名が続くか、その本数を1品ずつひかえました。かっこの中の細目は1つとして扱い、末尾の「(一部に◯◯を含む)」はアレルギー表示なので外しています。
| 会社 | 対象 | 添加物の幅 | 表示ゼロの数 | 保存料 |
|---|---|---|---|---|
| 生活クラブ | 惣菜・おかず85品 | 0個から3個(合計41個) | 85品中55品 | 0件 |
| コープデリ | CO・OP商品10品 | 0個から8個(合計42個) | 10品中1品 | 0件 |
| GREEN SPOON | メインディッシュ51品 | 0個から8個(合計141個) | 51品中2品 | 0件 |
| わんまいる | 10食30袋 | 1食2個から14個(合計69個) | 30袋中7袋 | 0件 |
| 食宅便 | おまかせコース10メニュー | 6個から12個(合計82個) | 0 | 0件(別コースには表示あり) |
| 三ツ星ファーム | 人気10メニュー | 5個から10個(合計84個) | 0 | 1メニューに表示あり |
| デリピックス | 人気10メニュー | 3個から15個(合計91個) | 0 | 1メニューに表示あり |
| ナッシュ | 人気6メニュー | 8個から17個(合計80個) | 0 | 1メニューに表示あり |
| シェフの無添つくりおき | 公式が公表 | 使用は2品目(にがり・水酸化カルシウム) | ― | 不使用(公式表記) |

ひとこと断っておきます。この表は体に悪い順ではありません。対象の数え方が社ごとに違うので、そのまま順位にもできません。
そのうえで、はっきりした形が3つ出ます。
- 対象212点のうち、表示ゼロは65点。だいたい3割です
- 65点の内訳は生活クラブ55品、わんまいる7袋、GREEN SPOON 2品、コープデリ1品の4社
- 保存料の表示があったのは、ナッシュ・デリピックス・三ツ星ファームの3社で、それぞれ1メニュー
食宅便は、おまかせコース10メニューで保存料の表示が0件でした。ただし同じ公式サイトでも、塩分&カロリーケアのコースには保存料(ソルビン酸K)などの表示が出てきます。会社ではなくコース単位で変わる例です。
冷凍の弁当3社の内訳は、それぞれの記事に全順位があります。ナッシュの人気6メニュー、デリピックスの人気10メニュー、三ツ星ファームの人気10メニューです。
なお、この9社は14社のうち原材料名が注文前に公開されていた会社です。残る5社は容器が届くまで品目名が出てきません。その線引きの根拠は注文前に原材料名が読めるのはどこかにあります。
表示ゼロの65点は、たれをからめない料理だった

65点には共通点がありました。ソースやたれをからめる工程がない料理です。
冷凍のソースは、解凍のときに水分が離れやすくなります。そこでとろみをつなぐ品目が要ります。加工でん粉や増粘剤が多くの商品に入るのは、この事情からです。
逆に、焼く・ゆでる・揚げるで成り立つ料理には、その工程がありません。実際の中身はこうなっています。
- 生活クラブ 55品……餃子、焼売、チキンナゲット400g、直火焼ハンバーグ、ふっくら和風ハンバーグ、あじフライなど。定番と呼ばれる消費材が、そのままゼロでした
- わんまいる 7袋……焼くかゆでるかで済む副菜。健幸ディナーは1食3袋なので、3袋そろってゼロになる回はありませんでした
- GREEN SPOON 2品……京風そぼろ肉じゃがと、甘口トマトチキンカレー。和風だしやしょうゆ麹、クミンやカルダモンで味が決まります
- コープデリ 1品……骨取りさばの味噌煮。たれが別添えでない商品です
ここで大事な線を1本引きます。表示がゼロの商品があることと、その会社が無添加であることは別の話です。
生活クラブは公式サイトで、保存料や発色剤、甘味料を禁止と明記しています。それでも85品の合計は41個ありました。無添加という言い方は、ここでも成り立ちません。
もう1つ。品目数が少ないことは、体にやさしいことと同じではありません。国内で使用が認められた添加物には、それぞれ使う量の上限が決められています。
毎日の食事で効いてくるのは、むしろ食塩やカロリーの量です。生活クラブでは、食塩相当量が最多の消費材が添加物0個でした。品目数の順位とは一致しません。
シェフの無添つくりおきは、使う2つを名前で公表している

9社の中で1社だけ、答え方の形が違いました。シェフの無添つくりおきです。
公式のよくある質問には、使用中の添加物が2つだけ、物質名で公表されています。にがりとも呼ばれる塩化マグネシウム、それに水酸化カルシウムの2つです。豆腐やこんにゃくを固めるときに働きます。
保存料と化学調味料は不使用というのが公式表記です。日持ちは届いてから4日で、そのぶん消費期限が短くなっています。
この書き方の利点は、品目数を出す前に中身が分かるところです。「何個か」ではなく「何と何か」を先に出しています。
運営会社が出しているメディアには、食材や調味料の規格書を取り寄せる専任の部署をつくった、と書かれています。しょうゆそのものに入っていた分、つまりキャリーオーバーまでさかのぼる、という意味です。
さきほどの類型9が求めているのは、まさにその確認です。
ただし、ここは持ち上げすぎないほうが正確です。1品ずつで見れば、生活クラブの55品のほうが表示は少なくなります。あちらはスラッシュそのものがなく、2つですらありません。
違うのは形です。シェフは会社として使う品目を名指しし、生活クラブは商品ごとに結果が分かれます。ゼロを商品で探すなら後者、社としての約束を先に知りたいなら前者、という並びになります。
料金や量、実際の届き方はシェフの無添つくりおきの検証記事にまとめました。
では、どうやって選べばいいのか

結論は1つです。「無添加」という言葉で選ばず、避けたいものを1つ決めてから表示を探します。
理由は前半のとおりです。言葉に定義がないので、名乗っていても中身は社ごとに違います。逆に名乗っていない会社に、表示ゼロの商品が並ぶこともあります。
避けたいものが決まれば、9社の実数がそのまま候補表になります。
- 保存料を避けたい……生活クラブ85品、GREEN SPOON 51品、コープデリ10品、わんまいる30袋、食宅便のおまかせコース10メニューは、今回0件でした
- 調味料(アミノ酸等)まで避けたい……生活クラブの85品は0件。GREEN SPOONは51品中34品に表示があります
- 加工でん粉も避けたい……GREEN SPOONは51品中45品、コープデリは10品中9品に、とろみをつなぐ品目が入っていました
- 味付けを任せたい……冷蔵の作り置きなら、シェフの無添つくりおきが使用2品目を公表しています
- 食塩を抑えたい……品目数ではなく、1食の食塩相当量で決めます
手順にすると3つです。避けたい品目を1つ決める。その会社の商品ページに原材料名の欄があるか探す。スラッシュより後ろに、その品目名が入っているかを見つける。
欄そのものがない会社もあります。悪い会社という話ではなく、買う前に選べるかどうかの違いです。
宅配だけでなく、自分で作る弁当や店で買う弁当まで含めるなら、道は3つに分かれます。店で作って店で売る弁当には、原材料名を出さなくてよい場合があります。3つの違いは毎日の弁当を3つの道で比べた記事にあります。
候補をまとめて確認したいときは、無添加のおかず宅配おすすめ5社が入口になります。
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よくある質問
- Q本当に無添加の宅配弁当はありますか?
- A
会社という単位では、今回の9社に見あたりませんでした。添加物の表示が1つもない会社は0社です。ただし商品という単位なら実在します。対象212点のうち65点は、原材料名にスラッシュそのものがありません。
- Q「無添加」と書いてあれば添加物はゼロですか?
- A
ゼロという意味にはなりません。消費者庁のガイドラインには、食品表示基準に不使用表示の特段の規定はないと書かれています。何を抜いたかを名指ししている表示なので、名指しされていない品目は入ることがあります。
- Q表示がゼロだった商品はどこの何ですか?
- A
生活クラブが85品中55品で最多です。餃子や焼売、あじフライなどが入ります。ほかにわんまいるが30袋中7袋、GREEN SPOONが51品中2品、コープデリが10品中1品でした。
- Q保存料の表示があったのはどこですか?
- A
ナッシュ、デリピックス、三ツ星ファームで、それぞれ1メニューでした。生活クラブ、コープデリ、GREEN SPOON、わんまいる、食宅便のおまかせコースは0件です。ただし食宅便の塩分&カロリーケアには表示があります。
まとめ:会社ではゼロが0社、商品ではゼロが65点

9社を1本にまとめて出た答えは3つです。
- 添加物の表示が1つもない会社は、原材料名が公開されている9社の中に0社
- 表示がゼロの商品は実在する。対象212点のうち65点で、生活クラブ55品・わんまいる7袋・GREEN SPOON 2品・コープデリ1品
- 「無添加」に食品表示のルール上の定義はない。消費者庁は注意が必要な表示を10の類型に分類している
どの会社も、法律どおりの表示を容器に貼っています。分かれたのは、抜くと決めた品目と、料理の作り方だけです。
明日やることは1つ。気になっている品目を1つだけ決めて、その名前が商品ページのスラッシュより後ろにあるかを探します。それだけで、言葉ではなく表示で決められます。
「味付けは任せたいけれど、使っているものは先に知っておきたい」なら、使用2品目を公表しているシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
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