ラベルさん「化学調味料は使っていません」という一文を、袋の裏の原材料名から探しても出てきません。表示のルールに、その5文字が用意されていないからです。
かわりに印刷されているのが調味料(アミノ酸等)という10文字です。当サイトが表示を確認できた宅配弁当・宅配惣菜9社のうち、この表記が1件も出てこなかったのは2社でした。
残る7社のうち6社には書かれています。1社は当サイトの記事に件数の記載がありません。この記事では9社の実数と、なぜ中身が印刷されないのかを1枚にまとめます。
各社の数字は、当サイトが2026年8月に公式サイトなどで取得したものです。表示のルールは食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)と消費者庁の資料で確認しました。
「化学調味料」という言葉は、原材料名に印刷されない

「化学調味料」は、表示のルールに出てこない言葉です。だから原材料名の中から探しても、永久に行き当たりません。
加工食品の表示は食品表示基準という内閣府令で決まっています。当サイトがe-Govの法令データで全文検索したところ、この府令に「化学調味料」の5文字は0件でした。
消費者庁が消費者向けに公開している食品添加物表示に関するマメ知識にも、この言葉はありません。同じ資料で使われているのは「調味料」という用語です。
用途の説明も、そのPDFに載っています。
- 種類……調味料
- 用途……食品にうま味などを与え、味を調える
- 食品添加物の例……L-グルタミン酸ナトリウム
つまり「化学調味料 不使用」という文言は、会社が自分の言葉で説明しているものです。表示の欄と1対1で照らせる言葉ではありません。原材料名の側で手がかりになるのは、調味料(アミノ酸等)という表記の有無だけです。
この記事で示せるのは、表示にどう書かれているかだけ
この記事は、各社の原材料名に何が印刷されていたかを扱います。安全性の評価はしていません。品目数で良し悪しを付ける記事でもありません。
一括名という書き方が、中身を伏せている

調味料(アミノ酸等)の中身が印刷されないのは、一括名という書き方が認められているからです。省略ではなく、ルールどおりの表記です。
食品表示基準の第三条には、こうあります。
1の規定にかかわらず、添加物の物質名の表示は、一般に広く使用されている名称を有する添加物にあっては、その名称をもって、別表第七の上欄に掲げるものとして使用される添加物を含む食品にあっては同表の下欄に掲げる表示をもって、これに代えることができる。
出典:食品表示基準 第三条
その別表第七に、一括名が14種類ならんでいます。イーストフード、ガムベース、かんすい、酵素、光沢剤、香料、酸味料、チューインガム軟化剤、調味料、豆腐用凝固剤、苦味料、乳化剤、水素イオン濃度調整剤、膨張剤です。
消費者庁は、この仕組みをこう説明しています。
複数の添加物の組合せで効果を発揮することが多い食品添加物や、食品中にも通常存在する成分と同じ食品添加物は、物質名の代わりに一括名で表示することができます。
出典:消費者庁食品添加物表示に関するマメ知識
「アミノ酸」と「アミノ酸等」は、意味が違う
別表第七の下欄には、調味料の書き分けまで指定があります。原文どおりに示します。
- アミノ酸のみから構成される場合……調味料(アミノ酸)
- 主としてアミノ酸から構成される場合……調味料(アミノ酸等)
- 核酸のみ……調味料(核酸)/主として核酸……調味料(核酸等)
- 有機酸のみ……調味料(有機酸)/主として有機酸……調味料(有機酸等)
- 無機塩のみ……調味料(無機塩)/主として無機塩……調味料(無機塩等)
「等」の1文字は、アミノ酸以外のものが混ざっているという合図です。逆に「等」がなければ、アミノ酸だけで組まれています。
GREEN SPOONのメインディッシュには、調味料(アミノ酸)と調味料(アミノ酸等)の両方が印刷されていました。この書き分けが理由です。

中身を知りたいときは、表示責任者に問い合わせる
では、何が入っているのかを知る方法はないのか。消費者庁は、袋に印刷された表示責任者への問合せをすすめています。同じPDFに、問合せ内容の例が挙がっています。
- 一括名で表示されている食品添加物の詳細を教えてほしい
- 表示を省略している食品添加物を教えてほしい
袋の裏だけでは中身にたどりつけない前提で、案内が用意されているということです。
宅配弁当9社の表示で、調味料(アミノ酸等)はこうなっていた

当サイトが1社ずつ点検した9社のうち、調味料(アミノ酸等)が0件だったのは2社でした。生活クラブとシェフの無添つくりおきです。
対象は、注文する前に原材料名が表示される9社です。会社ごとに対象品数が違うので、件数と母数をそのまま示します。
| 会社 | 確認した商品数 | 調味料(アミノ酸等)の件数 |
|---|---|---|
| 生活クラブ | 惣菜・おかず85品 | 0件 |
| シェフの無添つくりおき | 公式が公表する使用添加物2つ | 0件(にがりと水酸化カルシウムのみ) |
| コープデリ | CO・OP商品10品 | 当サイトの記事に件数の記載なし |
| わんまいる | 10食30袋 | 19袋 |
| GREEN SPOON | メインディッシュ51品 | 34品 |
| ナッシュ | 人気6メニュー | 6メニュー全部 |
| デリピックス | 人気10メニュー | 10メニュー全部 |
| 三ツ星ファーム | 人気10メニュー | 10メニュー全部 |
| 食宅便 | おまかせコース10メニュー | 10メニュー全部 |
コープデリの10品については、当サイトの記事に調味料(アミノ酸等)の件数を書いていません。ここは推測せず、記載なしのままにします。
冷凍の弁当4社は、全メニューに入っていた
形がはっきり出たのは、1食完結型の冷凍弁当です。ナッシュ、デリピックス、三ツ星ファーム、食宅便は、対象メニュー全部に調味料(アミノ酸等)がありました。合計36メニューで、例外は1つもありません。
各社の記事では、共通する品目が2つだけという結果も出ています。もう1つは加工でん粉系のとろみ材です。
1食で主菜と副菜が3品前後そろい、冷凍と再加熱を通ります。味の輪郭を保つ役目が要るということです。
0件だった2社は、成り立ちが違う
生活クラブは公式の食品添加物のページで、天然香料などを除く803品目のうち93品目しか使用を許容していないと公表しています。85品の表示に、この表記は1件もありません。
シェフの無添つくりおきは、公表している使用添加物が2つだけです。塩化マグネシウム(にがり)と水酸化カルシウムで、そこにこの表記は入っていません。
85品すべてで0件という生活クラブの結果は、母数の大きさで際立ちます。会社の掲げ方ではなく、表示の件数で出た数字だからです。
パルシステムは一括名を使わない。だから品目数だけでは横並びにできない

件数を横に置くとき、いちばん引っかかるのが表示の書き方の差です。パルシステムは、この一括名をそもそも使わないと公表しています。
公式の商品づくりのページにこうあります。使用した添加物はできるだけ情報開示したい。だから自社商品の添加物名は原則、物質名で記載する。短く表示できる場合でも、そうする、と。
ここから逆説が生まれます。
- 一括名を使う会社……乳化剤や調味料と1つ書いて終わる
- 物質名で出す会社……使った物質を2つでも3つでも印刷する
- 中身が同じでも、後者のほうが品目数は増える
細かく出す会社ほど、表示の品目数は多く見えます。情報を出す姿勢が、数字の上では不利にはたらくということです。
だから品目数だけで会社をならべる作業には、限界があります。14社の公開状況は宅配弁当の原材料名がどこまで表示されるかの記事にまとめました。
GREEN SPOONが「使わない」と決めた56品目に、この表記は入っていない

無添加を思わせる会社でも、調味料(アミノ酸等)は入ります。線引きの外にあるからです。
GREEN SPOONは公式の食品づくりの約束で、使用しない食品添加物を5分類56品目で名指ししています。保存料や甘味料が並ぶリストです。
当サイトがメインディッシュ51品の表示を点検した結果は、次のとおりでした。
- 56品目に該当する表記……51品とも0件
- 調味料(アミノ酸等)または調味料(アミノ酸)……51品中34品
- 加工でん粉または増粘剤(加工でん粉)……51品中45品
公式の約束と表示は食い違っていません。ただし約束の外側に、この表記は残ります。名指しされていないものは、対象外だからです。
同じことがわんまいるにも当てはまります。公式が掲げているのは「合成保存料・合成着色料は不使用」の2つで、30袋のうち19袋にこの表記がありました。名指しの外は、原材料名で確認するしかありません。
では、原材料名のどこを探せばいいのか

探すのは「調味料(」という並びだけです。ここまで絞ると、注文前でも数十秒で判定できます。
手順は3つです。
- 原材料名の欄で、スラッシュ(/)を先に探す。スラッシュより後ろが添加物です
- その後ろで「調味料(」という並びを探す。かっこの中がアミノ酸でも核酸でも、一括名であることは同じです
- 原材料名とは別に「添加物」の欄が立っている商品なら、その欄の中だけを探します
スラッシュも添加物欄もなければ、添加物の表記そのものがありません。生活クラブの85品では55品がこの形でした。
注文前に表示が出るかどうかで、判定できる会社が決まる
この手順が使えるのは、買う前に原材料名が表示される会社だけです。当サイトが点検した14社では9社でした。あとの5社は、手元に届いてから容器の裏で確認する形になります。
公開していない会社が違反しているわけではありません。容器に貼る表示は義務ですが、通販の商品ページに同じ内容を載せる義務まではないからです。
冷凍の1食完結型で0件を探すのは、現時点ではかなり難しい形です。冷蔵で届く作り置きや、生協の惣菜まで候補を広げるほうが早いと思います。5社の違いは無添加のおかず宅配おすすめ5社の記事にまとめました。
「無添加」という表示そのものにもルールがあります。意味は無添加とはどういう意味かの記事にまとめています。
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よくある質問
- Q調味料(アミノ酸等)と化学調味料は同じものですか?
- A
表示のルールにあるのは「調味料」のほうです。食品表示基準に「化学調味料」という語は1度も出てきません。原材料名で手がかりになるのは、調味料(アミノ酸等)などの表記の有無です。
- Q調味料(アミノ酸等)の中身は表示から分かりますか?
- A
分かりません。食品表示基準の別表第七で一括名の表示が認められているため、物質名は印刷されません。消費者庁は、袋に印刷された表示責任者への問合せを案内しています。
- Q「調味料(アミノ酸)」と「調味料(アミノ酸等)」は何が違いますか?
- A
別表第七に書き分けの規定があります。アミノ酸のみから構成される場合は「調味料(アミノ酸)」、主としてアミノ酸から構成される場合は「調味料(アミノ酸等)」です。核酸、有機酸、無機塩にも同じ書き分けがあります。
- Q調味料(アミノ酸等)が0件だった宅配はどこですか?
- A
当サイトが表示を点検した9社では、生活クラブとシェフの無添つくりおきの2社でした。生活クラブは惣菜・おかず85品すべてで0件です。コープデリの10品については、当サイトの記事に件数の記載がありません。商品は入れ替わるため、注文前に表示をご確認ください。
まとめ:調味料(アミノ酸等)が0件だったのは、9社のうち2社だった

9社の表示から出た答えは3つです。
- 調味料(アミノ酸等)が0件だったのは2社。生活クラブの惣菜・おかず85品と、シェフの無添つくりおきです
- 冷凍の1食完結型は、対象メニュー全部に入っていました。ナッシュ、デリピックス、三ツ星ファーム、食宅便の合計36メニューです
- 中身は表示から分かりません。食品表示基準の別表第七で、一括名の表記が認められているからです
「無添加っぽい会社なら入っていないはず」は成り立ちません。GREEN SPOONが名指しした56品目にこの表記は含まれず、それでも51品中34品にありました。
パルシステムのように、一括名を使わず物質名を印刷する会社もあります。細かく出すほど品目数は増えます。
やることは1つです。気になる商品ページで原材料名を表示して、スラッシュより後ろに「調味料(」があるかどうかだけを確認する。それで、うわさではなく表示で判定できます。
「味付けは任せたいけれど、この表記は外したい」なら、冷凍の弁当以外にも道があります。料金と仕組みを点検したシェフの無添つくりおきの検証記事もどうぞ。
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