ラベルさん先に結論です。ゼラチンは、指定添加物リストにも既存添加物名簿にも名前がありません。だから原材料名では、添加物ではなく食品の材料として書かれます。
実際、17商品のうちゼラチンの表示があったのは10商品で、9商品はスラッシュより前、残る1商品は原材料名にスラッシュがありませんでした。スラッシュより後ろ、つまり添加物の並びに入っていた商品は1つもありません。原材料名と栄養成分は、2026年9月4日に各社の公式ページで確かめた内容です。
「ゼラチンは体に悪い」と言われる出どころは、カタカナの並びと原料の動物

グミやゼリーの袋の裏には、カタカナの言葉がいくつも並びます。ゼラチンもカタカナです。そのため、酸味料や香料と同じ仲間だと受け取られやすくなります。
もう1つ、原料の話があります。ゼラチンの原料は、牛や豚の骨や皮です。動物の体の一部だと知って、口に入れることをためらう人がいます。宗教上の理由で牛や豚を避ける人にとっても、避けたい材料になります。
ただ、この2つはどちらも「気持ちの引っかかり」であって、表示の話ではありません。表示の世界では、ゼラチンが添加物なのかどうかに、はっきりした答えがあります。見るのは、国が作っているリストです。
まず、そのリストを開きます。
ゼラチンは指定添加物にも既存添加物にもない。名前があったのは3つめのリスト

食品添加物は4つに分けられます。東京都保健医療局の解説によると、指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食物添加物の4つです。それぞれに国のリストがあります。
1つめ、指定添加物リストです。食品衛生法施行規則の別表第一に載っているもので、令和6年3月1日改正の版に476品目あります。ここにゼラチンはありません。
2つめ、既存添加物名簿収載品目リストです。令和7年8月25日現在で327品目。ここにもゼラチンはありません。
そのかわり、固めたりとろみをつけたりする材料が、こちらにずらりと並んでいます。番号と用途欄をそのまま書き出します。
| 番号 | 品名 | 用途欄 |
|---|---|---|
| 18 | アラビアガム | 増粘安定剤 |
| 59 | カラギナン | 増粘安定剤 |
| 71 | カロブビーンガム | 増粘安定剤 |
| 76 | キサンタンガム | 増粘安定剤 |
| 141 | ジェランガム | 増粘安定剤 |
| 256 | ペクチン | 増粘安定剤 |
グミの原材料名でよく見るペクチンは256番、カラギナンは59番です。どちらも既存添加物、つまり添加物です。
3つめのリストで、ようやくゼラチンの名前が出てきます。一般に食品として飲食に供されている物であって添加物として使用される品目リストです。長い名前ですが、中身はそのままの意味で、ふだんは食品として食べているものが、添加物として使われることもある、という一覧です。
ここに「ゼラチン」があり、用途欄には「製造用剤」と書かれています。すぐ近くに「寒天」もあり、こちらの用途欄も「製造用剤」でした。
ここに注意が必要です。ゼラチンの名前が出てくるのは、固めるための添加物としてではなく、製造用剤として使うときの枠です。グミやプリンを固めるために入れたゼラチンは、この枠には入りません。食品の材料として扱われます。
調べる前は、ゼラチンはどのリストにも一切載っていないと思っていました。実際は3つめに名前がありました。ただし用途欄が「製造用剤」だったことで、固めるはたらきで入れたゼラチンとは切り分けられます。結論は変わらず、書かれる場所も変わりません。
ここまでは紙の上の話です。次は商品の裏を見ます。
17商品の原材料名で、ゼラチンはスラッシュより前だった

原材料名には区切りの決まりがあります。添加物と、それ以外の材料を分けて書きます。分け方の1つが記号のスラッシュです。東京都保健医療局のページには、こんな書き方の例が載っています。
「いちご、砂糖/ゲル化剤(ペクチン)、酸化防止剤(ビタミンC)」
前が食品の材料、後ろが添加物です。ペクチンは後ろに置かれています。ではゼラチンはどうか。グミ、ゼリー、プリン、ヨーグルト、ハム、菓子から17商品を集めました。
| 商品 | メーカー | ゼラチンの表示 | 固めるための添加物 |
|---|---|---|---|
| 果汁グミぶどう 54g | 明治 | スラッシュより前 | ゲル化剤(ペクチン) |
| 果汁グミ弾力プラスぶどう 72g | 明治 | スラッシュより前 | 表示なし |
| ピュレグミグレープ 56g | カンロ | スラッシュより前 | 増粘剤(ペクチン) |
| フェットチーネグミ イタリアングレープ味 50g | ブルボン | スラッシュより前 | ゲル化剤(ペクチン) |
| タフグミ 100g | カバヤ食品 | スラッシュより前 | ゲル化剤(増粘多糖類) |
| 男梅グミ 41g | ノーベル製菓 | スラッシュより前 | 増粘剤(加工でん粉) |
| コロロ巨峰 48g | UHA味覚糖 | 原材料名には出ない | ゲル化剤(増粘多糖類) |
| エンゼルパイ ティータイムパック | 森永製菓 | スラッシュより前 | 表示なし |
| クックゼラチン6袋入 30g | 森永製菓 | スラッシュがない | 表示なし |
| 森永牛乳プリン 60g×4 | 森永乳業 | スラッシュより前 | 表示なし |
| 森永の焼プリン 140g | 森永乳業 | なし | 糊料(増粘多糖類) |
| プッチンプリン 67g×3 | 江崎グリコ | なし | 糊料(増粘多糖類) |
| みかんゼリー 160g | たらみ | なし | ゲル化剤(増粘多糖類) |
| 蒟蒻畑 ぶどう味 25g×10 | マンナンライフ | なし | ゲル化剤(増粘多糖類) |
| 明治ブルガリアヨーグルト脂肪0 ジューシー果実 苺 180g | 明治 | スラッシュより前 | 増粘多糖類 |
| 明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン脂肪0 180g | 明治 | なし | 表示なし |
| 朝のフレッシュ ロースハム 35g | 伊藤ハム | なし | 増粘多糖類 |
トップバリュのホワイトマシュマロは、2026年6月に製造終了と公式に出ていたため、表から外しています。
結果を整理します。ゼラチンの表示があったのは10商品。そのうち9商品はスラッシュより前、残る1商品はそもそもスラッシュがありませんでした。添加物の並びにゼラチンが入っていた商品は、17商品を通して0でした。
例を1つ挙げます。明治の果汁グミぶどう54gは「水あめ(国内製造)、砂糖、濃縮ぶどう果汁、ゼラチン、食用油脂、でん粉/酸味料、ゲル化剤(ペクチン)、香料、光沢剤」です。同じ「固める」はたらきなのに、ゼラチンは前、ペクチンは後ろに分かれています。
スラッシュがなかった1商品も、理屈は同じです。森永製菓のクックゼラチンは「ゼラチン(国内製造)」の1行です。区切る相手がいないので、スラッシュも出てきません。
クックゼラチンと、原材料名が「乳製品(国内製造又は外国製造)、乳たんぱく質」だけの明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン脂肪0の2商品は、添加物の表示が0品目でした。ただしこの0は、パッケージに書かれていないという意味です。製造の途中で使って最後に残らないものと、原料から持ち込まれてはたらきを失ったものは、書かなくてよい決まりがあります。
数える前に1つ。加工助剤とキャリーオーバーは、そもそも書かなくてよいことになっています。0品目は「表示に出ていない」というところまでを指します。
変わり種もありました。果汁グミ弾力プラスぶどう72gには、ゲル化剤も増粘剤も書かれていません。前にゼラチンがあるだけです。かたさをゼラチンで作っている、ということになります。1袋のコラーゲンは6500mgで、たんぱく質は7.6gでした。
逆の例がUHA味覚糖のコロロ巨峰です。原材料名にゼラチンの文字はなく、そこには「コラーゲン」と書かれています。ただしアレルギー物質の欄には牛肉・りんごと並んでゼラチンが載っています。この書き分けについては、グミ6商品の添加物を品目数の多い順に置いた記事で別の角度から取り上げました。
代わりに使う4つ。違うのは、どのリストに載っているか

ゼラチンを使わない商品は、別のもので固めています。よく出てくる4つを、リストの区分ごとに分けました。
| 名前 | どのリストか | 添加物か食品か | 17商品での書かれ方 |
|---|---|---|---|
| ゼラチン | 一般飲食物添加物のリスト(用途欄は製造用剤) | 固めるために使えば食品の材料 | 表示があった10商品とも添加物の並びの外 |
| 寒天 | 一般飲食物添加物のリスト(用途欄は製造用剤) | 固めるために使えば食品の材料 | スラッシュより前に3商品 |
| ペクチン | 既存添加物名簿の256番 | 添加物 | スラッシュより後ろに3商品 |
| カラギナン | 既存添加物名簿の59番 | 添加物 | 単独の表示は17商品とも0 |

寒天は、ゼラチンとまったく同じ扱いでした。江崎グリコのプッチンプリンは「……うるち米でん粉、こんにゃく粉、寒天/糊料(増粘多糖類)、香料、酸味料」です。寒天は前、増粘多糖類は後ろ。たらみのみかんゼリーも「……洋酒、寒天/ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料」と、同じ並びでした。
両方が前に来た商品もあります。森永牛乳プリンは「乳製品(外国製造又は国内製造)、砂糖、牛乳、植物油脂、でん粉、デキストリン、ゼラチン、寒天/乳化剤、香料」でした。固めるものは2つとも前にあり、後ろに残ったのは乳化剤と香料だけです。
その「増粘多糖類」という言葉にも決まりがあります。大阪府の解説によると、用途欄に増粘安定剤と書かれた多糖類を2種以上あわせて使う場合に、簡略名として「増粘多糖類」を使ってよいことになっています。中身が2つ以上あるので、名前を1つにまとめているということです。
そのうえ、ゲル化剤や増粘剤という用途の名前を添える決まりもあります。用途名を併記する8つの用途は、甘味料、着色料、保存料、増粘剤・安定剤・ゲル化剤・糊料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤です。ゼラチンにこの用途名が付かないのは、そもそも添加物として書かれていないからです。
ゼラチンを使わないと宣言している会社もあります。たらみのよくある質問には「ゼラチンは使用せず、増粘多糖類を使用しております。」と書かれ、その増粘多糖類について「海藻や植物種子由来のものなどを使用しております。」と続きます。固める材料を選ぶと、書く場所も別です。
ペクチンが原材料名に残る商品は、菓子以外にもあります。ジャム売り場の12商品を開いた話はピーナッツバターとジャムの原材料名をたどった記事にまとめました。
原料は牛と豚の骨や皮。アレルギー表示では20品目の中に入っている

原料の話に戻ります。日本ゼラチン・コラーゲン工業組合の説明では、コラーゲンを加熱して構造を分解すると水に溶けやすいたんぱく質に変わり、それがゼラチンです。原料は「その多くは牛や豚など、家畜の骨や皮から抽出されています」と書かれています。魚のウロコや皮から作るものもあります。
公表しているのは、この組合だけではありません。森永製菓のクックゼラチンは「森永クックゼラチンの原料は、主に牛(の骨)です。」と明記し、主成分は「コラーゲン由来のたんぱく質で、全体の86%以上を占めています。」としています。マシュマロを作るエイワのよくある質問は「使用しているゼラチンは、すべて豚皮由来のゼラチンです。」と答えています。
牛か豚かで避けたい人がいるため、ここからは表示の決まりです。消費者庁の加工食品の食物アレルギー表示ハンドブックを開きます。義務づけられている特定原材料は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の8品目です。ゼラチンはここではなく、表示が推奨されている20品目のほうに入っています。
その20品目は、アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・マカダミアナッツ・もも・やまいも・りんご・ゼラチンです。
ゼラチンの範囲についても、同じハンドブックに書かれています。「日本標準商品分類における明確な分類項目はありませんが、ゼラチンの名称で流通している製品が対象です。」とあり、続けて「牛、豚を主原料として製造されることが多いですが、魚から製造されるものもあります。」という説明です。
さらに細かい決まりもあります。「豚肉」や「牛肉」を原材料として作り、その途中でゼラチンが抽出される場合は、「(豚肉を含む)」「(牛肉を含む)」と書く決まりです。板ゼラチンや粉ゼラチンという書き方も、ゼラチンと同じものとして扱われます。
今回の17商品でも、この推奨どおりに書かれていました。カンロのピュレグミグレープも、明治ブルガリアヨーグルト脂肪0 ジューシー果実 苺も、アレルギーの欄にゼラチンの記載がありました。義務ではないのに、多くの会社が書いています。
ただし、スラッシュより前だから安心、という話ではない

ここまで書いた場所の話は、安全性の順番ではありません。スラッシュは、材料を役割で分ける記号であって、良い悪いを分ける記号ではないからです。
ペクチンもカラギナンも、長く使われてきたから既存添加物名簿に載っています。海藻や果実から取り出したものです。後ろに書かれているという理由だけで、前に書かれたゼラチンより劣るとは言えません。
逆もあります。原材料名の1行目に砂糖や水あめが並んでいれば、それは前に書かれた材料です。カバヤ食品のタフグミは1袋100gで炭水化物73.9g。ノーベル製菓の男梅グミは1袋41gで食塩相当量3.08gでした。気になる数字が出てくるのは、むしろスラッシュより前のほうです。
もう1つ、ゼラチン自体が添加物として使われる場面もあります。3つめのリストの用途欄が「製造用剤」だったのは、そのためです。にごりを取るなど、作る途中で使って最後には残らない使い方をすれば、その回のゼラチンは添加物にあたります。そして最後に残らないものは、表示が免除されます。
つまり「書かれているかどうか」と「使われているかどうか」は、いつも同じではありません。この免除の決まりは、豆腐6商品で消泡剤の表示が分かれた記事でも同じ形で出てきました。
「無添加」という3文字のほうにも、法律の決まりはありません。売り場で何を見ればいいかは2024年にルールが変わった無添加表示の記事にまとめています。
じゃあ、ゼラチンを避けたい人はどこを見るか

17商品の表示から、売り場で使えることを3つにしぼります。
1つめ。ゼラチンを探すなら、スラッシュより前を読む。添加物の並びをいくら追っても出てきません。表示があった10商品とも、添加物の並びの外にありました。菓子なら水あめや砂糖のすぐ後ろ、乳製品なら乳たんぱく質のあたりです。
2つめ。原材料名を読み切れない日は、アレルギーの欄を見る。ゼラチンは推奨の20品目に入っているので、多くの商品が書いています。コロロ巨峰のように原材料名では「コラーゲン」と書かれていても、アレルギーの欄には出てきます。
3つめ。避けたいなら、寒天かこんにゃく粉で固めた商品を選ぶ。プッチンプリンもみかんゼリーも蒟蒻畑も、ゼラチンの表示はありませんでした。牛や豚を避けたい理由がある場合、この3つは代わりになります。
売り場ごとに0品目がどこにあったかは、スーパー7か所を回って添加物0品目を探した記事にまとめました。
そのうえで、お菓子を1つずつ見るより、夕食のおかずごと入れ替えたい日もあります。添加物を足さない前提で作った惣菜が、冷蔵で届くしくみもあります。
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よくある質問
- Qゼラチンは食品添加物ですか?
- A
指定添加物リスト(476品目)にも既存添加物名簿(327品目)にもゼラチンの名前はありません。名前があるのは、ふだん食品として食べているものが添加物として使われることもある、という3つめのリストで、用途欄は「製造用剤」でした。グミやプリンを固めるために入れたゼラチンは、食品の材料として原材料名に書かれます。
- Q原材料名でゼラチンはどこに書いてありますか?
- A
スラッシュより前です。今回の17商品でゼラチンの表示があったのは10商品で、9商品がスラッシュより前、1商品はそもそもスラッシュのない表示でした。添加物の並びに入っていた商品はありませんでした。
- Qゼラチンとペクチンや増粘多糖類は何が違いますか?
- A
載っているリストが違います。ペクチンは既存添加物名簿の256番、カラギナンは59番で、どちらも用途欄は増粘安定剤です。増粘多糖類は、その多糖類を2種以上あわせて使うときの簡略名です。いずれも添加物なので、スラッシュより後ろに書かれます。ゼラチンと寒天は前に書かれます。
- Qゼラチンは何から作られていますか?アレルギー表示はありますか?
- A
日本ゼラチン・コラーゲン工業組合の説明では、多くは牛や豚など家畜の骨や皮から抽出され、魚から作るものもあります。表示は義務ではありませんが、消費者庁が推奨している20品目にゼラチンが入っているため、多くの商品がアレルギーの欄に書いています。
まとめ:ゼラチンを探す場所は、添加物の並びではない

17商品を並べて出た答えは2つです。ゼラチンは指定添加物リストにも既存添加物名簿にもなく、原材料名では食品の材料として書かれます。表示があった10商品は、すべて添加物の並びの外にありました。
そして同じ「固める」はたらきでも、ペクチンやカラギナンは既存添加物なので、スラッシュより後ろに置かれます。寒天だけはゼラチンと同じで、前に書かれていました。
明日やることは1つ。グミやプリンを手に取ったら、スラッシュより前だけを読んでみる。ゼラチンがあるかないか、寒天かこんにゃく粉か、それだけで固め方が分かります。
表示を1枚ずつ読む時間がない週は、届く側にまかせる方法もあります。5社の原材料名を横に置いた無添加のおかず宅配5社を原材料名で比べた記事もどうぞ。
同じ「体に悪い」で調べられる菓子でも、読むところは商品ごとに変わります。輸入のグミで色の正体をたどったゴールドベア1袋80gの糖を確かめた記事では、着色料のほうが論点になりました。
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