ラベルさん先に結論です。いわしの缶詰に添加物はほとんど書かれていませんでした。メーカー公式サイトで6商品を確認したところ、多い商品でも3個、2商品はゼロ。そして意外だったのは、添加物ゼロの水煮が、味付の商品より食塩相当量の多い100gあたり1.7gだったことです。
「水煮だから薄味」は、いつも正しいわけではありませんでした。この記事では6商品を添加物の数で並べ、そのうえで水煮と味付の中身がどれだけ違うのかを出します。数字はすべて2026年8月23日に各社公式サイトで確認したものです。
「いわし缶は体に悪い」と言われるようになった理由

長く常温で置いておけるので、何か入っていると思われやすい。ただし、長持ちさせているのは薬品ではありません。日本缶詰びん詰レトルト食品協会は、缶詰は容器に密封してから加熱殺菌するため、微生物が入り込めず「保存料などを使う必要がありません」と説明しています。
実際、今回の6商品でも保存料の表示はゼロでした。ではどこを見ればいいのか。食塩相当量です。いわし缶はごはんのおかずとして丸ごと食べるものなので、缶に入っている食塩がそのまま体に入ります。しかもこの数字は、水煮か味付かでは決まりませんでした。
添加物の数でいわし缶6商品を並べた

順位の付け方は2つだけです。味は判断に入れていません。
- 原材料名のスラッシュ(/)より後ろに書かれた添加物が、いくつあるかを見る
- 同じ数のときは、100gあたりの食塩相当量が多いほうを上位に置く
並べたのは、水煮・味付・醤油煮・しょうゆ味の6商品です。
| 順位 | 商品 | 添加物の数 | 脂質 | 炭水化物 | 食塩相当量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | いなば いわし 味付 60g | 3個 | 6.0g | 11.3g | 1.8g |
| 2 | 宝幸 いわし味付 100g | 2個 | 14.0g | 6.6g | 1.3g |
| 3 | 宝幸 日本のいわし 醤油煮 130g | 2個 | 12.9g | 5.3g | 0.8g |
| 4 | 宝幸 日本のいわし 水煮 130g | 1個 | 15.2g | 1.0g | 1.1g |
| 5 | 信田缶詰 国産生原料いわし水煮(だし入り) 150g | 0個 | 18.9g | 0.4g | 1.7g |
| 6 | 信田缶詰 国産生原料いわししょうゆ 150g | 0個 | 18.9g | 8.7g | 1.5g |

脂質・炭水化物・食塩相当量は100gあたりに計算し直しました。公式サイトに書かれている単位が、いなば食品は1缶60g、宝幸のいわし味付は1缶100g、宝幸の水煮と醤油煮は1缶130g、信田缶詰の水煮としょうゆは1缶150gと、商品ごとに違うためです。
先に断っておきます。この順位は表示されている添加物の数が多い順で、体に悪い順を示すものではありません。実際、並べ替えると順位はすぐ入れ替わります。
上位に共通する一点は、いわし自体ではなく味付けだった

1位から3位の添加物は、とろみと酸味と調味料
1位のいなばに書かれていたのは、調味料(アミノ酸等)・増粘剤(キサンタンガム)・クエン酸の3つ。2位の宝幸いわし味付は増粘剤(グァーガム)とカラメル色素、3位の醤油煮は増粘剤(加工デンプン)と調味料(アミノ酸等)でした。いずれもタレのとろみ・色・うま味のためのもので、いわし自体に使うものではありません。
4位の水煮に書かれていたのは、増粘剤ひとつ
宝幸の日本のいわし水煮は、原材料名が「いわし(国産)、食塩、しょうが汁/増粘剤(加工デンプン)」。スラッシュの後ろは1品目だけで、前も3つしかありません。炭水化物も100gあたり1.0gで、味付の6.6gと大きく違いました。
5位と6位は、スラッシュそのものがない
信田缶詰の2商品は、原材料名にスラッシュがありません。水煮のほうは「いわし(国産)、調味だし(醤油、砂糖、食塩、玉ねぎ、発酵調味料、セロリ、人参、酵母エキス)、食塩」。添加物はゼロですが、だしと食塩で味は付いています。
つまり、いわし缶で分かれていたのは添加物の有無ではなく、どんな味を付けてあるかでした。
ただし、添加物の数が多い=体に悪い、ではない
ここを一緒にすると、選び方をまちがえます。日本で使用が認められている添加物には使用量の上限があり、書かれている数が多いことは、そのまま食べる量の多さにはなりません。
今回いちばんはっきり出たのがここです。添加物ゼロの5位・信田缶詰の水煮は、100gあたりの食塩相当量が1.7g。添加物2個の2位(1.3g)より多く、添加物2個の3位(0.8g)の2倍以上でした。商品名に「水煮」とありますが、原材料名には調味だしと食塩が書かれています。水煮という言葉は、食塩を使っていないという意味ではありません。
脂質も入れ替わります。添加物がいちばん多い1位のいなばは100gあたり6.0gで6商品中いちばん少なく、添加物ゼロの5位と6位が18.9gで最多でした。
厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、食塩相当量の目標量は18歳以上の男性で7.5g/日未満、女性で6.5g/日未満。1缶150gを食べきると2.6gなので、1食で1日の目標の3分の1を超える計算になります。
同じ見方は、ほかの缶詰でも使えます。さんまの蒲焼の缶詰6商品を比べた記事ではタレの糖が差を作っていましたし、スパムなどポーク缶6商品を比べた記事では1缶の食塩が8.5gでした。
では、どのいわし缶を選ぶか
答えは1つです。商品名ではなく、栄養成分表示の食塩相当量と、その下の内容量をセットで見る。今回でいえば、100gあたり0.8gの醤油煮もあれば、1.8gの味付もありました。同じ「水煮」でも1.1gと1.7gに分かれています。
「無添加」という言葉が何を指すのかは無添加とは?にまとめてあります。
ただし弱点もあります。いわし缶を選び直しても、その日のおかずはまだ決まっていません。缶詰が売れているのは、開ければ一品になるからです。
だから味の付いたおかずを毎日食べたい人には、もう1つの選び方があります。添加物を使わないと決めて作られた惣菜を、届けてもらう方法です。
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よくある質問
- Qいわしの缶詰に保存料は入っていますか?
- A
今回確認した6商品には、保存料の表示はありませんでした。日本缶詰びん詰レトルト食品協会も、缶詰は密封して加熱殺菌するため保存料などを使う必要がないと説明しています。
- Q水煮を選べば食塩は少なくなりますか?
- A
そうとは限りません。今回は宝幸の水煮が100gあたり1.1g、信田缶詰の水煮(だし入り)が1.7gでした。同じ水煮でも、原材料名に調味だしや食塩が書かれている商品があります。
- Q毎日1缶食べても大丈夫ですか?
- A
安全性を判断できる立場ではないので断定はできません。数字だけ言うと、1缶150gの商品では食塩相当量が2.2gから2.6g入ります。ほかの食事と合わせて考える量です。
- Q原材料名はどこで確認できますか?
- A
各メーカー公式サイトの商品ページに載っています。スラッシュ(/)より後ろが添加物で、スラッシュがない商品は添加物の表示がないという意味です。
まとめ:分かれ目は添加物ではなく、味付けの食塩だった

6商品を並べて出た答えは1つです。いわし缶に添加物はほとんど入っておらず、差を作っていたのは味付けの食塩でした。1位でも添加物3個、2商品はゼロ。それなのに、その添加物ゼロの水煮が100gあたり1.7gで、食塩では上から2番目でした。
明日やることは1つ。缶を裏返して、商品名ではなく食塩相当量と内容量を並べて見る。それだけで、水煮と味付のどちらを買うかを決められます。
そのうえで「味付けまで任せたいけれど食塩は減らしたい」なら、宅配に切り替える手があります。5社の原材料名を比べた無添加のおかず宅配おすすめ5社と、料金と仕組みを確かめたシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
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