ラベルさん先に結論です。レトルトカレーに保存料は入れられません。法律で使ってはいけないと決まっているからです。10商品の公式サイトで原材料名を確かめましたが、保存料と書かれた商品は1つもありませんでした。
代わりに差がついたのは1袋の食塩相当量でした。いちばん少ない商品が1.5g、いちばん多い商品が3.1g。2倍以上ひらいています。この記事では10商品を添加物の数で並べ、順位の根拠まで全部出します。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認したものです。
「保存料まみれ」と言われる出どころは、袋の丈夫さ

銀色の袋に入ったカレーが、常温で長くもつ。この丈夫さが、そのまま薬品の想像につながっています。「これだけもつのだから、強い保存料が入っているに違いない」という理屈です。
ところが実際は逆でした。公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会は「『容器包装詰加圧加熱殺菌食品』には保存料、殺菌料を使ってはならないことが、食品衛生法で定められています」と書いています。レトルトカレーはこの分類に入ります。
もたせているのは薬品ではなく、熱と圧力です。同じ協会によれば、殺菌は「レトルト(高圧釜)」を使って「120℃以上で4分間以上高温高圧殺菌」を行います。袋に詰めて閉じてから、袋ごと加熱する順番なので、中に菌が残りません。
つまり、使ってはいけないものを心配していたことになります。では、書かれている添加物は何なのか。並べて比べます。
10商品の原材料名を、添加物の数で並べた

順位の付け方は3つだけです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が、何個あるかを数える
- 同じ数のときは、100gあたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
- それも同じときは、1袋のエネルギーが多いほうを上位に置く
並べたのは、スーパーで手に入りやすい10商品です。
| 順位 | 商品(内容量) | 添加物の数 | 1袋の食塩相当量 | 100gあたり食塩相当量 | 1袋のエネルギー |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | エスビー食品 国産牛ビーフカレー 中辛(170g) | 6個 | 2.9g | 1.71g | 207kcal |
| 2 | エスビー食品 ホテル・シェフ仕様 欧風ビーフカレー 中辛(170g) | 6個 | 2.9g | 1.71g | 167kcal |
| 3 | エスビー食品 噂の名店 欧風ビーフカレー(200g) | 6個 | 2.6g | 1.30g | 350kcal |
| 4 | 大塚食品 ボンカレーゴールド 中辛(180g) | 6個 | 2.3g | 1.28g | 145kcal |
| 5 | 大塚食品 100kcalマイサイズ 欧風カレー(150g) | 6個 | 1.9g | 1.27g | 98kcal |
| 6 | 明治 銀座カリー 中辛(180g) | 5個 | 2.6g | 1.44g | 230kcal |
| 7 | 江崎グリコ 常備用カレー職人 中辛(170g) | 5個 | 2.2g | 1.29g | 108kcal |
| 8 | ハチ食品 備蓄用ビーフカレー マイルド(200g) | 4個 | 3.1g | 1.55g | 190kcal |
| 9 | 明治 まいにちおいしい銀座カリー 中辛(170g) | 4個 | 2.6g | 1.53g | 156kcal |
| 10 | 江崎グリコ ビーフカレーLEE 辛さ×20倍(180g) | 2個 | 1.5g | 0.83g | 223kcal |

食塩相当量は100gあたりにも計算し直しました。公式サイトに書かれている1袋の量が150gから200gまでばらばらだからです。出典は各社の公式ページです(国産牛ビーフカレー、ホテル・シェフ仕様、噂の名店、ボンカレーゴールド、マイサイズ、銀座カリー、常備用カレー職人、備蓄用ビーフカレー、まいにちおいしい銀座カリー、ビーフカレーLEE)。
先に断っておきます。この順位は原材料名に書かれた添加物の数が多い順であって、体に悪い順ではありません。それでも、10商品を並べると見えてくるものがありました。
上位5商品には、どれも同じ3つが使われていた

添加物6個で並んだ上位5商品は、中身がほとんど重なっています。共通していたのは調味料(アミノ酸等)、カラメル色素、増粘剤の3つでした。
増粘剤は、カレーにとろみをつけるために使われている
上位5商品のうち4商品に、増粘剤(加工デンプン)が入っていました。レトルトは袋の中で120℃以上に加熱されます。加熱してもとろみが残るように、加工デンプンが使われていると考えられます。
カラメル色素は、10商品のうち9商品に入っていました。入っていなかったのは10位のビーフカレーLEEだけです。
10位のLEEは、添加物が調味料と香料の2個だけ
いちばん少なかったLEEの原材料名は、スラッシュの後ろが「調味料(アミノ酸等)、香料」の2個で終わっています。そのぶん前半が長く、牛肉、たまねぎペースト、ラード、ウスターソース、ココアパウダーと材料の名前が並んでいました。色やとろみを足すのではなく、材料そのものでカレーの濃さを作っているということです。
ただし、添加物の数が多い=体に悪い、ではない

ここを一緒にすると、選び方をまちがえます。日本で使用が認められている添加物には使用量の上限があり、書かれている数が多いことは、そのまま食べる量の多さにはなりません。
毎日の体に積み上がるのは、むしろ1袋の食塩相当量のほうでした。いちばん多いハチ食品の備蓄用ビーフカレーが3.1g、いちばん少ないビーフカレーLEEが1.5gで、2倍以上の差です。しかも添加物4個の商品が食塩でいちばん多くなっています。
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満。1袋3.1gなら、女性の目標量の半分近くを1食でとる計算になります。味噌汁や漬物を足せば、そこからさらに増えます。
つまり、添加物の数はどうやってカレーらしさを作っているかを、食塩相当量は毎日どれだけ体に積み上がるかを表しています。表しているものが違うので、順位も一致しません。見るところは2つあります。
合わせるごはんのほうも見ておくなら、パックご飯の添加物を確かめた記事で6商品に保存料がなかったことが分かります。同じ日の食卓に並びやすいスーパーの惣菜6商品の添加物を比べた記事もどうぞ。
では、売り場で何を選べばいいのか

選び方は2段階です。まず箱の裏で1袋の食塩相当量を見る。今回の10商品は1.5gから3.1gの間でした。次にスラッシュの後ろの数を見る。2個の商品も6個の商品もあります。
もう1つ、忘れやすい足し算があります。カレーはごはんと合わせて食べるからです。同じ数え方でごはん側を比べたごはん5商品の記事と、量を減らす商品を並べたマイサイズ6商品の記事もどうぞ。「無添加」の意味は無添加とは?にあります。
同じ料理を箱のルウで作る側は、色のつけ方が分かれます。シチューやハヤシのルウでは、カラメル色素が入っていたのは茶色い3商品だけでした。中身はルウの着色料を数えた記事にあります。かける相手をごはんからパスタに替えるなら、1食の食塩相当量が1.8gから2.9gにおさまったパスタソース6商品の記事もどうぞ。
ただし弱点もあります。レトルトカレーは、選んでも献立の幅が広がりません。食塩相当量の少ない商品に替えても、明日も明後日もカレーです。忙しい日に手が伸びるのは、温めるだけで1食が終わるからです。
だから温めるだけの手軽さを残したまま、おかずを変えたい人には、もう1つの選び方があります。添加物を使わないと決めて作られた惣菜を、届けてもらう方法です。
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よくある質問
- Qレトルトカレーに保存料は入っていますか?
- A
入っていません。日本缶詰びん詰レトルト食品協会は「『容器包装詰加圧加熱殺菌食品』には保存料、殺菌料を使ってはならないことが、食品衛生法で定められています」と説明しています。今回の10商品にも、保存料は1つも書かれていませんでした。
- Qレトルトカレーが常温で長くもつのはなぜですか?
- A
袋に詰めて閉じたあと、袋ごと加熱殺菌するからです。同協会によれば、殺菌は「レトルト(高圧釜)」を使って120℃以上で4分間以上行われます。中に菌が残らないため、薬品を足す必要がありません。
- Q添加物がいちばん少ない商品を選べばいいですか?
- A
それだけでは決まりません。今回の10商品では、添加物4個の商品が1袋の食塩相当量でいちばん多く、添加物6個の商品より上に来ました。添加物の数と食塩相当量は別のものを表しているので、両方を見てください。
- Qレトルトカレーを毎日食べても大丈夫ですか?
- A
回数の目安は言い切れません。判断の材料になるのは1袋の食塩相当量で、今回の10商品では1.5gから3.1gでした。1日の目標量は18歳以上の男性で7.5g未満、女性で6.5g未満なので、その日の他の食事と合わせて考えることになります。
箱のカレールーも見方は同じです。6商品の原材料名を頭から並べると、添加物より先に食用油脂が1番目か2番目に来ていました。
まとめ:悪いのは保存料ではなく、1袋の食塩相当量だった

10商品を並べて出た答えは1つです。レトルトカレーに保存料は入れられません。袋ごと120℃以上で加熱殺菌するので、必要がないからです。差がついたのは1袋の食塩相当量で、1.5gと3.1gで2倍以上ひらいていました。
明日やることは1つ。カレーの箱を裏返して、1袋の食塩相当量を見る。2gなのか3gなのか。その1行を見るだけで、選べるようになります。
そのうえで「温めるだけの手軽さは残したいけれど、添加物と食塩は減らしたい」なら、宅配に切り替える手があります。5社の原材料名を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と仕組みを確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
同じカレーでも、湯で戻すタイプは入っているものが少し違います。カレーメシの添加物を用途別に仕分けた記事では、味と香りの添加物はレトルトの4個とほぼ同じでした。
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